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『かおたいそう』
¥1,210
SOLD OUT
むらたよしこ /作 24P 偕成社 【0歳から100歳まで、どうぞみなさん、ごいっしょに!】 「きょうも かおを ほぐして はじめましょう。」 ページを開くとタイトルとともに、こんな一文が書かれています。次のページを開くと左ページに「ま」、右のページに口を大きく開いた「ま」を言ってる顔が画面いっぱいに描かれています。 「む」は顔をまんなかにギュッと集めて、「のーん」は鼻の下のばして、「でべぇー」はもうおしまいだの顔、、、言う言葉で様々な顔を楽しむ事ができます。 大きく描かれた絵は迫力があり、一緒にマネして顔体操をするのが面白い絵本です。 【丈太郎のひとりごと】 この絵本のキャッチコピー「0歳から100歳まで、どうぞみなさん、ごいっしょに!」の通り、幅広い年齢層で楽しめそうな絵本です。 保育園・幼稚園はもちろんのこと、シニアの方の施設などでもやってみたら、皆んな楽しめることでしょう。 それにしてもこの顔の人物は誰でしょう?男女も年齢層も分からない!なんとも不思議な顔立ちです。ちなみに僕には「おばさん」に見えます。でも意外と若いのかも?そんなことを考えるのも面白い絵本です。
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『きょういちにちのラッタッタ!』
¥1,870
SOLD OUT
柚木 沙弥郎/人形 荒井 良二/絵とことば 32P アリス館 【不思議で楽しい!人形たちの幻想的なオペレッタ(歌劇)】 人形たちの今日一日の朝が来て、今日一日の歌が始まります。 「はじまり はじまり オペレッタ はじまれ はじまれ ラッタッタ!」 オペレッタとは歌劇のことです。人形たちの一日をオペレッタで表現されています。 特にストーリーがあるわけでもなく、その時々に感じた事が書かれていて、各ページの文末には必ず「ラッタ ラッタ ラッタッタ!」で締められます。 実際に作られた人形と詩的に自由さを感じる言葉の数々。絵も明るく抽象的に描かれているため、読み手の想像力を存分に発揮して楽しむ事ができます。 【丈太郎のひとりごと】 最初は中々この絵本の世界観に入り込めなかったのですが、何度も読んでいるうちに心がウキウキしてきました。 人形を制作した柚木 沙弥郎さんは残念ながら今年亡くられましたが、荒井 良二さんの絵とのマッチングはバッチリです! お話を楽しむ絵本として、またはアートブックとしても十分に楽しめる絵本です。
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【訳したのは矢野顕子!】『ホットドッグ』
¥2,090
ダグ・サラティ/作 矢野顕子/訳 40P Gakken 【都会の暑さに犬もギブアップ!そして、、、。】 うだるような暑さの夏の大都会。普段であれば楽しいお散歩タイムですが、この暑さにホットドッグ似の犬もギブアップ、もうバテバテ。そこで飼い主の女性が取った行動は…。 夏のけだるさや避暑地の爽快感を、アメリカン・コミック風に描かれた絵でスタイリッシュに表現されています。 【丈太郎のひとりごと】 個人的にアメリカン・コミック風に描かれた絵にとても好感を持ちます。 大都会のストリート感とその真逆の光景が見事に表現されています。 この絵本を訳しているのは、日本の音楽シーンを引率してきた1人でもある矢野顕子。絵の魅力を損なわないように、出来るだけ言葉を削ぎ落とし、読者を絵に向かわせています。 「暑さ」をテーマにしている絵本ですが、爽やかさと軽快さを感じます。
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【スピッツの曲が絵本に!!!】『ひみつストレンジャー』
¥2,300
草野マサムネ/作 junaida/絵 72P 角川春樹事務所 【スピッツの曲を絵で表現!】 今更説明の必要もない国民的ロックバンド「スピッツ」の絵本が登場しました。 17枚目のアルバム「ひみつスタジオ」に収録されている13曲の歌詞が、今注目の作家junaidaによって絵で表現されています。すべての曲の歌詞がその通りにコマ割りのお話となっています。 アルバム「ひみつスタジオ」を聴いてなくても存分に楽しめますが、聴いてから読んだらもっと楽しさが出てくると思います。 草野マサムネとjunaidaが生み出した新たなる世界観。ふんわり優しかったり、尖っていたり、色々な表情を楽しませてくれます。 【丈太郎のひとりごと】 今や国民的ロックバンドの「スピッツ」。僕は結成当初から知っています。何故ならばギターの三輪テツヤは僕の従兄弟なのです!しかし、僕の中では「スピッツ」がどれだけ有名になろうとも「従兄弟がやってるバンド」にしかすぎないのです。なので、未だにメンバーやスタッフさんとも仲良くさせてもらっています(テッチャン、いつもありがとう!) マサムネさんの歌詞は、唯一無二の独特な世界観がある事で評価されていますが、歌詞がメロディーとバンドサウンドで味付けされているのとは違い、絵でお話として描かれていることに驚きと、違和感のなさを感じます。 絵は今注目されている作家の1人でもあるjunaidaの描き下ろしです。今までのjunaidaの作品とはちょっと画風が違うと言うか「可愛らしさ」が足されたような絵になっています。 コマ割りで描かれているので漫画と絵本の中間のような感じで、どちらとも取れますが何はともあれ「スピッツ」ワールドを耳からではなく、目で楽しんでください!
