【大人向け絵本】『ちいさな木』

角野栄子（かどのえいこ）/作　佐竹美保/絵　32P　偕成社

【ちいさな木の不思議な冒険のはじまり！】

町はずれにぽつんと1本、ちいさな木が生えていました。ある日ゴッチと言う名前の犬がやって来てこう言いました。「家出して来たんだよ。これから好きなところにいくんだ」と。小さな木は自分の好きなところへいくことが羨ましく、一緒に行きたいと言います。

ゴッチは「一緒に来る？」と誘いますが、木は動けません。そして、ゴッチは木の周りの土を掘り出して、とうとう根っこが見えて来ました。木は根っこを引き抜いて、とうとう歩けるようになりました。木の名前はキッコと言います。ゴッチとキッコは歩きました。

そして、疲れて小さな岩に座って休むことにします。すると座っていた岩がぐらっと揺れ、岩のイワオも一緒に行くことになりました。そうしてイワオは「ゴロンチョ」って歩き出しました。

しばらく経ってイッテキと言う名前の沼があり、イッテキも一緒に旅することに。やがて、はらっぱにやってくると、キッコとイワオとイッテキがきに入りました。

しかし、ゴッチには好きなところではないようで、走っていってしまいます。ゴッチは何処か好きな場所が見つかったのでしょうか？

モノクロを基調とし、アクセントとして色が使用されている美しく描かれた絵です。

【丈太郎のひとりごと】
『魔女の宅急便』などで知られている角野栄子さんの不思議なお話。モノクロを基調としている色使い、話の内容から小学高学年から大人向けの絵本です。犬、木、岩、沼の珍道中なお話ですが、ゴッチのことを考えると少し切ない気持ちになります。