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3〜5歳〜  | メルヘンハウス

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  • 【今までの作品の中でも最高傑作!と言っても間違いない!】『ちょうちょちょうちょ』

    ¥1,760

    きくちちき/作 24P 偕成社 【ちょうちょに素朴な問いかけが優しく温かい】 「ちょうちょ ちょうちょ どこから きたの?」 「ちょうちょ ちょうちょ なにしているの?」 こんな素朴な問いかけをちょうちょにしながら、自らその答えを想像していきます。 各ページの基本となる色が鮮やかで、ちょうちょがその様々な色彩の中で綺麗な色で力みのない自然体で描かれた絵からは、ちょうちょのイキイキとした生命の喜びに溢れた姿に、思わずうっとりしてしまいます。 【丈太郎のひとりごと】 僕の中での「きくち ちき」という作家のイメージは、どちらかというと「大人向けの絵本を描く作家」でしたが、2017年に発刊された『パパおふろ』、『パパのぼり』(ともに文溪堂)辺りから、「どんどん子どもに近づいているなぁ。」と、近年の作品を観てイメージは変わってきました。 きくち ちきさんの作品は、気負うことなく自然体で筆がスラスラと自然に動いているような躍動感、そしてダイナミックさを感じます。 今作はちょうちょに語りかけるようなリズムの良いシンプルな文章が繰り返されているため、本のサイズからは想像しづらいですが、1歳半〜2歳ぐらいの子どもから楽しめるようになっています。 そして、これは僕の個人的な思いですが、今までの中で最高傑作です!文章は極力少なくし、絵の力をとても感じます。終盤の見開きのページなんかは、その色彩豊かな伸び伸びとしたどこまでも続く風景にとても自由さを感じ、なんだか嬉しくなってしまうのです。 大袈裟に言えば「生きててよかった!」って思うぐらいです。 そんな今作ですが、小さな子どもから大人まで、全身でこの絵本を楽しんで欲しいと思います。

  • 【原画展開催記念】★宛名入りサイン本★『ミミとピギーのベネチアりょこう』

    ¥1,760

    予約商品

    たしろちさと/作 48P BL出版 【憧れのベネチアをミミとピギーと一緒に旅行に出かけよう!】 さやちゃんのぬいぐるみの、うさぎのミミが大親友のぶたのぬいぐるみのピギーが、イタリアのベネチアへ旅行に行きます。飛行機で12時間、それから電車に乗り換えて、ついにベネチアに到着! ベネチアは自動車が一台も走ってなくて、バスもタクシーも全て船なのです。早速、2人は水上バスに乗ってベネチアを優雅で綺麗な街並みを見ながら途中下車をしました。 ピギーとミミは、はぐれて迷子にならないように手を繋いで、街を散策する約束をしました。手を繋いで歩いていると、ミミは美味しそうなお菓子屋さんショーウインドに見惚れてしまいます。一方、ピギーも雑貨屋さんのショーウインドに夢中になって、お互い手を離してしまい、ミミは美味しそうな匂いに釣られてお店の中に入ってしまいました。 ミミは相変わらず雑貨屋さんのショーウインドに夢中でミミが横にいるものだと思い「みてみて」と話しかけますが、ピギーが見当たりません!ミミはピギーが迷子になってしまったと思い、ベネチアの街の中を駆け回ります。ひとけのいない路地まで必死に探しますが一向にピギーが見当たりません。 ついにミミは泣き出してしまいますが、男の子が声をかけてくれ、良いアイディアを教えてくれたのです。それを聞いてミミはまた街並みを駆け抜けます。 果たして、ミミはピギーに再会することは出来たのでしょうか? 落ち着いた色彩の配色が、古都ベネチアの風景をとても美しく、またミミがピギーを見つけるようなストーリー展開になっているので、ベネチアの至る所の風景がどのページでも楽しめるように描かれています。 【丈太郎のひとりごと】 たしろちさとさんの作品は、『くんくん、いいにおい』(グランまま社)であっったり、『せかいいち まじめなレストラン』(ほるぷ出版)などで存じ上げていました。 そして、2023年に絵本デビュー作として2001年に発表された『みんなのいえ』(文溪堂)が復刊されて、この作品が僕にとても響き、たしろちさとさんをちょっと深掘りしてくと、数多くの作品を発表されていることに驚きました。 「まだまだ勉強不足だなぁ」と、たしろちさとさんの絵本を少しずつ仕入れていくなかで、今作『ミミとピギーのベネチアりょこう』に出合い、2014年にイタリアのボローニャで開催される「ボローニャ・チルドレンズ・ブックフェア」でイタリアに行ったこともあり、街並みなども似たところもあり、懐かしく眺めていました。 たしろさんの描く絵はしっかりと正確な構図の完成度と独特の絵の所々で表現されている擦れさ具合などがとても魅力的で特に歴史的建造物が多く登場する今作は、そのオリジナリティな画法が一番活かされているように思いました。 「これは原画が観てみたい!」 と思い、早速出版元のBL出版社へ連絡し、たしろさんの承諾も頂き、両者のご協力があり、念願の原画展を開催できることになりました。 この絵本はその素晴らしい構図から、客観的に絵本を眺めていると言うよりかは、ミミとピギーの後ろについてベネチアを歩いているような感覚に陥るような不思議な魅力があります。 この絵本を開けば、いつ何時何度でもベネチアに行くことが出来るのです! メルヘンハウスのギャラリーはこの夏はベネチアです。 みなさん、メルヘンハウスにお越しの際は、パスポートをお忘れなくお越しください!

  • 【原画展開催記念】★宛名入りサイン本★『みんなのいえ』

    ¥1,650

    予約商品

    たしろちさと/作 32P ぶんけい 【廃屋が賑やかな家になっていく!】 小さな町の外れに誰も住んでいない廃屋がありました。1人の旅人が吹雪の中で彷徨いこの家に辿り着きました。廃屋はあちらこちらに蜘蛛の巣がはってあり、天井も今にも崩れ落ちそうでした。 旅人は少しずつ直しながらこの家で暮らし始めます。春になるとまた違う旅人が続々やってきて、みんなで一緒に暮らすことになりました。みんなで働き畑も作ります。家もみんなで直してうちに廃屋に少しずつ人の息吹が入って来ました。 夏になるとまた違う旅人がやってきて一緒に住むことになりました。みんなで畑を耕したり、家を直したり、どんどん家は明るさを増して行きます。 秋になるとまた違う旅人がやってきて一緒に住むことになりました。寒い冬に向けて家を治すのももう少し。果たしてみんなの家は完成するのでしょうか? 随所に変わりゆく家の断面図が細部まで描かれており、それを見るだけでも楽しい絵本です。 【丈太郎のひとりごと】 僕も幼少時にしばらく誰も住んでいない家に、家族で引っ越したことがあります。結構ボロボロでしたが、父が友人らとともに壁を塗ったり、扉を直したり、庭の雑草を抜いたり、どんどん綺麗になって様に、とてもワクワクしました。 何かの縁で集まってきた旅人たちが家を直したり、畑を作ったりするこの絵本に描かれていることが、幼少期の楽しかった記憶を思い出させてくれました。

  • 【原画展開催記念】★宛名入りサイン本★『きょうりゅうオーディション』

    ¥1,430

    予約商品

    たしろ ちさと/作 32P 小学館 【その恐竜が選ばれるのか?オーデジション開催!】 劇団ベナートルの新しい劇団員を選ぶ、恐竜オーディションが始まりました。たくさんの恐竜に特技を披露してもらいます。 まずはブラキオサウルスからです。得意なことを聞くと、地上15メートルのたかいたかいができるようです。次は遅れなように急いできたトリケラトプスです。その次にはプラテノドンが来ましたが、そのまま飛んでいってしまいました。 その後も、プシッタコサウルス、パラサウロロフス、ステゴガサウルスは背中の板の色が見事に変わります。ティラノサウルスはおおきなこえで歌います。 そして、運命の時がやってきまた。結果発表です!さてお芝居に出れる恐竜は? リアルに近いイラストで恐竜たちのユーモアな面を楽しく描かれています。また、各恐竜の簡単な説明もついています。 【丈太郎のひとりごと】 恐竜のお芝居なんて、すごい迫力でしょうね!子どもたちは恐竜が大好き!図鑑でもなければ、恐竜がキャラクターになっているえ絵本でもなく、ちょうど中間のような恐竜初心者にもオススメの絵本です。

