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『新装版 出口かずみ画集 小八』
¥2,530
出口かずみ/作 64P 果林社 【絵本とはまた違う魅力の画集】 作家と一緒に暮らす猫「小八」が人間界で生きていく様を想像し、描いた作品集です。 掲載点数は、全29点。 2019年にえほんやるすばんばんするかいしゃから発行されたもので、新たに3点(もう一匹の愛猫・文六も登場!)を加え新装版とし、2023年に復刊されたものです。 絵本はコミカル的な要素の多い描き方をされていますが、この画集はそんなイメージとは異なり、モノクロの劇画タッチで描かれている為、新たな作家の一面を楽しむことが出来ます。 2019年にえほんやるすばんばんするかいしゃさんで『小八』の個展をしたときのDMデザインをもとに制作した、封筒に入っているのも洒落ています。 【丈太郎のひとりごと】 一般書店では流通していない希少価値の高い画集です。恥ずかしながら絵本作家としての「出口かずみ」しか知らなかった僕としては、イメージを覆す繊細な絵の画力に圧倒されました。 「うろおぼえ一家」シリーズではゲラゲラ笑い、この画集では作家の猫愛に溢れた絵を楽しんで頂きたいと思います。しかし、どこかクスッと笑えるのがまた不思議な画集です。
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『うろおぼえ一家のおみせや』
¥1,540
出口かずみ/作 32P 理論社 【うろおぼえでお店が出来るのか⁉︎】 おかあさんがお米を買ってきましたが、なぜか家にはたくさんのお米がありました。驚きながらもそれを使い「おみせや」を開くことに。はてさて、うまくお客さんに商品を手渡せるでしょうか。うろおぼえ一家節は今日も健在です。 (以上、出版社のコメント引用) ※先着順にて、非売品の「うろおぼえ一家」オリジナル付箋をプレゼント! 【丈太郎のひとりごと】 昨年、出版された「うろおぼえ一家」シリーズの最新刊。1作目から前作までとは、また違う雰囲気のお話です。と言うか、こうやって4冊並べて読んでみると、ちょっとずつ一家に進化が見られます。 だって、うろおぼえでお店が出来ると思いますか?それができちゃうのです!そこはこの「うろおぼえ一家」が1作目からずっと脈絡が続いている「思いやり」とか「優しさ」とかがあるからなのです。 個人的に色々と忙しく、心に余裕がなかった昨年(2024年)の9月に、良いタイミングで出版され一家に救われました。今作では今まで登場しなかった「うろおぼえ一家」のルーツを垣間見ることが出来ます! そして一家と同じく「メルヘンハウス」と言うお店をやっている者として「こんな結果オーライ的な接客もアリだな!」とヒントをもらったりしました。 日々の忙しさに追われて生活している子どもたちから大人まで、皆さんにオススメです。 “Take it easy” なライフスタイルも良いものだと思います! 実は「うろおぼえ一家」シリーズは、現代社会の時間に追われて生活されているようなことに対して「これで本当にいいのかな?」と、社会風刺をユーモアと面白さと楽しさのベールに包み隠しながら問題定義をしているのでは?と4作を読んできて思いました。 いかん、いかん!どうも大人の悪い癖で深読みをしてしまった! 皆さん、思いっきり笑って楽しんでください!
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『うろおぼえ一家のきゅうじつ』
¥1,485
出口かずみ/作 32P 理論社 【メモが登場!3作目にして「うろおぼえ」を遂に脱却か?】 うろおぼえ一家のお父さんがはまっているもの。それは「メモ刑事」です。 おおいに影響されて、休日に一家揃ってその日の計画をメモして出かけることに。 行く先々で困っているひとびとに出会い、知らず知らずそのメモは目的と外れて大活躍…⁉︎ (以上、出版社のコメント引用) ※先着順にて、非売品の「うろおぼえ一家」オリジナル付箋をプレゼント! 【丈太郎のひとりごと】 「うろおぼえ一家」も3作目。「もうそろそろお決まりのパターンのお話なんだろうなぁ。」と思いきやココで一気に一家が成長。なんと!忘れないようにメモ帳に書くと画期的なアイディアが!と思いきや、やっぱり、、、。 しかし、そのメモ帳が大活躍!これは今までにない展開でした。 シリーズになっている絵本や児童書は「お決まりのパターン」があり、毎回同じ流れだったりするのですが、だから面白くないという訳ではありません。安定したパターンの中で「やっぱりなぁ」なんて言いながら、新しいお話を楽しめたりします。 「うろおぼえ一家」シリーズもそんな安定感もありながら、毎回面白いテーマで描かれています。 前作、前々作とはまた異なった世界観をお楽しみください!
