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『ぼくだけのこと』
¥1,540
森 絵都/作 スギヤマ カナヨ/絵 36P 偕成社 【「ぼくだけのこと」が積み重なって「ぼく」になる】 ようたには兄弟が二人います。三人兄弟の中で「えくぼ」があるのは、ちょっと嬉しいぼくだけのことです。お父さん、お母さんと五人家族で、ぼくだけがいつも蚊に刺されるのも、ちょっと困ったぼくだけのことです。 ぼくには仲良しの友達が六人います。その中でもぼくだけが逆立ちが出来るちょっと得意なぼくのことです。 ぼくには二十人のクラスメイトがいます。その中で芸能人のサインを持っていないのはちょっと悲しいぼくだけのことです。 こうして、学校、町、世界とぼくの周りは広がっていきますが、ぼくだけのことはそんな中でもあります。でも、もしかしたらこの大きな地球のどこかに一人ぐらい・・・・・・。 明るい表情がとても印象的でイキイキとした絵が、ぼくだけのことを楽しく表現しています。 【丈太郎のひとりごと】 自分だけ人と違うと自慢したくなることがありますよね?その一方でそれが悪いことであれば後ろめたい気持ちにもなる。様々な「ぼくだけのこと」が積み重なって「ぼく」と言う人間が成り立っていて、それを個性と呼ぶのでしょう。 そして、かけがえなのない「ぼく」という一人を認めることが出来るのであれば、それは素晴らしい人生を送ることができます。些細ないことでも大きさは関係なく「ぼく」「わたし」探しをしてみましょう!きっと自分にしかないことが沢山あるはずです。
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『こねことおつきさま』
¥1,650
アルベルティーヌ・ドゥルタイユ/作 ふしみ みさを/訳 25P 徳間書店 【猫と月の素敵なお話】 家もない、友達もいない自由気ままな野良猫がいます。満月に照らされて、なんで月が自分についてくるように見えるのかわかりません。 野良猫はこれから農場にミルクを飲みにいくところです。まずは塀を通って、次は木に飛び移り、芽キャベツ畑を通り、野原でかけっこしますが、月はどこまでも着いてきます。小川を飛び越える時は水面に月が写ります。 そうこうしているうちに農場に着きました。瓶の中に入っているミルクを瓶の下の方まで飲もうとしたところ、猫が、、、。 クラシカルな絵が気品があり上品ではありますが、猫がとても可愛らしく描かれています。 【丈太郎のひとりごと】 1954年にフランスで刊行された絵本のようです。言われてみれば絵のタッチやストーリーが今時の感じではなく、オーソドックスな雰囲気が出ています。 しかし、70年経った今でもこの絵本を楽しむことが出来るのは、普遍性があるため時代に流されないからでしょう。 しっとりとした質感がとても柔らかく、そして優しくお話の世界に、子どもたちは自然に入っていくことでしょう。夜寝る前に読む絵本にしても良いと思います。
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【読み物】『机の下のウサキチ』
¥1,650
岡田淳 /作 223P 偕成社 【ウサギの跳ねる力を取り戻す冒険ファンタジー】 この本の主人公の小学4年生になる一平は不思議なことを体験しました。ある時、大好きなおじいちゃんが手術をするために入院をしなくてはならなくなりました。 お母さんは付き添いで行くため、お父さんが帰って来るまで、一人で留守番することになりましたが、大好きなおじいちゃんの書斎で遊んで良いことになり、おやつにコンペイトウとお茶の入った水筒を用意してくれました。 そして、留守番をしていたら突然雷が鳴り停電してしまいました。ランタンを用意して机に下に避難しました。そうしているうちにランタン以外の光のような明るいものがありました。そこは通路になっていてツタの葉のトンネルを抜けると草原が広がっていました。 草原の向こう側に何かいるようです。近づいてみると巨大なウサギでした。ウサギは一平を待っていたようで名前はウサキチと言います。ウサキチは一平のことをキョチと呼びました。 そして、ここはキョチの国であることも告げました。どうやらウサキチは「跳ねる力」をなくしたようで、一平と一緒に跳ねる力を取り戻すことを考えていたようです。 さあ二人の冒険の始まりです!果たしてウサキチの跳ねる力は取り戻せるのでしょうか? 【丈太郎のひとりごと】 児童文学の冒険ファンタジーと言えばこの本の作者の岡田淳さんがまず頭に思い浮かびます。今までも学校を舞台にした冒険ファンタジーの本など沢山発表してきました。 今回の舞台はおじいちゃんの書斎が始まりです。大好きなおじいちゃんの書斎から始まる不思議なウサギのウサキチと共に、ウサキチが失った「跳ねる力」を取り戻す冒険が始まります。 児童文学だからと言っても、大人も十分に楽しめる内容になっています。 しっかりとした構成と躍動感のある文章、これぞ岡田淳ワールドという作品になっています。
