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【新学期を迎える小学生たちへ!】『ぼくは、ういてる。』
¥1,650
なかがわちひろ/作 55P のら書店 【「ういてる」って良いこと?悪いこと?】 主人公の僕は時々浮いています。その時によって違うけれど大体20〜30センチぐらい浮いています。周りからはただぼんやりしているように見えるらしく、叱られたり、笑われたり、置いていかれたりします。 退屈して他の人と違うことを考えていたり、何か夢中になっている時に浮きやすいです。しかし、悪いことだけではありません。浮いてるからこそ思いがけないものが見えたりもします。 浮いていることは悪い気持ちにするだけではなく、良い気持ちになることもあります。よく見ると浮いてるのは自分だけでなく周りの人も全員ちょっぴり浮いてました。みんな揃って3センチぐらい浮いていたので気づきませんでした。 浮いていることが悪いことなのか良いことなのかは答えは出ませんが、自分らしく生きている姿が、文章をよりわかりやすくするような絵で描かれています。 【丈太郎のひとりごと】 多数の中で自分だけ思考や行動が違うと周囲から「浮いている」」と言われることがあります。それが個性と呼ばれる良いことなのか、協調性や集中力のない悪いことかはわかりません。 この本には浮いていることについて良い悪しの判断はされていません。そんな浮いてる子どもを優しく見守る校長先生もこのお話には登場します。大人が子どもたちと接して必要な時にはフォローをしていくのが大切だと思います。 僕も小中学校と「ういてる」子どもでした。みんなと同じことを何故ここまでも強制されなくてはいけないのか?時代は80年代半ばから90年代初頭、管理教育が厳しく不条理な校則に縛られた生活でした。 そんな生活に疑問を持った僕は、高校を埼玉県にある「自由の森学園」(https://www.jiyunomori.ac.jp)への進学を決めました。子どもたちの主体性を何よりも重じる、校則もない高校でした。 そこでは「自由」と「わがまま」の紙一重な難しさなども学びました。そして、後に一生の友達となる皆んなと、共有、共鳴、共感をともにしました。 当時の学園長であり「自由の森学園」の創立者でもある故・遠藤豊氏は、僕らの卒業式でこう言いました。 「社会の囚われ人になってはダメだ!」 今でもその言葉は僕のベーシックにあります。社会の荒波に揉まれながらも、自立して生きていくこと。なかなか出来ることではありません。自分の自由のために時には社会と闘わなければならないこともあります。 だから僕は、未だにちょっと「ういている」ぐらいが丁度良いと思っています。互いの個性を尊重し合う社会になることを切に願っています。 今の子どもたちは「おりこう」な子が多いと思います。「おりこう」とは客観的な評価であり、本来は「かしこい」でなければいけないのではないでしょうか? 子どもだけでなく、大人にも是非とも読んで欲しい本です! 大人の顔色を伺いながら「おりこう」な生活を強いられている子どもたちを救わなければならない!僕はこの本を読んでそう思いました。 世の中的には「子どもの主体性を大切にした教育」と言われてますが、本当に子どもたちの主体性が大切にされているでしょうか?本当に「多様性」を受け入れているでしょうか? 子どもたちをもっと自由に解放してあげようじゃないですか!それが僕ら大人の役目であることは確かです。
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『しごとへの道2: 獣医師 オーケストラ団員 地域おこし協力隊』
¥1,430
SOLD OUT
鈴木のりたけ/作 192P ブロンズ新社 【迷って、なやんで、とびこんで、自分の「好き」をしごとにするまで。】 読む「しごとば」シリーズ第2弾は、獣医師、オーケストラ団員、地域おこし協力隊の3職業を収録。 自分のしごとに出会うまでの紆余曲折、人生を変える言葉や人との出会いを、子ども時代から取材。 しごとへの道はひとつじゃない― 子どもから大人まで、心に響くエピソードが満載! コミック仕立てで充実の読み応えです。 (以上、出版社コメントより) 【丈太郎のひとりごと】 大切なのは、「今」を十分に楽しく頑張り努力する、そして、何に対しても「好奇心」を持つことです。この3人は好奇心旺盛です。その好奇心を突き詰めていけば、なりたい仕事になれることでしょう。 もしかしたら、なりたい仕事でもなかったけれども素敵な仕事になれるかも知れません。 三者三様の幼少時からの様子を読んでみて、子どもたちが今何をすべきか?何に没頭すべきか?色々と考え、将来、どんな仕事になるのかお楽しみにしておくのも良いでしょう。
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『ひとつだけ守りたいもの』
¥1,980
SOLD OUT
リンダ・スー・パーク/作 ロバート・セーヘン/絵 佐藤淑子/訳 72P 玉川大学出版部 【あなたにとって大事なものは何ですか?】 「あなたのいちばん大事なものはなんですか?」と問われたら、皆さんは何を思い浮かべますか? この絵本では学校の先生が出した宿題の「火事の家からひとつだけもちだしたいものを考えてくること。」を皆んな考えてきて発表し、意見を交わすお話です。皆んなはそれぞれ家に帰って考えます。 スマートホン、マンガ、本、野球選手にもらったサイン、スケッチブック、お金、おばあちゃんが作ってくれたカーディガンなど、中には陶器の動物コレクション93個も!そして、皆んなで話し合いをすると、それぞれ考え方の違う意見が交わされます。 人それぞれ大事にしたいものは違うのです。そして、皆んなの話を聞き終えた先生は、自分が大事なものの考えが変わります。それは実際に存在する「モノ」などではありませんでした。果たして先生が大事にしたいものは? モノクロで描かれた絵はとてもオシャレで、あえてモノクロで描かれていることにより、文章かが際立ち、心に残ります。 【丈太郎のひとりごと】 僕にも大事なものが沢山あります。しかし、一番大切なのは小学3年生になる僕の子どもです。大事なものというのは、目に見えるものもあれば、そうでないものもあります。 皆さんもこの絵本を読んで自分の大事な物を考えてみてください。ちなみに僕は息子の子どもの次に大事なものは「メガネ」です。