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『うろおぼえ一家のパーティー』
¥1,485
出口かずみ/作 32P 理論社 【パーティーするぞ!で、誰の?」 とある一家は、家族全員、揃いも揃ってうろおぼえ。まもなく誰かの何かのお祝いの日なのですが、いざパーティーを開こうとすると、誰の何のお祝いだったか?…やっぱりうろおぼえ。けれどお祝いしたい気持ちは本物なのです……。 (以上、出版社のコメント引用) ※先着順にて、非売品の「うろおぼえ一家」オリジナル付箋をプレゼント! 【丈太郎のひとりごと】 出ました!まさかの第2作目!初作の『うろおぼえ一家のおかいもの』 https://shop.meruhenhouse.com/items/97202016 は、確かに面白いし、子どもから大人までがゲラゲラ笑いながら1作目を読んでいる光景を、メルヘンハウスでもよく目にしましたが、2作目が出るとは思っても見なかっただけ嬉しいです。 確かに面白いし、子どもから大人までがゲラゲラ笑いながら1作目を読んでいる光景を、メルヘンハウスでもよく目にしましたが 前作の今作も「うろおぼえ」は全開モード!でも、そんな「うろおぼえ」が良いのです。白黒ハッキリつけて、結果、効率化、タイパ(タイムパフォーマンス)を気にする現代社会。 そんな社会の真逆をいく「うろおぼえ一家」ですが、このぐらいゆっくり迷い、悩み、考えと「効率悪い」と言う隙間時間があっても良いとは思いませんか? 面白く可笑しくて笑いながら読んでいながら、そんなことを思いました。 毎日忙しくしている子どもから大人までに読んで欲しい絵本です!
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『うろおぼえ一家のおかいもの』
¥1,430
出口かずみ/作 32P 理論社 【うろおぼえにも程がある!】 お父さんにお母さん、お兄さんに弟、妹。揃いも揃って<うろおぼえ>が多いあひるの一家は、ある日、お母さんから買い物を頼まれて出かけたけれど、何から何までうろおぼえ。 道中ヒントをもらいながら、はてさてどんな結末に? (以上、出版社のコメント引用) ※先着順にて、非売品の「うろおぼえ一家」オリジナル付箋をプレゼント! 【丈太郎のひとりごと】 記念すべき「うろおぼえ一家」シリーズの1作目! 最初読んだ時「これって、もしや僕の小tじゃないか?」と思いました。そう、僕も「うろおぼえ」を通り越して忘れてしまうので必ず何かにメモをしています。 作者の出口かずみさんの描く絵は、昭和の風景の懐かしさを随所に散りばめられていて、そのうえ一家はとてもキュートに描かれて、愛とおしく感じます。 ページを読み進めていくと、なんとも言えない脱力感と一家を応援したくなる気持ちになります。例えれば、「志村!うしろ!うしろ!」とドリフターズのコントに、テレビに向かって突っ込んでいるような感覚です(昭和の話なのでわかる人には伝わると思います。 そして、まさかこの本から続編が立て続けに発表されていくとは思っていませんでした。
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『色彩の魔術師 エリック・カールの絵本とアート』
¥3,850
SOLD OUT
ペンギン・ランダムハウス /編 前沢明枝/訳 135P 偕成社 【知られざるエリック・カールの人生を除いてみたら、、、。】 エリック・カールと言う名前を聞けば、『はらぺこあおむし』(偕成社)を思い浮かべる方がほとんどでしょう。日本はもちろんの事、世界中の子どもたちから愛されてやまない名作絵本です。 しかし、『はらぺこあおむし』など日本でお馴染みの絵本などは、エリック・カールのアーティストとしての一片でしかありません。 この本ではエリック・カールの生涯を知ることが出来ます。生い立ちから影響を受けた人々、絵本作家への道など詳細が書かれています。 しかもオールカラーで文章だけではなく、あらゆる時代の作品や写真も掲載されているため、とても読みやすく、エリック・カールに触れることが出来ます。 【丈太郎のひとりごと】 過去にエリック・カールが来日した際に、3〜4回ほどメルヘンハウスにも来てくれたことがあるそうです。とてもフレンドリーな彼は、終始ニッコリして子どもたちに快くサインや写真撮影などに応じてくれていたようです、 そして、彼との食事はいつも決まってメルヘンハウスの近くの中華料理店。それほど高級でもないお店ですが、その中華料理店をとにかく気に入っていたようです。 この本では彼の絵本作家としての仕事だけではなく、ポスターやパンフレットの仕事も掲載されていますが、それらは私たちが思い浮かべる彼の絵本の画風とは全く異なり、とても新鮮に感じます。 生涯を通して、子どもから大人まで読者を喜ばせてくれた彼の詳細を知るには優れた記録集です。 ちなみに僕がエリック・カールの作品で一番好きなのは,晩年の絵本『えをかくかくかく』(偕成社) https://shop.meruhenhouse.com/items/85166844 です。彼の絵本の中でもとてもシンプルで力強い絵と言葉で、自分の信じる道を歩むことが大切であることが描かれています。
