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【オシャレでポップで上品な「うんち」絵本セット!】
¥2,750
1、『うんちっち』ステファニー・ブレイク/作 ふしみ みさを/訳 31P あすなろ書房 【「うんち」の絵本なのに「茶色」が使われていない!何故?それは、、、。】 真っ赤なページにうさぎのこだけがいて、そこにはこんな一文が。 「むかし むかし あるところに、うさぎのこがいました。うさぎのこは ことばを たったひとつしかいえませんでした。それは・・・・・・」 次のページをめくると、真っ青なページにうさぎのこが笑って一言、 「うんちっち」 朝、お母さんがうさぎのこに起きるように言っても「うんちっち」。お昼、お父さんがうさぎのこにほうれん草を食べるように言っても「うんちっち」。夜、お姉さんがうさぎのこにお風呂に入ろうと呼んでも「うんちっち」としか答えません。 ある日、オオカミがやってきて「ぼうやを たべても いいかい?」と、うさぎのこに聞いても答えは「うんちっち」。ついにオオカミに食べられたうさぎのこ。一体この先どうなることでしょう? 各ページのベーシックとなる色は、どのページもカラフルな原色が使われており、絵も画面いっぱいに大きく描かれているため、2才さんぐらいから楽しむことが出来て、読み聞かせなどでも大活躍しそうです! 2、『うんちしたのはだれよ!』ヴェルナー・ホルツヴァルト/作 ヴォルフ・エールブルッフ/絵 関口裕昭/訳 24P 偕成社 【世界一、品のあるうんちの絵本!】 もぐらが自分の頭上にうんちを落とした犯人を探す為に色々な動物に、「ねえ きみ、ぼくの あたまに うんちおとさなかった?」と尋ねる。 どの動物も自分のうんちをもぐらに見せて、頭上のうんちと比較しながら違いを検証し、最後にはとうとう犯人を見つける。 「きみ」、「ぼく」などの言葉遣い、冷静な判断と行動、それらはとても紳士的な振る舞いである。しかし、もぐらの頭上には最初から最後まで、常にうんちが載ったまま!そのギャップが極上なユーモアを醸し出している。 とてもお洒落な洗練された文と絵で描かれた本作では「うんち」は汚いものだと感じない。 【丈太郎のひとりごと】 オシャレに興味のある方なら「モンドリアン」、「Bauhaus」という単語を耳にすれば「おっと!」と立ち止まることでしょう。 見てください!このモンドリアン柄をベーシックに「うんち」の絵本が2冊並んでいます。どうですか?下品に見えます?異臭をイメージしますか?そんなことは全く感じないですよね!むしろ馴染んでいると思いませんか? 何故ならこの2冊の「うんち」の絵本は、オシャレでポップで上品だから。 『うんちっち』は、思いっきりカラフルでポップセンスが炸裂し、一方『うんちっち』の主人公もぐらは自分の頭に「うんち」をした犯人を気品を漂わせる風貌と言葉使いで探しますが、ずっと最後まで「うんち」が頭に載ったままの上品なブラックジョークが効いています。 子どもは下品なものが好きなんです。それは止めることができない人間の「さが」なのです。そして、親ともなれば出来るだけ下品なものから遠ざけたいと思いますよね?しかし、それは残念ながら無理です。 解決策があるとすれば、下品に見えない、感じないものを子どもへ手渡すことです。 この2冊はそんな親のエゴを満たしてくれます! そして子どもと一緒に読んでみてください! きっとエレガンスな「うんち」絵本を体験をすることでしょう!
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【腐り切った現代社会へ、50年以上前からの贈り物!】『しばてん』
¥1,650
田島征三 /作 32P 偕成社 【この不条理を僕らはどう受け止めるべきか?】 むかし土佐に住んでいたとされる、すもう好きの妖怪「しばてん」。みなしごの男の子・たろうは、すもう大会で、あらゆる人を投げ飛ばしたことから、しばてんの生まれかわりではないかと疑われてしまいました。 そして、村の長者の「こんな きみわるい ばけものは、村にゃ おけん。」という言葉に同意した人々によって追いやられ、山奥でひとりで生きるようになります。 月日は流れ、人に会いたくなったたろうが山をおりると、村は日照りによって困窮し、人々は飢えにあえいでいました。そんななか、長者だけが家に米や食べものをたくわえているのを知ったたろうは、長者を投げ飛ばし、人々を飢えから救います。 みんなはふたたびお腹いっぱい食べられるようになり、たろうはまた村に住むようになりました。しかし、騒ぎをききつけた役人がやってきて、長者の米俵をぬすんだのは誰か、と村の人々を問い詰めて……。 ページごとに異なる色使いで、大胆に描かれた絵からは、たろうや村の人々のほとばしる感情があふれます。人間の業について、深く考えさせられる一冊です。 (出版社の紹介文から) 【丈太郎のひとりごと】 いつもはあらすじや特徴など、僕自身が書いて皆さんに紹介していますが、出版社(偕成社)の書いた紹介文がとても的を得たものであったので、そのまま掲載することにしました。 僕が皆さんに伝えたいことは、この本の「あらすじ」ではなく「この絵本とどう向き合っていくべきか?」と言うことです。 この不条理なお話を描いたのは、80才半ばを超えた今でも創作意欲が留まるどころが、よりアクティブに、絵本だけではなく、あらゆる手法、素材で芸術を生み出している、絵本作家というジャンルでは括りきれない「芸術家」と紹介した方が適切と思われる田島征三。 若き20代の学生時代に手刷りで創った最初の絵本がこの『しばてん』。それから『ふるやのもり』(福音館書店)という昔話の絵を手掛けたのが、メジャー(一般流通すると言うこと)デビュー作。こちらも当時は「こんな汚らしい絵はなんだ!」などと、当時は批判されたらしい。 そして、メジャー2作目がこの『しばてん』である。 「絵本界の重鎮」として、児童書業界からは一目置かれているうえ、大作家過ぎて恐れ多く近寄れないと言う人もいるだろうけど、そんな田島征三のことを僕は「征三さん」と気安く呼んでいる。 僕が「征三さん、あのさぁ〜」なんて話をしているところ目撃した人からは「なんて失礼な奴なんだ!」と思われたり、ビックリしたりされるけど、僕にとっては幼少時から知っている「お父さん(メルヘンハウス創業者の三輪哲)の変わった友達の一人」でしかないのである。なので、今更祭り上げるような接し方はしない。 そんな35才も離れた若造(と言っても50才、、、。)にも、征三さんは僕の話に真剣に耳を傾けて同じ目線で話をしてくれる。だから僕もお構いなしに新刊が出ると連絡して「作品は良いけど帯に書いてあることが気に食わない!」などと平気で言ってしまうのだ。 正直、幼き頃の僕にはこの『しばてん』という絵本に、そんな思い入れのある絵本ではなかった。「何かおどろおどろしい怖い絵本」と言うぐらいの印象であった。 しかし、ここ10年ぐらいでやっとこの絵本の凄さに気付いたのだ!もう50年以上前1971年に描かれたこの絵本は「今」でも生きている。いや「今」の陳腐した現代社会の闇を予言するかのように描いているではないか! 『しばてん』には「あとがき」があり、それは若き田島征三の決意表明のように思う。そんな「あとがき」の一文にこう記してある。 ”ぼくがひそかに期待していることは、子どもたちが、その成長の過程で、あるいは青年になってからでも、絵本『しばてん』が、かれらの心の中で発酵して、「ふっ」と、「あの絵本の作者がいおうとしたことは、このことだったのか!」と、心に沈んでくれることです。” そう、まさに僕がここ10年ぐらいで感じたことが書いてあるではないか! この心に沈んだことを僕はどう表現すべきか?とても悩んだ。悩んだ挙句、僕の中でひとつの答えが見つかった。 「この『しばてん』を子どもたちに手渡していくこと。」 正直、今までは自信がなかった。この『しばてん』に対して深く問われたらどうしようと怯えていた。それは後の征三さんの『とべバッタ』(偕成社)に描かれている臆病なバッタのようだったから。だけど、今なら僕はどんな天敵が現れようと、自信を持って『しばてん』を責任持って子どもたちに手渡せる。 本当に大人になると不条理なことが多い。人間関係も「ウィンウィンな関係で、、、。」なんて互いの利害関係がマッチングする時だけの軽いものや、今の日本は一部の政治家や大企業上役や資産家など「お偉いさん」たちに有利になるようなシステムであり、その「お偉いさん」たちの不正や不祥事も正しく裁かれることなく、いつの間にかフェードアウトしていく。そして、それを「善し」としている僕を含めた一般市民の罪も大きい。 本当にこのままで良いのか?征三さんの投げかけに、僕らはどう応えていくべきであろう?僕ら大人は今一度、自分の足元を見つめ直して、より人間らしく正しく生きていくべきではないだろうか? 僕はこの『しばてん』を全力で子どもたちに手渡していく。さあ、皆さんはどうしますか? Punks Not Dead!
