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『きみはたいせつ』
¥1,760
クリスチャン・ロビンソン /作 横山 和江/訳 34P BL出版 【必ずひとりではないということ。】 気づかれないほど小さな生き物もいます。波に乗って泳ぐものも、波に乗れないものもいます。先に行くものもあれば後から行くものもあります。 やっかいものと思われる時も、自分ではどうしようもできない時もあります。忙しすぐぎて誰も助けてくれなくても、忘れられているわけではありません。 大変なことが起きて、初めからやり直さなくてはいけなくても、心が爆発しそうになってもきっと誰かが助けてくれます。 色々なことがあっても、決して1人ではありません。そして、どんな君も大切です。 切り絵も多用された絵はシンプルにおおらかに、明るく描かれています。 【丈太郎のひとりごと】 人間に限らず、生き物の何もかもが1人ではありません。時々孤独を感じたり、関係がうまく行かなくて悩むことがあるでしょう。そんな時にこの絵本を開いて、ゆっくりページを進めてると、なんだかホッと安心します。
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【読み物】『おとうさんがいっぱい』
¥1,650
三田村信行/作 佐々木 マキ/絵 208P 理論社 【5つの摩訶不思議なお話】 この本には5つのお話があります。どのお話もちょっとシリアスでドキッとしたりハッとしたりする結末が待っています。 タイトルにもなっている「おとうさんがいっぱい」は、お父さんがどんどん増えていく、これまた不思議なお話です。同じ名前、声、容姿で3人になったお父さんが、自分が本物だと言い張って争いになります。 しかも、自分のお父さんだけでなく、学校でもみんなのお父さんが増えていることで話題が持ちきりです。トシオは不思議でどうして良いかわからず、全国的にも同じ現象が起こっていると言うのです。そして、結末はと言うと今度はトシオが、、、。 挿絵も不思議さを助長するかのように無機質に描かれています。 【丈太郎のひとりごと】 本の冒頭に「一度、自分の心の世界の窓から外の世界をのぞいてみたら?」と意味深な一文あります。本の中で冒険してみてはいかがでしょう? 星新一のようなショートショートなお話よりもちょっと長い程度なので、小学中学年から楽しめると思います。
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『えをかくかくかく』
¥1,540
エリック・カール/作 アーサー・ビナード/絵 25P 偕成社 【自分に正直に自由に表現をしていく!】 既成概念に囚われることなく、自分が思った通りに自由に絵を描いて行きます。 青い馬、赤いわに、黄色いうし、ピンクのうさぎ、緑のライオン、オレンジのぞうetc...。 「ぼくは えかきだ じぶんの ほんとうの えを かく かく かく」 この絵本の原題は「The Blue Hors(青い馬)」。作者のエリック・カールが実際に青い馬を描く画家に憧れて絵を描くようになったきっかけの絵が「青い馬」を描く作家だったようです。 エリック・カールには珍しくストレートなでシンプルな表現で力強く描かれています。 【丈太郎のひとりごと】 エリック・カールといえば『はらぺこあおむし』のイメージがとても強いですが、この絵本はエリック・カールの中でも異色なとてもストレートなメッセージを放っています。自分の思うように描く、それは自分の思うように生きると言うことを意味しているのではないでしょうか? この絵本はエリック・カールの晩年の作品です。自分の原点に戻ってシンプルにストレートに表現したのだと僕は思います。 自分らしさや、やりたいことが何か?悩んでいる人に読んで欲しいと思うと同時に、子どもたちに「こんなに自由でいいんだ!」とメッセージを受け取って欲しいと切に願います。 僕も何かと比較して少し弱気になったりする時に、この絵本を読んで「自分らしくで良いんだ!」と自分を奮い立たせています!