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『おきにいりのしろいドレスをきてレストランにいきました』
¥1,650
渡辺朋/作 高畠那生/絵 32P 童心社 【擬音語だけで惨劇が進んでいく大騒ぎの絵本!】 しろいドレスを着た女の子が、家族がレストランで食事をしています。オムライスをスプーンに乗せて食口に入れようとした瞬間、 「あっ!」 「ぼとっ」と、しろいドレスに赤いケチャップが落ちてしまいました! 「ががががーん」 女の子の顔は真っ青というより緑に。パパもママも驚き「げげげげーん!」。お店のひとは驚き「ばばばばーん!」とよろめき、持っていたワインを「びびびびーん!」と落とし、レストランにいた人全員が「ででででーん!」とひっくり返ります。 レストランの外の広場では、ロックのギタリストが「ぎぎぎぎーん」と空を飛び、コーラス隊が歌い、お坊さんが鐘をつき、忍者、サンタクロース、お相撲さん、ベートーヴェンまでが、それぞれの音を立てて登場! そして、みんなで女の子のしろいドレスのケチャップで赤くなった箇所を見て「がーん!」 と、ここで終わると思いきや、場面は変わり予測不可能な終わり方をします。 一行の文章以外、全て擬音語で書かれているこの絵本。しかし、しっかりとお話になっているのは、その擬音語が溢れかえる状況を細部までユーモアに描かれた絵の力によるものです。 【丈太郎のひとりごと】 実はこの絵本は色々な賞を受賞しているのですが、その中でもナント!第10回絵本テキスト大賞・大賞」を受賞してるのです!たった一行と沢山の擬音語だけで!しかし、その擬音語からは「心の叫び」が聞こえてくるようです。 海外作家と間違えられるぐらい日本人離れしたユニーク画風がとてもオシャレで、躍動感に満ちています。 これは読み手の実力にもよりますが、子どもたちが大喜びし大笑いすること間違いなしです!
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【お正月絵本の新たな定番、ここに誕生!】『いかあげたこあげ』
¥1,430
高畠じゅん子/作 高畠純/絵 32P 偕成社 【イカがたこあげ。それってどういうこと?】 「いくぞー」と元気よくタコが「たこあげ」しようと走るも一向にたこは上がる気配がありません。 そこへ「いいかぜ、いかすぜー」とイカが走り込んできて、大空に「イカの形をしたたこ」が上がっています。 それを見たタコがイカに向かって、「たこあげするな」と言いますが、イカは「いかあげ」だと言い返します。二人は喧嘩になり、周りにいた動物たちが寄ってきました。 タコは集まってきた動物たちに、「イカの形をしたたこ」を見せて、「たこ」だと思うか聞き、イカは「いか」だと思うか聞きますが、みんなは困ってしまいます。 二人は自分の言い分を絶対に曲げません。それどころか動物たちを巻き込んで、様々な例を出していきます。 「それじゃあ クイズ!とイカが言い出しました。「イカがたべるのはスイカ。じゃあタコがたべたら?」これにタコは「ス、・・・・・・タコ?」と答え、動物たちは納得してしまうのです。 もう、ここからが大変なことに! カバがもてば「カバン」、タコがもてば「タコン」。トラがあそべば「トランプゲーム」、タコがあそべば「タコンプゲーム」。サイがなげる「サイコロ」、タコがなげる「タココロ」etc...どんどん訳のわからない言葉の応戦がエスカレートしていくばかり。 果たしてこの言葉のこんがらがった様子はどうなっていくのでしょう? 読者も読めば読むほど混乱する、なんとも可笑しな言葉あそび絵本です。 カラフルな色で描かれた背景やモノと、動物たちが躍動感に溢れんばかりに描かれた絵は、読み手を明るい気持ちにしてくれます。 【丈太郎のひとりごと】 皆さんお馴染みの「高畠JJコンビ」による、お正月のプレゼントにピッタリなユーモア絵本です。毎回面白い絵本を作っているコンビですが、その中でもこの訳の分からなさ、くだらなさに脱力する絵本は、僕が今まで見てきたコンビの絵本でも初めてかも! 「高畠JJコンビ、また一段と腕をあげたな!」と、上から目線で申し訳ないですが賛辞を送りたいと思います。 僕はこの絵本を読むと、頭の中がこんがらがってしまい困ってしまうので、一度冷静になってからもう一度読んでみたいと思います。 えっ?いつになったら冷静に読めるかって?そりゃ、お正月に決まってるでしょ!たこあげでもしながら、いや「じょうたろうあげ」でもしながら考えることにしよう! 新たなお正月絵本がここに誕生!