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【こんなオシャレな「うんち」の絵本は見たことない!】『うんちっち』
¥1,320
ステファニー・ブレイク/作 ふしみ みさを/訳 31P あすなろ書房 【「うんち」の絵本なのに「茶色」が使われていない!何故?それは、、、。】 真っ赤なページにうさぎのこだけがいて、そこにはこんな一文が。 「むかし むかし あるところに、うさぎのこがいました。うさぎのこは ことばを たったひとつしかいえませんでした。それは・・・・・・」 次のページをめくると、真っ青なページにうさぎのこが笑って一言、 「うんちっち」 朝、お母さんがうさぎのこに起きるように言っても「うんちっち」。お昼、お父さんがうさぎのこにほうれん草を食べるように言っても「うんちっち」。夜、お姉さんがうさぎのこにお風呂に入ろうと呼んでも「うんちっち」としか答えません。 ある日、オオカミがやってきて「ぼうやを たべても いいかい?」と、うさぎのこに聞いても答えは「うんちっち」。ついにオオカミに食べられたうさぎのこ。一体この先どうなることでしょう? 各ページのベーシックとなる色は、どのページもカラフルな原色が使われており、絵も画面いっぱいに大きく描かれているため、2才さんぐらいから楽しむことが出来て、読み聞かせなどでも大活躍しそうです! 【丈太郎のひとりごと】 アメリカ生まれ、フランス育ちの作家が描く、世界で一番カラフルな「うんち」の絵本です! そして、この絵本の最大の特徴はなんと言っても「うんちの色」=「茶色」が通用しないこと。 何故なら、この絵本には「うんち」そのものが描かれていない「うんちの絵本」だからです! 偏見かも知れませんが、作者の「フランス育ち」というだけで「うんち」という単語から悪臭のイメージは膨らむことなく、むしろ清潔感のあるオシャレな言葉に聞こえてしまいます。 子どもは「うんち」とか好きですよね?でも、大人としては、あまり下品なものを見せたりしたくないですよね?そんな時にこの絵本は大活躍! しかし、影響の受けやすい純粋な子どもたちは、この絵本をゲラゲラ笑いながら読んだ後は、どう話しかけても「うんちっち」と答える可能性大なので、そこはお気をつけください!
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【tupera tuperaの隠れた名作を発掘!】『アニマルアルファベットサーカス』
¥1,980
SOLD OUT
tupera tupera/作 32P フレーベル館 【ポップでカラフルにアルファベット順に楽しいサーカスが繰り広げられる!】 まちにまった日曜日、クマの団長が率いる「アニマルアルファベットサーカス」がやってきました!最初は「Ant」ことアリの楽団が先頭に「Bear」ことクマの団長がやってきました! 「さあ サーカスが はじまるよ!」 お次は「Camel」ことラクダのこぶの上で「Dog」ことイヌが逆立ちを披露します。「Elephant」ことゾウが鼻から水を吹き出せば、「Frog」ことカエルと一緒に噴水ショーです。ショーは動物のアルファベット順に進みます。 「Iguana」ことイグアナと「Jaguar」ことジャガーは「ブルルン バルルン」とバイクに乗って曲芸対決! 「Mole」ことモグラと「Newt」ことイモリは空中ブランコ!モグラは「ぶるぶる」、イモリは「のりのり」etc....。こうして楽しいサーカスが続きます。さぁ最後の「Z」はどの動物がどんなフィナーレを見せてくれるのでしょう? 動物たちは全てコラージュで作られていて、紙、布、写真など様々な素材を上手に組み合わせられており、ごちゃごちゃになりそうで上手に配色や模様を配置しているので、センス良くカラフルに動物たちのイキイキとした曲芸を表現しています。 また、各動物の頭文字となるアルファベットには読み方と英語での表記と発音、日本語が記載されていて、英語に興味を持ちだした子どもたちは、楽しくアルファベットに触れることができるでしょう! 【丈太郎のひとりごと】 子どもたちは勿論のこと、大人までも楽しめる数々の作品を創ってきたtupera tupera。 その多くの作品はとてもポップでカラフルでオシャレでスタイリッシュ! 大人気の『パンダ銭湯』(絵本館)などでは、細部のディティールへの拘りをしっかりと持ちつつもポップに仕上げてしまうtupera tuperaの才能はただモノではないと思ったものです。 僕はtupera tuperaの作品をいくつも見てきて、ほとんどをコンプリートしていると思っていましたが、今作は不覚にも見逃していました。この絵本が発刊されたのは2009年。まだ僕がメルヘンハウスで働く前のことです。着実に版を重ねていることからも分かるようにtupera tuperaの「隠れた名作」ではないかと思います。 コラージュって本当に難しいのです。ただ、色々なものを切り貼りすれば良いだけでしょ?なんて思っている方、それは間違いです。しっかりとデザインの基礎を理解していないと、ただのゴチャゴチャした偽物現代アートみたいになっちゃうのです。 しかも今作はコラージュで作られた動物たちがアルファベット順に、しっかりと「サーカス」の起承転結が描かれているのがスゴイ!「アルファベット順」という縛りの中で良くぞストーリーに仕立てたものだと関心するばかり。 英語に興味を持ち出した子どもたちは「A」〜「Z」までを楽しく覚えることでしょう!大人はこのコラージュのクオリティの高さから「アート作品」としても楽しめます! 今作を開くと、どこか中東の国々を思い浮かべてしまうのは僕だけでしょうか?ポップなんだけどサイケデリックな怪しさを感じるのも魅力だと思います! まぁ、深いことは考えずに「ジャケ買い」しちゃってください!中身は期待以上だと思います。お楽しみに!
