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『うろおぼえ一家のおみせや』
¥1,540
出口かずみ/作 32P 理論社 【うろおぼえでお店が出来るのか⁉︎】 おかあさんがお米を買ってきましたが、なぜか家にはたくさんのお米がありました。驚きながらもそれを使い「おみせや」を開くことに。はてさて、うまくお客さんに商品を手渡せるでしょうか。うろおぼえ一家節は今日も健在です。 (以上、出版社のコメント引用) ※先着順にて、非売品の「うろおぼえ一家」オリジナル付箋をプレゼント! 【丈太郎のひとりごと】 昨年、出版された「うろおぼえ一家」シリーズの最新刊。1作目から前作までとは、また違う雰囲気のお話です。と言うか、こうやって4冊並べて読んでみると、ちょっとずつ一家に進化が見られます。 だって、うろおぼえでお店が出来ると思いますか?それができちゃうのです!そこはこの「うろおぼえ一家」が1作目からずっと脈絡が続いている「思いやり」とか「優しさ」とかがあるからなのです。 個人的に色々と忙しく、心に余裕がなかった昨年(2024年)の9月に、良いタイミングで出版され一家に救われました。今作では今まで登場しなかった「うろおぼえ一家」のルーツを垣間見ることが出来ます! そして一家と同じく「メルヘンハウス」と言うお店をやっている者として「こんな結果オーライ的な接客もアリだな!」とヒントをもらったりしました。 日々の忙しさに追われて生活している子どもたちから大人まで、皆さんにオススメです。 “Take it easy” なライフスタイルも良いものだと思います! 実は「うろおぼえ一家」シリーズは、現代社会の時間に追われて生活されているようなことに対して「これで本当にいいのかな?」と、社会風刺をユーモアと面白さと楽しさのベールに包み隠しながら問題定義をしているのでは?と4作を読んできて思いました。 いかん、いかん!どうも大人の悪い癖で深読みをしてしまった! 皆さん、思いっきり笑って楽しんでください!
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『うろおぼえ一家のきゅうじつ』
¥1,485
出口かずみ/作 32P 理論社 【メモが登場!3作目にして「うろおぼえ」を遂に脱却か?】 うろおぼえ一家のお父さんがはまっているもの。それは「メモ刑事」です。 おおいに影響されて、休日に一家揃ってその日の計画をメモして出かけることに。 行く先々で困っているひとびとに出会い、知らず知らずそのメモは目的と外れて大活躍…⁉︎ (以上、出版社のコメント引用) ※先着順にて、非売品の「うろおぼえ一家」オリジナル付箋をプレゼント! 【丈太郎のひとりごと】 「うろおぼえ一家」も3作目。「もうそろそろお決まりのパターンのお話なんだろうなぁ。」と思いきやココで一気に一家が成長。なんと!忘れないようにメモ帳に書くと画期的なアイディアが!と思いきや、やっぱり、、、。 しかし、そのメモ帳が大活躍!これは今までにない展開でした。 シリーズになっている絵本や児童書は「お決まりのパターン」があり、毎回同じ流れだったりするのですが、だから面白くないという訳ではありません。安定したパターンの中で「やっぱりなぁ」なんて言いながら、新しいお話を楽しめたりします。 「うろおぼえ一家」シリーズもそんな安定感もありながら、毎回面白いテーマで描かれています。 前作、前々作とはまた異なった世界観をお楽しみください!
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『うろおぼえ一家のパーティー』
¥1,485
出口かずみ/作 32P 理論社 【パーティーするぞ!で、誰の?」 とある一家は、家族全員、揃いも揃ってうろおぼえ。まもなく誰かの何かのお祝いの日なのですが、いざパーティーを開こうとすると、誰の何のお祝いだったか?…やっぱりうろおぼえ。けれどお祝いしたい気持ちは本物なのです……。 (以上、出版社のコメント引用) ※先着順にて、非売品の「うろおぼえ一家」オリジナル付箋をプレゼント! 【丈太郎のひとりごと】 出ました!まさかの第2作目!初作の『うろおぼえ一家のおかいもの』 https://shop.meruhenhouse.com/items/97202016 は、確かに面白いし、子どもから大人までがゲラゲラ笑いながら1作目を読んでいる光景を、メルヘンハウスでもよく目にしましたが、2作目が出るとは思っても見なかっただけ嬉しいです。 確かに面白いし、子どもから大人までがゲラゲラ笑いながら1作目を読んでいる光景を、メルヘンハウスでもよく目にしましたが 前作の今作も「うろおぼえ」は全開モード!でも、そんな「うろおぼえ」が良いのです。白黒ハッキリつけて、結果、効率化、タイパ(タイムパフォーマンス)を気にする現代社会。 そんな社会の真逆をいく「うろおぼえ一家」ですが、このぐらいゆっくり迷い、悩み、考えと「効率悪い」と言う隙間時間があっても良いとは思いませんか? 面白く可笑しくて笑いながら読んでいながら、そんなことを思いました。 毎日忙しくしている子どもから大人までに読んで欲しい絵本です!