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【サイン本】『いっぽうそのころ』
¥1,870
SOLD OUT
秦 直也/作 猋社 32P 【繊細に丁寧に描かれた動物達の愉快な様子】 動物達の少し変わったフォルムが繊細に描かれています。 アートブックに近い要素ですが、動物達をよく見るとユーモアさもあり「いっぽうそのころ」と言う一文が、絶妙なタイミングで場面転換のように入ってきます。 【丈太郎のひとりごと】 アートブック要素の近い絵本、もしくは絵本の形をしたアートブックとも言えるでしょう。 最初パッと見た時は気付かない動物達の愉快なポーズなどが、とても繊細で忠実に描かれているので、愉快なポーズがなおユニークさを感じる要素になっています。 子どもと言うよりかは、大人が楽しめる絵本だと思います。
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【限定30冊、送料無料!】【ただ面白いだけじゃない!この絵本は大人への挑戦状でもある問題作!】『ムニャムニャゆきのバス』
¥1,760
長新太/作 32P 偕成社 【最後のページに書かれている、長新太からの大切なメッセージ!】 遥か彼方より「ムニャムニャゆき」のバスがやってきます。「ベエー ベエー」とブザーの音が鳴り、誰か降りるみたいです。降りてくたは海の魚。山の池の魚に用事だったのか?そして、また「ベエー ベエー」とブザーの音。今度は三角定規が降りて行きました。 「ベエー ベエー」とブザーが鳴っては、奇想天外で予測不可能なものが降りて来るのが繰り返されます。 ショッキングピンクに赤やオレンジなど、カラフルな色でおおらかに描かれた絵は、子どもは大笑いしながら「自由」という解放感をたっぷりと味わうことでしょう。 【丈太郎のひとりごと】 長新太という名前を聞けば、ちょっと絵本に興味がある人であれば『キャベツくん』(文研出版)を思い浮かべる人が多いと思います。 長さんの描いてきた数々の絵本は、世の中の常識や既成概念に囚われることのない「ナンセンス絵本」と呼ばれるものがほとんどです。この絵本は『キャベツくん』の遥か上をいくナンセンス絵本です。 子どもたちは予想を遥かに超えたバスから降りてくるモノや人に、驚き大笑いすることでしょう。しかし、大人の多くは「この絵本の意味って何?」と思うことでしょう。その答えがこの絵本の最後のページに書かれています。 結果や答えを直ぐに求める時代で、長新太がこの絵本で放った言葉がどれだけ大切なことなのか?それは長新太の絵本だけでなく、全ての絵本に共通することなのです。 大人には長新太の言葉をじっくりと考え受け止めて欲しいものです。
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『もりのおくのおちゃかいへ』
¥1,320
みやこしあきこ /作 32P 偕成社 【森の中で体験した不思議で柔らかなお話】 キッコちゃんが目を覚ますと雪は止んでいましたが、お父さんはおばあちゃんの家に雪かきをしに出かけます。ところが、お父さんはおばあちゃんに渡すケーキを忘れて行ってしまいました。 キッコちゃんは今ならまだお父さんに追いつけると思い、ケーキを持って雪の森の中を歩きます。しばらくするとお父さんらしき後ろ姿が見えたので、駆け出しましたが転んでしまいケーキもつぶれています。 キッコちゃんはまた箱を抱え、雪の森の中をお父さんを追いかけます。やっとお父さんに追いついたと思ったところ、お父さんは見知らぬ家に入って行きました。キッコちゃんは不思議に思ってそっと家の中を覗くと、、、。 モノクロを基調とした繊細な絵がとても柔らかく、所々に色が着色されて描かれているのが特徴的な、森のファンタジー絵本です。 【丈太郎のひとりごと】 海外でも評価も高いみやこしあきこさんの冬の絵本です。 モノクロが貴重になって描かれていますが、繊細で丁寧な絵は、他の作品でも多くのファンを魅了しています。 このモノクロの世界に色をつけていくのは子どもたち(読者)です。きっと各々で色んな色をつけ、この世界観を存分に楽しむことでしょう。
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『こびとのおうち』
¥1,650