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【限定10冊!宛名入りサイン本!】『ポストがぽつん』
¥1,650
SOLD OUT
北川チハル/作 小池アミイゴ/絵 32P アリス館 【ポストの不思議な旅のお話】 ずっと使われていなかったポストが、嵐で海にドボンと落ちてしまいました。 しかし、ポストはずっと使われていなかったので、寝ていて気づきません。魚たちはびっくりして「きみ、だあれ?」と聞きますが、ポストの代わりに通りかかったカメが、お手紙を出すものだと教えてくれます。 魚たちはかぜの島のつむじくんへ手紙として、貝殻に声を吹き込んでポストにぽとん。そうすると久々のお手紙にポストは目覚めて届けに行くことになります。こうしてポストは、色々な物から手紙を届けるように頼まれます。ポストだから手紙を届けるのが嬉しくてたまりません。 ポストがお手紙を届ける不思議なお話ですが、配色がとても鮮やかなのにケバさはなく、そして元気良く思いっきり描かれいるに、希望を感じます。 【丈太郎のひとりごと】 本当に不思議なお話で、読了後の気持ちが自分でもよくわからないのです。楽しかったのか?切なかったのか?一体何を言わんとしているのだろう?と謎の絵本です。 しかし、その謎がこの絵本の言わんとしていることを深読みさせます。絵もとても素晴らしく、長年に渡りイラストレーションの仕事をされているアミイゴさんだからこそ描けるバランスの良いものとなっています。 アミイゴさんが最近の作品ですが、今までとは違う割と派手目な原色を多用してポップさやユーモアを感じるにも関わらず、スマートに仕上げているのは「流石!」の一言です!
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《特典!非売品ポストカード付き!》【限定30冊!宛名入りサイン本!】『はるのひ』
¥1,760
SOLD OUT
小池アミイゴ/作 32P 徳間書店 【父子の心温かな叙情あふれて、心に美しい響く】 こと君がお父さんの畑でお手伝いをしていると、遠くの方から煙が上がっているのが見えました。こと君は煙を見にいくのですが、道中の森の中で「とうちゃん、おーい!」とお父さんに声をかけながら進みます。お父さんは「おーい」と答えます。 どんどん進んでいくと掛け声が小さくなっていきます。心細くなりながら、とうとう森を抜けるとそこに広がる風景は夕日に染まった綺麗な景色でした。 色鮮やかに洗練された筆使いで描かれた田舎の風景は、時間の経過とともに、とても美しいグラデーション移り変わりで描かれています。しかし、何処か切なさや懐かしさと言う哀愁と、親子の無償の愛で結ばれた幸福感を感じます。 【丈太郎のひとりごと】 とにかく色彩が美しく、各ページが1枚の絵として成立しています。僕も息子がいますが、父の子どもへの愛情、子どもの父への絶大なる信頼を感じます。この絵本が発刊された当時(2021年)、5才だった息子と一緒にこの絵本を読み、息子と近くの森のある公園に行って「とうちゃん、おーい!」との呼びかけに「おーい」と返事をする『はるのひ』ごっこをしたものです。 小池アミイゴさんの絵本制作の歴史はまだ浅く、長年に渡りイラストレーションにおいて活躍されていた方です。また、子どもも含め被災地の方々など「社会的弱者」に対して、このような美しい絵から想像できないほど、アクレッシブに精力的に活動されています。 他人事にすることなく率直に受け止め、自分に何ができるのか?真剣に思考を巡らせ、自分の出来ることを損得勘定なしに行動に移す「強さ」をアミイゴさんにとても感じ、僕もとても影響を受けています。 この「強さ」と言うのは、アミイゴさんの「確固たる優しさ」であり、周囲の人々の「共感」を得る「包容力の大きさ」も彼の魅力です。 行動や発言は泥くさい人間味に溢れたものなのに、それらを「美しさ」に見事に変貌させることが出来る、数少ない作家であると思います。 子どもたちは勿論のこと、多くの方々にこの作品を手に取っていただければ、僕が言ってることが必ず理解できるはずです。 「静なる動」を、この絵本の中に飛び込んで必死にもがき、掴んで、自分のものにして欲しいと切に思います。
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【柴田ケイコさんの絵本の面白さは「パンどろぼう」シリーズだけじゃない!】『くまたのびっくりだいさくせん』
¥1,540
柴田 ケイコ/作 40P 白泉社 【なんとしてでもママをビックリさせるぞ!】 くまたはパンツだけで過ごすのが大好き!おまけに泥んこで遊ぶのも大好きだからいつも泥だらけです。そんなくまたを見てママはいつも注意してばかりです。くまたはママをびっくりさせて、 「くーちゃん、さすがね! って言われたいのです。そして、石を使ってママの顔を作りました。それを見たママはとても褒めてくれてので、もっとママをびっくりさせようとくまたは色々と考えて作ってみることにしました。 ママのお気に入りのカップに、綺麗な葉っぱとダンゴムシを入れて「くさカップ」を作りました。しかし、ママはびっくりしません。次はママの靴にお人形を寝かせて「くつベッド」を作りましたが、ママはちょっとだけ笑いましたが、びっくりしません。 その後も卵に沢山絵を描いて「かおたまご」、エプロンにテープをいっぱいつけた「テープエプロン」、「セミのぬけがらぼうし」、「まぜまぜチャリチャリじてんしゃ」、「どんぐりいっぱいおけしょうポーチ」など作りますが、ママは全く反応しません。 そして、最後に「ママのかおつきキラキラかがみ」を作り、その鏡を見ているママの部屋へ行って覗いてみると、、、。 子どもがあの手、この手でママを驚かそうとする姿を、カラフルに可愛く何とも言えない表情などをユニークの描いています。 【丈太郎のひとりごと】 柴田ケイコさんと言えば、「パンどろぼう」シリーズ(KADOKAWA)で大人気ですが、本作のように「パンどろぼう」以外にも、とても楽しく面白い絵本を沢山書かれています。 今作は、子どもが「親を楽しませよう!」と、必死に色々と考える姿を面白おかしく描いています。子どもは褒められることが大好き!しかも、ママやパパに褒めらたりすることは格別なことです。 そんな子どもの心情をよく捉えたこの絵本、きっと子どもたちはスーッとこの絵本の中に入って楽しむことでしょう! ママやパパにには注意!きっとこの絵本を読んだ子どもは、何かを仕掛けてくるでしょう。そんな時はこの絵本のように受け止めてあげてくださいね。それが行き過ぎたことだとしても。 ママ、パパ、何があっても受け止める覚悟の準備はOKですか?