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【刺繍で描かれた絵が楽しい!】『たいくつなにちようび』
¥1,595
SOLD OUT
MICAO/作 32P 理論社 【つまらない日曜日がすてきな日に!】 「つまんないね、ポポ」と男の子が犬に話しかけると、「あら、つまらないの?」と誰かの声がしました。 そこにはステッチという名の女の子が立っていて、つまらないから面白くしようと、帽子から裁縫道具とシーツを取り出し、チクチクと刺繍を始めました。そしてやがて出来上がったのは、大きなサーカスのテント!たくさんの人が集まって来ました。 ステッチさんが刺繍を始めると何かがヒョロヒョロ立ち上がりました。ピエロです!刺繍でできています。次はライオンの火の輪潜り、うさぎと犬の空中ブランコ、猫の一輪車など、どんどんチクチク刺繍していき、サーカスは大盛り上がり! 全ての曲芸が終わりサーカスが終わるとステッチさんがテントの隅っこから伸びた糸を引っ張り出しました。すると、、、。 本当に刺繍された絵とイラストが混じり合って描かれており、ファンタジー溢れる絵本となっています。 【丈太郎のひとりごと】 まずはなんと言っても刺繍で描かれた絵がすごく細かく可愛らしいです。色合いが明るくて賑やかで、読み手を自然に明るくします。 タイトルから、退屈な日曜日をどう過ごすのか?と言うお話だと思いましたが、中を開くとそこには刺繍のファンタジーが広がっていました。 作家にとってこれが日本での絵本デビュー作らしいですが、とてもクオリティの高い絵本となっています。 刺繍を見るだけでも価値があります!
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『ビビさんと ゾウ』
¥1,870
レザ・ダルバンド/作 せな あいこ/訳 32P 評論社 【必要なものは何か?】 ビビさんのペットは大きな象、毎日一緒に散歩をして、子どもたちと遊んだり、午後のおやつを食べたり、夜は良い夢が見られるようにお話を聞かせてあげることもあります。 ところが、町の人はビビさんの像が嫌いです。大き過ぎ、目立ち過ぎ、邪魔者とペットなんて迷惑なだけで役にも立たないと言います。 周りの人が何と言っても、ビビさんは象さんの側にいて思い出話ができたり、笑ったりできれば幸せです。 しかし、大人たちは象を追い払うことにしました。自分たちの子どもがペットを欲しいと言い出したら大変なことになると市長さんが決めてしまいました。 ビビさんは悲しんだが、象が連れていかれる前に行動することにしました。それは、、、。 優しい色の配色で可愛らしくも洗練された絵で、本当に大切なものは何か?と問うてくる絵本です。 【丈太郎のひとりごと】 人は愚かなもので亡くしてから、その大切さに気づくことがあります。そして、本当に幸せなことって何か?この絵本を読んで思いました。 絵がとても素敵で町を絵が描いた絵などは、とてもオシャレです。 読んだ後に、自分が何か大切なものを忘れていたりしないか?一度立ち止まることができる絵本です。
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『わたしを 描く』
¥1,980
曹 文軒/作 スージー・リー/絵 申 明浩 広松 由希子/訳 42P あかね書房 【絵を描くことに魅せられた少女のお話。】 私はウロ。「雨」に「露」と書いて「ウロ」と呼びます。絵を描くのが大好きです。父さんは子供の頃から絵描きになりたかったそうですが、大人になると布屋になりました。父さんはウロを絵描きにしようと決めました。 父さんは空が小さい時から絵を教えました。ウロのことを天才だと言いました。8才になると、父さんは自分では教えられないから、有名な絵描きを家に招いてウロに絵を習わせました。 父さんが「うろ、そろそろ自画像を描いてみたらどうだい。」と、画材屋が並んだ細い道に行き、上等な「雨露」という名のキャンパス生地を買いました。 ウロは1週間が過ぎ、また1週間が過ぎて、ついに自分の自画像を描きあげました。父さんも母さんもその自画像を褒め称え、父さんは絵の先生や自分友達に電話をかけて、明日の朝ウロの自画像を見にきて欲しいと頼みました。ウロは寝る前に自画像を自分の部屋に運び、絵の中のウロを見ながら寝ました。 次の朝、母さんの声に起こされてウロは夢から覚めました。そしてキャンバスを見ると、、、。 思いっきり躍動感のある筆使いでもあり洗練感たっぷりの絵で、ウロをはじめイキイキと描かれています。 【丈太郎のひとりごと】 ウロよいう少女が絵を通して、挫折しながらも成長していく姿が描かれています。 絵を描いているスージー・リーは、今韓国で注目を浴びている画家です。伸びやかに躍動感があり、しかし、基礎がしっかりしているため、しっかりと美しく絵が描かれています。 「わたしを描く」とは自分を見つけることかもしれません。何度も描き直し、本当の自分に近づいていくウロの成長の記録の絵本です。 やりたいことに一歩踏み出せない、何がしたいか分からない、なんていう子どもや大人にオススメな絵本です。