鬼頭 祈/作 32P WAVE出版 【なんでも家にしてしまう、こびとの旅!】 こびととりすが旅をします。最初にどんぐりを見つけました。 「カリカリ トントン よいしょ よいしょ」 どんぐりがお家になりました。そしてちょっと休んで出かけます。次は積み木を見つけました。 「つみつみ ふむふむ よいしょ よいしょ」 積み木がお家になりました。そしてまたちょっと遊んで出かけます。こうして旅の途中で見つけたラムネ、本、いちご畑など、あらゆるものをお家にしながら旅は続きます。 そして何もないところに来て、 「ほりほり さらさら ほりほり さらさら〜」とどんどん地面を掘っていくと、、、。 黄色を基調としたセンスの良い配色で、可愛いながらもどこかクールな感じもする絵は、「次はどんな家になるのだろう?」と、読者を次のページをめくるワクワク感を演出しています 【丈太郎のひとりごと】 お話がとてもシンプルで繰り返しの気持ち良さを感じます。擬音語もたくさん使われているので、子どもたちも楽しく読むことができるでしょう。 そして、なんと言っても絵が素晴らしい!すごく軽やかに描かれているようで、細部までしっかりと表現されていて、バランスが良いです。そして、「遊び心」をとても感じます。 そして、この絵本自体がとてもクール!「絵本」という媒体に媚びてない、つまりは読み手となる子どもと「対等」な位置にあると思います。
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『かおたいそう』
¥1,210
むらたよしこ /作 24P 偕成社 【0歳から100歳まで、どうぞみなさん、ごいっしょに!】 「きょうも かおを ほぐして はじめましょう。」 ページを開くとタイトルとともに、こんな一文が書かれています。次のページを開くと左ページに「ま」、右のページに口を大きく開いた「ま」を言ってる顔が画面いっぱいに描かれています。 「む」は顔をまんなかにギュッと集めて、「のーん」は鼻の下のばして、「でべぇー」はもうおしまいだの顔、、、言う言葉で様々な顔を楽しむ事ができます。 大きく描かれた絵は迫力があり、一緒にマネして顔体操をするのが面白い絵本です。 【丈太郎のひとりごと】 この絵本のキャッチコピー「0歳から100歳まで、どうぞみなさん、ごいっしょに!」の通り、幅広い年齢層で楽しめそうな絵本です。 保育園・幼稚園はもちろんのこと、シニアの方の施設などでもやってみたら、皆んな楽しめることでしょう。 それにしてもこの顔の人物は誰でしょう?男女も年齢層も分からない!なんとも不思議な顔立ちです。ちなみに僕には「おばさん」に見えます。でも意外と若いのかも?そんなことを考えるのも面白い絵本です。
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『きょういちにちのラッタッタ!』
¥1,870
柚木 沙弥郎/人形 荒井 良二/絵とことば 32P アリス館 【不思議で楽しい!人形たちの幻想的なオペレッタ(歌劇)】 人形たちの今日一日の朝が来て、今日一日の歌が始まります。 「はじまり はじまり オペレッタ はじまれ はじまれ ラッタッタ!」 オペレッタとは歌劇のことです。人形たちの一日をオペレッタで表現されています。 特にストーリーがあるわけでもなく、その時々に感じた事が書かれていて、各ページの文末には必ず「ラッタ ラッタ ラッタッタ!」で締められます。 実際に作られた人形と詩的に自由さを感じる言葉の数々。絵も明るく抽象的に描かれているため、読み手の想像力を存分に発揮して楽しむ事ができます。 【丈太郎のひとりごと】 最初は中々この絵本の世界観に入り込めなかったのですが、何度も読んでいるうちに心がウキウキしてきました。 人形を制作した柚木 沙弥郎さんは残念ながら今年亡くられましたが、荒井 良二さんの絵とのマッチングはバッチリです! お話を楽しむ絵本として、またはアートブックとしても十分に楽しめる絵本です。
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【訳したのは矢野顕子!】『ホットドッグ』
¥2,090
SOLD OUT