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『うろおぼえ一家のおかいもの』
¥1,430
出口かずみ/作 32P 理論社 【うろおぼえにも程がある!】 お父さんにお母さん、お兄さんに弟、妹。揃いも揃って<うろおぼえ>が多いあひるの一家は、ある日、お母さんから買い物を頼まれて出かけたけれど、何から何までうろおぼえ。 道中ヒントをもらいながら、はてさてどんな結末に? (以上、出版社のコメント引用) ※先着順にて、非売品の「うろおぼえ一家」オリジナル付箋をプレゼント! 【丈太郎のひとりごと】 記念すべき「うろおぼえ一家」シリーズの1作目! 最初読んだ時「これって、もしや僕の小tじゃないか?」と思いました。そう、僕も「うろおぼえ」を通り越して忘れてしまうので必ず何かにメモをしています。 作者の出口かずみさんの描く絵は、昭和の風景の懐かしさを随所に散りばめられていて、そのうえ一家はとてもキュートに描かれて、愛とおしく感じます。 ページを読み進めていくと、なんとも言えない脱力感と一家を応援したくなる気持ちになります。例えれば、「志村!うしろ!うしろ!」とドリフターズのコントに、テレビに向かって突っ込んでいるような感覚です(昭和の話なのでわかる人には伝わると思います。 そして、まさかこの本から続編が立て続けに発表されていくとは思っていませんでした。
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『おきにいりのしろいドレスをきてレストランにいきました』
¥1,650
渡辺朋/作 高畠那生/絵 32P 童心社 【擬音語だけで惨劇が進んでいく大騒ぎの絵本!】 しろいドレスを着た女の子が、家族がレストランで食事をしています。オムライスをスプーンに乗せて食口に入れようとした瞬間、 「あっ!」 「ぼとっ」と、しろいドレスに赤いケチャップが落ちてしまいました! 「ががががーん」 女の子の顔は真っ青というより緑に。パパもママも驚き「げげげげーん!」。お店のひとは驚き「ばばばばーん!」とよろめき、持っていたワインを「びびびびーん!」と落とし、レストランにいた人全員が「ででででーん!」とひっくり返ります。 レストランの外の広場では、ロックのギタリストが「ぎぎぎぎーん」と空を飛び、コーラス隊が歌い、お坊さんが鐘をつき、忍者、サンタクロース、お相撲さん、ベートーヴェンまでが、それぞれの音を立てて登場! そして、みんなで女の子のしろいドレスのケチャップで赤くなった箇所を見て「がーん!」 と、ここで終わると思いきや、場面は変わり予測不可能な終わり方をします。 一行の文章以外、全て擬音語で書かれているこの絵本。しかし、しっかりとお話になっているのは、その擬音語が溢れかえる状況を細部までユーモアに描かれた絵の力によるものです。 【丈太郎のひとりごと】 実はこの絵本は色々な賞を受賞しているのですが、その中でもナント!第10回絵本テキスト大賞・大賞」を受賞してるのです!たった一行と沢山の擬音語だけで!しかし、その擬音語からは「心の叫び」が聞こえてくるようです。 海外作家と間違えられるぐらい日本人離れしたユニーク画風がとてもオシャレで、躍動感に満ちています。 これは読み手の実力にもよりますが、子どもたちが大喜びし大笑いすること間違いなしです!