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『みんなのいちねん』
¥1,760
SOLD OUT
たけうち ちひろ/作 38P アリス館 【みんなのいちねんってどんないちねん?】 全体を通して家や店の断面図になっています。12ヶ月毎月分が描かれており、その月によって洋服や持ち物など人の風景や雰囲気が変わっていて面白いです。 しかも、全てが切り絵で制作されており、メルヘンハウスでは今月いっぱい原画展を開催していますが、特筆すべき点は緻密な細かい箇所などでもしっかりと切り抜かれていこと。この原画は一見の価値があると思います。 切り絵のせいか、画面の色や形がハッキリとしていて、とても見やすくなっている。原画を見るとそこに紙の厚みも加わり、立体感を出している。是非原画をお楽しみ頂きたい。 【丈太郎のひとりごと】 ずっと作者の作品は「いいなぁ!」と思っていましたが、この度この絵本の原画展を開催させて頂けることになりました。 絵本とは異なり、紙が重なり合う厚さや緻密なところの制作まで丁寧にされています!
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『なんていいひ』
¥1,980
リチャード・ジャクソン/作 スージー・リー/絵 東 直子/訳 42P 小学館 【子どもの躍動感をイキイキした絵で表現!】 外は雨模様なのに子どもたちは「なんて いいひ・・・」と喜び出します。 家の中で「くるくる おどり」、「くるくる まわり」、「ゆらゆら ゆれて」、「どんどん ふんで」、「どん どん どん!」 「なんて いいひ・・・」 外出たら、スキップして、歌を歌って、「ひゅうひゅう ひゅるるる」と雨がやめば、傘を投げ出して 「なんて いいひ・・・」、「さあ、はじけちゃおう!」と晴れ間を待っていたかのように色々な遊びをやります。 モノクロを基調として、子どもたちの思い切りの良い動きの躍動感が溢れんばかりに、絵で描かれています。 【丈太郎のひとりごと】 少ないテキストで、絵で子どもたちの楽しげな感じが、ものすごい躍動感で描かれています! 韓国で勢いのある作家スージー・リーの描く世界は、やはりとても素敵なものでした。 こんなに子どもたちが楽しそうに遊んでいる姿からとても勇気をもらえる絵本です。
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『いえができるよ』
¥1,650
SOLD OUT
バイロン・バートン/作 なかがわ ちひろ/訳 32P 好学社 【明るくポップな絵で素敵な家を建てていく絵本!】 なにもない丘の上に、一軒の家がたつ様子を、分かりやすくシンプルに描いています。 「あなを ほる。」、「いたを コンコン うめこむ。」、「セメントを どろどろ ながす。」、シュっ、 ぺたっ。ブロックを かさねる。」、「いたを しいて、ゆかを つくる。」、、、、。 こうして家がページをめくるごとに、どんどん出来上がっていく工程の様子を楽しむことができます。 【丈太郎のひとりごと】 とてもシンプルな絵本です。文章は必要以上のことが書かれておらず、その代わり絵は家を作る工程をポップな色合いとイラストで明るく描いてあります。 作者のバイロン・バートンはアメリカ人。絵の雰囲気がとてもアメリカっぽく、同じくアメリカでずっと愛され続けているスヌーピーが登場するコミック「ピーナッツ」シリーズを連想させます。 子どもから大人まで幅広く楽しみ方が色々ある絵本です。
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『パパのカノジョは』
¥1,430
SOLD OUT