ダグ・サラティ/作 矢野顕子/訳 40P Gakken 【都会の暑さに犬もギブアップ!そして、、、。】 うだるような暑さの夏の大都会。普段であれば楽しいお散歩タイムですが、この暑さにホットドッグ似の犬もギブアップ、もうバテバテ。そこで飼い主の女性が取った行動は…。 夏のけだるさや避暑地の爽快感を、アメリカン・コミック風に描かれた絵でスタイリッシュに表現されています。 【丈太郎のひとりごと】 個人的にアメリカン・コミック風に描かれた絵にとても好感を持ちます。 大都会のストリート感とその真逆の光景が見事に表現されています。 この絵本を訳しているのは、日本の音楽シーンを引率してきた1人でもある矢野顕子。絵の魅力を損なわないように、出来るだけ言葉を削ぎ落とし、読者を絵に向かわせています。 「暑さ」をテーマにしている絵本ですが、爽やかさと軽快さを感じます。
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【スピッツの曲が絵本に!!!】『ひみつストレンジャー』
¥2,300
SOLD OUT
草野マサムネ/作 junaida/絵 72P 角川春樹事務所 【スピッツの曲を絵で表現!】 今更説明の必要もない国民的ロックバンド「スピッツ」の絵本が登場しました。 17枚目のアルバム「ひみつスタジオ」に収録されている13曲の歌詞が、今注目の作家junaidaによって絵で表現されています。すべての曲の歌詞がその通りにコマ割りのお話となっています。 アルバム「ひみつスタジオ」を聴いてなくても存分に楽しめますが、聴いてから読んだらもっと楽しさが出てくると思います。 草野マサムネとjunaidaが生み出した新たなる世界観。ふんわり優しかったり、尖っていたり、色々な表情を楽しませてくれます。 【丈太郎のひとりごと】 今や国民的ロックバンドの「スピッツ」。僕は結成当初から知っています。何故ならばギターの三輪テツヤは僕の従兄弟なのです!しかし、僕の中では「スピッツ」がどれだけ有名になろうとも「従兄弟がやってるバンド」にしかすぎないのです。なので、未だにメンバーやスタッフさんとも仲良くさせてもらっています(テッチャン、いつもありがとう!) マサムネさんの歌詞は、唯一無二の独特な世界観がある事で評価されていますが、歌詞がメロディーとバンドサウンドで味付けされているのとは違い、絵でお話として描かれていることに驚きと、違和感のなさを感じます。 絵は今注目されている作家の1人でもあるjunaidaの描き下ろしです。今までのjunaidaの作品とはちょっと画風が違うと言うか「可愛らしさ」が足されたような絵になっています。 コマ割りで描かれているので漫画と絵本の中間のような感じで、どちらとも取れますが何はともあれ「スピッツ」ワールドを耳からではなく、目で楽しんでください!
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【刺繍で描かれた絵が楽しい!】『たいくつなにちようび』
¥1,595
MICAO/作 32P 理論社 【つまらない日曜日がすてきな日に!】 「つまんないね、ポポ」と男の子が犬に話しかけると、「あら、つまらないの?」と誰かの声がしました。 そこにはステッチという名の女の子が立っていて、つまらないから面白くしようと、帽子から裁縫道具とシーツを取り出し、チクチクと刺繍を始めました。そしてやがて出来上がったのは、大きなサーカスのテント!たくさんの人が集まって来ました。 ステッチさんが刺繍を始めると何かがヒョロヒョロ立ち上がりました。ピエロです!刺繍でできています。次はライオンの火の輪潜り、うさぎと犬の空中ブランコ、猫の一輪車など、どんどんチクチク刺繍していき、サーカスは大盛り上がり! 全ての曲芸が終わりサーカスが終わるとステッチさんがテントの隅っこから伸びた糸を引っ張り出しました。すると、、、。 本当に刺繍された絵とイラストが混じり合って描かれており、ファンタジー溢れる絵本となっています。 【丈太郎のひとりごと】 まずはなんと言っても刺繍で描かれた絵がすごく細かく可愛らしいです。色合いが明るくて賑やかで、読み手を自然に明るくします。 タイトルから、退屈な日曜日をどう過ごすのか?と言うお話だと思いましたが、中を開くとそこには刺繍のファンタジーが広がっていました。 作家にとってこれが日本での絵本デビュー作らしいですが、とてもクオリティの高い絵本となっています。 刺繍を見るだけでも価値があります!