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【お正月絵本の新たな定番、ここに誕生!】『いかあげたこあげ』
¥1,430
高畠じゅん子/作 高畠純/絵 32P 偕成社 【イカがたこあげ。それってどういうこと?】 「いくぞー」と元気よくタコが「たこあげ」しようと走るも一向にたこは上がる気配がありません。 そこへ「いいかぜ、いかすぜー」とイカが走り込んできて、大空に「イカの形をしたたこ」が上がっています。 それを見たタコがイカに向かって、「たこあげするな」と言いますが、イカは「いかあげ」だと言い返します。二人は喧嘩になり、周りにいた動物たちが寄ってきました。 タコは集まってきた動物たちに、「イカの形をしたたこ」を見せて、「たこ」だと思うか聞き、イカは「いか」だと思うか聞きますが、みんなは困ってしまいます。 二人は自分の言い分を絶対に曲げません。それどころか動物たちを巻き込んで、様々な例を出していきます。 「それじゃあ クイズ!とイカが言い出しました。「イカがたべるのはスイカ。じゃあタコがたべたら?」これにタコは「ス、・・・・・・タコ?」と答え、動物たちは納得してしまうのです。 もう、ここからが大変なことに! カバがもてば「カバン」、タコがもてば「タコン」。トラがあそべば「トランプゲーム」、タコがあそべば「タコンプゲーム」。サイがなげる「サイコロ」、タコがなげる「タココロ」etc...どんどん訳のわからない言葉の応戦がエスカレートしていくばかり。 果たしてこの言葉のこんがらがった様子はどうなっていくのでしょう? 読者も読めば読むほど混乱する、なんとも可笑しな言葉あそび絵本です。 カラフルな色で描かれた背景やモノと、動物たちが躍動感に溢れんばかりに描かれた絵は、読み手を明るい気持ちにしてくれます。 【丈太郎のひとりごと】 皆さんお馴染みの「高畠JJコンビ」による、お正月のプレゼントにピッタリなユーモア絵本です。毎回面白い絵本を作っているコンビですが、その中でもこの訳の分からなさ、くだらなさに脱力する絵本は、僕が今まで見てきたコンビの絵本でも初めてかも! 「高畠JJコンビ、また一段と腕をあげたな!」と、上から目線で申し訳ないですが賛辞を送りたいと思います。 僕はこの絵本を読むと、頭の中がこんがらがってしまい困ってしまうので、一度冷静になってからもう一度読んでみたいと思います。 えっ?いつになったら冷静に読めるかって?そりゃ、お正月に決まってるでしょ!たこあげでもしながら、いや「じょうたろうあげ」でもしながら考えることにしよう! 新たなお正月絵本がここに誕生!
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【限定30冊、送料無料!】【ただ面白いだけじゃない!この絵本は大人への挑戦状でもある問題作!】『ムニャムニャゆきのバス』
¥1,760
長新太/作 32P 偕成社 【最後のページに書かれている、長新太からの大切なメッセージ!】 遥か彼方より「ムニャムニャゆき」のバスがやってきます。「ベエー ベエー」とブザーの音が鳴り、誰か降りるみたいです。降りてくたは海の魚。山の池の魚に用事だったのか?そして、また「ベエー ベエー」とブザーの音。今度は三角定規が降りて行きました。 「ベエー ベエー」とブザーが鳴っては、奇想天外で予測不可能なものが降りて来るのが繰り返されます。 ショッキングピンクに赤やオレンジなど、カラフルな色でおおらかに描かれた絵は、子どもは大笑いしながら「自由」という解放感をたっぷりと味わうことでしょう。 【丈太郎のひとりごと】 長新太という名前を聞けば、ちょっと絵本に興味がある人であれば『キャベツくん』(文研出版)を思い浮かべる人が多いと思います。 長さんの描いてきた数々の絵本は、世の中の常識や既成概念に囚われることのない「ナンセンス絵本」と呼ばれるものがほとんどです。この絵本は『キャベツくん』の遥か上をいくナンセンス絵本です。 子どもたちは予想を遥かに超えたバスから降りてくるモノや人に、驚き大笑いすることでしょう。しかし、大人の多くは「この絵本の意味って何?」と思うことでしょう。その答えがこの絵本の最後のページに書かれています。 結果や答えを直ぐに求める時代で、長新太がこの絵本で放った言葉がどれだけ大切なことなのか?それは長新太の絵本だけでなく、全ての絵本に共通することなのです。 大人には長新太の言葉をじっくりと考え受け止めて欲しいものです。
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『もりのおくのおちゃかいへ』
¥1,320