ジャニス・レヴィ/作 クリス・モンロー/絵 もん/訳 31P 岩崎書店 【ちょっと変わったパパの彼女。実は、、、。】 パパの新しい彼女は変わっている。そして、すごくカッコ悪いのです。パパは彼女をスイートポテトちゃんなんて呼ぶけれど、私はなんとも呼びません。 パパの彼女はサッカーもしないし、ジムにも行かないし、ゲームなんかもしません。アイススケートも乗馬も全然興味がありません。スカートなのにスニーカーを履いて、髪はまるでヤマアラシのようです。 しかし、彼女のスイートポテトはパパの今までの彼女より一番長続きしています。 パパの彼女は私の話を聞いてくれて、秘密はちゃんと守ってくれます。学校の発表会では一番大きな拍手をしてくれるし、かけっこのゴールではいつまでも待ってくれます。私のものをガラクタと言わないし、勝手に触りません。 ケンカをして帰ったら、私の見方をしてくれるし、頭が痛い時はさすってくれて、「泣いても良いんだよ」って言います。 色鮮やかな絵で、パパの彼女との様々なやり取り、出来事を描いています。 【丈太郎のひとりごと】 最初はパパの彼女に嫉妬していましたが、徐々に彼女の良さに気づいていく子どもの素直さを感じます。 あっさりとした文章ながらも温かみのある内容で、子どもからみた大人への視線が表現されています。最終的に彼女を認めていく姿はとても微笑ましいです。
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『なつのいちにち』
¥1,000
はたこうしろう /作 32P 偕成社 【夏の田舎の原風景が美しい】 この えほんの なかに あなたの なつの おとは きこえますか。 この絵本のカバーの折り目に書かれたこの一文。男の子が網を持って暑い暑い夏の日に、1人でクワガタムシを捕りに出かけます。セミの鳴き声を聞きながら走り、海辺にはカモメも飛んでいる。線路の向こうは緑の田んぼが広がり、牛小屋の前は臭いので全速力! 果たして男の子はクワガタムシを捕まえることが出来るのでしょうか? 田舎の原風景がとても美しく、どこか懐かしいような日本の風景が各ページに存分に描かれおり、絵本の中に吸い込まれていくようにうっとりとしてしまいます。 夏の爽やかさがシンプルな文章と青が印象的な絵が読み手の心を掴みます。 【丈太郎のひとりごと】 前店舗にてこの絵本の原画展をやりました。原画の青は絵本よりもっと美しく、それはとても素敵でした。 僕の中で夏の絵本の定番と言ったら、この絵本になっています。夏を走る男の子の爽快感、田舎の原風景がどこか切なさも感じるのです。 地球温暖化により、連日猛暑の続く今の夏では体験できないことが、この絵本にはしっかりと刻まれています。
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【世界の三浦太郎の最新作!】『うみへやまへ』
¥1,650
三浦太郎 /作 38P 偕成社 【前からとうしろから、ふたつのお話が楽しめる絵本】 僕は生まれて初めてお父さんの生まれた海辺の町に行きます。その町には白い灯台があると、有名な画家の書いた絵葉書を見せてくれました。僕はまだ海を見たことがないのでとても楽しみです。 こんな日記からお話は始まります。朝早く白い車で山の家を出発して、色々な景色を見ながら海を目指します。牧場、田んぼ、駅、新興住宅地、ショッピングモール、高速道路、工場などを経て海が見える大きな橋を渡ります。そして港や漁港を通り、灯台のある場所にたどりつきます。 次は後ろからお話が始まります。私は初めてお母さんの生まれた山へ行きます。その家からは赤い鉄橋と大きな山が見えるらしいと古い写真を見せてくれました。早く、おじいちゃん、おばあちゃんに会いたいと思いました。 こんな日記からお話が始まります。赤い小さな車で海を目指していた僕とは正反対の景色の移り変わりを見ながら山へ向かいます。 この絵本だけで2つのお話が同じ画面で上下に分かれて進んでいきます。 作者の卓越したデザインセンスが存分に活かされた絵がカラフルに海へ行く子と山へ行く子の違う目線でカラフルに描かれています。 【丈太郎のひとりごと】 日本だけでだけなく、世界中で人気を博している三浦太郎の新刊です。これも三浦さんらしい素晴らしいセンスとアイディアできっと世界の子どもたちに喜ばれる絵本になると思います。 同じ画面構成を前から後ろから読み進めますが、感じることは僕と私では違います。その感覚も面白い! そして、洗練されたデザインの中にも人肌の温かみを感じます。 前から後ろからじっくり子どもと読んでみてください。きっと三浦太郎の優しさが伝わってくるはずです。
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『空気を変える 地球で生きつづけるために、今わたしたちができること』