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【丈太郎激推し!】『ねえ、おぼえてる?』
¥1,760
シドニー・スミス/作 原田勝/訳 40P 偕成社 【このことも、いつか思い出にできるかな。】 「ねえ、おぼえてる・・・?」と布団の中で母親が息子に向かって話しかけます。パパと3人で野原に行った時の話です。息子は「うん、おぼえてる。たのしかったよね。」と答えます。 「じゃあ、ぼくのばん。ねえ、おぼえてる・・・?」と母親に話しかけます。僕の誕生日のこと。パパに呼ばれて外へ出たら「ほら、おまえの自転車だよ」ってプレゼントをしてくれた時のことです。母親は「わすれる分けないでしょ。」と答えます。 こんなやりとりが布団の中で続きます。家を出てここへ来るまでのこと、途中で道に迷ったこと、ビルだらけの大きな街を通りやっとここまで辿り着いたこと。色々な思い出が蘇ります。 言葉少なめに情緒深い絵で、思い出とこれからのことが美しく描かれています。 【丈太郎のひとりごと】 喜び、悲しみ、痛み、絶望などがドッと押し寄せるような中で、希望を見つけていく少年の姿がとても印象的です。様々な思い出が良きものとは限りません。しかし、様々なことがあったからこそ、これからのことに希望を持てるのだと思います。 とにかく多くの子どもたちや大人の方に手に取って欲しい絵本です。そして、込み上げてくる想いを子どもと大人が共有して欲しいと思います。
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『ほうきぼしの まほう』
¥1,650
ジョー・トッド=スタントン/作 つかわ まゆみ/訳 40P 評論社 【自然豊かな家から都会の家へ】 私の家は木々が高く茂り、星を100個数えられます。ほうき星も見たことがあります。パパは毎日学校に迎えにきてくれて、美味しいご馳走を作ったり、素敵なお話を作ったり、朝は家から日の出が見れたり、夜は波の音を聞きながら寝ます。 しかし、パパが新しい仕事を探さなければなくなり、街に引っ越すことになりました。見えるのは灰色の建物と星がたった1つです。パパはいつも仕事ばかりで、ご馳走もお話も作らなくなりました。通りも人混みで何も見えず、新しい学校もうるさく、夜寝る時も何も聞こえません。 ある晩のこと、ほうき星を見ました。地球に落ちて光の木になりました。後を追いかけて空を渡りほうき星に追いついて魔法が始まりました。ところが、、、。 かわいらしいイラストで特に夜のシーンがよく登場しますが、なんとも言えない綺麗な黒で描かれています。 【丈太郎のひとりごと】 たまに「田舎の生活がしたいなぁ」と自然豊かな地へ憧れることがあります。都会にはなんでもあるけれども、窮屈で息が詰まりそうになる時があります。この絵本の主人公「ナイラ」の気持ちを考えると、とても切なくなりますが、都会の中で自分の居場所を見つけて欲しいものです。
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『したのどうぶつえん』
¥1,320
あき びんご/作 32P くもん出版 【上野動物園の下に動物園がある!】 僕は動物園が大好きです。「どうぶつえんまええき」でバスを降りて階段を登っていけば目の前に動物園があります。しかし、その日は不思議なことに階段は下に降りていました。 どんどん降りて外にでるとビックリ!「したのどうぶつえん」があったのです。面白そうなので行ってみることにしました。すると変わった動物ばかりがいました。しまうし、のこぎりんに色々なぞうやライオン、全て見たことのない動物ばかりでした。 かつてあった「博物館動物園駅」は現在は使われていませんが、国会議事堂のような出入り口は残っているそうです。そんなことから創作された絵本です。 動物たちも伸びやかに分かりやすくユーモアに描かれています。 【丈太郎のひとりごと】 動物園の下に動物園があるなんて、しかも変わった動物ばかりと言う発想が面白いですね!きっと子どもたちも色々なものを掛け合わせて、新しい動物を作ることでしょう!
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『ピヨピヨ スーパーマーケット』
¥1,430
工藤 ノリコ/作 28P 佼成出版社 【みんなで楽しいお買い物!スーパーマーケットは楽しい!】 「スーパーマーケットで おかいもの きょうは なにを かおうかな?」 ニワトリのお母さんとひよこの5兄弟でスーパーマーケットに行きます。 ひよこたちはちょろちょろ動き回るのでニワトリのお母さんも大変です。 しかも、好きなお菓子や甘いものばかりカゴに詰めてい木、勝手にレジに行くからお母さんが必死で止めました。 さあ、買ってきた材料で美味しい料理を作ります。その間ひよこたちはお風呂に入ります。 さて、お風呂から上がりご飯の時間です!今日のメニューは何かな? シンプルな文章の分だけ、絵が細部に渡るまで緻密に描かれており、何回読み返しても新しい発見があります。 【丈太郎のひとりごと】 「ノラネコぐんだん」シリーズで大人気の工藤ノリコさんですが、他にもこの「ピヨピヨ」シリーズや「ペンギンきょうだい」シリーズなどもあります。 工藤ノリコさんの特徴としては細部に渡るまでで緻密に描かれた絵です。子どもたちが何回読んでも楽しめるようにと考えられています。そして、ユーモアセンスは抜群です!