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【丈太郎、大興奮の絵本!】【僕らの知らない夜はカラフルで希望に満ちている!】『よるのあいだに…』
¥1,760
ポリー・フェイバー/作 ハリエット・ホブデイ/絵 中井はるの 32P BL出版 【夜は暗いのではなく明るく、そこには素敵な人達の息吹きが存在する。】 私は暗くなってきたので、お茶を飲んで歯を磨き、パジャマに着替えます。パパは洗い物もしています。ママはご飯を食べて、コートを羽織りました。パパは洗い物もしています。 「いってきます」 と、ママは手を振ります。ママはこれから大切な仕事に行くのです。 夜の間、たくさんの人が仕事をしています。サミーさんはビルの掃除をします。誰もいない夜の方が掃除がしやすいからです。ジョルジオさんは、カメラが映し出すビルのあちこちを見守っている。 ハッサンとアミーナさんは警察官です。みんなが安全に暮らせるようにパトロールをします。キャシーさんはテレビレポーターで、私たちの周りで起きたこと、世界で起きたことなど、みんなが朝起きた時に大切なニュースを伝える為です。 レムさんはバンドでサックスを吹き、みんなは楽しくなって踊り出します。バンドのメンバーは演奏が終わるとイーバさんのスーパーに買い物に行きます。そこにスーパーに荷物を届けるためラビさんのトラックがやってきます。 パン屋のルイージさん、線路工事をするジョニーさんとドットさん、救急救命士のダニーさんとトッドさん、助産師のフィオーナさん、皆んなが朝を気持ちよく迎えられるように夜に仕事をsています。 そして、ママの仕事は? 「夜=暗い」とイメージを払拭する、カラフルな色遣いで、それぞれの仕事の役割を明るく描かれています。 【丈太郎のひとりごと】 たまに「なんでもっと前にこの絵本に出合わなかったのだろう!」と後悔をすることがあります。この絵本もそんな後悔をした絵本です。 「夜の仕事」と聞くと、何処か偏見を持ってしまう方も多いかと思います。それは日中に働く人が多いだけの理由であり、僕たちが寝静まった頃に、僕らが想像出来ないような、活発に明るく働く人達がいて、その人達のお陰で僕らは次の朝を何もなかったように迎えるのです。 「夜」を描いた絵本で、こんなにカラフルな色遣いでワクワクしながらページをめくって楽しめる絵本は、僕の知る限りではこの絵本に敵うものはありません。 また描かれている夜の街の風景がきらびやかで「暗闇」などは一切感じません。そして、自身の仕事に誇りを持ってる人達は明るくイキイキしています。 僕はこんな夜の世界に飛び込みたくなるような気持ちが高まり、興奮が醒めないままこの文章を書いています。 もう、絶対的にオススメです!多くの日中をメインに仕事や生活を営んでいる人達、全てにこの「夜」を届けたい!そして、夜に仕事をしている人に大きな賛辞を送る!
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【無駄なものがない、凛とした佇まいが美しい!】『いろいろたべもの』
¥1,430
内田有美/作 32P 偕成社 【カラフルな色づかいと写真のようなイラストがとても美しい!】 白がバックのページには、白い食べ物の影が描かれています。ページをめくるとその影の正体が現れます。黄色がバックのページには、黄色い食べ物の影が描かれています。ページをめくるとその影の正体が現れます。 こうしてオレンジ、赤、緑、ピンク、紫、黒と様々な色がベーシックとなり影が写し出され、ページをめくると、そこには様々なその色の食べ物が描かれています。 色の使い方のセンスと、写真と見間違えるような食べ物のイラストがとてもアーティステックに描かれていますが、繰り返されることにより、幼児さんから楽しむことができ、大人はこの絵本のアートとして楽しむことが出来ます。 【丈太郎のひとりごと】 最初に食べ物のイラストを見た時に「本当にイラスト?写真じゃないの?」と何度も眺めました。今も眺めてもイラストとは信じられない精巧さに、ただただ「美しさ」を感じます。 しかし、そんなアート性が高くとも、カラフルな色遣いでポップに仕上げられているので、これは子どもたちに「本物のアート」を見て、感じてもらいたいと思います。 無駄な装飾もなく、凛とした佇まいを醸し出しているこの絵本。 子どもから大人まで多くの方に見て頂きたいです。
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【またもやラスタカラーで描かれた長新太の名作!】『たぬきのじどうしゃ』
¥1,320
長 新太/作 32P 偕成社 【繰り返されるパニックの警笛がクセになる!】 たぬきのおじさんが車で走っていると、魚がやってきて「かいぶつが でたのです。たすけてちょうだい。」と言うので、川に行ってみると川の中から大きなカエルの怪物が出現し、たぬきのおじさんは車ごと捕まってしまいます。 たぬきのおじさんはパニック状態になり、必死に車のクラクションを鳴らしたり、お腹を叩いて抵抗します。 「ぽんぽん ぶうぶう ぽんぶうぶう ぽんぶう ぽんぶう ぽんぶうぶう 」 それでもカエルの怪物は、離してくれません。さて、たぬきのおじさんの行く末は?車は一体どうなっちゃうの? これまた前回紹介した『はんぶんタヌキ』(こぐま社) https://shop.meruhenhouse.com/items/101172978 と同じく、基本的に赤・黄・緑・黒と言う「ラスタカラー(ラスタファリ信仰(アフリカ回帰思想を持つジャマイカの宗教)」で派手に、そしてシンプルながらダイナミックに描かれています。 「ざぁー ざぁー」、「べしゃん、べしゃん」、「げろげろげー」などの擬音語も多様されており、2才ぐらいの子どもから大人まで楽しめます。 【丈太郎のひとりごと】 僕の小3の息子がまだ2〜3才だった頃、息子がとても好きでかなりのヘビーローテションで読んでいました。 毎回「ぽんぽん ぶうぶう ぽんぶうぶう ぽんぶう ぽんぶう ぽんぶうぶう 」は息子と一緒に言うのですが、ある夜この呪文のような言葉が何故だか面白くなり、「ぽんぽん ぶうぶう ぽんぶうぶう ぽんぶう ぽんぶう ぽんぶうぶう 」と唱えれば唱えるほどゲラゲラと笑い、テンションもあがる一方!結局その日は疲れるまで不思議な呪文を唱え終了! 寝る前だと言うのに、息子のハイテンションが収るのに時間がかかり困ったのも良き思い出です。 僕が、子ども向けのおはなし会や、大人向けの講演会でも、この絵本を読むのですが、いつも「エビバディ!トゥギャザー!」と皆んなで「ぽんぽん ぶうぶう ぽんぶうぶう ぽんぶう ぽんぶう ぽんぶうぶう 」と大合唱! 子どもは最初からマックス、大人は最初は恥ずかしいそうにしているけど、徐々にこの呪文に引き込まれていき、気付けば我を忘れたかのように盛り上がっていきます! そして、この絵本の大きなポイントは最後の終わり方です。「終わり方」と言う表現も違うかもしれません。長新太から読者に委ねられ、そのバトンを受け取った読者は、自らの創造力を駆使してそこから走り出すのです。 終わりなき旅の始まりです。 我が子にはもちろんのこと、保育園や幼稚園、おはなし会などで盛り上がること間違いなし!皆んなで呪文を唱え、長新太からのバトンを受け取りエンドレスな旅を子どもたちと楽しんでください。 僕は、この絵本の読み方に自信があるので「イマイチ読み方がわからない!」と言う方がいらしたら、遠慮なくご相談ください。三輪丈太郎が丁寧に伝授します! それにしてもラスタカラーが気になるなぁ、、、。
