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【三浦太郎のクリスマス絵本最新刊!】『ゆき』

¥1,650 税込

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三浦太郎/作 38P  偕成社

【真っ白な雪景色の中での賑やかな一日】

焚き木の束を担いだ子どもが「サク サク サク」、鹿の親子も「サク サク サク」、ウサギは「サッ サッ」、キツネは「サ サ サ サ サ」。

子どもたちはソリに乗って「スイー」、スキー板を履いて山を「ザッ ザッ ザッ」と登ったり、雪だるまを作ったり、凍った池でスケートをしたり、雪合戦をしたり、動物も人間も各々白銀の世界を楽しんでいます。

そうして遊び終えた子どもたちが家に帰って行きます。

「そろそろ じかんかしら」

川をこえたところに一軒の家にあります。その家の人は、村の子どもたちに見送られて空へと出発するのです。

真っ白な白銀の世界に、雪を被った深緑の木々がページごとに異なった位置に考えられて配置されており、その間をカラフルな動物たちや子どもたちや家がカラフルに描かれているため、白銀の世界の広大さの気持ち良さを感じる絵本です。

【丈太郎のひとりごと】

三浦太郎さんは作品ごとにしっかりとしたコンセプトを持って、色々な手法で読者を毎回驚かせてくれます。

昨年の夏に発刊された『うみへやまへ』(偕成社) https://shop.meruhenhouse.com/items/90180469 は、表から、裏から違うストーリーでカラフルに道中の景色を描いていましたが、今回は本当にシンプルです。

この作品については、三浦さんが山の「白銀の世界」を目一杯表現したかったのではないかな?と、僕は勝手に想像するのです。

つまりは「白」へのこだわりです。これだけ全編に於いてこんなに贅沢に「白」をベースにしている絵本も中々ないのではないでしょうか?

そこに動物たちや子どもたちが大きく描かれることなく、あくまでも「白」を目立たせる為の脇役のように登場するのが、とても印象的です。

三浦さんのクリスマス絵本といえば2020年に発刊された『サンタさんのおとしもの』(あすなろ書房)がメルヘンハウスでは人気です。

こちらは黒(夜)をベースに、カラフルな家々が描かれているのが印象的です。そして、サイズも今作の約半分の縦長の少し小さめな絵本です。

今作は『サンタさんのおとしもの』で描かれている家がひしめき合う小さな「黒」の世界に対して、広大な白銀の「白」の世界を描いた「三浦太郎のクリスマス絵本」の両極さを感じます。

クリスマス絵本なのにタイトルは『ゆき』です。タイトルや表紙だけを見てクリスマスを感じることはありませんが、そこはしっかりとクリスマス絵本になっています。それは読んでからのお楽しみに!

来年の1月下旬から愛知県にある刈谷市美術館(https://www.city.kariya.lg.jp/museum/index.html)で開催される「三浦太郎展 絵本とタブロー」が楽しみで仕方ありません!

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