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人間関係で悩める小学生に捧ぐ2冊セット『ちょっとだけ ともだち』『ぼくは、ういてる。』
¥3,300
★『ちょっとだけ ともだち』なかがわちひろ/作 55P のら書店 ★『ぼくは、ういてる。』なかがわちひろ/作 55P のら書店 【子どもの心に寄り添ってくれる本】 現代社会に生きる子どもたちは、多くの悩みを抱えています。しかし、その悩みをなかなか打ち明けることが出来ずに苦しんでいる子も多いはずです。 この2冊は、「ともだち」ってどんな関係?や、「ひとちがう」って良くないこと?を分かりやすく描かれています。 【丈太郎のひとりごと】 短い言葉で綴られた子どもの心境を、私たち親(大人)がしっかりと受け止めて、一緒に克服していくことが大切ではないかと、小学4年の息子を持つ親として考えさせられます。 子どもたちの日々の生活が、楽しく自由であって欲しいと切に願います。
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【友達って何だろう?小学生に読んで欲しい本】『ちょっとだけ ともだち』
¥1,650
なかがわちひろ/作 55P のら書店 【みんな友達がたくさんいるけれども、ぼくは、、、。】 一平くんの妹が保育園に入園します。お母さんは「おともだち 100人 できるわよ〜」なんて言っていますが、一平くんにはそんな無理だと思います。 一平くんの友達は山田ほのかさんだけです。しかし、最近では山田さんとも喋りません。本当にそれで友達なのか?一平くんは疑問に感じます。 そんななか、妹はあっという間に友達を作り、お母さん、お父さん、おばあちゃんも友達が多いのです。しかし、そんな家族の中でおじいちゃんだけは友達にいないようでしたが、ある日、おじいちゃんのアルバムを見ていたら、昔のおじいちゃんが色々な人と一緒に友達と写っている写真を見つけます。 おじいちゃんにも友達がいたことを知り、一平くんは友達作りに焦りを感じます。 ある日のこと、学校に飾ってあった皆んなが書いたカメの絵をジッと見ている早川ヒロくんがいました。そして、お互いカメのマニアックな話で盛り上がり、今度の休みの日に遊ぶことに。 しかし、実際に遊んでみるとカメ以外は趣味が合いません。ヒロくんは一平くんにカメだけの友達でいようと帰ってしまいました。 「ともだちを つくるのって むずかしい。」 そして、一平くんがどうしたら友達が作れるのか相談をしました。そして、おじいちゃんは一平くんに語りかけるのです。 果たして一平くんには友達が出来るのでしょうか? 余計なものを省いたシンプルな絵と、短い文章がメインで書かれていて、細かい描写は絵に合わせて小さな字で書かれているため、とても読みやすい本です。 【丈太郎のひとりごと】 この本は『ぼくは、ういている』(https://shop.meruhenhouse.com/items/86395781 ) の続編のような本です。 『ぼくは、ういている』では、大勢の中で自分だけ他の人とは違うことに悩み、同じような悩みを持った山田ほのかさんと気持ちを共有しることができました。今回はそんな山田さんにも「本当に友達と言えるのか?」と疑問に思ってしまうようになっています。 僕も小学校に入学するタイミングで、一番最初のメルヘンハウスの近くに引越しをしたので、最初は誰も友達はおらず飼っていたビーグル犬だけが友達でした。しかし、ちょっとずつ話すことが出来る子ができるようになり、僕のお父さんは本屋さんだと話すと、何人かでメルヘンハウスに行きました。 しかし、みんなは「お前のお父さんの本屋は面白くない。」と帰ってしまいました。メルヘンハウスは漫画や雑誌を置かない「子どもの本専門店」です。その時、みんなが求めていたのは『コロコロコミック』や『小学一年生』などといった漫画や雑誌でした。 その晩、メルヘンハウスから帰ってきた父に「『コロコロコミック』とか『小学一年生』をおいてよ〜。」と泣きながら頼んだものでした。あの時の父の複雑そうな困った顔は今でも印象に残っています。 皆さんは我が子に「友達ってなあに?」と言われたら、どう答えますか?好きなものが一緒であり気が合う人だけが友達なのでしょうか?僕は趣味や思考が似ていることだけが友達とは思いません。 この本では一平くんのキーマンになる人物は「おじいちゃん」です。そのおじいちゃんの話に一平くんが耳を傾けることで、新しい友達の世界観が広がります。 小学校に入って中々友達ができなく寂しい想いをを抱いている子どもたちにオススメの本です。我が子が友達のことで悩んでいたら、一緒に読んでみることをオススメします。
