


『ほんやくすると』
¥1,760 税込
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斉藤倫・うきまる/作 くのまり/絵 32P ブロンズ新社
【「ほんやく」しなくても、分かりあえることがあったりするのです。】
生まれたれの赤ちゃんに犬が自分のしっぽを振る意味を教えます。
ほんやくすると、「とっても うれしい!」ってこと。
泣いている赤ちゃん、お腹がすいた?眠たい?おしっこ?ほんやくすると「おかあさーん!」。
ボロボロになったぬいぐるみ、ほんやくすると「おきにいり!」。
カチカチと響く時計の音、ほんやくすると「いま おんなじ ときを すごしている」。
誕生日の時のろうそくの火、プレゼントの包みが大げさなのは、しとしとと雨の音、それぞれの翻訳があります。
丁寧に選ばれた言葉だけが文として書かれていて、その言葉と一緒に呼吸するように、シンプルに、時には大胆に描かれた細部に至るまで丁寧に描かれた絵から、生命の美しさ、生きる喜びを感じます。
【丈太郎のひとりごと】
メルヘンハウスでも人気の『のせのせ せーの!』(https://shop.meruhenhouse.com/items/84216122)のトリオが描いた、優しく柔らかいお話です。
詩人の斉藤倫さん、絵本作家のうきまるさんが丁寧に紡ぎ出した言葉を、イラストレーターのくのまりさんが丁寧に描く世界観は『のせのせ せーの!』同様、とてもシンプルながらも奥深さを感じます。
犬の言葉が次々と「ほんやく」されていきますが、最初は生まれたばかりの男の子の赤ちゃんの成長し少年になるにつれ「ほんやく」がシンプルになっていきます。
そして、会話となり、やがて言葉がなくても通じ合う少年と犬の関係がとても素晴らしく思います。
僕も犬を飼っていたので、この気持ちがとても分かります。自分が成長していくことにより、犬が言わんとしていることが自然にわかったり、時には的外れな解釈をして怒らせたり、犬と人間の関係を超越した「親友」となっていきました。
少し前までは犬や猫はペットでしたが、今では友であり、親であり、家族の一員なのです。
なんだか僕と犬との様々な思い出が一気に蘇り、今は会うことが出来ない犬を想いセンチメンタルな気分にもなりましたが、きっと向こうの世界でも楽しくやっているだろうと、いつか再会できる日を楽しみにしながら絵本を閉じました。
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