みやこしあきこ /作 32P 偕成社 【森の中で体験した不思議で柔らかなお話】 キッコちゃんが目を覚ますと雪は止んでいましたが、お父さんはおばあちゃんの家に雪かきをしに出かけます。ところが、お父さんはおばあちゃんに渡すケーキを忘れて行ってしまいました。 キッコちゃんは今ならまだお父さんに追いつけると思い、ケーキを持って雪の森の中を歩きます。しばらくするとお父さんらしき後ろ姿が見えたので、駆け出しましたが転んでしまいケーキもつぶれています。 キッコちゃんはまた箱を抱え、雪の森の中をお父さんを追いかけます。やっとお父さんに追いついたと思ったところ、お父さんは見知らぬ家に入って行きました。キッコちゃんは不思議に思ってそっと家の中を覗くと、、、。 モノクロを基調とした繊細な絵がとても柔らかく、所々に色が着色されて描かれているのが特徴的な、森のファンタジー絵本です。 【丈太郎のひとりごと】 海外でも評価も高いみやこしあきこさんの冬の絵本です。 モノクロが貴重になって描かれていますが、繊細で丁寧な絵は、他の作品でも多くのファンを魅了しています。 このモノクロの世界に色をつけていくのは子どもたち(読者)です。きっと各々で色んな色をつけ、この世界観を存分に楽しむことでしょう。
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『こびとのおうち』
¥1,650
鬼頭 祈/作 32P WAVE出版 【なんでも家にしてしまう、こびとの旅!】 こびととりすが旅をします。最初にどんぐりを見つけました。 「カリカリ トントン よいしょ よいしょ」 どんぐりがお家になりました。そしてちょっと休んで出かけます。次は積み木を見つけました。 「つみつみ ふむふむ よいしょ よいしょ」 積み木がお家になりました。そしてまたちょっと遊んで出かけます。こうして旅の途中で見つけたラムネ、本、いちご畑など、あらゆるものをお家にしながら旅は続きます。 そして何もないところに来て、 「ほりほり さらさら ほりほり さらさら〜」とどんどん地面を掘っていくと、、、。 黄色を基調としたセンスの良い配色で、可愛いながらもどこかクールな感じもする絵は、「次はどんな家になるのだろう?」と、読者を次のページをめくるワクワク感を演出しています 【丈太郎のひとりごと】 お話がとてもシンプルで繰り返しの気持ち良さを感じます。擬音語もたくさん使われているので、子どもたちも楽しく読むことができるでしょう。 そして、なんと言っても絵が素晴らしい!すごく軽やかに描かれているようで、細部までしっかりと表現されていて、バランスが良いです。そして、「遊び心」をとても感じます。 そして、この絵本自体がとてもクール!「絵本」という媒体に媚びてない、つまりは読み手となる子どもと「対等」な位置にあると思います。
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『かおたいそう』
¥1,210
むらたよしこ /作 24P 偕成社 【0歳から100歳まで、どうぞみなさん、ごいっしょに!】 「きょうも かおを ほぐして はじめましょう。」 ページを開くとタイトルとともに、こんな一文が書かれています。次のページを開くと左ページに「ま」、右のページに口を大きく開いた「ま」を言ってる顔が画面いっぱいに描かれています。 「む」は顔をまんなかにギュッと集めて、「のーん」は鼻の下のばして、「でべぇー」はもうおしまいだの顔、、、言う言葉で様々な顔を楽しむ事ができます。 大きく描かれた絵は迫力があり、一緒にマネして顔体操をするのが面白い絵本です。 【丈太郎のひとりごと】 この絵本のキャッチコピー「0歳から100歳まで、どうぞみなさん、ごいっしょに!」の通り、幅広い年齢層で楽しめそうな絵本です。 保育園・幼稚園はもちろんのこと、シニアの方の施設などでもやってみたら、皆んな楽しめることでしょう。 それにしてもこの顔の人物は誰でしょう?男女も年齢層も分からない!なんとも不思議な顔立ちです。ちなみに僕には「おばさん」に見えます。でも意外と若いのかも?そんなことを考えるのも面白い絵本です。
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『きょういちにちのラッタッタ!』
¥1,870
柚木 沙弥郎/人形 荒井 良二/絵とことば 32P アリス館 【不思議で楽しい!人形たちの幻想的なオペレッタ(歌劇)】 人形たちの今日一日の朝が来て、今日一日の歌が始まります。 「はじまり はじまり オペレッタ はじまれ はじまれ ラッタッタ!」 オペレッタとは歌劇のことです。人形たちの一日をオペレッタで表現されています。 特にストーリーがあるわけでもなく、その時々に感じた事が書かれていて、各ページの文末には必ず「ラッタ ラッタ ラッタッタ!」で締められます。 実際に作られた人形と詩的に自由さを感じる言葉の数々。絵も明るく抽象的に描かれているため、読み手の想像力を存分に発揮して楽しむ事ができます。 【丈太郎のひとりごと】 最初は中々この絵本の世界観に入り込めなかったのですが、何度も読んでいるうちに心がウキウキしてきました。 人形を制作した柚木 沙弥郎さんは残念ながら今年亡くられましたが、荒井 良二さんの絵とのマッチングはバッチリです! お話を楽しむ絵本として、またはアートブックとしても十分に楽しめる絵本です。