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【クラシカルな幼年童話!】『くよくよしても しかたがない!』
¥1,650
ワンダ・ガアグ/作・絵 小宮 由/訳 64P 瑞雲舎 【ユーモアたっぷりの仕事の取り替えっこ!】 おばあさんが子どもに「これはね、わたしが子どもだったころ、わたしのおばあさんからきいた、ふるいふるいお話だよ。」と言うところから始まります。 お百姓さんの名前はフリッツル、奥さんの名前はリアシと言い、小さいキンドリという名の娘がいました。それから犬が1匹いてスピッツと言います。他に牝牛が1頭、山羊が2頭、豚が3匹、がちょうが12羽いました。みんなは小さな土地で慎ましく暮らしていました。 フリッツルの仕事は、畑を耕し、種を蒔き、雑草を取ること、それから牧草を刈り、それを集めて束にして積み上げることです。 リアシの仕事は、家の掃除をして、料理をしてクリームをかき混ぜて、バターを作り、納屋の動物たちと娘の世話をすることでした。 二人とも毎日一生懸命働いていました。二人とも熱心に働いていましたが、フリッツルは自分の方が余計に働いていると思っていて、リアシの仕事はそれに比べて楽なものだと言います。 少し言い合いとなり、リアシが仕事を交代してみようと提案し、フリッツルも大賛成しました。しかし、フリッツルが楽だと思っていたリアシの仕事は、、、。 ユーモア溢れる挿絵も楽しさを助長してくれます。 【丈太郎のひとりごと】 人と比較すると「自分ばかり」となりがちですよね。フリッツルもそうです。そして、僕もたまにそんなことを思います。しかし、そんなことはなく、人それぞれ大変なんですよね。 ユーモア溢れるお話の中に、しっかりとそんなメッセージが織り込まれています。 絵本から幼年童話に変わっていく変化の中で、読みやすい内容です。
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【幼年童話の入り口に最適!】『パインさんの ごちゃまぜ かんばん』
¥1,540
レオナード・ケスラー/作 小宮 由/訳 60P 大日本図書 【描き直した町の看板が大変なことに!】 パインさんは看板やさんです。これまで町の看板を全部作ってきました。車の標識もパインさんお住む「リトル・タウン」のどのようなお店にも、通りにも道路にも、全ての看板です! しかし、雨が降り、雪が積もり、風が吹きつけ、日が照りつけて、町の看板は少しずつ古くなり、文字がかすれてきました。そして、「リトル・タウン」の町長さんがパインさんに新しい看板を作るようお願いをします。 パインさんは町中全部の看板を描き直すことにしました。1週間で全ての看板を描き終えることができました。後はペンキを乾かすだけとなりました。次の日、ベッドから降りるとパインさんのメガネがありません。家中、探し回ってもないのです。パインさんはメガネがないと、全部ぼんやり見えます。 でも今日はメガネなしで看板をつけることにしました。しかし、パインさんは気づいてなかったのです。自分の看板が正しいところにつけていないことを!町中は色々な間違った看板のせいで大混乱!果たして「リトル・タウン」はどうなってしまうのでしょう? 黒と黄を基調としたポップな挿絵もとても可愛く、ユーモアなお話をもっと膨らませくれます。 【丈太郎のひとりごと】 普段、メガネを愛用している僕としては、とてもパインさんの気持ちがわかります。本当にメガネがないとよく見えないのです。 そんなことから町一番の看板屋さんがしてしまったことにより町は大混乱になります。 とてもポップなお話とセンスの良い挿絵で、気持ちよくページを読み進めることができます。 幼年童話の入り口に最適な本です。
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【とにかくオシャレな幼年童話!】『こんにちは、アンリくん』
¥1,980
エディット・ヴァシュロン/作 ヴァージニア・カール/作・絵 松井るり子/訳 240P 徳間書店 【ユーモアなお話とオシャレな絵バランスが素晴らしい!】 この本には「アンリくん」、「かさ」、「なんようび」の3つのお話が書かれています。 例えば「アンリくん」なんかはとても面白いです。 アンリ君はフランスに住んでいて大家族です。猫のミシェルくんもフランスに住んでいて大家族です。アンリ君は母さんに頼まれて魚を買いに行きます。猫のミシェルくんも同じく母さんに頼まれて魚を買いに行きます。 ところが二人が買おうとしたのは同じ一番大きな魚でした。互いに取り合いになりますが、「あっ、そうだ!」と同時に言いました。そして、二人が考えたこととは? フランスの国旗の色である、青、赤、白を基調として描かれた絵は、とてもポップでオシャレで読みながらワクワクしてしまいます! 【丈太郎のひとりごと】 とにかく全てがオシャレでポップでキュートで、手にするだけで楽しくなってしまいます! お話も幼年童話としてちょうど良い文章量で、ユーモアに溢れているのでとても読みやすいです。そしてそのお話をもっとカラフルにしているのが、ポップな絵の数々! 読了後の感想はとにかくポジティブな気分に浸ることになるでしょう。スキップしたくなるような軽快さです! もう表紙買いしても良いぐらい中身は保証します! 大人の僕が言うんだから、大人だって読み終わったらスキップしたくなりますよ!
