エディトリアルデパートメント/作 160P 幻冬舎
【パンクロックの誕生の背景から現代に至るまで知ることにより、現在の日本の在り方が見えてくる!】
イギリスでは1970年代の中頃にパンクロックが流行しました。その背景には当時のイギリスが抱えていた社会問題が大きく関わっています。
その社会問題こそが今日本が抱えている問題点と共通点が多いのです。
原油価格の高騰、極端なインフレ、上昇する失業率など、今まさに日本で問題視されていることなのです。
パンクロックというと、見た目も激しく近寄りがたい若者たちが暴力的に反体制と歌っていると思われているかもしれません。そして、それは一時的な若者の流行であり外見のファッション的な現象だったと考察される専門家もいます。
しかし、その後、世界各地に「パンクロック」が広まり、日本の音楽シーンにもパンクロックバンドが多く誕生し、今も多くのパンクロックバンドが存在します。
それらのバンドはサウンドはパンクであり、歌詞のメッセージは当初の社会に対する不満などを訴えるものではないバンドも増加しましたが、未だ日本のパンクシーンの先駆者たちが「本物のパンク」を還暦を超えても掻き鳴らしているバンドも存在します。
そして、パンクロックは音楽のジャンルに留まらず「パンク的な思想」で行動をしている人なども「パンク」と指すことも出来ます。
例えば東北大震災後の反原発の集会や、沖縄の米軍基地建設への反対の座り込み運動なども「パンク」と言っても過言ではないでしょう。乱暴に言えば、その言動、行動が現在の社会に対しての反対的なものであり、何故反対なのか?ではどうすれば良いのか?自分なりに考えがあってのものであれば、それらは「パンク」と言えるでしょう。
この雑誌にはサウンド面だけのパンクではなく、このような多方面からのパンクの捉え方が漫画やインタビューなどにより形成されていることにより、パンクとは無縁だった方も現代社会を考えるひとつのヒントとして読むことができると思います。
【丈太郎のひとりごと】
「何故、児童書専門店がパンクを特集した本を紹介するのか?」と疑問に思った方は多くいることでしょう。そもそもメルヘンハウスが誕生したのは1973年、初代店主で私の父が「日本ではじめての子どもの本専門店」をオープンさせてのです。
それまでの一般書店でも児童書の扱いがあまりにも酷く1人の青年が「子どもの本屋がないなら自分が作ってうやろうじゃないか!」という熱量だけで、周囲の反対を押し切って行動に移したのです。
そう、つまりは私の父がメルヘンハウスをオープンさせたことが「パンク」そのものだったのです。しかもパンクロックが誕生した同時期に!
そして、私は「パンクロック」に大きな影響を受けて今日まで生きています。絵本の中にも「パンク」を感じることが多々あります。それらを子どもたちをはじめ皆さんにお伝えしたいと思っています。
児童書とパンク。相反するようでかなり親密性がある児童書もたくさんあります。
是非とも多くの方に「雑誌」という形態から気軽に手に取って読んで欲しいと思います!
なお、ご購入された方には「丈太郎的パンクエッセイ」を同封します!