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【重版未定のため入手困難な名作!】『はんぶんタヌキ』
¥1,430
SOLD OUT
長 新太/作 32P こぐま社 【削ぎ落とされたシンプルな絵とテキストで独特の世界観が広がる!】 「タヌキが これから ばけますよ ばけますよ」 こんなシンプルな文章から始まります。そしてページをめくると 「あらあら はんぶん タヌキです タヌキです」と、鳥の半分がタヌキになっています。 またページをめくると今度はキャベツが、その次は花が、その次は魚が、どんどん半分になってきます。 そして、どんなものでも文章はたった一文、「あらあら はんぶん タヌキです タヌキです」と繰り返されるのみ。もうこのループに入ってしまったらもう抜け出すことが出来ません。そして、最後は、、、。 基本的に赤・黄・緑・黒と言う「ラスタカラー(ラスタファリ信仰(アフリカ回帰思想を持つジャマイカの宗教)」で派手に、そしてダイナミックに描かれた絵が「これでもか!」と言わんばかりに目に飛び込んでくるインパクト大のナンセンス絵本の究極とも言って良いぐらいの絵本です。 【丈太郎のひとりごと】 長新太と言えば「ナンセンス絵本」の巨匠。ナンセンス絵本とは色々な解釈がありますが、実際には絶対にあり得ない、非現実的、非日常的なことが描かれている絵本のことを言います。 そんな長新太の代表作と言えば『キャベツくん』(文研出版) https://shop.meruhenhouse.com/items/83971678 ですが、この絵本に比べたら『キャベツくん』なんて、とても分かりやすい絵本です。 絵も文章も究極に削ぎ落とされている今作は、長新太の中でも名作であり迷作でもあります。 「だから?」なんて意味を求めるのではなく、ループされる「あらあら はんぶん タヌキです タヌキです」のグルーヴ(うねり)は、ひとつのフレーズを延々と繰り返す中で、力強いメッセージを投げかけるジャマイカが発祥の地であるレゲエミュージックそのものとも言えます。 配色もレゲエで多用される赤・黄・緑・黒で描かれていて、今は亡き長新太にかくにんすることは出来ませんが、レゲエミュージックを知っていて描いたのか?偶然なのか?とても興味深いところであります。 例えそれが偶然だったとしたら、長新太は「ラスタファリ信仰(アフリカ回帰思想を持つジャマイカの宗教)」のように、生き物たちの自然回帰が根本にあったかもしれません。 本当に謎だらけですが「意味を求めることの無意味さ」のようなことを長新太は一貫して絵本と言うフォーマットで子どもたちにメッセージとして描いていたのかなぁと思います。 大人は「意味」ばかりを求めます。そして「結果」を重要視します。そんな大人たちの思考により、窮屈な気持ちを抱いて生きている子どもたちが多いと思います。 子どもたちの無限なる自由な創造力の解放と、大人への注意喚起が提示された絵本。 残念ながら、現在のところはこの絵本の新品に出合うことがない状態です。是非ともこの機会に入手することもオススメします。そして、子どもたちへ「結果」を求めずに「感想」を求めることもなく手渡して欲しいと切に願います。
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『しごとへの道2: 獣医師 オーケストラ団員 地域おこし協力隊』
¥1,430
SOLD OUT
鈴木のりたけ/作 192P ブロンズ新社 【迷って、なやんで、とびこんで、自分の「好き」をしごとにするまで。】 読む「しごとば」シリーズ第2弾は、獣医師、オーケストラ団員、地域おこし協力隊の3職業を収録。 自分のしごとに出会うまでの紆余曲折、人生を変える言葉や人との出会いを、子ども時代から取材。 しごとへの道はひとつじゃない― 子どもから大人まで、心に響くエピソードが満載! コミック仕立てで充実の読み応えです。 (以上、出版社コメントより) 【丈太郎のひとりごと】 大切なのは、「今」を十分に楽しく頑張り努力する、そして、何に対しても「好奇心」を持つことです。この3人は好奇心旺盛です。その好奇心を突き詰めていけば、なりたい仕事になれることでしょう。 もしかしたら、なりたい仕事でもなかったけれども素敵な仕事になれるかも知れません。 三者三様の幼少時からの様子を読んでみて、子どもたちが今何をすべきか?何に没頭すべきか?色々と考え、将来、どんな仕事になるのかお楽しみにしておくのも良いでしょう。
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『バナナじけん』
¥1,540
高畠 那生/作 32P BL出版 【ラッキー→トラブル→?=ループ】 車の後ろに繋がっているカートにバナナが大量に載っています。 「あっ バナナが ひとつ おちましたよ。」 そこへ猿がやってきてバナナを食べて皮を道路にポイッ!そこにうさぎが走ってきましたが、バナナの皮には気づかず滑ってしまいました。しばらくしてワニがのそのそとやってきてバナナの皮を見つけて背中の上にのせました。 そして、また車からバナナが落ちました。そこへ猿がやってきて、、、。 「どうすると おもう?」→「どうなると おもう?」→「どうなると おもう?」と、しばらく続くループ状態。一方では減って、その一方では増えて、その間で痛い目に遭って、何事もなかったようにのそのそと。 一本道で起こる、それぞれの立場のそれぞれの状況の違い、しかし、最後は一緒。さあ、何が一緒なんでしょう? コミカルで躍動感に溢れたループするストーリーをユーモアのある絵で見事に描いています。 【丈太郎のひとりごと】 僕が那生くんの絵本でまず最初に頭に浮かぶのは、この『バナナじけん』です。皆さんの中にも「高畠那生と言えば『バナナじけん』!」と思う方も多いことでしょう。 この絵本は那生くんの代表作と言っても過言でありません!発刊されたのは2012年!もう13年前の絵本なんですね。そして、この絵本が今も子どもたちは勿論のこと、大人からの評判もすこぶる良いのです。 那生くんの描く絵本の特徴として「ループ(繰り返す)」しているものが多いですが、それはこの絵本から始まっているように思います。 タイトルのインパクト、ストーリー、絵、どれもがコミカルでユニークかつシュール! これぞ「高畠那生ワールド」なんです! えっ?那生くんの他の絵本は読んだことはあるけど、この絵本は知らない?それこそが事件です!一刻も早く手に入れてください!
