




【知ったかぶりじゃダメなんだ!】『わたしたちのふるさとパレスチナ』
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ハンナ・ムシャッベク/作 リーム・マドゥ/絵 坂 悦子/訳 鈴木 啓之/監修 37P ほるぷ出版
【行ったことのない私のふるさと、パレスチナ】
私たちはベッドの中で、パパが帰ってくるのを楽しみに待っています。それはパパの話が大好きだからです。その話とは私たちが一度も行ったことがないパレスチナの話です。
パパは子どもの頃、夏になるとエルサレムにあるおばあちゃんとおじいちゃんの家に泊まりに良kました。
おじいちゃんとパパはエルサレムの町を少し進むたびに立ち止まって、みんなに挨拶したり、話をしたりしています。おじいちゃんは「フタール」って呼ばれるその辺りのまとめ役だったので、色々な言葉を話せました。
町は賑やかで色々なお店が並んでいて、みんな楽しげにしています。2人が歩くと、イスラム教のお祈りを呼びかける声や、キリスト教会の鐘の音、昔からの踊りを稽古する子どもたちの弾む声や人気歌手の歌が大きな音で流れていたりしました。
その中でもパパが夢中になったのはジェッラーブ売りです。甘いジェッラーブでいっぱいの水差しを背負ってあちこちを練り歩き、売りにきたことを知らせるために金色のコップとお皿で複雑な美しいリズムを奏でていました。
そんな影響もあってか、パパは今ではプロの演奏家です。
しかし、話はおじいちゃんがハトのカゴを開けて、ハトが空を自由に飛び回るのを操るところを見たのが、おじいちゃんもパレスチナを見たのも、その日が最後だったところで話は終わり、パパにエルサレムにあるみんなの家の鍵を見せてもらうのでした。
細部に至るまで落ち着いた色合いで描かれた絵は、どこか昔のアメリカンコミックのような軽快感があり、エンディングまで描かれていない先を読者が想像し見つけに行けるような助長となっています。
【丈太郎のひとりごと】
今年は戦後80周年ということで、様々な戦争の絵本が発刊されていますが、それは日本の太平洋戦争が終わってから80年経過したということであり、世界各地ではまだまだ戦争や内紛が行われているのです。
しかし、同じような時期の1948年にパレスチナで戦争が始まり「イスラエル」という別の国が出来たのです。エルサレムは半分はイスラエル、半分はパレスチナの人々が逃げ込んだ「東エルサレム」になったのです。そして、今もパレスチナでは戦争が起こっているのです。そして、多くの子どもたちも犠牲にあっています。
この絵本に描かれている「私たち」はパレスチナを知らないパレスチナ系アメリカ人2世なのです。
僕自身も「パレスチナ」とか「ガザ地区」とか、関連する単語はよく耳にしていましたが、詳しいことまで知りませんでした。
この絵本の巻末には作者による言葉の解説やあとがき、そして監修された鈴木 啓之さんの解説が記されているため、それでようやく理解できたことが多々ありました。
今この「パレスチナ問題」に関して、日本の絵本作家たちが立ち上がり、なんとか力になれないか?行動を起こしていたりします。絵本作家だけではなく、様々な人々がもどかしい気持ちでいつも悲しいニュースを聞くのです。
僕も含めて「パレスチナ問題」を知ったか振りするのではなく、このような絵本をキッカケに現状を知り、自分たちが出来ることを模索し行動に移していくことが大切だと思います。
少なからず子どもたちに「パレスチナ問題ってなあに?」と聞かれたら最低限でも、説明できるようにしておきたいと思います。
故郷を知らず、故郷に帰れれない人の気持ち、避難先での過酷な生活。「備蓄米は食えたものじゃない!」と、モノを食べれるだけ幸せなことなのに、そんなことを言ってる自分が恥ずかしくなったりしました。
さて、僕には何が出来るか?これから考えて、即座にやれることから行動に移していきたいと思います。
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