  • 【原画展開催記念】★宛名入りサイン本★『せかいいちまじめなレストラン』

    ¥1,540

    予約商品

    たしろちさと/作 32P ほるぷ出版 【なにもそこまでしなくても・・・】 真面目な料理人イタニーニョさんは、いつも7時に起きて、目玉焼きをトーストに乗せて食べ、歯を磨いて仕事に向かいます。それはどんな日も同じです。 レストランがはじまるとお客さんがやって来て、スミス夫人がメニューを持って聞きに行きます。 フレッシュりんごのジュースの注文が入りました。注文を聞くとイタニーニョさんは、裏庭のりんごの木にハシゴをかけてりんごを取ります。新鮮なりんごでジュースを作るからです。 次に「うっとりハニースペシャル」の注文が入りました。注文を聞くとイタニーニョさんは、自転車を漕いではちみつを取りに行くのです。 次はたくさんのお客さんが、おじいさんの誕生日祝いにやって来ました。注文は「とびっきりのごちそう」です。注文を聞くとイタニーニョさんは、船を漕いで魚釣りをし裏庭で火を起こし大きなフライパンで焼きました。魚のボアレの出来上がりです! このように、イタニーニョさんは真面目なので料理の材料を取りに行くことから始めるのです。 ある時、お店の外で男の子が座っていました。いたずらっこのジミーはお母さんに怒られて家を飛び出して来たのです。イタニーニョさんはお腹が空いているだろうと料理を作りました。そんな時に、、、。 海外の作品かと思うような素敵な絵で、真面目なイタニーニョさんが描かれています。 【丈太郎のひとりごと】 僕はイタニーニョさんと真逆で怠け者です。そして、そこまでこだわりもありません。この「真面目」というのは自分に対して真面目なことであり、それが結果的にみんなを幸せにするものだと思いました。僕もイタニーニョさんを見習いたいと思います!

  • 【新刊】★ヘンテコリンな話と絵がクセになる!★『しってた?』

    ¥1,760

    二宮由紀子/作 井上コトリ/絵 32P BL出版 【先が全く想像つかない!宇宙まで行ってしまう奇想天外なお話!】 「ね、しってた?」金魚のお父さんは象なんです。だから象は金魚のことを食べないのです。 では、象は何を食べるかって?それは勿論、森を6つぐらい「もりもり もりもり もりもりね。」 しかし、象に食べられたくない森は帽子を被って、サングラスをかけて変装します。 森をひとつも食べれなかった象は「なにを たべるか?」 特大ピザ100枚、特大ハンバーガー200個、特大のパンケーキ300個、それに「やまもりいっぱいの」ポテトチップス! しかし、象に食べられたくないポテトチップスはどうする? 「もちろん、きみなら わかるよね?」 象が食べ物に行き着くまで予測不能な奇想天外な展開が次から次へと進んでいく様子を、とてもキュートでポップな線画とワントーン落としながらも派手なカラーリングで、まるで子どもの落書きのように描かれた絵が、不思議な世界へどんどん読者を連れていきます。 【丈太郎のひとりごと】 絵本を紹介するとき「このお話はどうやったら伝わるだろう?」と頭を悩ませる絵本が、たまにあります。この絵本はまさに僕の頭を悩ませるのです。 簡単に言えば「ナンセンス絵本」と呼ばれる、実際に起こり得ないストーリーの絵本の分類に入ると思いますが、それを言葉に置き換えるのは至難の技。極論で言えば「読者が各々、楽しくページをめくって奇想天外なストーリーを楽しめば良い!」ということになります。 元々は、『まちの ひろばの どうぶつたち』https://shop.meruhenhouse.com/items/84093543  の井上コトリさんの描く世界が素晴らしく、この絵本に辿り着いたのですが、同じ人が描いたとは思えない絵でビックリしました。 この子どもの落書きのような絵を、大人になってから描こうとしても中々描くことは出来ません。晩年のピカソが「やっと子どもの描いたような絵を描けるようになった。」というセリフは有名ですが、これはどうなんだろう?でも、クセになるんですよ不思議なことに! お話も絵もヘンテコリン!でも、それで良いのです!それが良いのです!理解しようとするのが間違い。この愛らしい世界に何も考えずに入って行けば良いだけなのです。 この絵本に入り込んだら、あとはただ遊ぶだけ!自由に思うがままに泳ぎまくれば良いのです! 僕は「普通」って言葉を置いてきぼりにして、この絵本に入って遊ぶことにします! それでは行ってきま〜す!

  • 【今月の新刊!】★しっかりと着色された絵がとても優しい★『じーっ』

    ¥1,650

    中山信一/作 32P 偕成社 【何かの音が聞こえたら、「じーっと」その視線の先にあるものは?】 「ゴォーッ」と音が聞こえます。男の子がその先を教室の窓から「じーっと」と見ると青い大空に飛行機が飛んでいます。 「チーチチチチチ チチーチ チチチ」と音が聞こえます。男の子が学校の帰り道で「じーっと」上を見ると家の屋根の上で鳥の親子が歌っています。 その後も「ひゅうひゅう ひゅう さわさわ ざわわ」、「ぶ〜ん ぴと」、「ぴしゃっ ぴちょん」と音が聞こえたら「じーっと」と音が聞こえてくる方を見ます。 最後に聞こえてきた音は「シュッ ボワァ」そして、音が続くのですが、すぐに無音に。そこにあるものは、、、。 広告や書籍、アパレルグッズなどで活躍するイラストレーターが、作も自身で初めて手がけたのは今作がはじめてです。誰にでもわかりやすくしっかりと着色され描かれた絵だからこそ、擬音語とその先の情景がシンプルな文章でも、男の子の心情までも十分に感じることが出来ます。 【丈太郎のひとりごと】 パッと最初に表紙を見た時に「これは和田誠の新刊か!」と今は亡き作家の描いたものだと思ってよく見ると、和田誠的な要素はあるものの、異なる作家であることがわかりました。 中身を見ていくうちに、和田誠だけではなく、おそらく今まで作家が影響を受けたであろう色んな作家の面影が浮かんできました。 作家は1986年生まれ。まだまだ雑誌などでイラストレーターが大活躍し、そして、様々な日本人作家による絵本もたくさん出版されていた時代です。この作家のルーツはそんな幼き頃から思春期に向かうまでの間にあると僕は思います。 文章も絵も極限まで無駄を削ぎ落とし、シンプルに描かれていますが、その分だけしっかりと「ベッタリ」と着色されているのが、最近の絵本の中では新鮮に感じます。 時代性を問わない内容と絵は、何十年前に描かれたと作品と言われたら信じてしまいます。それぐらい普遍性の高い、何十年先にでも新鮮に読める絵本だと僕は思います。 今、子どもたちに人気がある絵本は、キャラクター性が先行している作品が多いですが、このような普遍性の高い作品は、読者に1番近い位置にいる絵本を手渡す者(書店員)として大切にしていきたいと思うのです。 これぐらいシンプルで抜けているぐらいが、本当は良い作品なんだと思います。 余白がたくさんあって最高!