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『はたらくくんジャー』
¥1,320
SOLD OUT
木坂 涼/作 高畠 那生/絵 24P フレーベル館 【子どもたちが大好きな働く車たちが大活躍!】 「ぼくは はたらくんジャー はたらくんジャーは きょうもいく」 と勇ましくカッコいい黒いスーツの男が、ショベルカー、ログローダー、こうしょさぎょうしゃ、ロードローラー、ダンプカーに乗って大活躍! 独特な文章のリズムで、働く車の特徴と動きを擬音語も織り交ぜて表現されており、、そして、繰り返される「ぼくは はたらくんジャー はたらくんジャーは きょうもいく」と言う決め台詞で、働く車を操る謎の男「はたらくんジャー」がヒーローに! 忠実に働く車が描かれていますが、力強さ、頑丈さだけでなくオシャレな雰囲気を味わうことができます。 【丈太郎のひとりごと】 文章を書いているのは木坂涼さん。他にも色々な絵本の文章を書いていますが、翻訳家としても大活躍! 例えば、洋画を観に行った際に「字幕翻訳 戸田奈津子」とあれば間違いない(分かる人には理解してもらえると思います)!みたいな信頼感があり、メルヘンハウスに置く翻訳絵本を選ぶ際に、訳が「木坂涼」とあれば間違いなし!と仕入れるケースも多々あります。 そこに絵だけ見ると海外の作家とよく間違えられる、高畠那生さんの絵となればハズレな筈はありません。 「ぼくは はたらくんジャー はたらくんジャーは きょうもいく」とリフレインされる勇ましい言葉と子どもたちが大好きな働く車がたくさん描かれているので、2歳半ぐらいの子どもから楽しめると思います。 高畠那生さんの手がける絵本では、珍しくかなり幼児向けでありセンスの光る絵本です。
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『ウォッシュバーンさんがいえからでない13のりゆう』
¥1,650
中川 ひろたか/作 高畠 那生/絵 32P 文溪堂 【「しれないじゃない。」】 ウォッシュバーンさんは家から一歩も外へ出ません。何故かって、ウォッシュバーンさんが言うのです。ドアに挟まれるかも、玄関先の石につまづくかも、からすにつっつかれるかも、大きな蜘蛛の巣に引っ掛かるかも、野球のボールが飛んでくるかもetc、、、。 色々な理由はウォッシュバーンさんが悪い想像をして、玄関から出られないのです。しかし、最後にはおめかしをして外に出ます。しかし、ウォッシュバーンさんの悪い予感は的中します! ユーモアのある絵で「しれないじゃない。」と悪い想像を繰り返しを描いています。 【丈太郎のひとりごと】 悪い想像をしたり予感がしたりするとどうしても安全な方へ行きますよね。それにしてもウォッシュバーンさんは考え過ぎです!繰り返される「しれないじゃない。」が面白くて、最後のオチも最高! おはなし会などでも、子どもたちから笑いが起きそうな絵本です。
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『ブロロンどろろん』
¥1,430
SOLD OUT
高畠 那生/作 36P 小学館 【どうなるの?どうなるの?何のカタチができあがる?】 「ブロローン!」と車が走ってくる。そこにはペンキ缶が転がっていて、近くには人が!「バシャー!」とペンキが人に飛び散り、後ろの壁には人影から出来た動物の形が浮かび上がる。 最初は意味がわからず、子どもに限らず大人もこの絵本の意図が汲み取れずに「?」顔を浮かべるのだが、「どうなるの?」と毎回繰り返される度に、この絵本の独特の世界観に入っていく。 日本人作家、外国人作家とあえて分ける必要はないが、この絵本の作者を気にせずに読むと外国人作家の作品のように見える。この作者に過去の作品にも共通して言えることなのだが、とてもスタイリッシュでオシャレな絵本である。 おそらく既成概念に捉われることなく自由に画面全体の細部に至るまで、カラフルに書き込まれているからであろう。そして、毎回ユーモアに溢れている。今作も見事なユーモアで楽しませてくれる。 【丈太郎のひとりごと】 最初はマクドナルドのハッピーセットで配布されていた絵本がハードカバー化!「どうなるの? どうなるの?」って、子どもと一緒にワクワクしながらページを進めて欲しい!おはなし会などでも人気です。
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『おどってる こまってる』
¥1,595
SOLD OUT
高畠那生/作・絵 32P フレーベル館 【みんなクネクネしてどうしたの?】 気分がよく踊っている人もいれば、耳に水が入って困っている人、さっきクジが当たって嬉しくておどってる人、財布を落として困っている人etc.......。大勢が絡まり合い、なんだかおかしな光景が広がります。 絵だけ見ていると、誰もがクネクネしているので、踊っているのか?困っているのか?全く見分けがつきませんが、体の一部分の様子を見れば何となくわかるものです。 クネクネした人々の描写が大勢集まることにより、ひとつのグルーヴ感を醸し出している絵が、ユーモアがありとても素敵です。 【丈太郎のひとりごと】 踊ったり、困ったりしてこんなにもクネクネするものか?と、この絵本を最初読んだ時は思いましたが、ここまでしなくてもそれぞれのポージングが大小関わらずあるものです。 終盤に「この人は踊っているのか?困っているのか?」クイズもあるので、子どもたちへのおはなし会では、きっと盛り上がることでしょうね。そして、子どもたちの中でこの独特な「クネクネ感」が流行る可能性大です! 僕は最後に出てくる人物を見て「こういう人っているようなぁ。」と納得。クールに見えても、、、。皆さんも読んでみたら「いるいる!あの人はこんな感じ!」と友人、知人の顔を思い浮かべることでしょう!
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重版未定!残り1冊!【宛名入りサイン本!】『そらから ぼふ~ん』
¥1,430
SOLD OUT
高畠 那生/作・絵 32P くもん出版 【そらから「ぼふ~ん」と音を立てて落ちてきたものは?】 ある日、ものすごい音がして、なんだろうと見に行ってみると、なんとそこには巨大ないい匂いのするホットケーキみたいなものが!そこにまた「ぼぼーん」と音を立てて重なるように落ちてきました。やっぱりホットケーキだったみたいです。 「どっぷ〜ん!」 と音を立てて今度ははちみつまでが!これでホットケーキの出来上がり!そしたら犬のジョンがホットケーキの間に入っていきます。止めようとするも一緒に入ることに。そこはやわらかくて、あったかい。そう、ホットケーキは美味しいだけでなく気持ち良いのです。 山中に突然落ちてきたホットケーキ。ダイナミックに、そして、美味しそうな艶やかなホットケーキをカラフルに迫力満点に描かれています。 【丈太郎のひとりごと】 僕の年代(今年で50才)だと、ホットケーキなんですよね。今では「パンケーキ」として若者に大人気!ちなみに『ぐりとぐら』(福音館書店)では「カステラ」と表現されています。 ホットケーキが山中に落ちてくる奇想天外なお話しですが、擬音語と細かい心情の描写のバランスが絶妙です。 驚いたり、「その気持ちわかるなぁ」と同調して頷いたり、おはなし会などでも抑揚をつけて読むと、子どもたちはこの光景をとても羨ましく思うことでしょう!