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『ねずみ3きょうだい おつかいロボだいさくせん』
¥1,320
こすぎ さなえ/作 出口 かずみ/絵 32P 教育画劇 【ねずみ3兄弟大活躍?】 上のお兄さんティムはりんごしぼり機を作っていて、2番目のお兄さんビットはコンピューターでゲームをプログラミングするのに夢中です。末っ子のマックスは食いしん坊で、ティムがリンゴジュースを作ってあげようと思っていたのですが、りんごを全部食べてしまいました。 ティムが誰か代わりにおつかいに行ってくれないか嘆くと、ビットが「おつかいロボ」を作ることになりました。ティムが早速あるくロボットを作り、ビットがプログラミングします。 そして、買い物に行く途中でブッチーたちにロボの邪魔をされないようにもしました。おつかいロボは完成し、りんごケーキを作る材料や買い方をロボに伝えます。ロボは町へと向かって順調に走っていましたが、意地悪なブッチーたちに出会ってしました。しかし、ロボの水鉄砲攻撃でブッチーたちは逃げて行きました。 ようやくロボがお店に着いて買い物をしましたが、ブッチーが帰り道に待ち伏せをしていました。どうなる?おつかいロボ! ユーモアのある絵で3兄弟とおつかいロボの活躍を描いています。 【丈太郎のひとりごと】 コンピューターのプログラミングが出てくるとは、本当に現代的だなぁと思います。しかし、話のあらすじとしては難しいものではなく、幼児さんでも楽しめるぐらいです。3兄弟の個性がそれぞれあって、やっぱり兄は頼もしいものだと思いました。
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『ごきげんなライオン すてきなたからもの』
¥1,430
ルイーズ・ファティオ/作 ロジャー・デュボアザン/絵 今江 祥智 遠藤 育枝/訳 32P BL出版 【本当に素敵なものはなんだろう?】 ある朝のこと、ライオンくんの庭に友達が集まってきました。おしゃべりしたり、ライオンくんによっかかってのんびり暖まったりしています。 リスがライオンくんに遺言状を書いたたらどうか?提案しました。みんなライオンくんのことが好きだし、スターなので遺言状を残すべきだと言うのです。しかし、ライオンくんは遺言状のことがよく分かりません。そこにカラスがやってきて遺言状の説明をします。 ライオンくんは誰に何をあげるべきなのか考えます。ツバメたちが巣を作る小さな家、すみれの花の咲く庭、夜になるとカエルが歌い出す堀、リスやコトリたちがおしゃべりにやってくる木など、友達にあげるものはたくさんありそうです。 友達たちに何をあげるか考えているところにカラスがやってきました。家も庭も堀も木も公園のものでライオンくんのものでないから遺言状には書けないと言うのです。がっかりしているとフランソワくんがやってきて、そんな物より値打ちのあるたからものをライオンさんは持っているのだから、とっても素晴らしい宝物は遺言状に書けると言うのです。 しばらくすると、ライオンくんの庭に友達がたくさんやってきて、秘密の宝物をみんなが必死になって奪うかのように探して行きます。岩の下や堀の中や木など色々と探索をします。ライオンくんはそんな必死になっている友達を岩山のてっぺんで見て悲しくなりました。そして、本当のたからもののことを話し出し、動物たちは、、、。 切り絵を中心に描かれた絵は、動物たちの様子をとてもイキイキと表現しています。 【丈太郎のひとりごと】 遺言状とは何か重い話のように思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、それをキッカケに本当に大切なものは何か?この絵本はそんなことを描きています。 目に見えるものだけでなく、大切にしていきたいものは何なのか?深く考えさせられる絵本です。
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『おやすみまくら』
¥1,760
