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【名古屋のカルチャーを知り尽くした伝説の書店員】『故 古田一晴を偲ぶ 黒いエプロン』

¥500 税込

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野口あや子/作 

【古田一晴への愛と感謝と思い出に溢れたZINE】

古田一晴さんとも親交の深かった名古屋在住の歌人、野口あや子さんが挽歌を詠んだ追悼ZINEです。「古田愛」に溢れた37首とエッセイ2編が収録されています。

ちくさ正文館で長年に渡り、様々な人々がジャンルレスで人文書からサブカルチャーまで精通する異様な空間「古田ゾーン」にお世話になった方も多いと思います。

古田一晴さんと交流がなかった方でも、このZINEを開けば「古田一晴」と言う最期まで「書店員」に徹した姿を垣間見ることが出来ることでしょう。

【丈太郎のひとりごと】

以前のメルヘンハウスの店舗から徒歩3分のところに「ちくさ正文館」がありました。

2014年にメルヘンハウスに入社し、ある日「ちくさ正文館」の名物店長の古田さんに挨拶に行きました。その際に「メルヘンハウスのショップカードを持って来い」と言われました。

「ウチ(ちくさ正文館)は児童書が少ないから、いつもアンタの店を紹介していて面倒なんだ。ショップカードを置いとけば渡すだけだからな!」

系統は違えど同じ「書店」で他の書店のショップカードを置くという寛容さに驚きました。

それから休憩時間に「ちくさ正文館」によく行くようになり、様々なアートカルチャーシーンに精通している古田さんに好きなバンド(マニアック過ぎて誰も知らないであろう)の話をしたら、そのバンドのことで大盛り上がして、それがキッカケで親しくさせて頂きました。

「ちくさ正文館」の「古田ゾーン」と呼ばれるゴチャゴチャしたスペースは人文学、哲学の本やカルチャー、しかもサブカルチャーに強く大好きな場所でした。

僕が吉本隆明(吉本ばななの父)に興味を持ち、どの本から読めばわからず古田さんに相談したら「まずこれからだ!」とすぐに出してくれました。

しかし、その本は僕にとってあまりにも難しく、何度読み返してもわからないことだらけ。その話をしたら「分からないから良いだよ!分からないから何度も読んでわかろうするだろ?今の本は分かりやす過ぎるんだよ!」と古田さんは言いました。

その言葉に衝撃を受け、絵本でもナンセンス絵本などはよく分からないとお客様から言われるけど、そう言うことか!と思い、古田さんの「分からないから良いんだよ!」とフレーズをメルヘンハウスでもよく利用させて頂きました。

そして「ちくさ正文館」も昨年閉店し「古田さん、これからどうするんだろうか?」とずっと思っていたところ、古田さんの訃報舞い込んできました。お通夜に行くと顔見知りの人に多く出会いました。色々とイジられたりもしながらも、いつも「本」と向き合い素晴らしい目利きでした。書店員の先輩として尊敬し憧れの人でした。

そんな古田さんがいないのが残念でなりませんが、こうやって「本」としてカタチに残ることを嬉しく思います。

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