  • 【今月の新刊!】★文章がなくとも、絵を「読む」楽しさ★『ワニが しごとに でかけます』

    ¥1,760

    ジョヴァンナ・ゾーボリ/作 マリアキアラ・ディ・ジョルジョ/絵 26P BL出版 【さて、ワニのしごとはなんだろう?絵から想像して楽しめる絵本!】 朝、目覚ましが鳴り響きます。ワニは起きてカーテンを開けると良い天気のようです。パジャマから洋服に着替えて身だしなみを整え、朝食を食べてコートを羽織り、帽子を被り家を出ます。 地下鉄に乗るために駅に向かいます。他の人たちも忙しそうに通勤、通学と思われる光景が広がり、地下鉄の車両は満員です。 仕事先の最寄駅と思われる駅で降りて階段を登ると、そこは様々なお店が並び、ワニは食べ物や花を買いながら仕事場へ着くのです。 さて、ワニの仕事場はどんなところでしょう? 文章がない分だけ、絵の情報量で自由に楽しむことが出来ます。しかし、絵は説明っぽくもなく、様々な大きさのコマ割りであったり、ページ全体に見開きで描かれていたりするため、自然に抑揚がついているように思います。 水彩画と思われる絵も瑞々しく、ノスタルジック風でしっかりとした構図で軽やかにページを読み進めることが出来ます。 【丈太郎のひとりごと】 文章のない絵本は沢山あれど、中には文章がない分だけ絵の情報量が多過ぎてゴチャゴチャした絵本も多いのですが、この作品に関しては必要最低限の情報しか描かれていないため、読み手の想像力により各々の解釈が異なってくる面白さがあります。 僕はこの絵本を開くと、街の喧騒も聞こえてくるし、このジェントルマンであろうワニの行動を追っていくと、どこかスウィンギングジャズが頭の中にBGMとして流れています。それはとても軽快で、ワニが自分の仕事に誇りを持ってやっているような、今日の仕事も楽しくなるように素晴らしい「通勤」をしているのだと思います。 作者は2人ともミラノ在住であったり、ローマ在住であったり、イタリアを拠点として活動しているようです。 イタリアには、2014年に毎年春に開催される全世界中の児童書出版社が集まる「ボローニャ・チルドレン・ブックフェア」に行くために、ボロネーゼの発祥の地でも有名な田舎町であるボローニャに行ったことがあります。 そのためか、地下鉄はボローニャにはありませんでしたが、描かれている街並みにボローニャでの思い出を蘇らせてくれました。 「これぞ、翻訳絵本の絵だよなぁ。」と思わせるクラシカルさと、構図がしっかりとしているため、安心して身を委ねながら読み進めることが出来ます。 しかし、最後にワニの仕事を知った時の驚きと言ったら!これは皆さんにも楽しんで欲しいところです。例えワニの仕事を知ったとしても何度も開きたくなる絵本です。 ウィットさを感じる明るい朝のお話です。 毎朝、このワニのような振る舞いや澄んだ気持ちで通勤したいものです。

  • ★タイトルと表紙だけで「ジャケ買い」をオススメ★『いっしょにかえっていい?』

    ¥1,650

    にしだ のぶまさ/作 nakaban/絵 32P 日本標準 【みんなに「ただいま」と帰る場所が必ずある。】 夕方になり子どもたちが皆んな家に帰って行きます。 「いいなぁ いいなぁ ぼくも かえって みたいなぁ」 それは公園のパンダの声でした。パンダは他の遊具が止めるも、公園の外へ出て行ってしまいました。 パンダは公園から帰る1人の男の子に一緒に、初めて「かえる」ように男の子を背中に乗せて「ぴょーん ひょーん」と誰かに見つかりそうになったら、電信柱の上に「ぴょーん」階段も「ぴょーん ひょーん」と男の子は大喜び!パンダもドキドキワクワクです。 「ただいまー」 男の子の家に到着しました。パンダは「『ただいま』って なに?」と男の子に聞きました。何故なら公園から出たことがないので「帰る」ということが分からなかったのです。 男の子は家の中に入って行きました。そして、男の子もいつも使っている「ただいま」という言葉の意味が気になりママに聞きました。そして、そこにパパが「ただいまぁ」と帰ってきました。 その状況をずっと外から見ていたパンダは急に公園に帰りたくなりました。そして、公園に着くとパンダは皆んなに行ったのです。 「ただいま」 夕方の公園の風景は表紙から続くようにして、ピンクを基調とした明るいパステルカラーで筆のみで描かれているため、輪郭はなく風景、人、遊具などが自然に一体化しているようにも見えます。パンダが男の子の家から公園へ帰る暗い夜の風景も色の種類を最小限に抑えられていたり、どのページも1枚の絵画として十分に成立しています。 【丈太郎のひとりごと】 nakabanさんの描く絵は色々なタイプがありますが、今作ではとても軽快な筆使いで描かれている気がします。輪郭をくっきりと出すことなく「雰囲気」がとても重視されているように思えます。 具象画と抽象画で言えばどちらかと言えば抽象画に近いのですが、それがまた読者の想像力を掻き立ててくれます。 「ただいま」という言葉についても、僕たちはいつも当たり前のように使っていますが、よく考えると「ただいま」と言える場所があり「おかえり」と迎えてくれる人がいることは、とても素敵なことだと思います。 これからもずっと変わらない普遍的な「挨拶」、「場所」をモチーフとして、幻想的に描かれた今作はこれからも多くの読者を魅了してくことでしょう。 僕たちはもっと「日常の中にある幸せ」に気づいて、それを大切にしていかなければならないと思うのであります。 家族みんなで一緒に読むことをオススメします!

  • ★こんなに美しくアート性の高い海の写真絵本は見たことない!★『なにかななにかな 海のなか』

    ¥1,650

    高久至/写真 かんちくたかこ/文 32P アリス館 【海のなかは、まるで宇宙の銀河星のようだった!】 最初のページをめくると大きな口で笑っているような透き通った白のの身体に口や目や鼻を思わせる鮮やかな生き物が登場でします。これは「パンダツツボヤ」という見た目から名前がついたであろう「ツツボヤ」の仲間です。 次のページをめくると「ホヤ」の仲間たちが、ふわふわ、ゆらゆらと揺れています。ページをめくるたびに今まで見たことのない海の生物ばかりが沢山登場します。 様々な模様や彩が美しく「これが本当に海の中なのか?そして、本当に写真なの?」と疑ってしまうほどです。 登場する生き物には、必ず「名前」も写真を邪魔することなく記載されています。 そして、写真を邪魔しないようにちょっとした言葉が添えられていて、擬音語も多用されているため、2〜3才の子どもから大人までが楽しめます。 【丈太郎のひとりごと】 「海のなかシリーズ」(アリス館)の最新刊です。実は僕自身はあまり写真絵本が好みではありませんでした。何故なら写真になったものと実際に自分の目で見る色彩や美しさはどうしても変わってしまうからです。あと、最近ではPCの編集ソフトでどうにでも色合いを変えることが可能んおで、過度に「キレイに仕上げているもの」もあるからです。 この絵本も最初に観た時に美し過ぎて、正直疑いを持ちました。そして、編集者に連絡をして詳細を聞いてみると「ほとんど色補正などせずそのまま」とのこと。 海のなかでこんな原色があるの?AI生成画像のような人工的なものも本物?こんな幾何学模様が存在するの?本当にこんな輝きが放たれているの?etc...。と同じ地球上にあるとは思えない美しさで、しばらく何度もページをめくり眺めていたら、「自分の知らない美しさがこの世にまだあるんだなぁ。」と、なんだか生きている喜びを感じ、僕の写真絵本への偏見が消え去りました。 もちろん、その全てが見たことのない海のなかの生物ばかり。おそらく実際に自分の目で見ることは一生かけても出来ないと思いますが、この絵本でそのような生物に出会えることを嬉しく思います。 文章もシンプルで、その美しさの状況をそのまま文章になっていて、必ずその生き物たちには擬音語が優しく添えられていて、そこに写っているものに身を委ねるような感覚になります。 気になった生き物があれば全てに必ず生き物の名前が記載されているので、お気に入りの生き物は名前で検索して、もっともっとその生き物に近づいていくことも出来ます。 「やはり人工的に作られたものは、自然の美しさには勝てないな。」 何でもAIで画像も文章も生成可能で、綺麗で整ったものがいとも簡単に出来てしまう世の中で、僕はそう思うのです。 うん、自然には勝てない!