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【訳したのは矢野顕子!】『ホットドッグ』
¥2,090
SOLD OUT
ダグ・サラティ/作 矢野顕子/訳 40P Gakken 【都会の暑さに犬もギブアップ!そして、、、。】 うだるような暑さの夏の大都会。普段であれば楽しいお散歩タイムですが、この暑さにホットドッグ似の犬もギブアップ、もうバテバテ。そこで飼い主の女性が取った行動は…。 夏のけだるさや避暑地の爽快感を、アメリカン・コミック風に描かれた絵でスタイリッシュに表現されています。 【丈太郎のひとりごと】 個人的にアメリカン・コミック風に描かれた絵にとても好感を持ちます。 大都会のストリート感とその真逆の光景が見事に表現されています。 この絵本を訳しているのは、日本の音楽シーンを引率してきた1人でもある矢野顕子。絵の魅力を損なわないように、出来るだけ言葉を削ぎ落とし、読者を絵に向かわせています。 「暑さ」をテーマにしている絵本ですが、爽やかさと軽快さを感じます。
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『わたしを 描く』
¥1,980
曹 文軒/作 スージー・リー/絵 申 明浩 広松 由希子/訳 42P あかね書房 【絵を描くことに魅せられた少女のお話。】 私はウロ。「雨」に「露」と書いて「ウロ」と呼びます。絵を描くのが大好きです。父さんは子供の頃から絵描きになりたかったそうですが、大人になると布屋になりました。父さんはウロを絵描きにしようと決めました。 父さんは空が小さい時から絵を教えました。ウロのことを天才だと言いました。8才になると、父さんは自分では教えられないから、有名な絵描きを家に招いてウロに絵を習わせました。 父さんが「うろ、そろそろ自画像を描いてみたらどうだい。」と、画材屋が並んだ細い道に行き、上等な「雨露」という名のキャンパス生地を買いました。 ウロは1週間が過ぎ、また1週間が過ぎて、ついに自分の自画像を描きあげました。父さんも母さんもその自画像を褒め称え、父さんは絵の先生や自分友達に電話をかけて、明日の朝ウロの自画像を見にきて欲しいと頼みました。ウロは寝る前に自画像を自分の部屋に運び、絵の中のウロを見ながら寝ました。 次の朝、母さんの声に起こされてウロは夢から覚めました。そしてキャンバスを見ると、、、。 思いっきり躍動感のある筆使いでもあり洗練感たっぷりの絵で、ウロをはじめイキイキと描かれています。 【丈太郎のひとりごと】 ウロよいう少女が絵を通して、挫折しながらも成長していく姿が描かれています。 絵を描いているスージー・リーは、今韓国で注目を浴びている画家です。伸びやかに躍動感があり、しかし、基礎がしっかりしているため、しっかりと美しく絵が描かれています。 「わたしを描く」とは自分を見つけることかもしれません。何度も描き直し、本当の自分に近づいていくウロの成長の記録の絵本です。 やりたいことに一歩踏み出せない、何がしたいか分からない、なんていう子どもや大人にオススメな絵本です。
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『みんなのいちねん』
¥1,760
たけうち ちひろ/作 38P アリス館 【みんなのいちねんってどんないちねん?】 全体を通して家や店の断面図になっています。12ヶ月毎月分が描かれており、その月によって洋服や持ち物など人の風景や雰囲気が変わっていて面白いです。 しかも、全てが切り絵で制作されており、メルヘンハウスでは今月いっぱい原画展を開催していますが、特筆すべき点は緻密な細かい箇所などでもしっかりと切り抜かれていこと。この原画は一見の価値があると思います。 切り絵のせいか、画面の色や形がハッキリとしていて、とても見やすくなっている。原画を見るとそこに紙の厚みも加わり、立体感を出している。是非原画をお楽しみ頂きたい。 【丈太郎のひとりごと】 ずっと作者の作品は「いいなぁ!」と思っていましたが、この度この絵本の原画展を開催させて頂けることになりました。 絵本とは異なり、紙が重なり合う厚さや緻密なところの制作まで丁寧にされています!