斉藤 倫 うきまる/作 牧野 千穂/絵 32P 小学館 【どのまくらも気持ちいい!】 夜、おやすみしたくない「こねんこ」さん。そのわけは今日が終わってしまうからです。そこへ窓からまあるいアヒルが「わたしを まくらに どうでしょう」と入ってきました。ふわふわやわらかいアヒルさんの枕でこねんこはすぐ夢の中です。 次は森の入り口です。歩いていくと大きなキノコが枕にどうぞと言っています。ふくふくいい気持ちでこねんこははすぐ夢の中です。 その後も食パン、入道雲、くらげと続き、ひつじの群れが現れました。みんな自分の方がもこもこだと争っています。その数、「ひつじがにひき さんびき よんひき ごひき・・・・・・」 こねんこの夢の世界をふんわりとした浮遊感のある絵で優しく描かれています。 【丈太郎のひとりごと】 僕は家の枕でないと良く眠れません。旅行先の枕とかの方が断然気持ち良かったりするのですが、何故か家の枕が一番しっくりきます。 とても幻想的なお話で読んでいると眠くなっていきそうです。寝る前に子どもと一緒に読むと良いかもしれません。
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『こしたんたん』
¥1,540
りとう ようい/作 32P 絵本館 【いつまで続く?「こしたんたん」】 こしたんたんとは、 虎が獲物をねらって身がまえ、鋭く見つめることを意味します。感じで書くと「虎視眈々」となります。 うさぎが水たまりの水を飲んでいます。虎は遠目から「こしたんたん」と狙っています。そこにシカが出てきて水を飲みます。またもや虎は心をウキウキしながら「こしたんたん」しています。 こうやってイノシシ、ウシも出てきて「こしたんたん」としているのですが、虎もヨダレが出てしまうぐらい興奮しています。そして、動物たちがのんびりしているとき、虎は我慢できずジリジリ ウズウズと相手めがけて駆け出して行こうとした時に、、、。 発色良く分かりやすい迫力のある絵で「虎視眈々」という恐ろしさをユーモアに描かれています。 【丈太郎のひとりごと】 この絵本で「虎視眈々」という言葉を初めて知りました。普段あまり使わない言葉ですが、こうやって言葉を覚えていくのですね。 虎はどんどん増える獲物の数だけ、欲も増えていくのがとてもユーモアがあって面白い絵本です。
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『チャーリーとシャーロットときんいろのカナリア』
¥1,760
チャールズ・キーピング/作 ふしみ みさを/訳 32P ロクリン社 【カナリアが結ぶ2人の友情】 ロンドンのパラダイス通りに住むチャーリーとシャーロットはとても仲良しで、毎日一緒に遊んでいました。2人はよく市場の露店を見に行ってましたが、お気に入りは小鳥屋さんです。色々な小鳥がいる中でも2人のお気に入りは一番上のカゴにいる、いつも美しいさえずりをする金色のカナリアでした。 そんなある日、パラダイス通りに突然工事の人がやってきて古い建物を壊し始めました。真っ先に壊されたのはシャーロットのアパートです。シャーロットはお母さんと新しくできた建物の一番上に引っ越して行きました。お母さんはシャーロットに迷子になるから出かけてはダメと言います。シャーロットはベランダからパラダイス通りを眺めますが、チャーリーの姿は見えなく寂しがっていました。 チャーリーも1人ぼっちで寂しくシャーロットの家がどこにあるのかわからず、金色のカナリアを見ながらシャーロットのことを思い出します。チャーリーは金色のカナリアの買えば寂しく無くなるかもしれないと、色々と働いてお金を作り、金色のカナリアを手に入れました。 ある日のこと、チャーリーが裏庭で鳥かごの掃除をしていました。カナリアを外に出したその時、野良猫が飛びかかってきました。カナリアは驚いて飛び立ってしまいました。チャーリーはカナリアを必死に追いかけて行きました。するとカナリアは、、、 各ページの元になる配色が美しく、とても芸術性の高い絵で描かれており、1ページずつが一つの作品のようにです。 【丈太郎のひとりごと】 1967年に発刊されたこの絵本はとても味わいと芸術性があります。キャラクターものの絵本に慣れている子どもたちには少し読みにくく感じるかもしれませんが、お話の内容も絵も素敵なので、是非とも今の子どもたちにも読んでほしい絵本です。 大人はその優れた絵本というよりも、絵画を一枚一枚楽しめるような絵を是非とも見て欲しいと思います。
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『かわいこちゃん』
¥1,430