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『ちらかしさんとおかたしさん』
¥1,540
ふしみ みさを/作 ポール・コックス/絵 32P 教育画劇 【全く性格が違う二人だけど、、、】 あるところに、ちらかしさんとおかたしさんが一緒に暮らしていました。家に帰ってくるとちらかしさんは歩きながら、帽子、鞄、上着、ネクタイとぼんぼん放り出していきます。それを後ろからおかたしさんが全部拾って片付けます。 ちらかしさんは喉が乾けば、水を飲み水道は出しっぱなし。コップを出せば戸棚は開けっぱなしです。おかたしさんは蛇口を閉めて、扉を閉めていきます。 畑にはトマトとナスとキュウリが食べごろになっていて、二人で収穫することになりました。庭の草むしりも料理も二人でします。 なんでも二人で一緒にやりますが、お互い全く性格が違う二人が何故一緒に楽しく暮らしていけるのでしょう? デザイン性が高くイラストもとても素敵で、色彩も赤を基調にバランス良く描かれています。 【丈太郎のひとりごと】 この絵本の第一印象は「オシャレな絵本だなぁ」と思いました。しかし、読んでいくうちに性格が真逆の凹凸コンビの生活がとてもバランス良く、お似合いの二人であることに気付きました。性格が違うからこそ、お互いの足りないところを自然に補いながら暮らしていけるのです。 ユーモアたっぷりの楽しさと優しさに溢れた絵本です。ちなみに僕はどちらかと言えば、ちらかしさんタイプです、、、。
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『いまの きもちは どんないろ?』
¥1,320
えがしら みちこ/作 32P KADOKAWA 【こどもの気持ちを色で表す】 「いまの きぶんに ちかいいろは どれ?」とこの絵本は始まります。音にしたらどんな感じか?一日の中でも気持ちは色々と変わっていきます。 ものすごく嬉しい時、とても悲しい時、何かに夢中になった時、怒った時など、その時々の気持ちによって色は変わるし、もし同じことをしていても、その時の気持ちで色が変わります。 その色の違いを楽しめたり、伝えることで分け合うこともでき、伝え方の方法も色々あります。 子どもたちの心の感情を色で表すとどうなるか?水彩画の優しいタッチで、子どもたちのその時々の感情を色で表現し描かれています。 【丈太郎のひとりごと】 感情は色で表現できることができます。子どもたちには自分たちだけで溜め込むのではなく、その色を大人でも友達でも伝えて欲しいと思います。決して自分の中に溜め込むのでなく、どのような手段でも伝えることが大切であることがこの絵本には書かれています。 ただし、強制的なものでなくあくまでも子どもたちが主体でそこに寄り添うようにして感情を共有するような描き方がされているので、この絵本を子どもと一緒に読みながら、感情の共有をしてみてはいかがでしょう。
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『ファビアンのふしぎなおまつり』
¥2,090
マリット・テルンクヴィスト/作 長山 さき/訳 44P 徳間書店 【お祭りへのワクワク感から空想が広がって、、、】 外から太鼓の音が聞こえてきました。賑やかな声と笛の音もします。今日はお祭りの日なのです。ファビアンは楽しみで仕方ありません。 ファビアンのお祭りへの空想が膨らみます。大人もみんな補助輪がついた自転車に乗っているとか、車の代わりに像が走っていたり、高い木の上に住んでみたり、マシュマロの首飾り、ケーキの帽子、踊りたくなくても体が飛び跳ねるような音楽、本物の星が出てくる花火、空から降ってkるプレゼント、ファビアンの空想は止まることがありません。 ファビアンのワクワクが止まらない中、ようやく外に出ることにしました。そしたら、、、 見開きページも数箇所あり、お祭りの賑わいやファビアンの想像の世界が緻密に色鮮やかに描かれているため、とても楽しくページをめくることができます。 【丈太郎のひとりごと】 ファビアンの空想はとても素敵ですね!現実になったらどれだけ楽しいことでしょう!ファビアンの空想したお祭りが果たしてどんなものになるかは、絵本を開いてからのお楽しみです。 絵のタッチが全体的に明るく、そして細部に至るまで丁寧に描き込まれているため、何度もみても楽しく、数箇所ある見開きページのダイナミックさもとても魅力的です。 子どもの空想って、もう大人ではできない無限性があって楽しいものだと、この絵本は教えてくれます。