  • 【絶版本!】本の構造の可能性を切り開くまったく新しい絵本!『ぱたぱた絵本 くまさんどこかな?』

    ¥1,760

    SOLD OUT

    タカハシ カオリ/作 48P 河出書房新社 【階段のように、本を左右、そして上下にひらいていくと…】 「わたしのくまさんどこにいるのかな?」 ちいさな女の子が聞きました。 でも……くまさんは、どこにもいません。 女の子は上の階をたずねます。 「トン! トン! わたしのくまさんしりませんか?」 女男の子はどんどん上の階にのぼっていって、 いろんな人の世界をのぞき、新しいともだちに出会います。 でも……わたしのくまさん、どこにいるのかな? 本の構造の可能性を切り開くまったく新しい絵本! (出版社の紹介文より引用) 【丈太郎のひとりごと】 みなさんは「本」と言えば、ページを横にめくっていきますよね?「今更そんな当たり前のことを!」なんて思う方もいらっしゃるかもしれませんが、この本は今までのそのような「本」に対する固定観念を覆す、全く新しいタイプの「ぱたぱた絵本」なのです! 何が「ぱたぱた」かって?それでは本を開いてみましょう!まずは普通の本のようにページをめくります。そしたら次はページを上にめくり次は横、そして、次はまた上へ!なんだか階段を登るようにして上下左右にめくっていきます。 そして、本がどんどんタテに伸びていき、最後は大きな一面のページになっていきます。このめくる度に「ぱたぱた」と音がして、お話が進んでいくのがなんとも気持ちが良いのです。 こんな面白い発想をして作品として完成させたのは、タカハシ カオリさん。あまり名前が聞いたことがないと思います。それもそのはず、日本で彼女の絵本が今の段階で入手出来るのでは、『ニットやさんのムームー』(こぐま社)のみ。因みにその絵本は普通の形状の絵本です。 この『ぱたぱた絵本 くまさんどこかな?』は、独特なハンド・メイド絵本で世界中を魅了している インドのタラ・ブックスというところから、『KNOCK! KNOCK!』というタイトルで出版されたものです(オリジナルは今でもタラ・ブックスのオンラインショップで購入出来ます)。 ひょんなことからタカハシ カオリさんとお知り合いになり、既に日本では絶版となっている、この不思議で楽しく面白い絵本を、彼女が持っているだけの3冊をメルヘンハウスからメルヘンハウスにお届けできることになりました。 彼女のキャリアは、既にタラ・ブックスで数冊の絵本を発表している変わった経歴の作家さんです。おそらく、これからもワールドワイドに、そして日本でも活躍してくであろう作家さんです! さぁ、メルヘンハウスに3冊しかないこの絵本、争奪戦になること間違いなし。 「ぱたぱた」とダイナミックに上下左右にめくって楽しんでください!

  • 【教科書に掲載されていますが絵本で読んで欲しい!】『ミリーのすてきなぼうし』

    ¥1,650

    きたむら さとし/作 32P BL出版 【子どもたちは想像を自由に楽しむことができる!】 お気に入りのぼうしを買おうとお店に入ったミリーですが、お金がありません。代わりにお店の人がくれたのは想像のぼうしでした。 ミリーは次から次へといろんな想像のぼうしをかぶって街を歩きます。そして、ミリーの目にうつる人々の頭にも・・・子どもたちの想像力を刺激する、楽しい絵本。 (出版社からの紹介文の引用) 【丈太郎のひとりごと】 小学校の国語の教科書で、よく絵本が教材として掲載されていることがあります。僕が小学生の頃は『スイミー』(好学社)がそうでした。この『ミリーのすてきなぼうし』も小学2年生の国語の教科書に掲載されていたことがあります。 また、読書感想文全国コンクールの課題図書にも選出されているため、この絵本を読んだことがある子どもたちも多いと思います。 しかし、教科書では文章は全文掲載されなかったり、絵は挿絵程度になります。つまりは子どもの読解力や音読の練習の「教材」なのです。課題図書でこの絵本を読んだとしても、それは好きで読むのではなく「文章力」を試される「道具」でしかないのです。 このような状況では、本当にこの絵本の「想像力は無限で自由である」という素晴らしいメッセージを子どもたちはキャッチ出来ません。 絵本はその形や紙質や絵の構図など様々な要素が考えられて構成されています。ですから、子どもたちには是非とも「教科書で読んだ。」、「読書感想文を書くために図書館で借りてきて読んだ。」で済まして欲しくないのです。 この絵本に描かれている街並みや人の表情や格好なども見てください、明らかに日本ではありません。これはきたむらさとしさんがイギリスを拠点に活動していたからこそ描ける風景なのです。 登場する帽子屋さんの粋な計らいなど、日本ではなかなか考えることの出来ないことだと思います。そこには思いやりとユーモアがあり、いろんな人がそれぞれの帽子を被っている自由で素敵な想像力に溢れています。 是非とも、この「オリジナル」な絵本で『ミリーのすてきなぼうし』を子どもたちには楽しんで欲しいと思います。そして、もちろん大人も固定観念を一度置いて、この絵本の自由な想像力の豊かさにみを委ねてみて下さい。 きっと、明日の朝に家を出た時には、いつも見慣れた風景や人々が輝いて見えることでしょう! そんな素敵な日々の生活を送ってみませんか?

  • 【宇宙の果てまで僕らを連れていってくれる!】『ぼくがここに』

    ¥2,090

    まど・みちお/作 きたむらさとし/絵 32P 理論社 【偉大なる詩人、作詞家「まど・みちお」の代表作が絵本に!】 なにかが、そこに「いる」。なにかが、そこに「ある」。ただそれだけのことが、どんなにかけがえのないことなのか……。 まど・みちおの代表作であるこの詩に向き合うことは、まるで「大きな謎解きのようだった」と画家は語る。とてつもなく大きな、宇宙的なものに守られている……そんな安心感につつまれる絵本。 没後10年を記念して刊行が続く「まど・みちおの絵本」シリーズの一冊。 【丈太郎のひとりごと】 「まど・みちお」という名前を知らなくとも、彼の詩や歌の詞は絶対にどこかで聞いているはずです。例えば、「ぞうさん」「おさるがふねをかきました」「やぎさん ゆうびん」「一ねんせいになったら」などが有名な作品です。 詩というものは、表現したい想いを短い言葉に乗せて表現されるものであり「言葉を削ぎ落とす美学」とも言えるでしょう。そして、その少ない言葉から、その詩を手にして見た読者が自由に想像する楽しみがあります。 今作はそんな「まど・みちお」の詩に、絵本作家・画家のきたむらさとしさんが絵に起こして絵本となっています。「大きな謎解きのようだった」と、きたむらさんが語るように、この詩に対してどの言葉を拾い場面として絵に起こしていくのか?これはとても大変な作業であったと思われます。 イギリスでの生活の長かったきたむらさんの描く絵は、絵本に書かれた「きたむらさとし」という名前を見なければ、海外の作家と思われるお客様もメルヘンハウスでは多くいらっしゃいます。 今作においてもそのような雰囲気は健在でありながらも、排他的な都会の喧騒の濁った薄い色使いから、自然に向かって行くに連れて色彩が鮮やかにくっきりとなっていくページをめくる度にそのグラデーションがポジティブに変化していくことが、読者の心情をきっと揺さぶることでしょう。 しかし、それらは見事に詩の世界観を壊すことなく、詩に沿って描かれながらも、きたむらさんの感じ取った風景が既に自分のものとして見事に描かれています。 僕は、世界各地で起こっている紛争や内戦や戦争、自然環境破壊、デジタル社会など、僕たちが住む地球上の至るところで「本当にこのままの世の中で良いのだろうか?」と疑問に思いながらも、自分の無力さ、小ささを感じる時があります。自分の存在意義に疑問を持ってしまい「何の為に生きているのであろうか?」と考えてしまうことも。 しかし、この詩からは、そんな自分の不安定な気持ちを払拭させるような「生きている存在意義」が明言されています。そして、この地球ではどんなものでも守られていると安心感も与えてくれます。 この絵本は、きっと皆さんにとって「生きていること、生きていくことのお守り」のような存在になるような気がします。 子どもから大人まで、多くの人々の手元にこの絵本が行き渡ることを切に願います。