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『なんていいひ』
¥1,980
リチャード・ジャクソン/作 スージー・リー/絵 東 直子/訳 42P 小学館 【子どもの躍動感をイキイキした絵で表現!】 外は雨模様なのに子どもたちは「なんて いいひ・・・」と喜び出します。 家の中で「くるくる おどり」、「くるくる まわり」、「ゆらゆら ゆれて」、「どんどん ふんで」、「どん どん どん!」 「なんて いいひ・・・」 外出たら、スキップして、歌を歌って、「ひゅうひゅう ひゅるるる」と雨がやめば、傘を投げ出して 「なんて いいひ・・・」、「さあ、はじけちゃおう!」と晴れ間を待っていたかのように色々な遊びをやります。 モノクロを基調として、子どもたちの思い切りの良い動きの躍動感が溢れんばかりに、絵で描かれています。 【丈太郎のひとりごと】 少ないテキストで、絵で子どもたちの楽しげな感じが、ものすごい躍動感で描かれています! 韓国で勢いのある作家スージー・リーの描く世界は、やはりとても素敵なものでした。 こんなに子どもたちが楽しそうに遊んでいる姿からとても勇気をもらえる絵本です。
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『パパのカノジョは』
¥1,430
ジャニス・レヴィ/作 クリス・モンロー/絵 もん/訳 31P 岩崎書店 【ちょっと変わったパパの彼女。実は、、、。】 パパの新しい彼女は変わっている。そして、すごくカッコ悪いのです。パパは彼女をスイートポテトちゃんなんて呼ぶけれど、私はなんとも呼びません。 パパの彼女はサッカーもしないし、ジムにも行かないし、ゲームなんかもしません。アイススケートも乗馬も全然興味がありません。スカートなのにスニーカーを履いて、髪はまるでヤマアラシのようです。 しかし、彼女のスイートポテトはパパの今までの彼女より一番長続きしています。 パパの彼女は私の話を聞いてくれて、秘密はちゃんと守ってくれます。学校の発表会では一番大きな拍手をしてくれるし、かけっこのゴールではいつまでも待ってくれます。私のものをガラクタと言わないし、勝手に触りません。 ケンカをして帰ったら、私の見方をしてくれるし、頭が痛い時はさすってくれて、「泣いても良いんだよ」って言います。 色鮮やかな絵で、パパの彼女との様々なやり取り、出来事を描いています。 【丈太郎のひとりごと】 最初はパパの彼女に嫉妬していましたが、徐々に彼女の良さに気づいていく子どもの素直さを感じます。 あっさりとした文章ながらも温かみのある内容で、子どもからみた大人への視線が表現されています。最終的に彼女を認めていく姿はとても微笑ましいです。
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『なつのいちにち』
¥1,000
はたこうしろう /作 32P 偕成社 【夏の田舎の原風景が美しい】 この えほんの なかに あなたの なつの おとは きこえますか。 この絵本のカバーの折り目に書かれたこの一文。男の子が網を持って暑い暑い夏の日に、1人でクワガタムシを捕りに出かけます。セミの鳴き声を聞きながら走り、海辺にはカモメも飛んでいる。線路の向こうは緑の田んぼが広がり、牛小屋の前は臭いので全速力! 果たして男の子はクワガタムシを捕まえることが出来るのでしょうか? 田舎の原風景がとても美しく、どこか懐かしいような日本の風景が各ページに存分に描かれおり、絵本の中に吸い込まれていくようにうっとりとしてしまいます。 夏の爽やかさがシンプルな文章と青が印象的な絵が読み手の心を掴みます。 【丈太郎のひとりごと】 前店舗にてこの絵本の原画展をやりました。原画の青は絵本よりもっと美しく、それはとても素敵でした。 僕の中で夏の絵本の定番と言ったら、この絵本になっています。夏を走る男の子の爽快感、田舎の原風景がどこか切なさも感じるのです。 地球温暖化により、連日猛暑の続く今の夏では体験できないことが、この絵本にはしっかりと刻まれています。
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【世界の三浦太郎の最新作!】『うみへやまへ』
¥1,650
三浦太郎 /作 38P 偕成社 【前からとうしろから、ふたつのお話が楽しめる絵本】 僕は生まれて初めてお父さんの生まれた海辺の町に行きます。その町には白い灯台があると、有名な画家の書いた絵葉書を見せてくれました。僕はまだ海を見たことがないのでとても楽しみです。 こんな日記からお話は始まります。朝早く白い車で山の家を出発して、色々な景色を見ながら海を目指します。牧場、田んぼ、駅、新興住宅地、ショッピングモール、高速道路、工場などを経て海が見える大きな橋を渡ります。そして港や漁港を通り、灯台のある場所にたどりつきます。 次は後ろからお話が始まります。私は初めてお母さんの生まれた山へ行きます。その家からは赤い鉄橋と大きな山が見えるらしいと古い写真を見せてくれました。早く、おじいちゃん、おばあちゃんに会いたいと思いました。 こんな日記からお話が始まります。赤い小さな車で海を目指していた僕とは正反対の景色の移り変わりを見ながら山へ向かいます。 この絵本だけで2つのお話が同じ画面で上下に分かれて進んでいきます。 作者の卓越したデザインセンスが存分に活かされた絵がカラフルに海へ行く子と山へ行く子の違う目線でカラフルに描かれています。 【丈太郎のひとりごと】 日本だけでだけなく、世界中で人気を博している三浦太郎の新刊です。これも三浦さんらしい素晴らしいセンスとアイディアできっと世界の子どもたちに喜ばれる絵本になると思います。 同じ画面構成を前から後ろから読み進めますが、感じることは僕と私では違います。その感覚も面白い! そして、洗練されたデザインの中にも人肌の温かみを感じます。 前から後ろからじっくり子どもと読んでみてください。きっと三浦太郎の優しさが伝わってくるはずです。