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【大人が読んでもグッとくる!幼年童話】『ひとつのねがい』
¥1,430
はまだ ひろすけ/作 しまだ しほ/絵 31P 理論社 【街灯の儚い夢のお話】 ある町はずれに、1本の街灯が立っていました。そこはあまり人通りのない、小路の角でありました。 街灯は毎晩のように心の中で、自分の一本足もよぼよぼで風が荒れだしたら、もう何もかもおしまいだと思っていました。しかし、街灯にはひとつの願いがありました。その願いを想い、街灯は少し強い風が吹いてもぐっとこらえていたのです。 そのたったひとつの夢とは、一生に一度だけで良いから星のような灯りになってみたいと言うことだったのです。その願いを抱いて何年も立ってきたのです。 しかし、人間も黄金虫も蛾も誉めてくれるどころか街灯の灯りをけなすばかりです。それでも街灯は決心をして頭をしっかりと持ち上げて灯りが明るくなりました。 そこにお父さんと10才ぐらいの男の子が現れました。そして、男の子が言った言葉に街灯は、、、。 1ページずつの絵が1枚の絵画のように美しく、お話の内容ととても合っています。 【丈太郎のひとりごと】 ここでは結末は書きませんが、なんとも言えない気持ちになりました。 街灯のはかない夢はどうなるのでしょう?力強く信念を持っていれば必ず願いは叶うのでしょうか?小学低学年の子どもが対象ですが、大人が読んでも素敵なお話です。 子どもだけで読むのも良いですが、大人が一緒に読むこともオススメします。もちろん、大人だけでも!
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【詩集】『ともだち』
¥1,320
SOLD OUT
谷川俊太郎/作 和田誠/絵 72P 玉川大学出版部 【ともだちってどんな存在?】 「ともだちって」「ともだちなら」「ひとりでは」「どんなきもちかな」「けんか」「ともだちはともだち」「あったことがなくても」と、七つのテーマで「友達」とはどんな存在であるかを、何十編にわたり短い詩とシンプルな絵で描かれています。 それらは「友達」の定義の押し付けではなく、「友達ってこんな存在なんじゃないかな?」という投げかけであると僕は思います。 一度に最初から最後まで読み通す必要はありません。ふとした時にどのページをめくっても、きっと誰もが自身の「友達」の顔や想いが浮かんでくることでしょう。また、新しい「友達」との出会いのきっかけにもなると思います。 【丈太郎のひとりごと】 友達の定義って何?僕はそんなことを聞かれてもすぐに答えられません。しかし、この詩集を読むと色々な定義があって、そしてそれらは特別なことでもなく友達と日常的なことであったりします。 友達の関係がうまくいかなかったり、信頼出来なくなったり「友達ってなんだろう?」って考えた時にこの詩集を読むと良いかもしれません。
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【幼年童話】『バレエ団のねこ ピンキー』
¥1,540
SOLD OUT
ノエル・ストレトフィールド/作 スザンヌ・スーバ/絵 田中潤子/訳 24P のら書店 バレエの好きなネコのピンキーの仕事は、劇場いるネズミを捕まえること。しかし、ピンキーはネズミが苦手で捕まえる事が出来ません。金曜の夜になると給料を渡されるのですが、いつもクビにならないか心配です。 ある時、バレエの公演で主役のダンサーが怪我をして出れなくなります。その代役を務めるダンサーは喜ぶどころか泣き崩れています。それは演目を覚えていないので、代役が務まらないからです。 ピンキーはネズミを捕まえるのが苦手でしたが、バレエは大好きで全ての演目を覚えています。 さあ、ピンキーの出番です!代役を務めるダンサーにバレエを教えることになります。 果たしてバレエの公演はどうなるでしょう? 皆それぞれ、苦手なこともあれば得意なこともある。そして、いつかは自分の得意なことで役に立つこともあります。 この本を読むと、自分にしか出来ないことを見つける事ができるでしょう。 自分に自信が持てない子どもに読んで欲しい幼年童話です。 きっと自分の存在意義を見つける事が出来る事でしょう! 小学低学年からオススメの本です。