  • 【揺れ動く子どもの心情に同感!】『ともだち』

    ¥1,760

    リンダ・サラ/作 ベンジー・デイヴィス/絵 しらい すみこ/訳 32P ひさかたチャイルド 【仲良し2人組に、新しい友達が加わったら、、、。】 僕とエトは大の仲良しで、いつも2人で段ボール箱を丘の上まで引っ張っていって、王様になったり、空を飛んだり、海賊にも、宇宙飛行士にもなって、いつも一緒に楽しく遊んでいます。 何をするにも2人は一緒で「ふたり いっしょ」が僕は大好きです。 ある寒い日のこと、知らない男の子が丘の上に段ボールを引っ張ってやってきました。名前はシューといって、いつも僕たちのことを見ていたようで、そして、こう言ったのです。 「なかまに いれてくれる?」 エトは「いいよ」と答えて、それから何日かするとエトとシューは、一緒に遊ぶようになり、僕が仲間外れのようになった気がしました。そして、その日の夜に家で自分の段ボール箱をぐちゃぐちゃに潰してしまいます。 エトとシューが一緒に遊ぼうと誘いに来ても僕は行きませんでした。そして、エトと僕のダンボール箱が二つ並んだ絵を描いて、エトと2人で一緒に遊んでいた楽しかった日々を思い起こすのです。 そして、ある日のことシューが家に来て、君に良いものを作ったから見にきてというのです。そこで、僕はカーテンの隙間から外を覗いてみると、、、。 全体的に中間色を中心に描かれているため、とても優しく、温かく、穏やかな時間が流れているような爽やかな気持ちになれる絵本です。 【丈太郎のひとりごと】 この絵本を読み終わって「わかるよ、よ〜くわかるよ、その気持ち!」と僕は心の中で呟きました。それは僕にも似たような経験が少年時代にあったからです。おそらく、その気持ちって誰もが一度は経験したことがあることではないでしょうか? 実は大人になってからでも、そんな気持ちを抱くことが何度もありました。その度に「自分はちっちゃい人間だなぁ。」と思ったものです。 独占したい気持ち、そして新しい出会いや事象に対する警戒心が強いと、どうしても抱いてしまう気持ちです。今までの関係性が壊れてしまうのではないかと、取った、取られたというように心配になっていくものです。 この絵本は、そのような複雑な心情をとても正直に描いています。そして、新しい関係性の素晴らしさも。 パキッとした原色で描かれている絵も良いですが、中間色の使い方が見事で、子どもたちの汚れのない純粋な心情が爽やかに伝わってきます。街中でも新しい車の色などは中間色の色が増えましたよね。時代的に世の中では中間色ブームなのかもしれません。 いずれにしろ、誰しもが経験したことがあるようなお話。どこか懐かしくて恥ずかしくて、できれば忘れたい思いだったりもしますが、今まさにこの絵本のストーリー真っ只中の子どもたちには読んでほしい絵本です。

  • 【丈太郎が今注目する画家が絵を描いた自由な絵本】『てんさいを そだてる 20の しつもん』

    ¥1,650

    マック・バーネット/作 クリスチャン・ロビンソン/絵 いしだみき/訳 38P マイクロマガジン社 【答えより大切なものは、そこに辿り着くまでの過程なのです!】 「この寝ているおじさんの頭をゴツンとしたのは誰?」 「この牛さんはどうやって風車の上にのぼった?」 「このなかに銀行強盗をした人がいます。誰だと思う?」 などなど、想像力を掻き立てる質問が目白押し。 正解はひとつではありません。 でたらめでもOK!  自由に考えて、君だけの正解を答えてみよう! 英国で大絶賛!  遊びながらお子さんの無限の可能性を引き出す、おしゃれでかわいい質問絵本。 (出版社より引用) 【丈太郎のひとりごと】 この絵本は、絵を描いているクリスチャン・ロビンソンという画家を調べていたら、たまたま出合った絵本です。僕が「あっ、いい絵だなぁ!」と思う絵本を見つけて、誰が描いたか調べると彼の絵だったという絵本がたくさんメルヘンハウスに集まってきました。 『きみはたいせつ』(BL出版) https://shop.meruhenhouse.com/items/85206107 『ちっちゃな サリーは みていたよ ひとりでも ゆうきを だせたなら』(岩崎書店) https://shop.meruhenhouse.com/items/84568458 『おばあちゃんと バスにのって』(すずき出版) https://shop.meruhenhouse.com/items/84533961 『いつか きっと』(あすなろ書房) https://shop.meruhenhouse.com/items/84136655 などが、彼が絵や文章を手がけた絵本です。コラージュ的要素が強く、切り絵が多用されていて色使いもとても鮮やかで、本当に素晴らしい画家(アーティスト)であると思います。 そして、どのお話もポジティブであり希望を見出す絵本ばかりなのです。僕は今、虜になっているアーティストは何人かいますが、彼もそのうちの1人です。 この絵本には「答え」、「正解」というものが存在しません。ただの問いかけだけがされています。クリスチャン・ロビンソンが描いた絵から、その問いかけに答えや正解を見出そうとする絵本です。 つまりは「結果」を重視している訳ではなく、答えや正解を見出そうとする過程を楽しむ絵本なのです。今、私たちは大きな岐路に立たされていると思います。それは「結果主義」、「効率化」、「時短(タイパ)」を最重要し、それらを人間の能力ではなく「AI」に託していることです。 「AI」は、過程などを踏むことなく正しい「結果」を、あっという間に提示します。それはとても便利なことですが、とても危険なことでもあると思います。何故なら「人間が考えることをしなくてよくなる」からです。 人間が思考を巡らせなくなったら、一体「感情」は何処へ行ってしまうのでしょう?これからの子どもたちへの教育も、「AI」をどのように効率良く活用するか?そのプロンプト(キーワード)を学ぶことになり、本質的な「学び」ではなく「テクニック」を習得するようになっていくかもしれません。 それが本当に「人間の進化」と言えるのでしょうか?このようなことを考えると僕はとても未来に不安を感じます。これから先、僕ら人間はアナログとデジタルの棲み分け、境界線をしっかり引かなければ「感情」を失っていくことになるでしょう。 例えば、ラブレターを書くにしても、自分の気持ちをどのように伝えれば良いのか?そんなことに悩むことなく、考えることと言えば、どれだけ優秀なラブレターを書けるか?「AI」にどんなプロンプト(キーワード)を入れれば良いのか?ということになります。 「本当にそれで良いの?」 僕はそんなことを最近よく考えます。そのためにも今作のような「無駄な時間」がメインの絵本が重要なのです。 子どもと一緒にこの絵本を開いて、自分を自由に解放してあらゆる想像を巡らしてみましょう!そこから出た「答え」は全部「正解」です!そして、唯一「AI」には出来ないことなのです。それこそが「個性」です。 さぁ、デタラメな旅へ出発しましょう!