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『どろぼうジャンボリ』
¥1,540
阿部 結/作 60P ほるぷ出版 【ジャンボリが手にしたかったものとは?僕らが失いつつある「なにか」とは?】 どろぼうのジャンボリは顔を見られないように、いつもごみばこを被っています。町のみんなが寝静まった頃に、ジャンボリは「盗み」の仕事に取りかかります。盗むものはごみばこにひっそりと捨てられた手紙です。 それらは、書き間違えたもの、何度も書いた下書き、恥ずかしくなって出すのをやめて捨てられた「てがみのたね」。そんなみんなの「はだかんぼうの きもち」がジャンボリが好きでした。 ジャンボリは「てがみのたね」を隠れ家に持ち帰り、シャワーを浴び、パジャマを着て、ココアを作り、入念なるベストコンディションの状態で、朝がくるまで沢山の「てがみのたね」が入った宝箱に潜り込んで昼過ぎまでぐっすり眠るのです。 しかし、ある晩に事件が起きました。ジャンボリがいつものように「てがみのたね」を探しても一枚も見つかりません。 この町の新しい町長は、今まで仕事の書類しかもらったことがなく、町長になれば手紙をもらえると思ったのですが、一向に手紙をもらえません。 そして、とうとう「おてがみ きんしれい」を出して、町から手紙は消えてしまいました。 「てがみのたね」を手に入れることが出来なくなったジャンボリは、代わりに輝く宝石、綺麗な絵、お金などを盗みますが、心はちっとも震えず沈んでいくばかりです。 そこでジャンボリは盗んだものを返し、「てがみのたね」の宝箱だけを持って町を出ることにしました。 ところが宝箱のカギをかけ忘れてしまったので「てがみのたね」は一枚も残らず飛んでいってしまい、町のあちこちに舞い降りていきました。そして「てがみのたね」に綴られていた「はだかんぼうの ことば」を目にした町の人たちが起こした行動とは?そして、ジャンボリはどうなる? ジャンボリが町に奇跡を起こす、とても深い感動的なお話です。 丁寧に人や物や情景のディティールまでしっかり描かれた絵は、セピア調、モノクロ、カラーと色を使い分け、画面の構成も時にはページいっぱいに絵を配置し、時にはコマ割り風など、絵本から「読みもの」に手を伸ばしはじめた小さな読者を飽きさせることないよう、至る所に工夫が凝らされています。 そのため、場面展開において読み手の心情がその時々で自然に変化していく素晴らしい効果をもたらしています。 また、3章に分かれているため、小さな読者は無理することなく読み進めることが出来ます。 【丈太郎のひとりごと】 数ヶ月前にこの『どろぼうジャンボリ』の刊行元の出版社の方に、僕が「最近、幼年童話の面白さや大切さに興味を持ってるんですよね〜。」と、何気なく話したら「それなら是非とも読んで欲しい本がある!」と、まだ製本もされていない、A4の用紙に描かれたゲラ原稿を受け取り早速読んでみました。 ゲラ原稿段階の『どろぼうジャンボリ』を読み終えた僕の頭の中は、しばらく真っ白になり時間が止まったような感覚でした。 そして「この本は子どもたちは勿論のこと、大人にも読んで欲しい本だ!いや、今を生きる誰もが読まなくてはいけない本だ!」と、多くの人々に手渡していかなければいけないという使命感を、読者に一番近い存在である書店員として強く思いました。 これはただの感動的な話ではありません。お話の結末が大切ではなく、そこに至るまでの数々のプロセスの中にとっても大切なことが散りばめられています。 ジャンボリが「てがみのたね」で満たされても、輝く宝石、綺麗な絵、お金では心はちっとも震えず沈んでいくのは何故なのか?一体、ジャンボリは何を求めていたのか? 目に見えてそこに物質として存在し結果や効果がわかりやすいもの、そして、それらを直ぐに簡単に手に入れることができ、その時間が早ければ早いほど良いと考えられている現代社会において、僕らが失っているものは多くあると思います。 時短(タイムパフォーマンス)ばかりを求めるが故に、進化し続けるAIやChatGPTなどデジタルに依存し、誰かに自分の想いを伝える感情までも託してしまっていることは、本当に「人間の進化」であると果たして言えることでしょうか? 