高畠 じゅん子/作 24P BL出版 【かわいこちゃんの正体とは?】 はなちゃんとお母さんは犬のクンクンと散歩に出かけました。公園のベンチでひと休みしているとお母さんが言いました。 「かわいいこが いるね」 はなちゃんにはどこにいるかわからなかったので、かわいいこを探すことにしました。すると、クンクンがかわいいこは僕のことだと言いました。すると目の前のチューリップがかわいいこは私たちのことだと言います。するとチョウチョがやってきて、私たちのことだと言います。 その後もはなちゃんは公園でかわいいこを探します。すると、木やカラス、カラスの子どもたちまで自分たちがかわいいこだと言いました。はなちゃんは嬉しくなってお母さんにかわいいこは沢山いることを話しました。 お母さんはかわいいこを沢山見つけられて素敵だと、はなちゃんを褒めてくれましたが、お母さんが見つけたかわいいこを見て欲しいと池を指さし増田。そこには、、、。 のびのびしていて味のある絵が、沢山のかわいいことお母さんの見つけたかわいいこを描いています。 【丈太郎のひとりごと】 「かわいこちゃん」を調べると死語になっていました、、、。もう古い言葉なのですね。僕の年代(40代後半)はギリギリのラインにいるような気がします。 僕の家にもかわいこちゃんはいます、小3の男の子ですけどね。多分、どれだけ大きくなっても僕のかわいこちゃんであることは変わりないと思います。
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『しあわせなときの地図』
¥1,540
フラン・ヌニョ/作 ズザンナ・セレイ/絵 宇野 和美/訳 32P ほるぷ出版 【思い出の場所を線で繋いでみると・・・・・・】 ソエは生まれてからずっとこの町に住んでいましたが、戦争のせいで家族と外国に逃げなければなりませんでした。町を離れる前の晩、ソエは机の上に町の地図を広げて、10年のあいだ楽しかった場所に記しをつけようと思いつきました。 最初に記しをつけたのは、自分の家です。次に学校の校舎、図書館、本屋、公園、映画館、川と記しをつけながら色々楽しかったことを回想します。そして、その記しを赤えんぴつで結んでみようと思いました。 思い出の場所を繋いだらどうなるでしょう?現れた形を見てソエはビックリして涙が込み上げてきました。それは、、、。 透き通った綺麗な水彩画でソエのさまざまな思い出の地が描かれています。 【丈太郎のひとりごと】 僕には戦争体験がありません。しかし、いまだに世界中の様々地域で戦争は実際に起こっているのです。そして、過去にも戦争はたくさんありました。何故、戦争は起こるのでしょうか? 戦争が起こることで悲しむ人々がたくさん出ることを知りながらも、戦争は絶えることはありません。今一度、平和について考えさせられる絵本です。
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『なぞなぞのみせ』
¥1,000
石津ちひろ/作 なかざわくみこ/絵 23P 偕成社 【全部とけるかな?なぞなぞが50個も!】 商店街にある昔懐かしい風景の色々なお店があります。まずは文房具屋さん、その次は洋服屋さん、時計屋さん、洋裁屋さん、八百屋さん、本屋さん、ケーキ屋さん、薬屋さん、花屋さん、そして、お家です。 10ヶ所で5問ずつのなぞなぞが出題してあり、なかなか手強いなぞなぞもあります。古き良き昭和の時代のお店屋さんの店内や家の中が緻密に描かれているため、そこからなぞなぞのヒントを探してみてください。 答えは最後に全て掲載されています。 【丈太郎のひとりごと】 小学生ぐらいになると、ダジャレやしりとりやなぞなぞが好きな子どもが多いですよね。僕はなぞなぞがあまり得意でないのですが、小3になる息子がよくなぞなぞを出してきます。その度に降参して悔しい思いをするのですが、言葉あそびは、言葉を覚える格好の遊びだと思います。
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『あかいふうせん』
¥1,980
山田 和明/作 52P 出版ワークス 【あかいふうせんを追いかけて】 赤い風船を持った女の子がバス停でバスを待っています。次の停留所ではクマさんが待っていました。クマさんに赤い風船のことを自慢していたら飛んで行ってしまいました。バスは赤い風船を追いかけます。 次の停留所ではウサギさんが待っています。ウサギさんに赤い風船を見なかった聞くと、海の方へ飛んでいったとのことでした。海の停留所にはペンギンさんが待っています。赤い風船の見なかったか聞くと、雲と一緒に飛んで行ったとのことでした。 その後もゾウさん、キリンさんに赤い風船を聞くとようやく見つけました。しかし、風船は、、、。 必要最低限に描かれた絵はとても洒落ていて、全体的に明るいタッチなので気持ちよく読むことができます。 【丈太郎のひとりごと】 バスに次々に乗ってくる動物たちと赤い風船を探す旅、なんだか素敵じゃないですか?絵も落ち着いたトーンでシンプルに描かれているのが特徴的です。ラストのシーンではちょっと感動してしまいました。