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『ビビさんと ゾウ』
¥1,870
レザ・ダルバンド/作 せな あいこ/訳 32P 評論社 【必要なものは何か?】 ビビさんのペットは大きな象、毎日一緒に散歩をして、子どもたちと遊んだり、午後のおやつを食べたり、夜は良い夢が見られるようにお話を聞かせてあげることもあります。 ところが、町の人はビビさんの像が嫌いです。大き過ぎ、目立ち過ぎ、邪魔者とペットなんて迷惑なだけで役にも立たないと言います。 周りの人が何と言っても、ビビさんは象さんの側にいて思い出話ができたり、笑ったりできれば幸せです。 しかし、大人たちは象を追い払うことにしました。自分たちの子どもがペットを欲しいと言い出したら大変なことになると市長さんが決めてしまいました。 ビビさんは悲しんだが、象が連れていかれる前に行動することにしました。それは、、、。 優しい色の配色で可愛らしくも洗練された絵で、本当に大切なものは何か?と問うてくる絵本です。 【丈太郎のひとりごと】 人は愚かなもので亡くしてから、その大切さに気づくことがあります。そして、本当に幸せなことって何か?この絵本を読んで思いました。 絵がとても素敵で町を絵が描いた絵などは、とてもオシャレです。 読んだ後に、自分が何か大切なものを忘れていたりしないか?一度立ち止まることができる絵本です。
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『わたしを 描く』
¥1,980
曹 文軒/作 スージー・リー/絵 申 明浩 広松 由希子/訳 42P あかね書房 【絵を描くことに魅せられた少女のお話。】 私はウロ。「雨」に「露」と書いて「ウロ」と呼びます。絵を描くのが大好きです。父さんは子供の頃から絵描きになりたかったそうですが、大人になると布屋になりました。父さんはウロを絵描きにしようと決めました。 父さんは空が小さい時から絵を教えました。ウロのことを天才だと言いました。8才になると、父さんは自分では教えられないから、有名な絵描きを家に招いてウロに絵を習わせました。 父さんが「うろ、そろそろ自画像を描いてみたらどうだい。」と、画材屋が並んだ細い道に行き、上等な「雨露」という名のキャンパス生地を買いました。 ウロは1週間が過ぎ、また1週間が過ぎて、ついに自分の自画像を描きあげました。父さんも母さんもその自画像を褒め称え、父さんは絵の先生や自分友達に電話をかけて、明日の朝ウロの自画像を見にきて欲しいと頼みました。ウロは寝る前に自画像を自分の部屋に運び、絵の中のウロを見ながら寝ました。 次の朝、母さんの声に起こされてウロは夢から覚めました。そしてキャンバスを見ると、、、。 思いっきり躍動感のある筆使いでもあり洗練感たっぷりの絵で、ウロをはじめイキイキと描かれています。 【丈太郎のひとりごと】 ウロよいう少女が絵を通して、挫折しながらも成長していく姿が描かれています。 絵を描いているスージー・リーは、今韓国で注目を浴びている画家です。伸びやかに躍動感があり、しかし、基礎がしっかりしているため、しっかりと美しく絵が描かれています。 「わたしを描く」とは自分を見つけることかもしれません。何度も描き直し、本当の自分に近づいていくウロの成長の記録の絵本です。 やりたいことに一歩踏み出せない、何がしたいか分からない、なんていう子どもや大人にオススメな絵本です。
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『みんなのいちねん』
¥1,760
たけうち ちひろ/作 38P アリス館 【みんなのいちねんってどんないちねん?】 全体を通して家や店の断面図になっています。12ヶ月毎月分が描かれており、その月によって洋服や持ち物など人の風景や雰囲気が変わっていて面白いです。 しかも、全てが切り絵で制作されており、メルヘンハウスでは今月いっぱい原画展を開催していますが、特筆すべき点は緻密な細かい箇所などでもしっかりと切り抜かれていこと。この原画は一見の価値があると思います。 切り絵のせいか、画面の色や形がハッキリとしていて、とても見やすくなっている。原画を見るとそこに紙の厚みも加わり、立体感を出している。是非原画をお楽しみ頂きたい。 【丈太郎のひとりごと】 ずっと作者の作品は「いいなぁ!」と思っていましたが、この度この絵本の原画展を開催させて頂けることになりました。 絵本とは異なり、紙が重なり合う厚さや緻密なところの制作まで丁寧にされています!