今のデジタルの進化を良しとして、さらに進化させることが本当に人間にとって幸せであり、心が満たされることなのでしょうか? ここで描かれている「はだかんぼうの きもち」は失敗です。人間は失敗を重ね、その失敗から学び、例え多くの時間を費やすことになるとしても、自分の実現したいことへの策を考え実行し、努力して克服することにより、達成感や充実感を得ることが「人間らしさ」であり、その時間こそが、それぞれの「個性」の源を作るのです。 つまりは、人間にとって必要なのは「正解」ではなく、例え「正解」に辿り着けなかったとしても、それに向かっていく時間のプロセスが重要だと僕は思います。 この本は「手紙」をモチーフとして現代社会に一石を投じる、50年以上前にミヒャエル・エンデが書いた名作『モモ』の現代版と言っても過言ではありません。 きっとこれからのスタンダードな本となっていくことでしょう! 本に親しんでいる子であれば5〜6才から読むことが出来るでしょう。ただ、そのぐらいの年齢ならば大人が一緒に読むことをオススメします。 小学低学年から大人までは、この本の世界観に飛び込むようにして読んでみてください。そして、あくまで「絵童話」のため、アート性が高い絵もじっくり楽しんでください! まだまだ言いたいことは沢山ありますが、皆さんの「余白」を奪わぬようにこれぐらいにしておきます。 最後に、僕はオンラインショップで本をご購入された方へ、必ずポストカードに乱筆乱文ですが、ひと言御礼を書いて発送する際に、本に同梱してお送りしています。もちろん、この本をご購入された方へも書くつもりです。 もし皆さんの気が向いたら何でも良いのでお返事ください。皆さんからのお手紙を町長のように待っています! メルヘンハウス 三輪丈太郎
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【新学期を迎える小学生たちへ!】『ぼくは、ういてる。』
¥1,650
なかがわちひろ/作 55P のら書店 【「ういてる」って良いこと?悪いこと?】 主人公の僕は時々浮いています。その時によって違うけれど大体20〜30センチぐらい浮いています。周りからはただぼんやりしているように見えるらしく、叱られたり、笑われたり、置いていかれたりします。 退屈して他の人と違うことを考えていたり、何か夢中になっている時に浮きやすいです。しかし、悪いことだけではありません。浮いてるからこそ思いがけないものが見えたりもします。 浮いていることは悪い気持ちにするだけではなく、良い気持ちになることもあります。よく見ると浮いてるのは自分だけでなく周りの人も全員ちょっぴり浮いてました。みんな揃って3センチぐらい浮いていたので気づきませんでした。 浮いていることが悪いことなのか良いことなのかは答えは出ませんが、自分らしく生きている姿が、文章をよりわかりやすくするような絵で描かれています。 【丈太郎のひとりごと】 多数の中で自分だけ思考や行動が違うと周囲から「浮いている」」と言われることがあります。それが個性と呼ばれる良いことなのか、協調性や集中力のない悪いことかはわかりません。 この本には浮いていることについて良い悪しの判断はされていません。そんな浮いてる子どもを優しく見守る校長先生もこのお話には登場します。大人が子どもたちと接して必要な時にはフォローをしていくのが大切だと思います。 僕も小中学校と「ういてる」子どもでした。みんなと同じことを何故ここまでも強制されなくてはいけないのか?時代は80年代半ばから90年代初頭、管理教育が厳しく不条理な校則に縛られた生活でした。 そんな生活に疑問を持った僕は、高校を埼玉県にある「自由の森学園」(https://www.jiyunomori.ac.jp)への進学を決めました。子どもたちの主体性を何よりも重じる、校則もない高校でした。 そこでは「自由」と「わがまま」の紙一重な難しさなども学びました。そして、後に一生の友達となる皆んなと、共有、共鳴、共感をともにしました。 当時の学園長であり「自由の森学園」の創立者でもある故・遠藤豊氏は、僕らの卒業式でこう言いました。 「社会の囚われ人になってはダメだ!」 今でもその言葉は僕のベーシックにあります。社会の荒波に揉まれながらも、自立して生きていくこと。なかなか出来ることではありません。自分の自由のために時には社会と闘わなければならないこともあります。 だから僕は、未だにちょっと「ういている」ぐらいが丁度良いと思っています。互いの個性を尊重し合う社会になることを切に願っています。 今の子どもたちは「おりこう」な子が多いと思います。「おりこう」とは客観的な評価であり、本来は「かしこい」でなければいけないのではないでしょうか? 子どもだけでなく、大人にも是非とも読んで欲しい本です! 大人の顔色を伺いながら「おりこう」な生活を強いられている子どもたちを救わなければならない!僕はこの本を読んでそう思いました。 世の中的には「子どもの主体性を大切にした教育」と言われてますが、本当に子どもたちの主体性が大切にされているでしょうか?本当に「多様性」を受け入れているでしょうか? 子どもたちをもっと自由に解放してあげようじゃないですか!それが僕ら大人の役目であることは確かです。