¥1,870
デビー・リヴィ/作 アレックス・ボーズマ/絵 宮坂 宏美/訳 38P あすなろ書房 【気候変動の危機に私たちができること】 「地球温暖化」という言葉を聞いたことがあると思います。それは着実に進んでいるのです。 今、地球が抱える問題は空気中の二酸化炭素が増え続けていることです。そのことによりな年々暑くなっているのです。しかし、地球には空気から二酸化炭素を取り除く驚く力があるものがあります。 それはコンブやマングローブや土の持つ力です。それらか私たちの生活を守ってくれているのですが、それだけでは地球温暖化は防げません。 ではどうすれば良いのか? それは私たち人間の力で変えることができます。化石燃料を燃やす発電所から燃やさない発電所へ、地中の炭素を掘り起こす畑から掘り起こさない畑へ、ガソリンを使う車やバイクから使わないバスや自転車へと化学の力で人間ができることは沢山あるのです。 科学的根拠に基づき、シンプルな文章と細かい絵で環境問題がわかりやすく描かれています。 【丈太郎のひとりごと】 連日35度を超える気温で、子どもたちも外で遊ぶことも中々できなかったと思います。しかし、私が子供の頃は、日本はこんなに暑くなかったのです。せいぜい30度ぐらいで35度など珍しい暑さでした。 気候変動の危機は年々高まっています。人間にできることをまずは知って、日頃の生活から見直していくことが大切ではないでしょうか。
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『ほんのむこうへ』
¥1,540
なかい かおり/作 25P 岩崎書店 【本の中に入って遊ぼう!】 物語が好きな6人の子どもたちが、本の向こうに広がる世界に入っていくお話です。 実際に本の中に6人は登場して、色々な話を聞いたり、見たり、何をしているか想像したりします。 それはまるで絵本のお話の案内人のようにして、絵本に入っているのです。 この6人の子どもたちを絵本の中から探すのもとても面白いです。 細部に至るまで丁寧に可愛らしく描かれた絵は、何度見ても飽きることはありません。 【丈太郎のひとりごと】 本の中に入り込んでその場面などを解説したり、色々な感想をもったりする擬似体験がとてもユニークな発想だと思います。 実際に子どもたちは、こうして絵本の余白に入り込んで遊んでいるんだろうなぁと思うと、とてもワクワクします。 普段、本を読んでいても、その物語に入りずらい子どもたちにとっては、お手本になるような絵本です。
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『キャンプのずかん』
¥1,430
スズキ サトル/絵・監修 32P Gakken 【ビギナーからベテランまでキャンプのことなら、この絵本におまかせ!】 キャンプに関することなら、この1冊で全てがわかります。 キャンプの基本から、種類、マナー、服装、道具などはもちろんのこと、テントの建て方や、ロープワーク、刃物の安全な使い方、キャンプめしなど、項目ごとに事細かく書かれています。 子どもたちもわかるように漢字にはルビが入っていて、細密に描かれた絵と細かい説明に読み応えも十分です。 これからの夏のキャンプシーズンにピッタリの絵本です。子どもだけでなく、大人にも役立つ情報が満載なので、この1冊でキャンプのことが丸わかりです。 キャンプに行く前だけでなく、キャンプしている時、キャンプから帰ってきた時、全てにこの絵本が活躍することでしょう。 【丈太郎のひとりごと】 最近は全く行っていませんが、少し前まではキャンプに詳しい友達に誘われてキャンプに出かけることがありました。しかし、キャンプ初心者の僕は友達に言われるがまま準備したりしていました。 そんな時にこの絵本があったらどれだけ役に立ったことか! 子どもでもわかるように、そして正確に描かれているためこれからキャンプを始める子も、すでにキャンプに行ってる子、そして大人にもオススメなキャンプ絵本です。
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『なつのおそろいをつくりに』
¥1,430
