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【効率化、結果主義の現代社会だからこそ読んでほしい!】『教室はまちがうところだ』

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蒔田晋治/作 長谷川知子/絵 32P 子どもの未来社

【まちがえたって、いいじゃないか】

「教室はまちがうところだ。みんなどしどし手を上げて、まちがった意見を言おうじゃないか」

手を挙げて発表するときのドキドキする気持ち、間違えて笑われるんじゃないかという不安、それは誰もが一度は経験したことがあるはずです。

この絵本は、そんな子どもたちに向けて「まちがうことをおそれちゃいけない」「まちがった者を笑っちゃいけない」と語りかけます。みんなでああじゃないか、こうじゃないかと言い合う中で、ほんとうのものを見つけていく。そうしてみんなで伸びていくのだ、と。

ポジティブな場面は豪快なタッチで、ネガティブな場面はモノクロベースで。この描き分けのコントラストが、シンプルでまっすぐな言葉と重なり合い、子どもたちの心に強く残ります。

【丈太郎のひとりごと】

この絵本を紹介しようと思ったのには理由があります。先日、小5になる息子の授業参観に行った時のことです。

教室の空気そのものは、僕が小学生だった頃とそう変わっていませんでした。でも黒板の上には大きなディスプレイが設置され、子どもたちの机には紙の教科書ではなく「副教材」としてタブレットが並んでいました。教育現場のデジタル化は、僕が想像していた以上に進んでいたのです。

そのディスプレイのすぐ横に、この絵本が飾られていました。もう少しでベテランと呼べそうな担任の先生への信頼感が、その瞬間一気に増しました。そしてこの絵本の大切さを、もっと広めていかなければいけない!「子どもの本専門店」としての使命感を、僕は強く感じたのです。

効率化、結果主義、タイパ。

世間でよく聞くこれらの言葉は、今や子どもの教育現場でも重視されつつあります。僕らはいつから「正解を早く言えること」が正しいと思い込むようになったんでしょうか?学校でも職場でも、間違えることは恥だという空気が、当たり前のように漂っています。

しかしこの詩が生まれたのは、今から何十年も前。ということは、この「間違えるのが怖い」という空気は、実はずっと昔から変わっていないということです。

僕は正直、メルヘンハウスでも毎日のように間違えます。仕入れを見誤ったり、選書がずれていたり。それでも「間違えた分だけ、次のやり方が見えてくる」というのが実感です。トライ&エラーを繰り返し、そのエラーをしっかり検証してブラッシュアップしていく。その繰り返しの日々です。

この絵本の「まちがった答えを、ああじゃないかこうじゃないかと出し合う中で、本当のものを見つけていくのだ」という一節は、子育てにも仕事にも、そのまま当てはまる言葉だと僕は思います。

子どもには絶対読んでほしい!そして「効率化、結果主義、タイパ」の中で生きる大人たちにこそ、読んでほしい!

これは決して懐古主義の絵本ではありません。時代がどれだけ進化しても、変わらないもの、変えてはいけないものがある、という話です。

AIに聞けば、たいていのことは教えてくれます。でも、そこで得た答えや方法論だけに頼っていては「自分で考える力」は育ちません。自分で考えることと、AIに任せることの境界線を誤ると、僕たち人間は大変なことになります。

だからこそ、今一度、原点に立ち返って考えてみてほしいのです。

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