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『ぶらぶらどうぶつえん』
¥1,540
井上洋介 /作 32P 小峰書店 【動物園の色々な動物を観察してダイナミックに描く!】 動物園の色々な動物について、作者が感じたことが書かれています。動物の特徴を捉えながら、そこに自分の想いを載せていきます。 例えばこんな感じです。 「しまの もようは なんて きれいだ ぼくも こんど しまの しゃつをきる」 「くじゃくが はねを ひろげてく れた わたしも りょうてを ひろげてみせた いっしょに とじて いっしょに ひらく おひるの たいそう いちに」 動物と同じ目線で同じ呼吸をするように動物に寄り添う形で文章が書かれています。 文字も独特な手書きで絵も荒々しくダイナミックに描かれているのに、どこか優しさを感じます。 【丈太郎のひとりごと】 動物園が近いので息子とよく自転車で出かけます。檻の中に入っている動物たちは何を思い考えているのだろう?と思うことがあります。本当は自然界で生きていくのが良いのかなぁとか、沢山の人に見られながら生活する気持ちってどんなだろう?とか、色々と想像をしてしまいます。 この絵本はそんな僕の思いを代弁するかの硫黄に色々な動物への想いが描かれています。少し皮肉混じりではありますがユーモアさを感じます。 一見、荒らしく描かれているように見えますが、よく見るとしっかりと動物が観察されて描かれていることがわかります。 今度、息子とまた動物園に行ったら読んでみたいと思う絵本です。
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『おやすみなさい』
¥1,430
ヴィルジニー・アラジディ カロリーヌ・ペリシェ/作 エマニュエル・チュクリエール/絵 カヒミ カリィ/訳 24P アノニマ・スタジオ 【暗闇の中に光る動物たちの「おやすみなさい」】 おやすみの時間です。もうすっかり夜で、夜は真っ暗な布団で森を優しく包みます。 「しー・・・・・・さあ おやすみなさい」 静かな静かな音は夜の音です。大きな夜空には輝くお月様がひとつ、静かな月明かりです。 「しー・・・・・・さあ おやすみなさい」 夜の自然の様子が、とても丁寧に書かれており、ゆっくりと時間が流れます。そして、我が子を愛する気持ちが溢れています。 濃いグレーの中に浮かび上がるように描かれた蛍光オレンジのリスの親子や色々な親子がとても美しく、心が清らかになり、シンプルな思考になっていきます。 【丈太郎のひとりごと】 訳しているのはカヒミ カリィ。90年代に音楽業界に旋風を巻き起こした「渋谷系」と呼ばれる音楽家たちの中の1人です。まさか絵本でカヒミ カリィに再会するとは思っていませんでした。 しかし、訳されたストーリーは言葉ひとつひとつを丁寧に選んで夜のおやすみの時間を見事に演出しています。そして、絵も素晴らしく動物たちの親子が暗闇に浮き上がるように描かれているのですが、何故だかとても自然に受け入れることができます。 寝る前のちょっとした時間をこの絵本で子どもと一緒に、優しく開いてみたくなります。 アートブックとしても十分に楽しめる優れたアートワークな絵本です。
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『びっくりさんちのみつごちゃん』
¥1,540
角野 栄子/作 西巻 かな/訳 32P 童心社 【かわいい三つ子ちゃん達が次々やってくる!】 アーちゃん、レーちゃん、マーちゃんは三つ子の3歳の姉妹です。それぞれ得意技を持っています。ある日、ビックリママとビックリパパが出かけていきました。 「とん とん とん 」とドアをノックする音がします。どうやらお客さんのようです。ドアを開けて見ると、3歳の猫の三つ子ちゃんでした。一緒に遊ぼうときたので、家に入ってもらいました。 「とん とん とん 」とまたお客さんのようです。今度は3歳のサボテンの三つ子ちゃんでした。またも一緒に遊ぼうときたので、家に入ってもらいました。 「とん とん とん 」とまたお客さんのようです。次から次へとお客さんがやってきて、しかもみんなアーちゃん、レーちゃん、マーちゃんと同じ三つ子で3歳です。 夜になり「おそくなっちゃったわ」とビックリママとビックリパパが走って家に帰ります。家の中に入ると2人ともビックリ!そこには、、、。 ふんわり軽快に色々な三つ子ちゃん達を可愛く描いています。 【丈太郎のひとりごと】 「とん とん とん 」とドアをノックしてお客さんが来るリズムが気持ちよく、この絵本のように3歳前後の子どもから楽しめそうです。とにかく絵が軽やかでスーッとお話の世界に入り込んでいけるようです。 乳児から幼児へ変わるぐらいのタイミングの子どもにピッタリの絵本です。もちろん大人もこの可愛さにメロメロになって楽しめますよ!