石井 睦美/作 布川 愛子/絵 32P ブロンズ新社 【仲良しの2人がお揃いの服を作ることに!】 セミの鳴き声でウサギのさきちゃんは朝早く目を覚ましました。朝ごはんの後、友達のリスのすりちゃんがやって来て、一緒に朝顔畑に行って色水を作ることにしました。それから2人はひまわり畑でかくれんぼや鬼ごっこをして遊びました。 夏を2人で満喫して入りようです。さきちゃんはこのまますりちゃんとずーっといたいと思いました。その時、おばあちゃんからのお届け物を郵便屋さんが届けてくれました。中身はしましまの布で、さきちゃんは良いことを思いつきました。この布を使って、すりちゃんとお揃いの服を作ってもらのです。仕立て屋のミコさんはとても評判が良いのです。 早速、お揃いの服を作りにミコさんのところに行って、夏のイメージの話や風景の話をします。そんな話を元にミコさんが洋服を作ります。さぁ、どんなお揃いの洋服ができるのでしょうか? 細かく丁寧に描かれた絵は、可愛くてとても優しい雰囲気が漂っています。 【丈太郎のひとりごと】 この絵本は季節のシリーズですが、春、秋、冬とありましたが、ようやく夏のお話が発刊されました。 どの季節も仕立て屋のミコさんに洋服を作ってもらったりリメイクしてもらうお話です。どの絵本もストーリーがしっかりしていて、絵も可愛く、この絵本の世界観に入りやすくなっています。 今回の夏の絵本が発刊されるのを楽しみにしていたシリーズのファンの子どもたちも多いはず! 思いっきり可愛い絵本で夏を楽しんで欲しいものです。
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『目で見て かんじて 世界がみえてくる絵本』
¥2,200
ロマナ・ロマニーシン アンドリー・レシヴ/作 広松 由希子/訳 56P 河出書房新社 【人は目で見て何を感じるのか?】 「さいしょは、まっくら。なんにも見えなかった。」 「それから光があらわれた。」 冒頭、このような文章で始まるこの絵本。目はどうやって出来ていて、どのようにして動いているか?を細かく描かれた絵本です。 目の作り、目にみえる色の数、鏡に映る自分、目で見て人の感情を察知すること、メガネのこと、たましいなど目には見えないもの、人より目の良い生き物のことなど、目に関することが事細かく美しくデザインされたイラストと色で表現されています。 この絵本のベーシックになるのは蛍光色で、そこにしっかりとした解説もあり、視覚的にも思考的にも沢山の情報量があり、見るのも読むのも楽しい絵本です。 【丈太郎のひとりごと】 表紙のカラフルさ、デザインの良さから既に惹きつけられる絵本ですが、中を開くと情報量もたくさん!しかし、選び抜かれた言葉によってそれらの情報はくどいようなことはなく、どこかさらりとしていて、じっくり1ページ見ながらも、テンポ良くページを開くことが出来ます。 同じ作家が書いた『旅するわたしたち On the Move』(https://shop.meruhenhouse.com/items/83551699 )と一緒に楽しむのも良いと思います。コチラもこの絵本同様、優れたデザインと文章で楽しませてくれます。 「まだまだ知らない素敵な絵本は沢山あるのだなぁ」と思いながら、僕はじっくりと1ページずつ読みました。熱いメッセージをここまで洗練されたデザインと文章で表現できるのは、まさにアートとしか言いようがありません。 2冊のアートにどっぷり浸るのはいかがでしょう?きっと新しい「何か」が見えてくるはずです。
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『ぼくのさがしもの』
¥1,760
たけうち ちひろ/作 32P 出版ワークス 【切り絵が素敵な絵本!】 ロボットの片方の腕が、ある朝目が覚めたらなくなっていました。家の中を探してもありません。小さなロボットが腕らしきものを色々と持ってきます。フォーク、ほうき、えんぴつ、はさみ、かさなど全て持ってくるものは腕ではありません。 色々なところを探しますが、腕らしきものは見つかりません。しかし、図書館で腕の作り方を書いた本を見つけました。工場に行ってみるも腕はできませんでした。さて、どうなることでしょう? 全編、切り絵で構成された絵は、モノクロを基調としてシンボルチックに表現されています。 【丈太郎のひとりごと】 関係ないことですが、この絵本を読んだときに、ザ・ブルーハーツの「僕の右手」と言う曲を思い出しました。右手のないパクロッカーのことを歌った歌です。 以前にInstagramで作家さんの他の絵本を紹介したときに「とにかく切るのが好きなのです」とコメントを頂きました。この絵本はまさにその通り!しっかりとしたデザインが切り絵として綺麗に表現されています。 切り絵独特の角張った感じや丸みなど味わいが深く、どのページもその1枚で作品のようです。 ところで腕は見つかったのでしょうか?気になる方はこの絵本を手にしてみてください!