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『空気を変える 地球で生きつづけるために、今わたしたちができること』
¥1,870
デビー・リヴィ/作 アレックス・ボーズマ/絵 宮坂 宏美/訳 38P あすなろ書房 【気候変動の危機に私たちができること】 「地球温暖化」という言葉を聞いたことがあると思います。それは着実に進んでいるのです。 今、地球が抱える問題は空気中の二酸化炭素が増え続けていることです。そのことによりな年々暑くなっているのです。しかし、地球には空気から二酸化炭素を取り除く驚く力があるものがあります。 それはコンブやマングローブや土の持つ力です。それらか私たちの生活を守ってくれているのですが、それだけでは地球温暖化は防げません。 ではどうすれば良いのか? それは私たち人間の力で変えることができます。化石燃料を燃やす発電所から燃やさない発電所へ、地中の炭素を掘り起こす畑から掘り起こさない畑へ、ガソリンを使う車やバイクから使わないバスや自転車へと化学の力で人間ができることは沢山あるのです。 科学的根拠に基づき、シンプルな文章と細かい絵で環境問題がわかりやすく描かれています。 【丈太郎のひとりごと】 連日35度を超える気温で、子どもたちも外で遊ぶことも中々できなかったと思います。しかし、私が子供の頃は、日本はこんなに暑くなかったのです。せいぜい30度ぐらいで35度など珍しい暑さでした。 気候変動の危機は年々高まっています。人間にできることをまずは知って、日頃の生活から見直していくことが大切ではないでしょうか。
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『ほんのむこうへ』
¥1,540
なかい かおり/作 25P 岩崎書店 【本の中に入って遊ぼう!】 物語が好きな6人の子どもたちが、本の向こうに広がる世界に入っていくお話です。 実際に本の中に6人は登場して、色々な話を聞いたり、見たり、何をしているか想像したりします。 それはまるで絵本のお話の案内人のようにして、絵本に入っているのです。 この6人の子どもたちを絵本の中から探すのもとても面白いです。 細部に至るまで丁寧に可愛らしく描かれた絵は、何度見ても飽きることはありません。 【丈太郎のひとりごと】 本の中に入り込んでその場面などを解説したり、色々な感想をもったりする擬似体験がとてもユニークな発想だと思います。 実際に子どもたちは、こうして絵本の余白に入り込んで遊んでいるんだろうなぁと思うと、とてもワクワクします。 普段、本を読んでいても、その物語に入りずらい子どもたちにとっては、お手本になるような絵本です。
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『キャンプのずかん』
¥1,430
スズキ サトル/絵・監修 32P Gakken 【ビギナーからベテランまでキャンプのことなら、この絵本におまかせ!】 キャンプに関することなら、この1冊で全てがわかります。 キャンプの基本から、種類、マナー、服装、道具などはもちろんのこと、テントの建て方や、ロープワーク、刃物の安全な使い方、キャンプめしなど、項目ごとに事細かく書かれています。 子どもたちもわかるように漢字にはルビが入っていて、細密に描かれた絵と細かい説明に読み応えも十分です。 これからの夏のキャンプシーズンにピッタリの絵本です。子どもだけでなく、大人にも役立つ情報が満載なので、この1冊でキャンプのことが丸わかりです。 キャンプに行く前だけでなく、キャンプしている時、キャンプから帰ってきた時、全てにこの絵本が活躍することでしょう。 【丈太郎のひとりごと】 最近は全く行っていませんが、少し前まではキャンプに詳しい友達に誘われてキャンプに出かけることがありました。しかし、キャンプ初心者の僕は友達に言われるがまま準備したりしていました。 そんな時にこの絵本があったらどれだけ役に立ったことか! 子どもでもわかるように、そして正確に描かれているためこれからキャンプを始める子も、すでにキャンプに行ってる子、そして大人にもオススメなキャンプ絵本です。
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『目で見て かんじて 世界がみえてくる絵本』
¥2,200
