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『海辺の村のパン屋』
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ポーラ・ホワイト/作 いけだ さちこ/訳 32P BL出版
【パン屋である誇りを持つ】
丘をいくつも超えて、野原や畑を通り過ぎると大地と海が出会い、陸のはしっこに辿り着きます。そんな陸のはしっこに村があります。ここが僕のふるさとです。
魚を売る店、魚をいぶす燻製屋、鍛冶屋、カゴ職人の店、肉屋、パン屋もあり居心地の良いカフェもあります。なんでも揃う小さな雑貨やさんもあります。
誰もが海で一生懸命働きます。帆職人は帆を作り、船大工が船を作ったり直したりしているお陰で、漁師が海に出ることができます。その他にも、あみ職人やロープ職人などがいるから魚を捕まえることができます。
「海は、みんなの生活の まんなかにある 心ぞうだ。」
僕は大きくなったら海辺に住むみんなのために漁師になり、活きの良い美味しい魚を採りたいと思っています。しかし、僕のお父さんは漁師でなくパン屋です。父さんは太陽がのぼる前、船が戻ってくる前から、せっせとパンを焼いています。
「とうさんが パン屋になったのは、パン屋になりたかったからだよ」
僕の憧れの漁師でないパン屋の父の姿を見て、揺れ動き葛藤する少年の心が青がかったモノクロで静かに描かれています。
【丈太郎のひとりごと】
僕も子どもの本の専門店になりたいとは全く思っていませんでした。むしろ、人が作った作品を売るなんてクリエイティブではないと父に思っていました。
しかし、今こうして子どもの本専門店「メルヘンハウス」を二代目と名乗り、日々子どもたちに絵本を手渡しています。
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