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『しごとへの道2: 獣医師 オーケストラ団員 地域おこし協力隊』
¥1,430
鈴木のりたけ/作 192P ブロンズ新社 【迷って、なやんで、とびこんで、自分の「好き」をしごとにするまで。】 読む「しごとば」シリーズ第2弾は、獣医師、オーケストラ団員、地域おこし協力隊の3職業を収録。 自分のしごとに出会うまでの紆余曲折、人生を変える言葉や人との出会いを、子ども時代から取材。 しごとへの道はひとつじゃない― 子どもから大人まで、心に響くエピソードが満載! コミック仕立てで充実の読み応えです。 (以上、出版社コメントより) 【丈太郎のひとりごと】 大切なのは、「今」を十分に楽しく頑張り努力する、そして、何に対しても「好奇心」を持つことです。この3人は好奇心旺盛です。その好奇心を突き詰めていけば、なりたい仕事になれることでしょう。 もしかしたら、なりたい仕事でもなかったけれども素敵な仕事になれるかも知れません。 三者三様の幼少時からの様子を読んでみて、子どもたちが今何をすべきか?何に没頭すべきか?色々と考え、将来、どんな仕事になるのかお楽しみにしておくのも良いでしょう。
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『ひとつだけ守りたいもの』
¥1,980
リンダ・スー・パーク/作 ロバート・セーヘン/絵 佐藤淑子/訳 72P 玉川大学出版部 【あなたにとって大事なものは何ですか?】 「あなたのいちばん大事なものはなんですか?」と問われたら、皆さんは何を思い浮かべますか? この絵本では学校の先生が出した宿題の「火事の家からひとつだけもちだしたいものを考えてくること。」を皆んな考えてきて発表し、意見を交わすお話です。皆んなはそれぞれ家に帰って考えます。 スマートホン、マンガ、本、野球選手にもらったサイン、スケッチブック、お金、おばあちゃんが作ってくれたカーディガンなど、中には陶器の動物コレクション93個も!そして、皆んなで話し合いをすると、それぞれ考え方の違う意見が交わされます。 人それぞれ大事にしたいものは違うのです。そして、皆んなの話を聞き終えた先生は、自分が大事なものの考えが変わります。それは実際に存在する「モノ」などではありませんでした。果たして先生が大事にしたいものは? モノクロで描かれた絵はとてもオシャレで、あえてモノクロで描かれていることにより、文章かが際立ち、心に残ります。 【丈太郎のひとりごと】 僕にも大事なものが沢山あります。しかし、一番大切なのは小学3年生になる僕の子どもです。大事なものというのは、目に見えるものもあれば、そうでないものもあります。 皆さんもこの絵本を読んで自分の大事な物を考えてみてください。ちなみに僕は息子の子どもの次に大事なものは「メガネ」です。
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【クラシカルな幼年童話!】『くよくよしても しかたがない!』
¥1,650
ワンダ・ガアグ/作・絵 小宮 由/訳 64P 瑞雲舎 【ユーモアたっぷりの仕事の取り替えっこ!】 おばあさんが子どもに「これはね、わたしが子どもだったころ、わたしのおばあさんからきいた、ふるいふるいお話だよ。」と言うところから始まります。 お百姓さんの名前はフリッツル、奥さんの名前はリアシと言い、小さいキンドリという名の娘がいました。それから犬が1匹いてスピッツと言います。他に牝牛が1頭、山羊が2頭、豚が3匹、がちょうが12羽いました。みんなは小さな土地で慎ましく暮らしていました。 フリッツルの仕事は、畑を耕し、種を蒔き、雑草を取ること、それから牧草を刈り、それを集めて束にして積み上げることです。 