ロマナ・ロマニーシン アンドリー・レシヴ/作 広松 由希子/訳 56P 河出書房新社 【人は目で見て何を感じるのか?】 「さいしょは、まっくら。なんにも見えなかった。」 「それから光があらわれた。」 冒頭、このような文章で始まるこの絵本。目はどうやって出来ていて、どのようにして動いているか?を細かく描かれた絵本です。 目の作り、目にみえる色の数、鏡に映る自分、目で見て人の感情を察知すること、メガネのこと、たましいなど目には見えないもの、人より目の良い生き物のことなど、目に関することが事細かく美しくデザインされたイラストと色で表現されています。 この絵本のベーシックになるのは蛍光色で、そこにしっかりとした解説もあり、視覚的にも思考的にも沢山の情報量があり、見るのも読むのも楽しい絵本です。 【丈太郎のひとりごと】 表紙のカラフルさ、デザインの良さから既に惹きつけられる絵本ですが、中を開くと情報量もたくさん!しかし、選び抜かれた言葉によってそれらの情報はくどいようなことはなく、どこかさらりとしていて、じっくり1ページ見ながらも、テンポ良くページを開くことが出来ます。 同じ作家が書いた『旅するわたしたち On the Move』(https://shop.meruhenhouse.com/items/83551699 )と一緒に楽しむのも良いと思います。コチラもこの絵本同様、優れたデザインと文章で楽しませてくれます。 「まだまだ知らない素敵な絵本は沢山あるのだなぁ」と思いながら、僕はじっくりと1ページずつ読みました。熱いメッセージをここまで洗練されたデザインと文章で表現できるのは、まさにアートとしか言いようがありません。 2冊のアートにどっぷり浸るのはいかがでしょう?きっと新しい「何か」が見えてくるはずです。
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【本当に怖い!僕はビビりました。】『いただきます。ごちそうさま。』
¥1,650
あさのあつこ/作 加藤休ミ/絵 東 雅夫/編 32P 岩崎書店 【なんでも食べてしまう恐怖の少年!】 「ぼくは、たべるのが だいすきです。なんでも たべます。たべられます。」 このなんでもない一文で始まるお話がまさか恐怖の展開になっていくとは、この時点ではわかりませんでした。 野菜、お肉、お魚、ニンジン、しいたけ、ゴボウ、とんかつ、やきそば、エビフライetc、、、。 「なんでも たべます。たべられます。」 ママはなんでも食べて偉いと褒めてくれます。パパも好き嫌いがないのは良いことだから、もっともっと食べるように促します。パパもママもにこにこです。 ぼくはどんどん食べて大きくなり、大きなぼくに大きな犬が吠えてきました。そして、大きな犬を食べました。 友達がぼくを見て太り過ぎ、風船みたいだと笑います。 「よくも、わらったな。たべちゃうぞ。いただきます。」 そうやって友達を、、、。 何処か薄暗い感じで土着的な迫力のある絵で、恐ろしい様子が迫るように描かれています。 【丈太郎のひとりごと】 絵本を見てこんなに怖い思いをしたのは本当に久々でした。 「怪談絵本」とあるだけあって本当に怖いです。食べ物も種類も半端なく多く登場します。表紙の絵からして何処か不気味な感じはしましたが、ここままでとは思いませんでした。 この恐怖を上手く表現しているのはクレヨンとクレパスのみで絵を描く加藤休ミさん。今までも多くの美味しそうなものを描いてきましたが、この絵本でも食べ物は美味しそうに描かれていますが、ちょっといつもの美味しそうな絵とは違って見えます。 タイトルだけ見ると、何かほのぼのとしたお話を想像しますが、中を開いて読み進めていくと、、、。是非この恐怖を味わって欲しいものです。絵本でここまで恐怖を感じることはないと思うほどの傑作です!
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『ちきゅうの かいだん』
¥1,650
松岡 たつひで/作 32P 金の星社 【過去の探検に出発!】 あるところにドアがありました。どうやら下へ階段があるようです。怖がる犬のギンタを連れて中に入っていくことにしました。階段を少し降りるとヘッドホンがありガイドをしてくるとのこと。早速ヘッドホンを撞着して、また下へ階段を降ります。 そうすると、まず2万年〜1万年前の動物たちがいました。ガイドからは詳しい説明が流れます。もっと降りていくと100万年〜10万年前、3000万年〜2000万年、7000年前と、時代を遡ってその時に生息していた生き物たちがいます。ヘッドホンからはその都度、解説が流れます。 この秘密のドアはどこまで続いているのでしょう?さあ、過去の世界へ探検に出発です! 細部まで細かく描かれ、ヘッドホンから流れてくるガイドもとても詳しく掲載されているので、生命の図鑑のような絵本です。 【丈太郎のひとりごと】 僕が幼い頃、この絵本の作者の『ぼくのロボット大旅行』(福音館書店)が大好きでした!本当に何百回と開いたかわからないほどよく読みました。 作者の松岡 たつひでの絵は、細かいところまでハッキリと描写されているのが特徴です。そのため、一度見て終わりということはなく何回も繰り返して見過ごしている細かい場面を再度チェックするのが楽しいです。 階段を降りていくだけに縦開きになっているところも特徴の一つです。 この絵本は地球の歴史上でどの時代にどのような生物が生息していたか、細かく解説されています。図鑑より親しみやすく楽しむことができることでしょう!