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『なんていいひ』
¥1,980
リチャード・ジャクソン/作 スージー・リー/絵 東 直子/訳 42P 小学館 【子どもの躍動感をイキイキした絵で表現!】 外は雨模様なのに子どもたちは「なんて いいひ・・・」と喜び出します。 家の中で「くるくる おどり」、「くるくる まわり」、「ゆらゆら ゆれて」、「どんどん ふんで」、「どん どん どん!」 「なんて いいひ・・・」 外出たら、スキップして、歌を歌って、「ひゅうひゅう ひゅるるる」と雨がやめば、傘を投げ出して 「なんて いいひ・・・」、「さあ、はじけちゃおう!」と晴れ間を待っていたかのように色々な遊びをやります。 モノクロを基調として、子どもたちの思い切りの良い動きの躍動感が溢れんばかりに、絵で描かれています。 【丈太郎のひとりごと】 少ないテキストで、絵で子どもたちの楽しげな感じが、ものすごい躍動感で描かれています! 韓国で勢いのある作家スージー・リーの描く世界は、やはりとても素敵なものでした。 こんなに子どもたちが楽しそうに遊んでいる姿からとても勇気をもらえる絵本です。
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『いえができるよ』
¥1,650
バイロン・バートン/作 なかがわ ちひろ/訳 32P 好学社 【明るくポップな絵で素敵な家を建てていく絵本!】 なにもない丘の上に、一軒の家がたつ様子を、分かりやすくシンプルに描いています。 「あなを ほる。」、「いたを コンコン うめこむ。」、「セメントを どろどろ ながす。」、シュっ、 ぺたっ。ブロックを かさねる。」、「いたを しいて、ゆかを つくる。」、、、、。 こうして家がページをめくるごとに、どんどん出来上がっていく工程の様子を楽しむことができます。 【丈太郎のひとりごと】 とてもシンプルな絵本です。文章は必要以上のことが書かれておらず、その代わり絵は家を作る工程をポップな色合いとイラストで明るく描いてあります。 作者のバイロン・バートンはアメリカ人。絵の雰囲気がとてもアメリカっぽく、同じくアメリカでずっと愛され続けているスヌーピーが登場するコミック「ピーナッツ」シリーズを連想させます。 子どもから大人まで幅広く楽しみ方が色々ある絵本です。
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『パパのカノジョは』
¥1,430
ジャニス・レヴィ/作 クリス・モンロー/絵 もん/訳 31P 岩崎書店 【ちょっと変わったパパの彼女。実は、、、。】 パパの新しい彼女は変わっている。そして、すごくカッコ悪いのです。パパは彼女をスイートポテトちゃんなんて呼ぶけれど、私はなんとも呼びません。 パパの彼女はサッカーもしないし、ジムにも行かないし、ゲームなんかもしません。アイススケートも乗馬も全然興味がありません。スカートなのにスニーカーを履いて、髪はまるでヤマアラシのようです。 しかし、彼女のスイートポテトはパパの今までの彼女より一番長続きしています。 パパの彼女は私の話を聞いてくれて、秘密はちゃんと守ってくれます。学校の発表会では一番大きな拍手をしてくれるし、かけっこのゴールではいつまでも待ってくれます。私のものをガラクタと言わないし、勝手に触りません。 ケンカをして帰ったら、私の見方をしてくれるし、頭が痛い時はさすってくれて、「泣いても良いんだよ」って言います。 色鮮やかな絵で、パパの彼女との様々なやり取り、出来事を描いています。 【丈太郎のひとりごと】 最初はパパの彼女に嫉妬していましたが、徐々に彼女の良さに気づいていく子どもの素直さを感じます。 あっさりとした文章ながらも温かみのある内容で、子どもからみた大人への視線が表現されています。最終的に彼女を認めていく姿はとても微笑ましいです。
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『なつのいちにち』
¥1,000
はたこうしろう /作 32P 偕成社 【夏の田舎の原風景が美しい】 この えほんの なかに あなたの なつの おとは きこえますか。 この絵本のカバーの折り目に書かれたこの一文。男の子が網を持って暑い暑い夏の日に、1人でクワガタムシを捕りに出かけます。セミの鳴き声を聞きながら走り、海辺にはカモメも飛んでいる。線路の向こうは緑の田んぼが広がり、牛小屋の前は臭いので全速力! 果たして男の子はクワガタムシを捕まえることが出来るのでしょうか? 田舎の原風景がとても美しく、どこか懐かしいような日本の風景が各ページに存分に描かれおり、絵本の中に吸い込まれていくようにうっとりとしてしまいます。 夏の爽やかさがシンプルな文章と青が印象的な絵が読み手の心を掴みます。 【丈太郎のひとりごと】 前店舗にてこの絵本の原画展をやりました。原画の青は絵本よりもっと美しく、それはとても素敵でした。 僕の中で夏の絵本の定番と言ったら、この絵本になっています。夏を走る男の子の爽快感、田舎の原風景がどこか切なさも感じるのです。 地球温暖化により、連日猛暑の続く今の夏では体験できないことが、この絵本にはしっかりと刻まれています。