  • 【角野 栄子のイメージとは異なる不思議な絵本】『イエコさん』

    ¥1,540

    角野 栄子/作 ユリア ヴォリ/絵 32P ブロンズ新社 【なんでも食べてしまう恐ろしい家、それが「イエコさん」】 森のそばにある一軒の古い家「イエコさん」は、以前はトコロさんというおばあさんが住んでいましたが、「イエコさん」を残して町へ引っ越してしまいました。 しかし、「イエコさん」は「ひとりぼっちでも たのしくくらすわ」と、隠していた手足を伸ばして、毎日エクササイズをしています。 ある日のこと、ネズミが来て「ここに いてもいいですか?」と頼みますが、「イエコさん」は断ります。そこでネズミは寝る前に子守唄を聞くのも良いものだと、歌い出しました。しかし、「イエコさん」は断ります。 それを聞いてネズミは「ふん ひとりぼっちで さみしいくせに」」と言ったところ、なんと!「イエコさん」は、ネズミを「ぱくり ぺろり.」と食べてしまいます。 その後も、「イエコさん」を訪ねて来たネコ、コブタを丸飲みしたオオカミ、コブタのお母さん、男の子を「ぱくり ぺろり。」と食べてしまいます。 夜になり「イエコさん」に異変が起こります。どんどん ぱんぱんに膨らんでいったのです。空が少し明るくなってきても「イエコさん」は膨らんでいくばかり。 そして、突然どこからかオナラの音が「ブブブブブ〜。」そして「イエコさん」は、、、。 クラシカルスタイルで描かれた絵が「イエコさん」の恐ろしさを独特の雰囲気を醸し出しています。 【丈太郎のひとりごと】 絵の雰囲気から何十年も前に描かれた絵本だと思いきや、2007年に発刊されたこの絵本。それもそのはず、お話もクラシカルな昔話のようで「はて?どこかで読んだようなストーリーだな。」なんて思うような内容です。 作者はもう説明不要なぐらい有名な『魔女の宅急便』(福音館書店)を書いた角野栄子さん。最近では90歳に見えない出立ちで、赤がトレードマークな素敵な女性として、そのライフスタイルも注目されています。そんな角野栄子さんが書いたお話なので、面白くないわけありません! そんな面白いお話の絵を描いているのは、ユリア・ヴォリさん。日本では作絵の「ぶた」シリーズ(文溪堂)が5冊発刊されています。 何故、国境を超えてこの作品が創作されたかは不明ですが、何とも言えないクラシカルさを感じる不思議な絵本なのです。角野栄子さんのいわゆる「ブラックユーモア」を、ユリア・ヴォリさんの絵で上手く表現しているため、「絵本」としての安定感がとても感じます。 角野栄子さんの作品の中でもあまり知られていない今作。是非とも手に取って読んでみてください。今までの角野栄子さんのイメージがちょっとだけ覆るかもしれません。

  • 【カンディンスキーやモンドリアンより早く、抽象絵画を描いた画家がいた!】『ヒルマ・アフ・クリント』

    ¥1,870

    ハリエット・ヴァン・レーク/作 野坂 悦子/訳 25P 朔北社 【目に見えないものは描けるのだろうか?】 ヒルマの原点となる場所は、たぶんアデルソ島で夏を過ごし外で遊んだ島です。ながされる雲、砂浜にうちよせる波、ちいさな虫、鳥、魚。葉っぱや花たちなど、自然界の美しさに惹かれていきます。 ヒルマは未来は考えました。そして何よりやりたかったのは、 「自然をとらえて 描くこと。」 ここからヒルマの挑戦が始まります。それは目には見えないものを、どのように絵として表現できるかということです。果たしてヒルマは自分が描きたい絵を描くことができるのでしょうか? 落ち着いた色彩にて、ふんわり柔らかく優しい絵のタッチで、ヒルマの歩んだ道を美しく描いています。 【丈太郎のひとりごと】 抽象画というものは、そこに存在するものを描くのではなく、自分の感情や思考、つまり自分の頭の中に広がっている宇宙を表現するものです。よって、その作品を鑑賞する側から言えば、自由にその作品を自分の解釈で楽しむことができます。しかし、逆の捉え方をすると「意味が分からない」などと思うこともあるでしょう。 抽象的な表現には必ず作家の葛藤があり、あらゆる事象に対して敏感に察知する能力も試されます。「そこに存在するもの」=「目に見えるもの」ではないということが、抽象的な表現には必ず付きまといます。 そのような挑戦にいち早く挑戦したヒルマの名前が、芸術に詳しい人たちにも知られていないのは、彼女が亡くなる際(1944年没)に、死後20年は公開しないように言い残したため、なかなか世の中には知られる存在ではなかったのです。 そんなヒルマ・アフ・クリントというアーティストが歩んだ美しい人生を、感じてみてください。

  • 【表からも裏からも読める!】『やまからにげてきた・ゴミをぽいぽい』

    ¥1,430

    田島 征三/作 36P 童心社 【いち早く自然環境破壊に対して問題定義をした必読な絵本!】  まずは表面『やまからにげてきた』から開くと、山に住む動物や虫、鳥たちが「たすけて」と叫びながら逃げてきます。ページをめくるごとに、その悲痛さが増し、取り残されて命を奪われる生き物たちも出てきます。 彼らの住処である山は、ゴミ処分場の建設によって破壊され、綺麗な森の木の緑などはなくなり、黒く濁った色合いだけの巨大なゴミ処分場となっていきます。 その反対の裏面『ゴミをぽいぽい』から開くと、人間が「あれもほしい これもほしい」、「やすいからどんどん買う」などと計画性もなく次々に物を手にしていきますが、「あまったから ぽい」、「あきたから ぽい」、「こわれたから ぽい」と、何を考えることなくゴミを捨てていきます。 そして、そのゴミはやがて黒く濁った色合いだけの巨大なゴミ処分場へと運ばれるのです。ちょうど真ん中のページで二つの物語が繋がるのです。 『やまからにげてきた』では緊迫感を悲壮感が、「たすけて」「タスケテ」と絵の中のひとつとして荒々しく混沌とした状況が描かれています。一方、『ゴミをぽいぽい』で描かれている人間の顔は、どの表情も何事もなかったような澄まし顔で、当たり前のようにゴミを捨てていく様子がシンプルに描かれています。 そのため、同じ「生き物」でも、山の生き物たちの生命感と人間の冷血感が、ハッキリと異なる感情であることを読み取れる、自然環境破壊の問題を分かりやすく読者は感じることが出来るようになっています。 【丈太郎のひとりごと】 この絵本は、征三さんが実際に住んでいた、東京都西多摩郡日の出町にゴミ処分場が建設されたことを題材に人間の勝手さや愚かさをストレートに分かりやすく表現しています。 実際に征三さんは、ゴミ処分場建設の反対運動に力を入れて、その間は絵本を描くことなく、全国各地に車で向かい、ゴミ処分場建設の反対を訴える活動を熱心にしていました。 そして、そんな過酷の状況の中、征三さんは身体を壊してしまい、結局、ゴミ処分場は予定通り建設されてしまったのです。 ここ数年「SDGs」という言葉をよく耳にします。17の目標を掲げ、地球を持続可能なものにして、「誰一人取り残さない」社会をつくるために、2030年までに達成すべきゴールのことを指す言葉のようです。 一時期は、政治家などが皆んなスーツに「SDGs」のバッジをつけていましたが、果たしてどれだけの人が、その本質を認識し危機感を持って行動してのでしょう? 「SDGs」なんて言われる30年も前から征三さんは訴えてきたのです。僕は子どもたちに環境問題を教えるのであれば、この絵本が一番の教科書になると思います。 何故、今さら1993年に発刊された絵本を、僕が皆さんに紹介するのか?その答えはひとつだけです。この絵本に描かれていることが過去のことではなく、今でも平気に行われているからです。 表面上の「SDGs」という言葉を多用して、本質を理解していない会社や団体が、自分たちのクリーンなイメージをブランディングしているだけなのです。そんなことでは世の中は変わりません。 私たち人間はこれからの社会での生活において、もっと本質を知るべきであり、子どもたちの将来を真剣に考えるべきだと思います。 征三さんのストレートに表現されたこの絵本を多くの人に手渡していきたいと、僕は強く思います。