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『はらぺこハロルド、なにがみえたの?』
¥1,540
SOLD OUT
ケヴィン・ウォルドロン/作 いしいむつみ/訳 32P BL出版 【食いしん坊でイスが好きな犬のお話】 犬のハロルドはいつもものすごくお腹が空いてます。食べ終わると散歩に出かけ必ず居心地の良いイスで、くつろいでいます。このイスが食べ物と同じくらい好きなのです。 ある朝のこと、ハロルドはご飯を食べに行く途中でイスがないことに気づきます。家中探し回ってもイスはありません。ようやくイスを見つけたと思ったら、ゴミ収集車に持っていかれるところでした。ハロルドは夢中でゴミ収集車を追いかけますが追いつくこともできず、おまけに迷子になってしまいました。 その時、お腹が鳴りました。朝ごはんを食べていなかったのです。ハロルドの頭の中にはご飯と帰り道のことだけになりました。知らない町をで美味しそうなものを沢山見ながら、なんとか家に辿り着きました。そして、イスのことは忘れて朝ごはんを食べました。 食べ終わるとそこにあったものは、、、。 食べ物だけが実際の写真のコラージュになっており、とてもお洒落な色使いと絵でハロルドとその周りの様子が描かれています。 【丈太郎のひとりごと】 とにかく絵とコラージュがなるほどな!と思うような工夫がされていて、デザイン性も高く読んでいて気持ちの良い絵本です。ストーリーはシンプルなだけに絵に目がいってしまいます。こんな洒落た絵本を子どもの頃から読むことは、子どもの感性に大きく影響を与えると思います。 子ども達には芸術性の高い絵本に沢山出合って欲しいと思います。
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『ねずみに ぴったりの のりもの』
¥1,650
マリー・ホール・エッツ/作 こみや ゆう/ 訳 36P こみや ゆう 【夜にねずみが見つけた素敵なものは、、、】 ねずみの家族が2家族地下室に住んでいました。ある夜、男の子のジョニーはベッドで寝ていました。そのころ2家族のねずみは地下室の階段を静かに登っています。階段を登ると耳を澄ましてジョニーと家族がぐっすり眠っているからです。 ねずみたちは部屋のあちこちを走り回って色々と物色します。子ども部屋に来るとねずみ達は目を丸くして嬉しそうに「チューチュー!」と鳴きました。子ども部屋におもちゃの自動車と汽車と飛行機とトラックがあったからです。 のりもののおもちゃにぴったりのねずみは、早速、飛行機とトラックに2家族分かれて乗り込みました。2家族は汽車と自動車に乗り込みましたが、ぶつかり合って倒れてしまいました。ねずみ達は地下室に逃げ帰るのですが、1匹のねずみだけが汽車の下敷きになって身動きが取れなくなってしまいました。 翌朝、ジョニーが目を覚まして子ども部屋に行ってみると、おもちゃが散らばっていました。そして、片付けようとしたところ、汽車の下敷きになって身動きが取れなくねずみが見つかってしまいます。一体、ねずみはどうなるのでしょう? クラシカルな絵で細部に至るまで描き込まれ、ねずみの躍動感が伝わってくるような動きのある絵で楽しませてくれます。 【丈太郎のひとりごと】 アート的にも絵が素晴らしく、1964年に描かれた絵本の復刊です。60年前にこんなにお洒落に絵が描かれている絵本があったことが驚きです。そして、その長い間親しまれて読み継がれてきたと思うと、絵本の持つ力の凄さを感じます。 いつの時代に読んでも普遍性の高い絵本は楽しめます。このようなクラシカルな絵本はこれからも大切に読み継いでいかないといけないと思いました。
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『ツリーハウスがほしいなら』
¥1,540
カーター・ヒギンズ/作 エミリー・ヒューズ/絵 千葉茂樹/訳 32P ブロンズ新社 【憧れのツリーハウスを手に入れたいのであれば、、、。】 ツリーハウスが欲しいなら、まずはゆっくり慌てずに空を見上げることから始めます。そして木に囲まれた空に浮かぶ家を思い浮かべます。 まずはどんな木が良いか探します。背の高い気が良いのか?枝がたくさんある木が良いのか?そして、どんな家にするのか?まずは設計図から始めて梯子を高く立てかけて柱に板を渡します。そして突っ張りを入れたらボルトでしっかり留めます。 ツリーハウスにはブランコかロープもなくてはなりません。小さな図書館があっても楽しい!