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『おやすみなさい おつきさま』
¥1,320
マーガレット・ワイズ・ブラウン/作 クレメント・ハード/絵 せた ていじ/訳 36P 評論社 【全てにおやすみ。寝る時に読みたい絵本】 大きな緑の部屋の中に電話が一つ、赤い風船が二つ、絵の額が二つ、人形の家、小ネズミ一匹、くしとブラシ、おかゆがひとわん、うさぎのお婆さんが小さい声で「しずかにおし」と言っています。 おやすみ おへや、おやすみ おつきさま、おやすみ あかりさん、おやすみ あかい風船etc...。全てのものに対して「おやすみ」の言葉がかけられます。それはみんなが健やかに眠れるような願いのようにも聞こえます。 夜の気配がカラーとモノクロページが交互に映し出され、繰り返される「おやすみ」を優しく包み込むこような絵で描かれています。 【丈太郎のひとりごと】 寝る前の定番の絵本の中の一冊です。色々なものに対して「おやすみ」が繰り返されることによって、子どもたちもその世界観に入って眠りにつき易くなります。 アメリカの歴代大統領のオバマ氏も「人生の最初の一冊」と言われているぐらい、長きに渡り愛されている絵本です。緑を基調としたえも素晴らしく、とてもオシャレな絵本です。
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『パンダのパンやさん』
¥1,430
岡本 よしろう/作 32P 金の星社 【町中にパンをパンダの親子がお届け!】 パンダのパンやさんは早起きをして、食パン、ロールパン、コッペパンを作ります。お店を開くと焼きたてのパンを待っていたお客さんで賑わいます。早めの昼ごはんを食べたら、今度はパンの配達です。今日は子パンダも一緒です。 オートバイに乗ってまず向かったのは、ウサギの和菓子屋さんです。次は犬のお蕎麦やさんです。ライオンの喫茶店には食パンをお届けします。子パンダはクリームソーダをご馳走になって上機嫌です。 その後も虎の中華屋さん、猫のあんみつ屋さん、キツネのお好み焼き屋さんなどに配達にいきます。配達が終わったら家に帰って、お店を閉めてお風呂に入り、晩御飯を食べます。明日はお休みなので、町のみんなと楽しい行事が待っています。もちろん、行事用のパンも持っていきます。 細かいところまで描写され、繰り返される配達の風景を飽きさせることなく、ほのぼのと描かれています。 【丈太郎のひとりごと】 コメ派かパン派かでいうと僕は断然コメ派でしたが、ここ最近はパンがとても美味しく感じるので、パンが好きになりました。小学校の給食の時、パンだとがっかりしていたぐらいなので嘘のようです。 しかし、最近パンの美味しさに目覚め、パンをよく食べるようになりました。歳をとったせいか?パン以外でも苦手だったものが食べれるようになったりもしているので、味覚というのはとしぎなものです。
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『ふんがふんが』
¥1,540
おおなり 修司/作 丸山 誠司/絵 32P 絵本館 【ゴリラが「ふんが ふんが」と楽しく生活!】 ゴリラがお腹を両手で摘んで、どうやら太ってお腹が出ているみたいです。「ふんが ふんが ふんが ふんが ふんが ふんが」と右手を腰に当てて左手を頭の上に、どうやら体操をしているようです。そして「ふんが ふんが」とランニングに出かけます。 「ふんが?」何かに気づきました。天敵のチーターです。「ふんが ふんが」と急いで走ってその勢いで海に落ちてしまいました。海にはサメがいっぱい!「ふんがー!」と力強く泳いでなんとか陸に登ったと思ったら、陸が動き出しました。なんとタコの頭の上だったのです。タコの足に絡まって、タコからは勢いよく墨を出されて、、、、。 「ふんが」でしか言葉の表現のない中で、ダイナミックさ同時に顔の表情は繊細にしっかりと描かれています。 【丈太郎のひとりごと】 「ふんが」だけで1さつの絵本ができてしまうのが驚きです。しかし、ちゃんとお話も読み取れます。色々なイントネーションで「ふんが」に色付けすると抑揚も出て楽しく読めそうです。 おはなし会などで子どもたちは喜びそうですが、読み手の技量が試されます!