リアシの仕事は、家の掃除をして、料理をしてクリームをかき混ぜて、バターを作り、納屋の動物たちと娘の世話をすることでした。 二人とも毎日一生懸命働いていました。二人とも熱心に働いていましたが、フリッツルは自分の方が余計に働いていると思っていて、リアシの仕事はそれに比べて楽なものだと言います。 少し言い合いとなり、リアシが仕事を交代してみようと提案し、フリッツルも大賛成しました。しかし、フリッツルが楽だと思っていたリアシの仕事は、、、。 ユーモア溢れる挿絵も楽しさを助長してくれます。 【丈太郎のひとりごと】 人と比較すると「自分ばかり」となりがちですよね。フリッツルもそうです。そして、僕もたまにそんなことを思います。しかし、そんなことはなく、人それぞれ大変なんですよね。 ユーモア溢れるお話の中に、しっかりとそんなメッセージが織り込まれています。 絵本から幼年童話に変わっていく変化の中で、読みやすい内容です。
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【幼年童話の入り口に最適!】『パインさんの ごちゃまぜ かんばん』
¥1,540
レオナード・ケスラー/作 小宮 由/訳 60P 大日本図書 【描き直した町の看板が大変なことに!】 パインさんは看板やさんです。これまで町の看板を全部作ってきました。車の標識もパインさんお住む「リトル・タウン」のどのようなお店にも、通りにも道路にも、全ての看板です! しかし、雨が降り、雪が積もり、風が吹きつけ、日が照りつけて、町の看板は少しずつ古くなり、文字がかすれてきました。そして、「リトル・タウン」の町長さんがパインさんに新しい看板を作るようお願いをします。 パインさんは町中全部の看板を描き直すことにしました。1週間で全ての看板を描き終えることができました。後はペンキを乾かすだけとなりました。次の日、ベッドから降りるとパインさんのメガネがありません。家中、探し回ってもないのです。パインさんはメガネがないと、全部ぼんやり見えます。 でも今日はメガネなしで看板をつけることにしました。しかし、パインさんは気づいてなかったのです。自分の看板が正しいところにつけていないことを!町中は色々な間違った看板のせいで大混乱!果たして「リトル・タウン」はどうなってしまうのでしょう? 黒と黄を基調としたポップな挿絵もとても可愛く、ユーモアなお話をもっと膨らませくれます。 【丈太郎のひとりごと】 普段、メガネを愛用している僕としては、とてもパインさんの気持ちがわかります。本当にメガネがないとよく見えないのです。 そんなことから町一番の看板屋さんがしてしまったことにより町は大混乱になります。 とてもポップなお話とセンスの良い挿絵で、気持ちよくページを読み進めることができます。 幼年童話の入り口に最適な本です。
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【とにかくオシャレな幼年童話!】『こんにちは、アンリくん』
¥1,980
エディット・ヴァシュロン/作 ヴァージニア・カール/作・絵 松井るり子/訳 240P 徳間書店 【ユーモアなお話とオシャレな絵バランスが素晴らしい!】 この本には「アンリくん」、「かさ」、「なんようび」の3つのお話が書かれています。 例えば「アンリくん」なんかはとても面白いです。 アンリ君はフランスに住んでいて大家族です。猫のミシェルくんもフランスに住んでいて大家族です。アンリ君は母さんに頼まれて魚を買いに行きます。猫のミシェルくんも同じく母さんに頼まれて魚を買いに行きます。 ところが二人が買おうとしたのは同じ一番大きな魚でした。互いに取り合いになりますが、「あっ、そうだ!」と同時に言いました。そして、二人が考えたこととは? フランスの国旗の色である、青、赤、白を基調として描かれた絵は、とてもポップでオシャレで読みながらワクワクしてしまいます! 【丈太郎のひとりごと】 とにかく全てがオシャレでポップでキュートで、手にするだけで楽しくなってしまいます! お話も幼年童話としてちょうど良い文章量で、ユーモアに溢れているのでとても読みやすいです。そしてそのお話をもっとカラフルにしているのが、ポップな絵の数々! 読了後の感想はとにかくポジティブな気分に浸ることになるでしょう。スキップしたくなるような軽快さです! もう表紙買いしても良いぐらい中身は保証します! 大人の僕が言うんだから、大人だって読み終わったらスキップしたくなりますよ!