夜は星に手が届きそうで懐中電灯があれば夜空を独り占めにもできます。 細部に至るまで緻密に緻密に描かれた絵は、ツリーハウスの構想がどんどん広がる楽しみが広がります。 【丈太郎のひとりごと】 ツリーハウス、憧れですよね!子どもたちはツリーハウスに限らず、秘密基地など隠れ家的なものが大好きです。僕も少年時代に友達と秘密基地を作って楽しんでました。 この絵本はとても想像力を刺激するお話となっています。絵を見ているだけでワクワクが最後まで止まりません。子どもだけでなく、大人も楽しめる内容となっています。 さあ、家のゲーム機を置いて木のあるところで、まずは空を見上げてツリーハウスを想像してみよう!きっと新しい色々な発想が生まれてくることでしょう。
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『ぼくのへや』
¥1,430
伊藤ハムスター/作 32P KADOKAWA 【他と比べることに意味はあるの?】 僕は衝撃を受けました。遊びに行ったあの子の部屋は、どこもぴっかぴかです。しかし、あらいぐまの部屋はそれが普通らしいのです。それに比べて僕の部屋は散らかっていて、あらいぐま失格です。 より良いあらいぐまになるように決心しました。物が多過ぎるので思い切ってみんなにもらってもらうのです。そうすると部屋はすっきりして素敵になりました。しかし、なんだか落ち着きません。色々と返してもらうことにします。 市場、海の中、遊園地、宇宙などに手放した物を探しに出かけます。そうしてあらいぐまの部屋は、、、。 カラフルでポップな絵で、自分にとって本当に大切なものは何か?という想いがシンプルに描かれています。 【丈太郎のひとりごと】 僕の部屋もこのあらいぐままでいかなくとも、散らかっています。雑誌とかみると洗練されたお洒落な部屋とかに憧れます。 しかし、自分にとって大切なものは何であるのか?他と比べてどうなるか?この絵本はそんなことをシンプルな文章で語りかけています。
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『あみあみあみちゃん』
¥1,650
麻生 かづこ/作 うえの よう/絵 32P ポプラ社 【ふんわりやさしい気持ちになれる絵本】 あみこちゃんは、髪の毛を編み込みにしてみました。お花も木の実も葉っぱも木の実も編み込みしてお花畑のようになりました。 そしたら、うさぎがやって来て、「いーれーてー」と言うので編み込みの中に入れてあげました。次にくまさんも「いーれーてー」と編み込みに入り、でんぐり返しをして遊びます。そこにりす、ことりもやって来て編み込みに入り、みんなで楽しい音楽会をしました。 そんな楽しいことをしてる時に、ねこが跳ねてきたのです。そしたら、ことりが羽を広げてあみちゃんは空を飛びました。空はふわふわでとても良い気持ちです。そこへ灰色の雲も編み込みに入って来ましたが、「ぽたん・・・・・・。」と雨が降ってきました。あみちゃんはどうなってしまうのでしょうか? あみちゃんが楽しんでいる光景を、優しい色使いと表情豊かなかわいい絵で描かれています。 【丈太郎のひとりごと】 一時期、長髪にしたことはありますが流石に編み込みまでしたことはなかったです。子どもだった頃に4歳年下の妹が、毎朝父に編み込みをしてもらって楽しそうにしていたのを何故か覚えています。 この絵本はとてもシンプルで優しいお話なので、時がゆっくり流れているように思います。まだ先月(3月)に発刊されたばかりの絵本です。これから多くの子どもたちを気持ちの良い空気感に誘っていくことでしょう。
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『ぼくのおうち わたしのおうち』
¥1,650
たけうち ちひろ/作 32P 世界文化社 【色々な家の中はどうなっている?】 今日は日曜日、僕は友達の家に遊びにいきます。最初はみーちゃんの家に遊びにいきます。三角屋根が耳みたいで、丸い窓の家です。何かの顔に似ています。中に入ってみると猫の家で、16匹の猫と暮らしています。 みーちゃんと一緒に、けいちゃんの家に向かいます。甘い匂いがしてきました。中に入ってみると、家はケーキ屋さんです。美味しそうなケーキが並んでいます。次にけいちゃんも一緒に、つーくんの家に行きます。沢山の煙突から煙が出ています。つーくんのお父さんは発明家です。機械で作ったジュースをみんなで飲みました。 こうやって、次々と友達の家に遊びにいきます。そして、最後にいく家のはお楽しみの、、、。 切り絵で作られた絵はとても温かみがあり、どの家も外見の次のページが家の中の断面図になっているので、細部に至るまで絵を楽しむことができます。 【丈太郎のひとりごと】 切り絵とは思えないほど、家の中の断面図などは緻密に描かれていて驚きました。人の家って気になりますよね?この絵本では色々な家が登場するので、この絵本を読んだ子どもがどんな家に住みたいか?想像するのが楽しそうです。