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【本当に怖い!僕はビビりました。】『いただきます。ごちそうさま。』
¥1,650
あさのあつこ/作 加藤休ミ/絵 東 雅夫/編 32P 岩崎書店 【なんでも食べてしまう恐怖の少年!】 「ぼくは、たべるのが だいすきです。なんでも たべます。たべられます。」 このなんでもない一文で始まるお話がまさか恐怖の展開になっていくとは、この時点ではわかりませんでした。 野菜、お肉、お魚、ニンジン、しいたけ、ゴボウ、とんかつ、やきそば、エビフライetc、、、。 「なんでも たべます。たべられます。」 ママはなんでも食べて偉いと褒めてくれます。パパも好き嫌いがないのは良いことだから、もっともっと食べるように促します。パパもママもにこにこです。 ぼくはどんどん食べて大きくなり、大きなぼくに大きな犬が吠えてきました。そして、大きな犬を食べました。 友達がぼくを見て太り過ぎ、風船みたいだと笑います。 「よくも、わらったな。たべちゃうぞ。いただきます。」 そうやって友達を、、、。 何処か薄暗い感じで土着的な迫力のある絵で、恐ろしい様子が迫るように描かれています。 【丈太郎のひとりごと】 絵本を見てこんなに怖い思いをしたのは本当に久々でした。 「怪談絵本」とあるだけあって本当に怖いです。食べ物も種類も半端なく多く登場します。表紙の絵からして何処か不気味な感じはしましたが、ここままでとは思いませんでした。 この恐怖を上手く表現しているのはクレヨンとクレパスのみで絵を描く加藤休ミさん。今までも多くの美味しそうなものを描いてきましたが、この絵本でも食べ物は美味しそうに描かれていますが、ちょっといつもの美味しそうな絵とは違って見えます。 タイトルだけ見ると、何かほのぼのとしたお話を想像しますが、中を開いて読み進めていくと、、、。是非この恐怖を味わって欲しいものです。絵本でここまで恐怖を感じることはないと思うほどの傑作です!
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『ちきゅうの かいだん』
¥1,650
松岡 たつひで/作 32P 金の星社 【過去の探検に出発!】 あるところにドアがありました。どうやら下へ階段があるようです。怖がる犬のギンタを連れて中に入っていくことにしました。階段を少し降りるとヘッドホンがありガイドをしてくるとのこと。早速ヘッドホンを撞着して、また下へ階段を降ります。 そうすると、まず2万年〜1万年前の動物たちがいました。ガイドからは詳しい説明が流れます。もっと降りていくと100万年〜10万年前、3000万年〜2000万年、7000年前と、時代を遡ってその時に生息していた生き物たちがいます。ヘッドホンからはその都度、解説が流れます。 この秘密のドアはどこまで続いているのでしょう?さあ、過去の世界へ探検に出発です! 細部まで細かく描かれ、ヘッドホンから流れてくるガイドもとても詳しく掲載されているので、生命の図鑑のような絵本です。 【丈太郎のひとりごと】 僕が幼い頃、この絵本の作者の『ぼくのロボット大旅行』(福音館書店)が大好きでした!本当に何百回と開いたかわからないほどよく読みました。 作者の松岡 たつひでの絵は、細かいところまでハッキリと描写されているのが特徴です。そのため、一度見て終わりということはなく何回も繰り返して見過ごしている細かい場面を再度チェックするのが楽しいです。 階段を降りていくだけに縦開きになっているところも特徴の一つです。 この絵本は地球の歴史上でどの時代にどのような生物が生息していたか、細かく解説されています。図鑑より親しみやすく楽しむことができることでしょう!
