『ナンティー・ソロ 子どもたちを鳥にかえたひと』

デイヴィット・アーモンド/作　ローラ・カーリン/絵　広松由希子/訳　34P　BL出版

町に女がやってきました。名前はナンティー・ソロ。自分は子どもたちを鳥にかえられると言いました。大人たちはそれを聞いて、子どもたちにナンティー・ソロに近づいちゃダメと大騒ぎ。

しかし、子どもたちは大人が抑制する中、ナンティー・ソロに近づいて鳥になることを願うのです。鳥になった子どもたちは空を羽ばたきます。ある日の午後、町の上空は、鳥になった子どもたちでいっぱいになりました。

いつも何かしら大人の抑制を受けている子どもたちが、鳥になることによって自由を謳歌しているような光景は、今の子どもたちの現状にも近いものがあるのではないでしょうか？

淡い色、フワッとした感覚で描かれた絵は、とても芸術的です。

「いま 空は、よろこび でいっぱい。空気は、すてきな歌に みちみちています。とんで とんで みんな とんで。とんで とんで はばたいて！」

子どもたちの無邪気さ、素直さ、そして自由。子どもにはそんなことを大切にして欲しいものです。