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《残り2冊!送料無料!》【入手困難な絵本!】『ぼくはアーティスト』
¥3,300
SOLD OUT
ドロ・グローバス/作 ローズ・ブレイク/絵 さとうりさ/訳 40P HeHe 【アーティストとは ものをつくる力があって、つくったものを みんなに 見せてくれる人です。】 「アーティスト」は様々なアーティストがいます。画家、イラストレーター、写真家、木工職人、ガラス吹き職人、テキスタイルアーティスト、環境アーティスト、グラフィティアーティスト、陶芸家など、みんなアーティストです。 アーティストは普段どこで何をしているのでしょう?アーティストはスタジオ(作業する場所)でものを作っています。色々なものを見て、感じて、何もないゼロから作品を生み出すのです。全てが簡単に出来るものではありません。色々と試行錯誤をしながら、様々な作業工程を経て作品が出来上がっています。 この絵本では様々なアーティストのスタジオに、ヴィオラという女性とキットという少年が訪ねていき、色々なものを見たり聞いたりします。そして、自分たちも実際にアートを作ることができるのを感じとります。 色鮮やかにデザイン性が高くポップなイラストで、素敵なアーティストたちやスタジオの様子を描いています。 【丈太郎のひとりごと】 「アート」や「アーティスト」という言葉を聞くと、自分とかけ離れたことや存在に思う方もいるでしょう。しかし、それは違います。普段私たちが生きていること自体がアートなのです。色々な物事を考えたり、実行することは誰もがやっていること。そして誰もが出来ることなのです。 この絵本ではその誰もがアーティストである喜びを、様々なアーティストの様子を見ながら感じることができます。 正直なところ価格は安くはありませんが、その分だけのクオリティの高さとハイセンスさを感じる絵本です。小学生ぐらいの子どもから大人まで、子どもたちは「アーティスト」の存在を知り、大人はこの絵本自体のアーティスティックさを楽しめる絵本です。 この絵本を見ているだけでもカラフルな色使いや洗練されたデザインやイラストに、ワクワクしてテンションが上がります!
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『はみがきあわこちゃん』
¥1,650
ザ・キャビンカンパニー/作 28P 鈴木出版 【歯磨き粉のあわがどんどん膨れ上がっていく!はみがきの楽しい絵本。】 町は朝を迎えました。あわこちゃんはいつものように歯磨きをします。今日から新しい歯磨き粉であわこちゃんもご機嫌です。しかし、楽しく歯磨きをしていると「ぶくっ ぶく ぶく ぶく ぶく〜!」と泡が口から飛び出してきました。 泡は止まることなくどんどん出ていますが、あわこちゃんは夢中で歯磨きをします。「ぶく ぶく ぶく あわ あわ あわ あわ」と町が泡だらけになってしみました。こどもも大人もあわの上で飛んだり跳ねたりしています。 あわこちゃんはスキーであわの上を滑って遊びます。大ジャンプを決めて着地したところは、あわが広がる海のようです。その時、「もこ もこ もこ もこー!」とあわこちゃんの足の下から黒いものが飛び出してきました。大きな鯨です。鯨は泡風呂にして気持ちよさそうにしています。そこであわこちゃんは良いことを思いつきました。それは、、、。 ビビットなピンクを基調としたダイナミックな絵で、奇想天外な歯磨きのお話が描かれています。 【丈太郎のひとりごと】 2015年に発刊されて以来、しばらくの間なかった絵本ですが、読者たちからの熱い要望でこの度復刊されました。今、若手でものすごく勢いのあるザ・キャビンカンパニー。その独特な絵から海外の作家と間違える人もいるぐらいです。 歯磨きの絵本も沢山ありますが、こんなユニークなお話の絵本はあまりありません。教育的でなく、歯磨きが楽しくなる絵本です。 この『はみがきあわこちゃん』も奇想天外なユニークなお話ですが、他の絵本もとても面白いものばかりです。「ザ・キャビンカンパニー」という名の絵本をを見つけたら、まずは要チェックです!