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『おとなりの だれかさん』
¥1,760
カーシャ・デニセビッチ/作 44P 評論社 【隣や上や下の部屋は誰が住んでいるんだろう?】 私は引っ越しをして、新しい住所も何も見ないで言えます。 「こいけどおりの 3ちょうめ」 ビルの2階でとうとう自分の部屋がもらえました。でも、よく考えると私の部屋の天井は誰かの床で、私の床は誰かの天井です、もし、壁を突き抜けて手を伸ばせば誰かに触れるかもしれません。その誰かが新しいお隣さんです。 お隣さんは周り中にいて、今一体何をしているのでしょう?私たちに似ているのか?お家にいるのか? そもそもお隣さんはいなくて、建物だ蹴っだりするかもしれません。 「さて きょうは、たしかめに いく ひよ。」 さあ、お隣さんはどんな人が住んでいるのでしょう? 引っ越ししたばかりのワクワク感をモノクロを基調とし随所でカラーが使われている絵は、とてもアーティスティックに描かれており、絵を見るだけでも楽しい絵本です。 【丈太郎のひとりごと】 僕も小学1年生になるタイミングで家族と引っ越しました。今まで居たところへの寂しい気持ちと、新しい場所への期待感が交互し、特にお隣さんをはじめ近所のことが気になり探検した覚えがあります。 この絵本は言葉少なめに、引っ越し先での生活に期待を大きく持った女の子のお話です。絵がとても素晴らしくモノクロを基調に随所で使われている色が効果的で、アートブックとしても楽しめることでしょう。
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『まだまだ まだまだ』
¥1,320
五味 太郎/作 32P 偕成社 【かけっこはいつまでも続く!】 みんなでかけっこをします。「よーい どん!」の合図でスタート!かけっこは楽しいですが、すぐに終わってしまいます。しかし、ぼくのかけっこはまだまだ終わりません。 町の中、賑やかなところ、ビルの間、町のはずれ、畑の中、牛や羊やアヒルのところ、森の中、まだまだかけっこは続き、様々な風景が描かれています。 とてもシンプルで丁寧語で書かれた言葉、作者の五味太郎の絵とすぐわかるオリジナリティで「五味太郎ワールド全開!」の絵本です。 【丈太郎のひとりごと】 五味太郎さんの作品はひと目見るだけで、すぐにわかります。それぐらいオリジナリティに溢れています。そして、お話はシンプルなのに、とても奥が深い作品が多いのも特徴です。 この絵本もかけっこの競争が終わっても走り続ける、なんだか人生そのもののような気がします。しかし、そんな重たさもなくカラフルな絵で軽快に描かれているのは流石!としか言いようがありません。 まさに引き算の美学な絵本です。
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『ぼくとどうぶつたちのおんがくかい』
¥1,980
山田 和明/作 40P 出版ワークス 【公園で動物たちと楽しい音楽セッション!】 ある晴れた日、僕はお気に入りのハーモニカを持って公園へ出かけました。公園はとても静かでハーモニカを吹こうとしたら、遠くから何かが聞こえてきました。木の間から覗くとうさぎさんが一人でピアノを弾いていましたが、どこか寂しげだったので、一緒に演奏することになりました。 うさぎさんと演奏するととても優しい音が響き、次にクマさんがギターを持ってやってきました。一緒に演奏したらそれは軽やかな音でした。次にりすさんがバイオリンを持ってやってきました。その音を聴いておさるさんがタンバリンを持ってきました。次はかばさんはコントラバス持ってきてみんなで仲良く演奏しました。 そこへ「しく しく しく・・・」とその音を聴いていた小鳥さんが泣き出しました。理由を聞くと何も楽器ができないので、みんなと一緒に演奏ができなくて悲しいようです。しかし、ことりさんには得意なものがありました。それは、、、。 ページの横幅が少しずつ広くなるしかけ絵本で、絵もやっしくで楽しい演奏会の様子が描かれています。 【丈太郎のひとりごと】 とにかく絵の雰囲気がとても良く、明るい気持ちでページを進めていくことができます。ページの幅が徐々に広がっていく本の作りの工夫も次のページを開くワクワク感を演出しています。 シンプルなお話ですが、とても優しく平和的なお話で読んでるとなんだか演奏会を聴いているかのような気分になります。 このような丁寧に創られた絵本は大切にしていきたいものです。