  • 【絵本作家の高畠純さん大絶賛!】『オマヌケかぞくのたのしいいちにち』

    ¥1,540

    SOLD OUT

    ハリー・アラード /作 ジェームズ・マーシャル/絵 32P 小学館 【オマヌケ?そんなゆるい感じじゃありません!クレイジー家族の愉快な1日】 ある朝、パパ・オマヌケさんが目を覚ましました。なんだかウキウキする気分の様子です。 「おい、みんな。きょうは、とっても たのしい オマヌケなことが おこりそうな きが するぞ」 子どもたちはとても嬉しそうです。 家族みんなはシャワーを浴びながら、いつものように朝ごはんを食べましたが、たまごが流れていってしまいました。朝ごはんの後は子どもたちは家のお手伝い。弟のバスター・オマヌケは芝刈り機で絨毯を刈り、姉のべチューニア・オマヌケは部屋の諸物にスプリンクラーで水やりをしました。 柱時計が11回なれば、もう12時です。お昼の時間です。食事中バスターは足の指をしゃぶってますが、パパは行儀が良くなってきたと誉めます。ママ・オマヌケさんは何十匹の鶏を身体に巻きつけて新しい服を作りました。パパはとっても似合っていると誉めました。 その日の夜、オマヌケ家族のみんながテレビを見ていると「パチンッ」と突然部屋の中が真っ暗になりました。 「われわれは とうとう、しんでしまったんじゃないか?」 と、パパ・オマヌケさんが言いました。さて、オマヌケ家族は本当に死んでしまったのでしょうか? 古き良きアメリカンコミック調でポップに描かれた絵は、この破茶滅茶な家族の1日を楽しく彩っています。 【丈太郎のひとりごと】 絵本作家の高畠純さんは、たまにメルヘンハウスに遊びに来たりしてくれます。そんな時、この絵本を見つけて「こういうしょうもないない絵本って良いよなぁ!」と言って購入しました。 前にも同じようなことがありました。それは『だれがいちばん? がんばれ、ヘルマン!』(https://shop.meruhenhouse.com/items/84646467) でした。表紙を見て「こういうの良いなぁ」といわゆるレコードでいうところの「ジャケ買い」ってやつですね。 絵本に意味を求める人が多いけれども「意味なんてどうでも良いんだ!」って、純さんの絵本のセレクトの仕方、惹きつけられる様子を見て思いました。 そもそも絵本はアートでありながらもエンターテイメントなもの。楽しいだけで何が悪いってこと。もちろん、そこには作者の言わんとしている深い意味があるかも知れませんが、そこはどう受け取っても良いのです。 この絵本は1981年に発刊され、日本では2023年に翻訳されて発刊されました。この空白の40数年は何だったのか?そして、絵本に意味を求める人が多い中でこの絵本が今のタイミングで日本で発刊されたのは、まだまだ日本の児童書の未来は明るいぞ!って思いました。 本当に純さんの言う通り「しょうもないない絵本」です。それは極上の褒め言葉だと思います。

  • 【みんな大好き!】「長新太の絵本の復刊&新作セット」

    ¥3,630

    ★『にゅーっ でたよでたよ』長新太/作 荒井良二/絵 24P 絵本塾出版 ★『ちへいせんのみえるところ』長 新太/作 32P 絵本塾出版 【長新太の復刊&新刊セット!】 『にゅーっ でたよでたよ』は、長新太の『ちへいせんのみえるところ』を読んだ荒井良二が「この絵本に出会えていなかったら、ぼくは絵本を作っていないと思う。」というぐらいの大切な絵本です。長新太が生前に残したラフに絵を描くというのは光栄なことだと思いますが、プレッシャーも大きかったはずです。 しかし、しっかりと荒井良二風にアレンジされていて、随所に長新太に対する敬愛を感じることが出来ます。 『ちへいせんのみえるところ』は、ここまで絵も文章も削ぎ落として繰り返しだけで絵本として成立している傑作の待望の新刊です。こんな絵本がもっと多くの子どもたちに手渡っていけば、きっと良い世の中になっていくんじゃないかな?って思ったりもします。 2作品の詳細は各商品ページにてご確認下さい。

  • 【夢のコラボレーション絵本が誕生!】『にゅーっ でたよでたよ』

    ¥1,650

    長新太/作 荒井良二/絵 24P 絵本塾出版 【奇想天外なことが繰り返される無限ループの中毒性アリ!】 大きなかばが画面一面に書かれています。そこには一言だけ「かばから」とあるだけ。そしてページをめくってみると、そこには「かばん」を鼻にぶら下げたかばがいます。 「かばんが にゅーっ ぶら ぶら ぶら」 綺麗なはなが画面一面に書かれています。そこには一言だけ「はなから」とあるだけ。そしてページをめくってみると、そこにははな(花)から(鼻)が飛び出ています。 「はなが にゅーっ くんくん くんくん いいにおい」 くもからくもが、はしからはしが、あめからあめがetc...。こうして次々に登場していきます。 長新太が生前に残した未発表のラフに、荒井良二が絵を描いた夢のコラボレーション絵本。 【丈太郎のひとりごと】 つい先日に復刊された長新太の『ちへいせんのみえるところ』(絵本塾出版) https://shop.meruhenhouse.com/items/104318385 の帯には、荒井良二がこう書いています。 「この絵本に出会えていなかったら、ぼくは絵本を作っていないと思う。」 そこまで尊敬していた荒井良二にとっては今作は夢のような制作だったと思います。併せて大きなプレッシャーも抱えていたことでしょう。 しかし、そこは長新太への弊愛を強く感じます。それは絵は確かに荒井良二そのものですが、しっかりと長新太のテキストを捉え自分のものにしています。長新太が今作においてどれぐらいのラフを残したのかは興味深いところですが、色の配色などはやはり長新太なのです。 長新太の絵本については多くを語ることは野暮なことだと思うので、これ以上の説明はいらないかと思いますが、長新太のスタンスはそのままに、荒井良二の絵によって蘇った長新太」を感じることが出来ます! 長新太ファンはもちろんのこと、荒井良二ファンも、そして全く初見の赤ちゃんからシニア層まで楽しめることは保証します。 「そうそう、これで良いんだよ!絵本ってこれで良いんだよ!」 僕は何度も読み返して思ったのでした。

  • 【様々な「かたち」になる、限定スリーブ仕様!】『かたちえほん おはなさん』

    ¥1,760

    SOLD OUT

    わたなべ ちなつ/作 22P 小学館

 【本は四角でなければいけないの?】

 丘に咲く一輪の花。このおはなさんが想像する楽しい世界ってなに?空を飛ぶ?友達をつくる?たとえ失敗したって、落ち着いて深呼吸すれば大丈夫。

 どのページを開いても、常に前後のページと絵がつながる。これまでにないユニークな姿・かたち・構造をもった絵本。本を開いた形もお話の内容とリンクします。 

(以上、小学館ホームページから引用)

 【丈太郎のひとりごと】 

僕がメルヘンハウスに入社したのは2014年、今から11年前のことです。ある日、1通のメールがきました。差出人は美大の 大学院に通う学生からでした。内容は「今度、絵本を出版することになったので展示をさせて欲しい。」とのこと。 

旧店舗のギャラリーは、メルヘンハウス企画がほとんどで、その合間にレンタルもしていました。「ではメルヘンハウスに来て頂いて、どのような内容の展示なのか話を聞かせてください。」と返信し、後日その学生が沢山の資料を抱えながらやって来ました。 その学生が後に絵本作家デビューする「わたなべ ちなつ」さんでした。

彼女は「かがみの絵本」シリーズ(福音館書店)のまだ製本されていない、『ふしぎな にじ』のダミーを持ってきて熱意を持って、やりたいことを語ってくれました。話を聞いて「これは面白そうだな!」と直感で思いワクワクしました。

 しかし、その展示内容の大掛かりさから「これは相当な費用がかかるはずだ。」と思い、通常レンタルの場合はレンタル料を頂いていたのですが、彼女が学生であり、そして熱意に応えないわけにはいかないと思い、レンタル料は頂かないことにしました。

 そして、搬入日は彼女の家族総出の大変なものでした。メインは等身大の『ふしぎな にじ』のオブジェクト。実際に子どもから大人まで、数ページめくることが出来て、しかもその中の「かがみ」に自身が写ることが出来るものでした。それ以外は細かなスケッチやらダミーなどでした。