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『リゼッテとみどりのくつしたかたいっぽう』
¥1,760
カタリーナ・ヴァルクス/作 ふしみ みさを/訳 32P クレヨンハウス 【片一方の靴下を探そう!】 天気の良い朝、リゼッテは散歩に出かけました。すると、緑色の綺麗な靴下を片一方だけ見つけ履いてみました。しばらくするといつもリゼッテをからかってばかりのマトゥとマトゥシュに会いました。そして、靴下は両方ないといけなく片一方の靴下の姿をバカにされてしまいました。 さあ、リゼッテはもう片一方の靴下を探しに出かけることにします。高い木に登って見渡したり、沼に落ちていないか見たりしましたが、見つかりません。沼で濡れてしまった靴下を家で乾かしていると、ネズミのべべールが来て靴下を帽子と勘違いして被らせて欲しいと言い、被ってみたらとてもお似合いでした。 そんな時にマトゥとマトゥシュがもう片方の靴下を持って現れますが、意地悪をして渡してくれません。果たしてリゼッテは靴下を手にいれることは出来るのでしょうか? 落ち着いた色のトーンで表情までも豊かに描かれている絵本です。 【丈太郎のひとりごと】 何故か、道端に片方の靴下や手袋が落ちていることがありますよね?あれはなんでしょうね?いつも不思議に思います。 この絵本はフランスの絵本です。だからという訳ではないのですが、全体的にオシャレな上品でオシャレな感じが漂っている絵本です。翻訳絵本ならではの絵もとても素敵です。
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【絵本作家デビューから11年目の30作目!】『にんじゃくんがいる!』
¥1,540
中垣ゆたか/作 32P あかね書房 【僕にしか見えないの?にんじゃがいるよ!】 ミチルはあおぞらえんに通う男の子です。ある日、あおぞらえんに行く途中で忍者を見ましたが、誰も気付きません。しかも、忍者は同じあおぞらえんに行くようです。 最初の時間は工作ですが、忍者も同じいちごぐみのようです。普通に折り紙を折っていますが、誰にもやはり誰にも見えていないようです。工作の時間だけでなく、歌の時間、プールの時間、お昼ご飯、運動場で遊ぶ時間、お昼寝の時間なども忍者はいるのに誰も気付きません。 結局帰りの時間まで誰も気づかないままでした。 「あのこ、ほんとうに にんじゃ?」 ミチルにしか見えない忍者は本当にいるのでしょうか? カラフルでポップに細かく描かれた絵で、忍者を見つける楽しみがあるがある絵本です。 【丈太郎のひとりごと】 絵本作家デビューしてから11年目にして、この絵本がなんと30作目!ものすごいスピードで絵本を描き続ける中垣ゆたかさんの新作です。デビュー時にはその緻密な絵から「日本のウォーリー出現!」というキャッチコピーがついた程です。 この絵本でもミチルにしか見えない忍者が随所に隠れています。子どもたちはミチルと一緒に忍者を探すことができるかな? 忍者に関する絵本は沢山ありますが、忍者が日常生活に紛れていて探す絵本は、他にはない絵本だと思います。子どもと一緒に忍者を探してみよう!
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『はじまり はじまり』
¥1,815
荒井 良二/作 32P ブロンズ新社 【新しい物語が次々とはじまる】 暗闇から「はじまり はじまり」がやってきました。それは何かのステージです。「はじまり はじまりい」と言って幕をあげました。僕はマンドリンを弾いていました。とても上手です。またもや「はじまり はじまりい」と言って幕が上がりました。今度はスイスイ泳いでいます。 次々に「はじまり はじまりい」と言って幕が上がり、つながれている犬を放してやったり、僕が小さくなって猫に踏まれそうになったり、星空になったりと色々な新しい物語が始まります。 オリジナリティ溢れる絵で幻想的な世界が描かれています。 【丈太郎のひとりごと】 「はじまり はじまりい」と次々に物語が画面いっぱいに描かれています。それは留まることなく次々と始まるのです。生きていることはそんな始まりの連続なんだなぁとこの絵本を読んで思いました。 どの絵本でも荒井良二という作家は、独特の彼にしかないオリジナリティ溢れる絵本を発表し続けています。その絵本のどれもに深さを感じ、何度も読むことにより、絵本の真意にたどり着きます。この絵本はそういった意味ではとてもポジティブな気持ちにさせてくれる絵本です。
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『ペロのおしごと』
¥1,540
