【決して過去のことではなく「これから」に繋げるために】『朗読詩 ひろしまの子』
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四國五郎/詩 長谷川義史/絵 32P BL出版
【あなたのとなりを見てください ひろしまの子がいませんか】
1945年8月6日午前8時15分、広島に人類史上はじめての原子爆弾が投下されました。その瞬間まで、そこには確かに一人ひとりの暮らしがあり、笑ったり泣いたりして日常を生きる子どもたちがいました。
この詩は、反戦平和の詩画人・四國五郎が1980年8月6日、原水爆禁止世界大会のために書いたものです。ゆえなく命を奪われた子どもたちに応えてやってほしい。「過ちは繰り返さない」と誓ってほしいという切実な願いが込められています。
「いっしゅんに とけて死にました」
「飛ばされ ちぎれて 死にました」
そんな無惨で酷い命の落とし方など想像を遥かに絶するものです。
そして、最後には作者のストレートかつ強い言葉で締られています。
絵を担当した絵本作家の長谷川義史さんは、普段は色鮮やかでユーモア溢れる絵で子どもたちを楽しませる作品を多く手がけています。しかし、今作においてはトーンを落とした色使いにて子どもたちの澄んだ瞳や平穏な光景が描かれており、激しい詩にあえて沿った絵を描かないことにより、その詩と絵のギャップがより読み手の心を揺さぶります。
【丈太郎のひとりごと】
今朝(8/6)のこと、息子と一緒にテレビで「広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式」の中継を観ました。8時15分にはテレビの前で黙祷を捧げました。その2〜3分前に息子から、
「黙祷ってなに?」
と、息子に聞かれました。そこには息子のそんな質問に即答出来ない僕がいました。しばらく考えて、こう説明をしました。
「原爆で罪もなく亡くなった人たちに対して安らかでいてくださいという想いと、そして、自分たちがこれから生きていく中で、何故亡くなったのかを考えて、それを教訓としてこれから生きていくための誓いだと父ちゃんは思う。」
この答えが正しいか否か?はわかりません。しかし、先人の方々の無念の死に哀悼の意味合いだけでは僕は足りないと考えます。それは広島の原爆被害者の方々だけでなく、身近な人などにも「黙祷」をすることも同じだと思います。
「あなたのとなりを見てください」
という一文が。ひろしまの子は、遠い過去の、遠い場所の出来事ではありません。今この瞬間も、世界のどこかで同じように命を奪われている子どもたちがいます。
今まで、このような「戦争絵本」をその時期に合わせて紹介するのは、あまりにもありふれたことであり、正直「ダサい!」とも僕は思っていました。しかし、今の世界情勢を考えると僕の考え方の方が「ダサい!」ことに気付きました。
「戦争」をテーマにした絵本は積極的に手に取られるものではありません。でも僕は、こういう本こそ、子どもたちに手渡したいと思うのです。
そして、大人と子どもが一緒にページを開いて、一緒に考える。こんなことがとても大切であり、それこそが教育現場でよく耳にする「平和教育」ではないでしょうか?
教育現場に「平和教育」を全て委ねるのではなく、まずは身近な我が子と一緒に今作を開いてほしいと切に願います。
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