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『おきにいりのしろいドレスをきてレストランにいきました』
¥1,650
渡辺朋/作 高畠那生/絵 32P 童心社 【擬音語だけで惨劇が進んでいく大騒ぎの絵本!】 しろいドレスを着た女の子が、家族がレストランで食事をしています。オムライスをスプーンに乗せて食口に入れようとした瞬間、 「あっ!」 「ぼとっ」と、しろいドレスに赤いケチャップが落ちてしまいました! 「ががががーん」 女の子の顔は真っ青というより緑に。パパもママも驚き「げげげげーん!」。お店のひとは驚き「ばばばばーん!」とよろめき、持っていたワインを「びびびびーん!」と落とし、レストランにいた人全員が「ででででーん!」とひっくり返ります。 レストランの外の広場では、ロックのギタリストが「ぎぎぎぎーん」と空を飛び、コーラス隊が歌い、お坊さんが鐘をつき、忍者、サンタクロース、お相撲さん、ベートーヴェンまでが、それぞれの音を立てて登場! そして、みんなで女の子のしろいドレスのケチャップで赤くなった箇所を見て「がーん!」 と、ここで終わると思いきや、場面は変わり予測不可能な終わり方をします。 一行の文章以外、全て擬音語で書かれているこの絵本。しかし、しっかりとお話になっているのは、その擬音語が溢れかえる状況を細部までユーモアに描かれた絵の力によるものです。 【丈太郎のひとりごと】 実はこの絵本は色々な賞を受賞しているのですが、その中でもナント!第10回絵本テキスト大賞・大賞」を受賞してるのです!たった一行と沢山の擬音語だけで!しかし、その擬音語からは「心の叫び」が聞こえてくるようです。 海外作家と間違えられるぐらい日本人離れしたユニーク画風がとてもオシャレで、躍動感に満ちています。 これは読み手の実力にもよりますが、子どもたちが大喜びし大笑いすること間違いなしです!
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《先着順!》【限定10冊!宛名入りサイン本!】『まってるまってる』
¥1,320
SOLD OUT
高畠 那生/作 32P 絵本館 【まってる先には、、、】 みんなが待っている行列があります。 「まってるまってる なんのぎょうれつ?」 それはたこ焼きの行列でした。また行列があります。 「まってるまってる なんのぎょうれつ?」 それはドーナツの行列でした。またまた行列があります。 「まってるまってる なんのぎょうれつ?」 こうやって行列は続いていきます。行列には人間だけではありません。動物も鬼もお化けもいます。最後の行列は「ながーい ぎょうれつ」。一体何の行列でしょう? 繰り返される「まってるまってる なんのぎょうれつ?」をユーモアのある絵で飽きさせることなく描いています。 【丈太郎のひとりごと】 この絵本の作者である高畠 那生君は、絵本作家の高畠純さんの息子さんです。絵のタッチは全然違いますが、ユーモアのセンスは似ているところがあると思います。この絵本もシンプルな繰り返しながらも次のページをめくる楽しみがあります。 那生君の他の絵本もユーモアがたっぷり描かれています。色々なタイプな絵本を描いてますが、繰り返し要素の高いユーモア絵本が多いような気がします。 メルヘンハウスに来るお客さんで、作者名を見ずに那生君の絵本を見ると、海外の作家だと思われるお客さんが多いです。それほど日本人離れした絵も魅力でもあります。 僕とほぼ同世代の作家さんなので、応援しています!
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【犬派の方、お待たせしました!犬だらけの絵本が登場しました!】『いぬはともだち』
¥1,650
高畠純 /作・絵 32P 佼成出版社 【犬好きにはたまらない、全ページにたくさんの犬が登場!】 チワワ、ダルメシアン、パグなど全ページに色々な犬が描かれています。なかにはシャーペイ、コモンドールなどあまり聞いたことのない珍しい名前の犬も登場します。 それぞれの犬の特徴が書いてあったり、クイズや迷路などもあり、楽しみながら犬のことを知ることができます。まさに犬好きにはたまらない絵本です! カラフルにたくさんに犬達がユーモアに、そして、忠実に描かれています。 犬に溢れたこの絵本を読めば、犬好きの子はもちろん、猫派の子もきっと犬に興味が出ることでしょう! 【丈太郎のひとりごと】 作者の高畠純さんが犬好きで、前から「今度は犬の絵本を出す!」とラフの段階から見せてもらいました。犬を描いている絵本は、猫に比べると圧倒的に少ない!犬派の僕としては「よくぞ純さん、犬まみれの絵本を描いてくれました!」と感謝の気持ちでいっぱいです。 僕は小学生の時に犬を飼っていました。犬には色々な種類がいますが、僕が飼っていたのは「ビーグル犬」と行ってイギリス出身の猟犬で、耳が垂れていてとても可愛くて、友達のように毎日一緒に散歩に行ったり遊んでいました。 犬小屋は父がD .I.Yで作った2階建て!そんな犬小屋見たことありますか?2階は僕の隠れ家として、怒られてしょぼんとするときは、よく2階に入り込んだものです。その姿を飼っていたビーグル犬はどんな思いで見ていたのでしょう? そのビーグル犬とは中学生の時に別れてしまいましたが、僕が家を出てから20歳ぐらいの時に実家では二代目ビーグルを飼い始めました。名前は「桃之介」と言って、初代ビーグルより過保護に飼われ、朝の散歩は決まって父がしていました。 絵本作家のきたやまようこさんの「ゆうたくんちのいばりいぬ」シリーズ(あかね書房)にも、父が桃の助と散歩しているシーンが描かれており、父は自慢げにお客様に自分のページを見せていました。 今回、残念ながらビーグル犬は勿論描かれているのですが、大きく扱われていないことに不満を感じて純さんに連絡したところ「だってしょうがないじゃない!僕だって自分の犬を大きく描くことを我慢したんだから!」とちょっとした論争もありました。 犬好きの 犬好きによる 犬好きのための絵本 犬よ、猫に負けるな!絵本界でも頑張れ!とエールを送りたい絵本です。
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【今までになかったニュータイプの「おふろ絵本」が誕生!】『おふろ』
¥1,650
SOLD OUT
麦田あつこ/作 いちろう/絵 32P ブロンズ新社 【おふろの向こう側には何がある?】 「きょうこそ かうぞ。」と男の子が100円玉を握りしめ「ふしぎや」という名のお店に入っていきます。そのお店には様々なお風呂用品が置いてありますが、男の子の目当ては「バスボール」。 「ふしぎや」のおばあさんは、男の子の選んだ「バスボール」を見て、賑やかのを選んだと覗き込み、最後に「たのしい おふろを。」と声をかけました。 男の子は家に帰ると、湯気がほわんと体を包むおふろばに直行しました。まずは体全身を洗い、いよいよ「バスボール」をバスタブに入れると、、、。 「あれれ⁉︎」 おゆにんげんが現れ「さあ いこう」と言われるがまま、男の子は蛇口へぎゅうぎゅうに押し込まれ、目を開けてみるとそこはほわほわと湯気の立つおゆのうみ。 「おゆにんげんの くにへ ようこそ!」 おゆにんげん達が集まってきて男の子の体を揺らし、「おゆにんげんの くに」へどんどん入っていきます。その先に男の子を待っていたのは、、、。 優しい色遣いで素朴に描かれた絵は、輪郭に捉われることなく絵全体が融合するような不思議さがあり、まるで温かい湯船の中にいるような気持ち良さでページを読み進められます。 【丈太郎のひとりごと】 「おふろ」に関する絵本は数あれど、大概はおふろの気持ち良さや「お風呂に入りましょう!」的な教育的なものが多い中、かなり異色な「おふろ絵本」だと思います。 不思議な「バスボール」は実は「おゆにんげんの くに」へのパスポートであり、自分が知らない世界に入っていき、様々な不思議な経験をしていく。まさにニュータイプの「おふろファンタジー絵本」の誕生と言っても過言じゃありません。 普段使用しているバスタブレットをバスタブに入れて、子どもと一緒に「おゆにんげんの くに」へ出かけてみてはいかがでしょう? きっと、いつもより楽しい「おふろ時間」を、子どもと共有することができることでしょう! そして、時が経てばそれは子どもにとって良き思い出になっていくのだと思います。 こんなことを書いてたら早く家に帰って、息子と一緒にこの絵本を読んで直ぐに「おゆにんげんの くに」へ行きたくなってしまいました!さあ皆さんもご一緒に!「おゆにんげんの くに」で会いましょう!