樋勝 朋巳/作 32P 小学館 【大好きなお母さんのため、ペロは頑張る!】 犬のペロは飼い主のお母さんが好きでたまりません。ごはんの茶碗を動かないようにおさえてくれていたり、優しくブラッシングしてくれたり、うんちもさっと片付けてくれたりします。 散歩の途中でお母さんがいつもアクセサリーショップショップで立ち止まります。そして、ショーワインドーのネックレスを眺めいつも「すてきね・・・」とうっとりしています。 ペロには夢がありました。いつか大好きなお母さんにネックレスを買ってあげることです。どうしてらネックレスを買ってあげられるか?毎日考えて決心しました。ペロは仕事をすることにしたのです。しかし、整骨院、郵便局、サーカス、レストランなどで働きますが、どれもうまくいきません。ペロはお母さんにネックレスを買ってあげることができるのでしょうか? 背景は白を基調として登場するペロなどのキャラクターが細かく可愛く描いてあります。 【丈太郎のひとりごと】 作者の代表作である『きょうはマラカスのひ』(福音館書店)のファンも多いのではないでしょうか?また違った角度から今回もユーモアと温かさを感じる絵本になっています。 シンプルな構成の絵本のため、絵が細かくても幼児さんでも楽しめます。
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『いれかえことばクイズショー』
¥1,650
おおなり修司/作 しごくん/絵 48P 偕成社 【言葉遊びが楽しく絵もユーモア満載!】 絵本のタイトル通り、絵を見ながら言葉を入れ替えて新しい文章にしていきます。例えばこんな感じです。 「ゴンドラが◯◯◯ン」 この丸の中に絵を見ながら「ゴンドラ」の言葉を入れ替えて文章を作ります。なんだか炎の中を竜の形をした乗り物が次々に噴火山からやってきます。この場合は、竜の形がポイントです。 そう「ドラゴン」になります。 「ゴンドラがドラゴン」 このようにして絵をヒントに言葉を入れ替えていく、今まであまり見たことがなかった新感覚の絵本です。先に進めば進むほど難しくなるので、絵をよーく見て考えなければなりません。 ポップでオシャレに描かれた絵は、わかりやすく言葉の入れ替えが難しくても、諦めることなく絵を眺めていることができます。 【丈太郎のひとりごと】 今までにあまり類を見たことがない新感覚の絵本です。4〜5才になると子どもたちは、ダジャレ、なぞなぞ、クイズなど「言葉遊び」を好むようになります。そんな子どもたちにぴったりな絵本です。 ちょっと難しいところもあるので、大人が一緒になって考えるのも良いでしょう。もしかしたら、子どもたちの方が早く分かるかもしれませんよ!頑張れ、大人!
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【追悼、さとうわきこさん】『みちくさ』
¥1,430
さとうわきこ/作 32P 偕成社 【ちょっとした道草が大変なことに!】 学校の帰り道、ちょっと道草をして帰ることにしました。でもなんだか変です。川では草のおばけが楽しそうに遊んでいたり、マンホールが縄跳びで遊んでいたり、美容室のお客さんは野菜の人たちばかりだったり、普通では考えられないことばかりです。 どうやら不思議な世界に飛び込んでしまったようです。果たしてこのまま道草したまま帰れるのでしょうか? クラシカルなレトロ感満載の絵で、不思議な道草の体験が元気いっぱいに描かれています。 【丈太郎のひとりごと】 作者のさとうわきこさんは、残念なことに先月お亡くなりになりました。「せんたくかあちゃん』(福音館書店)をはじめ、数々のパワフルでユーモアのある作品を発表されて来ました。 僕も幼い頃から知っているので、いつも元気でパワフルなイメージが鮮明に残っています。長野県で「小さな絵本美術館」を創設、主宰されており、ご自身のだけでなく、海外作家などの貴重な原画も数々見ることができました。 この絵本が遺作ということになりますが、最後までパワフルでユーモアなお話が描かれています。作品はずっと残ります。大切に子どもたちに手渡していきたいと思います。
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『しごとのどうぐ』
¥1,870
三浦太郎/作 44P 偕成社 【このどうぐ、つかうのは だれ?】 のこびり、かなづち、くぎ、クランプ、さしがね、のみを使うのは誰でしょう?大工さんです。 ちょうしんき、スポイト、ちゅうしゃき、ピンセット、くすり、アンプルを使うのは誰でしょう?お医者さんです。 このように「このどうぐ、つかうのは だれ?」とその人が使う道具が描かれており、次のページで誰だかわかります。全部で10人の仕事をする人が登場します。 デザイン性の高い絵で、字のフォント(字体)も、その仕事の人にあった文字の形になっていて、細部まで絵本のこだわりを感じます。 【丈太郎のひとりごと】 2005年ボローニャ国際絵本原画展入選作品をもとに、イタリアで出版された絵本の初邦訳の絵本です。三浦太郎さんといえば絵本に詳しい方なら『くっついた』(こぐま社)が思い浮かぶ方も多いと思いますが、他にもたくさんの絵本を発刊されています。どれもデザイン性にこだわりを持った作品が多く、シンプルながらも飽きのないところが特徴です。