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『どうだ いかすだろ!』
¥1,540
アンソニー・ブラウン/作 山下 明生/訳 32P あかね書房 【自慢したくてしかたない!】 サムがおもてを歩いていると、ジェレミーがピッカピカの自転車でやってきました。 「どうだ いかすだろ!おまえだって こんなの ほしいだろ」とジェレミーは言いました。そして、そのままジェレミーは両手を離して自転車を運転するのですが、見事にぶつかり自転車は壊れてしまいました。 サムが公園に入っていくと、ジェレミーが新品のサッカーボールで遊んでいます。「どうだ いかすだろ!」とジェレミーはまたサムに自慢しますが、サッカーはどうやらサムの方がジェレミーより上手なようです。 こうやってジェレミーはお菓子や着ぐるみや海賊の衣装などを手に入れると、必ずサムに自慢します。しかし、いつもジェレミーは最後に失敗を犯してしまうのです。それでもジェレミーの自慢は続き、、、。 明るい色で細部まで描かれた絵はクラシカルで、安心して読むことが出来ます。 【丈太郎のひとりごと】 何か新しいものを手に入れると、ちょっといい気分になります。しかし、下手に自慢してはジェレミーのようになってしまいます。自分が嬉しいことも謙虚でいることが大切ですね!
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『オレ じてんしゃ!』
¥1,540
石井 聖岳/作 32P ほるぷ出版 【自転車愛にあふれた絵本!】 自転車のハンドルの中央部分がどうやらリーダーのようです。チェーン、タイヤ、ギア、ペダルなどみんなと力を合わせて走ります。足がペダルにのったら力が伝わってきてペダルが回り、そして、チェーンが動き出します。タイヤもまかせろ!と動き出します。 こうして動き出した自転車ですが、漕いでもらい順調に走り出します。カモが目の前を通ればブレーキをかけて止まります。トンネルがあればライトがつきます。走ってる間も各パーツが色々なことを言っています。 ある時、「ガタガタ ガタン ぷしゅ〜」と音がしました。どうやらパンクしたみたいです。タイヤを外してチューブで穴の空いているところにシールを貼って直りました。さあ、出発です! 「ぐいっ ぐいっ すうー ぐいっ ぐいっ すうー」 味のある絵で自転車の細かいパーツまで描かれています。 【丈太郎のひとりごと】 自転車通勤の僕としては、自分の自転車に愛着があります。「今日も頑張ってくれよ!」そんなm気持ちで毎日乗っています。坂の多い町に住んでいるので、電動自転車がほしいところですが、、、。 自転車に乗り出したり、興味を持ち出したりしている子どもににオススメです。自転車の各パーツが人格を持っていて、「あーだこーだ」言っているのが楽しいです!