 そして、『ふしぎな にじ』と『きょうの おやつは』が出版されて、約20日後に展示はスタートしました。無名の絵本作家デビューしたばかりの展示に人が来るか心配でしたが、彼女を知らなくとも、子どもも大人も等身大の『ふしぎな にじ』に入って自分が「かがみ」に写っていることに大興奮!大盛況のうちに終わりました。

 しかし、この2冊は当時の絵本相場と比較して「これで1500円(税抜)は高いなぁ。」と、「商品」としてはいかがなものか?と思っていました。

 しばらくは視覚体験の絵本ということもあり「科学のコーナー」に置いたり「しかけ絵本」のコーナーに置いたりしてましたが、正直あまり売れ行きは良くありませんでした。 

しばらくして、僕のプライベートでは翌年の6月に息子が生まれ、色々な絵本を読んだり、おもちゃで遊んだりしていました。息子が機嫌が悪くて泣いた時はいつも家の「かがみ」に息子を写すように見せると泣き止んで「かがみの中の自分」に必死に触ろうとしました。 そこで「もしかしたら!」と思いつき、『ふしぎな にじ』を見せました。

そしたら、家にある「かがみ」同様、自分が写っていることを不思議に思ったのか、ヨダレだらけの手で『ふしぎな にじ』を触ることをとても好みました。

 息子からヒントを得た僕は、次の日から『ふしぎな にじ』と『きょうの おやつは』(共に福音館書店)を「赤ちゃんコーナー」に移動させて、自分の実体験を元にお客様に説明したら、これがお当たり!瞬く間に『ふしぎな にじ』と『きょうの おやつは』が爆発的に売れ出しました。 

購入されたお客様は、我が子の反応が良くて、しかもデザイン性も高い!そして、今までに見たことがない絵本として「出産祝い」の定番にするお客様も沢山いらっしゃいました。

 その後の「かがみの絵本」シリーズが大ブレイクしたのは、知っている方も多いと思います。

 そして、今回の『かたちえほん おはなさん』は、以前の「しかけ絵本」とは全く異なるもので、これまたビックリしたのですが、形も変形のため「本棚に置きにくいなぁ」と扱い方に頭を悩ませました。

 しかし、文章がとてもシンプルで想像力が掻き立てられる「余白」が十分にあり、自分の心がどんどん自由にポジティブに解放されていくようでした。それは考え抜かれた「しかけ」のクオリティの高さが読み手に「時間をつくる」アシストをしているからだと思います。

 彼女の作品は「しかけ」ばかりが注目されがちですが、画力も相当なもの。「しかけ」などなくとも、普通の絵本としても十分に見応えのある絵を描いています。 子どもは勿論のこと、大人の心にも響くただの「しかけ絵本」ではありません。それはこの絵本を開けばきっとわかるはず! ギフトにもオススメです!

  • 【毎回、新作が傑作!】『じゃないものさがし』

    ¥1,540

    中垣ゆたか/作 32P ポプラ社 【とてもシンプルだけども遊び心満載の間違い探し!】 「ぼうし「じゃないもの」は、どれだ?」 「めがね「じゃないもの」は、どれだ?」 「タイヤ「じゃないもの」は、どれだ?」 こんな感じで、約20〜30のイラストから「じゃないもの」を探していきます。「じゃないもの」が2つの時もあるし、3つの時、4つの時と、そのシチュエーションによって「じゃないもの」の数も変わっていきます。 たまにページ全体に描かれた絵の中から「じゃないもの」を見つけ出すのは至難の業です。 緻密にコミカルに、そしてポップにカラフルで描かれた絵での「じゃないもの」は何度読んでも楽しめます! 【丈太郎のひとりごと】 絵本作家デビューから10年ちょっとで、ナント!50作品以上も絵本を描いている中垣ゆたかさん。個人的にも親しく、毎回新作が出る度に送ってきてくれます。 この絵本も家のポストを開けてレターパックが入っていたら「ああ、中垣さんからだな!」とニンマリして、早速読んでみて直ぐに電話します。 「今回も最高じゃん!」と言うと「そうなんですよ!毎回最高傑作なんですよ!」と長電話が始まるのです。その電話の中での制作秘話や、どうやって子どもたちに届けようか?など、色々真剣な話をしながら「あっ、そう言えばあの映画観た?」とか脱線していくのが毎回のお決まりごと。 「仲が良いから!」とエコひいきすることなく、傑作です!毎回緻密にページ全体を描き込むスタイルから、個々のキャラクターが際立つように、今まで「ゴチャゴチャしていて見にくい!」と思っていた人へもオススメです!抜き加減と今までと同様描き込むバランスが絶妙です。 このような探し絵(間違い探し)は一回読んで見つけたら終わり!ってことが多いですが、今作は見つけた後でも細部の描き込みなど見どころ満載! 親子で一緒に「じゃないもの」探しをしたら、きっと楽しい!というか大人は子どもに勝つことが出来るか? もちろん、子どもだけでも楽しめます!長時間のドライブ、病院の待ち時間などには持ってこい!の絵本です。

  • 【読んだら何故かスキップをしたくなる⁉︎そして、心が軽やかに。】『テーブルのしたになにがいる?』

    ¥1,980

    アラン・アールバーグ/作 ブルース・イングマン/絵 とたにようこ/訳 40P 徳間書店 【テーブルの下に続々と生き物たちが現れたらどうする?】 あるところにエルシーという名前の女の子がいました。エルシーは猫と犬とパパとママとバンジョーという名前のお兄ちゃんと住んでいて、エルシーはみんなのことが大好きです。 ある朝、パパとバンジョーが外で車を洗っていると、エルシーが家から出てきて2人に大きな声で「テーブルの上でゆで卵が走っていて、テーブルの下にはものすごくでっかい灰色の、なにかがいる!」 みんなで家の中に戻ると、ゆで卵は逃げた後、そしてテーブルの下には象がいました。 と言うわけで、象も一緒にみんなでみんなで車を洗いました。 ママとバンジョーが買い物から帰ってくると、エルシーが家から出てきて2人に大きな声で「テーブルの下に、おっきくて茶色くてぴょんぴょんしたお腹にポケットにがある、なにかがいる!」 みんなで家の中に戻ると、テーブルの下にはカンガルーとカンガルーの赤ちゃんがいました。 と言うわけで、みんなで車に荷物を運びました。 今度エルシーが冷蔵庫の中で見つけたのはペンギンが2匹いました。 そして、みんなでお茶をしながらママがみんなにある提案をしました。それはみんなで海でキャンプをすることでした。と言うわけで、明日の朝早くから海へキャンプに行くことにしました。 海でパパとバンジョーがバーベキューをしていると、エルシーが駆けてきて「テーブルの下に、、、、、。」 ピンクや黄色が背景色として、そこに人や物や生き物たちが軽やかに躍動感溢れる光景を色鮮やかに描かれているため、とても明るい気持ちで次にテーブルの下に現れるのはなんだろう?とページをめくるのがワクワクする絵本です。 【丈太郎のひとりごと】 様々な生き物がテーブルの下に現れるなんとも奇想天外のユーモアたっぷりのお話ですすが、現れて終わるのではなく「と いうわけで、」と次々に場面が展開する楽しさが目一杯に描かれています。 絵も完璧に描写しておらず、良い意味でラフに描かれているため、その効果で軽やかさを感じます。しかし、構図はしっかりとしているので、とても見やすく親しみも感じます。 あり得ないことがテーブルの下で次々と起こる、繰り返されるリズムの気持ち良さが心をワクワクさせ、軽やかなウキウキな気分になってしまい、なんだかスキップをしたくなような絵本です! 実際に僕はお客さんのいないメルヘンハウスで軽くスキップをしてみましたが、子どもの時のようにリズム感良く軽やかにスキップ出来ず、ちょっと落ち込みました、、、。それは誰にも見られたくない光景でした。 さぁ、皆さんもこの絵本を読んで軽やかなスキップに挑戦してみてください!きっと子どもたちには勝てなと思いますが、、、。

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