『おうさまのくつ』
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ヘレン・ビル/作 ルイス・スロボドキン/絵 40P 瑞雲社
【うぬぼれた靴が逃げ出した!】
ある町の靴屋さんが立派な靴を作りました。国中で一番上等な皮を使い、細かい刺繍がされ、金色に輝くまで磨かれた靴です。みた人たちは言いました。
「すばらしい!まるで おうさまが はくような くつだ」
みんなにそう言われたくつはうぬぼれやになってしまいました。そして、みんなが王様が履くような靴だと言っていたので、お城に向かって逃げ出しました。
お城の中に入るとそこは台所でした。ちょうど焼き上がったアップルパイをオーブンの前で冷やしていて、なんと靴はその上を歩き、アップルパイを泥だらけにしてしまいました。次にホールにいきました。そこには仕立て屋が王様がはおるマントを床に広げていましたが、靴が踏んづけて、また泥だらけにしてしまいます。
こうしてペンキ塗りたての床も泥だらけにして、最後に王様の寝室にやってきました。その頃王様はベッドに座ってクラッカーを食べながら、お話を読んでいました。ちょうど怖い場面になったところで、
「ポッカ ポッカ ポッカ ポッカ 」と靴の音が響いたので王様はびっくりしてシーツを頭から被るとぶるぶる震えました。そこにコック、仕立て屋、ペンキ屋と自分が作ったものを靴に泥だらけにされた3人が泥の足跡をおって王様の寝室に怒鳴り声をあがながら飛び込んできました。
さあ、うぬぼれてやり地放題の靴はどうなってしまうのでしょうか?
モノクロとカラーを使い分けた優しい絵が、お話にメリハリをつけるように描かれています。
【丈太郎のひとりごと】
僕も靴は好きですが断然スニーカー派なので、こんな立派な靴を見ることも履くこともありません。しかし、靴がうぬぼれるという何とも不思議な話ですが、普段みんなの足を地面から守っている脇役的なところもあるので、たまにはうぬぼれるもの許してあげたら良いかもしれませんね!
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