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【大人が読んでもグッとくる!幼年童話】『ひとつのねがい』
¥1,430
はまだ ひろすけ/作 しまだ しほ/絵 31P 理論社 【街灯の儚い夢のお話】 ある町はずれに、1本の街灯が立っていました。そこはあまり人通りのない、小路の角でありました。 街灯は毎晩のように心の中で、自分の一本足もよぼよぼで風が荒れだしたら、もう何もかもおしまいだと思っていました。しかし、街灯にはひとつの願いがありました。その願いを想い、街灯は少し強い風が吹いてもぐっとこらえていたのです。 そのたったひとつの夢とは、一生に一度だけで良いから星のような灯りになってみたいと言うことだったのです。その願いを抱いて何年も立ってきたのです。 しかし、人間も黄金虫も蛾も誉めてくれるどころか街灯の灯りをけなすばかりです。それでも街灯は決心をして頭をしっかりと持ち上げて灯りが明るくなりました。 そこにお父さんと10才ぐらいの男の子が現れました。そして、男の子が言った言葉に街灯は、、、。 1ページずつの絵が1枚の絵画のように美しく、お話の内容ととても合っています。 【丈太郎のひとりごと】 ここでは結末は書きませんが、なんとも言えない気持ちになりました。 街灯のはかない夢はどうなるのでしょう?力強く信念を持っていれば必ず願いは叶うのでしょうか?小学低学年の子どもが対象ですが、大人が読んでも素敵なお話です。 子どもだけで読むのも良いですが、大人が一緒に読むこともオススメします。もちろん、大人だけでも!
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【詩集】『ともだち』
¥1,320
SOLD OUT
谷川俊太郎/作 和田誠/絵 72P 玉川大学出版部 【ともだちってどんな存在?】 「ともだちって」「ともだちなら」「ひとりでは」「どんなきもちかな」「けんか」「ともだちはともだち」「あったことがなくても」と、七つのテーマで「友達」とはどんな存在であるかを、何十編にわたり短い詩とシンプルな絵で描かれています。 それらは「友達」の定義の押し付けではなく、「友達ってこんな存在なんじゃないかな?」という投げかけであると僕は思います。 一度に最初から最後まで読み通す必要はありません。ふとした時にどのページをめくっても、きっと誰もが自身の「友達」の顔や想いが浮かんでくることでしょう。また、新しい「友達」との出会いのきっかけにもなると思います。 【丈太郎のひとりごと】 友達の定義って何?僕はそんなことを聞かれてもすぐに答えられません。しかし、この詩集を読むと色々な定義があって、そしてそれらは特別なことでもなく友達と日常的なことであったりします。 友達の関係がうまくいかなかったり、信頼出来なくなったり「友達ってなんだろう?」って考えた時にこの詩集を読むと良いかもしれません。
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【幼年童話】『バレエ団のねこ ピンキー』
¥1,540
SOLD OUT
ノエル・ストレトフィールド/作 スザンヌ・スーバ/絵 田中潤子/訳 24P のら書店 バレエの好きなネコのピンキーの仕事は、劇場いるネズミを捕まえること。しかし、ピンキーはネズミが苦手で捕まえる事が出来ません。金曜の夜になると給料を渡されるのですが、いつもクビにならないか心配です。 ある時、バレエの公演で主役のダンサーが怪我をして出れなくなります。その代役を務めるダンサーは喜ぶどころか泣き崩れています。それは演目を覚えていないので、代役が務まらないからです。 ピンキーはネズミを捕まえるのが苦手でしたが、バレエは大好きで全ての演目を覚えています。 さあ、ピンキーの出番です!代役を務めるダンサーにバレエを教えることになります。 果たしてバレエの公演はどうなるでしょう? 皆それぞれ、苦手なこともあれば得意なこともある。そして、いつかは自分の得意なことで役に立つこともあります。 この本を読むと、自分にしか出来ないことを見つける事ができるでしょう。 自分に自信が持てない子どもに読んで欲しい幼年童話です。 きっと自分の存在意義を見つける事が出来る事でしょう! 小学低学年からオススメの本です。