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【園で大活躍!保育士、幼稚園教論に絶対オススメ!】『たいこどんどん』
¥1,540
三浦太郎/作 32P ブロンズ新社 【世界の「TARO MIURA」の新たな代表作になる予感!】 男の子が元気にタイコを「どん どん」。するとそれに応えるように「ぷっぷー」とクマさんがラッパを吹きながらやってきます。一緒に「どん どん ぷっぷー」と演奏していると、今度は「ぴーひゃら ぴーひゃら」と笛を吹きながら男の人がやってきます。 「どん どん ぷっぷー ぴーひゃら ぴーひゃら」 と音楽が鳴るなか「じゃーん」と今度はネズミさんがシンバルを鳴らします。その後も三味線が「べんべん」、ちんどん屋が「ちんどん ちんどん」、そしてお神輿、大きな龍を動かす中国のお祭り、サーカスと続き、色々な音が賑やかに鳴り響き、とても素敵なパレードに! 音の賑やかさと同様、絵もカラフルな色を切り貼りして描かれているため、読み進めていくと心が踊り出します。 また、デザインが抜群に素晴らしく、赤ちゃんや子どもたちは絵本の賑やかさを楽しみ、大人はアートブックとして十分に楽しめる類まれな絵本です。 【丈太郎のひとりごと】 三浦太郎と言えば、大人気赤ちゃん絵本『くっついた』(こぐま社)の作者として有名ですが、その他の多数の絵本や作品を発表しており、今作は51冊目の絵本となります。 海外での評価も高く、アジア圏では勿論のことヨーロッパ圏では絶大に人気を誇り、ヨーロッパの出版社から発刊された絵本が、翻訳されて日本で発刊されるなど、いわば逆輸入の絵本もあります。 海外では「TARO MIURA」と優れた絵本作家として認知され、2014年の毎春にイタリアのボローニャという街で開催される、世界各国の出版社が一斉に集い版権のやり取りなどをする「子どもの本専門の国際見本市」では、僕も三浦さんとご一緒しましたがサイン会の行列が絶えることなく、地元の子どもたちへのワークショップや原画展も大盛況でした。 ここ近年の三浦さんの作品で特筆すべきところは「優れたデザインセンスを絵本で表現」されていることです。そして、そのデザイン性の高さは新作が出る度に進化しています。 決して独りよがりの作品作りではなく、子どもは勿論、大人も楽しめるような「遊び」を随所に散りばめられているのが特徴と言えます。 今回の絵本のキャッチコピーは「ハイブリット絵本」。三浦さんは海外と日本で絵のタッチを使い分けてきましたが、今回は絶妙に「融合」されています。 また「融合」に関しては、紙を自らの手で型取り、それをスキャンしてパソコンで作成していく、アナログとデジタルの「融合」により制作しています。 多くの作家が、手法を変えることなく描く絵本の世界で、三浦さんは常にその時代を肌で感じながら、時代の先端をいくデザイン性の高い表現を、絵本というフォーマットに落とし込む唯一稀な作家です。 この作品は今後の絵本の制作スタイルの一つの指針になるような、斬新なものであることは間違いありません! 三浦さんと僕は服のセンスなど好きなものが似ているため、三浦さんは僕のことを「丈ちゃん」と呼び、僕は三浦さんの新刊が出る度に、感想の電話をするなど良き親交関係にあり、尊敬をしている作家です。 是非とも世界基準の「TARO MIURA」をお楽しみください! 追伸、三浦さんと電話をした際に、マリー・ホールエッツの名作『もりのなか』(福音館書店)で、モノクロで描かれた、森のなかで繰り広げられる男の子と動物たちのパレードを連想したことを話すと「そうなんだよ!実は意識して今回創ったのだよ!」とも仰っていました。 また、サーカスが登場する場面で、サーカスを表現する音が「ぱらりら ぱらりら」となっているのですが、ぼくは正直に「この音は現代では見かけないが暴走族の音としか思えない!」と言うと、三浦さんは「実は最初は暴走族だったの。過去の良くはない行為だけど、今となっては一つの文化になるかなぁと思ったんだけど、やっぱりNGになってなり、サーカスにして音だけは暴走族を残しんたんだよね!」とも! パレードの音がどんどん増えていき繰り返されて行く様子は、子どもたちは大喜びすることでしょう!是非とも子どもたちと元気に声に出して読んで欲しいものです。
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『うろおぼえ一家のおみせや』
¥1,540
出口かずみ/作 32P 理論社 【うろおぼえでお店が出来るのか⁉︎】 おかあさんがお米を買ってきましたが、なぜか家にはたくさんのお米がありました。驚きながらもそれを使い「おみせや」を開くことに。はてさて、うまくお客さんに商品を手渡せるでしょうか。うろおぼえ一家節は今日も健在です。 (以上、出版社のコメント引用) ※先着順にて、非売品の「うろおぼえ一家」オリジナル付箋をプレゼント! 【丈太郎のひとりごと】 昨年、出版された「うろおぼえ一家」シリーズの最新刊。1作目から前作までとは、また違う雰囲気のお話です。と言うか、こうやって4冊並べて読んでみると、ちょっとずつ一家に進化が見られます。 だって、うろおぼえでお店が出来ると思いますか?それができちゃうのです!そこはこの「うろおぼえ一家」が1作目からずっと脈絡が続いている「思いやり」とか「優しさ」とかがあるからなのです。 個人的に色々と忙しく、心に余裕がなかった昨年(2024年)の9月に、良いタイミングで出版され一家に救われました。今作では今まで登場しなかった「うろおぼえ一家」のルーツを垣間見ることが出来ます! そして一家と同じく「メルヘンハウス」と言うお店をやっている者として「こんな結果オーライ的な接客もアリだな!」とヒントをもらったりしました。 日々の忙しさに追われて生活している子どもたちから大人まで、皆さんにオススメです。 “Take it easy” なライフスタイルも良いものだと思います! 実は「うろおぼえ一家」シリーズは、現代社会の時間に追われて生活されているようなことに対して「これで本当にいいのかな?」と、社会風刺をユーモアと面白さと楽しさのベールに包み隠しながら問題定義をしているのでは?と4作を読んできて思いました。 いかん、いかん!どうも大人の悪い癖で深読みをしてしまった! 皆さん、思いっきり笑って楽しんでください!