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『ベーコンわすれちゃだめよ!』
¥1,540
パット・ハッチンス/作 わたなべしげお/訳 32P 偕成社 【ベーコンだけは絶対に忘れない!】 僕はママに「うみたて たまご 6こと おちゃに いただく ケーキと なしを ひとやま かってきてね。それから ベーコン わすれちゃ だめよ。」とお使いを頼まれました。 僕はお買い物に行く途中忘れないように頭の中で考えますが、ベーコンを忘れないことにきを取られて、卵が太い大根になったり、ケーキがケープになったり、景色に惑わされてよくわからなくなってきました。 色々と買うもののお店を間違いながら、正しいものを買うお店を通ると思い出します。そして、言われた通りの買い物をして帰るのですが、肝心のベーコンを、、、。 コミカルなお話がクラシカルな絵で描かれています。 【丈太郎のひとりごと】 僕も歳のせいか(48歳)頭の中だけでは覚えることが出来ず、モヤモヤしながら目的のものを見つけては「そうだっだ!」と思い出します。 この絵本の周りの景色によって惑わされるユーモアがとても面白く、長年に渡り読み継がれているわけがあります。それは普遍的なものであることです。このような絵本を大切に読み継いでいきたいですね!
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『できたよ!』
¥1,650
マルリョケ・ヘンリヒス/作 木坂 涼/訳 32P BL出版 【いろいろと持ってきたいものがあるけれど、、、】 「こうえんに いこうか?いい てんきだし」とパパが言いました。子うさぎはボールを持って行ったり、ピクニックしたり、砂場で遊んだり、キックスケーターで行こうかな?なんて思っていたところ、パパが「そうだよ、だから よういして!」と言いました。 「できたよ!」 と答えるもマフラーや手袋やコートを着た冬の格好です。パパから冬の格好は違うと言われ、海水浴、着ぐるみ、お芝居の衣装に色々着替えて「できたよ!」と言うものの全部違います。 最後にぴったりの格好をして「できたよ!」と言うと、次はおやつの用意です。ジュースを水筒に入れて、りんごを持って、おもちゃをリュックサックにたくさん入れて「できたよ!」と言うものの、パパはそんなにいっぱい持っていけないと言います。それで、ゾウくんのオモチャだけを持って行くことになりますが中々見つかりません。「できたよ!」と言うまでかなり時間がかかりました。 その後も色々あって、、、。さて、こうさぎは出かけることができるのでしょうか? ポップな絵で「できたよ!」という子うさぎの喜びを目一杯描かれています。 【丈太郎のひとりごと】 子どもって色々なものを持ちたがりますよね?僕の大好きな大好きな絵本『かしこいビル』(ペンギン社)でも主人公のメリーちゃんがおばさんの家に行く時にお気に入りのものをトランクに詰め込むシーンがあります。 ちょっとしたお出かけでも「あれもこれも」となるのが子どもの面白い所ですね!
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『あらまっ!』
¥1,650
ケイト・ラム/作 エイドリアン・ジョンソン/絵 石津 ちひろ/訳 28P 小学館 【おばあちゃんは寝なさいというけれど、、、】 ある日、パトリックはおばあちゃんのところへ1人で泊まりに行きました。辺りが夕焼けで明るくなる頃、おばあちゃんはパトリックになるように言いました。しかし、パトリックは「でも おばあちゃん・・・・・・」と言いました。 「ぼくの ベッドが なんて どこにも ないよ」 おばあちゃんは叫びました「あらまっ!!!?」 おばあちゃんは庭に走りでて、大きな木を切ってきました。そして、立派なベッドを作りました。そして、パトリックにベッドで寝るように言いました。しかし、枕がどこにもありません。 「あらまっ!!!?」とおばあちゃんが叫びました。今度は鶏小屋へ駆けつけて鳥たちの羽をむしりました。そして、パトリックにベッドで寝るように言いました。しかし、毛布がどこにもありません。 「あらまっ!!!?」とおばあちゃんが叫びました。 このように寝るには足りないものばかり。さて、パトリックは寝ることができるのでしょうか? ページごとに背景がカラフルに塗られ、イラストはポップに描かれています。 【丈太郎のひとりごと】 僕が少年だった頃、よくおばあちゃんの家に泊まりに行きました。ちゃんと布団が敷かれていましたが、その部屋は仏壇のある部屋で、とても怖かった気がします。 おっちょこちょいのおばあちゃんと冷静なパトリックのやり取りが面白く、おばあちゃんの「「あらまっ!!!?」」が繰り返されるので、おはなし会などでも楽しく読めます。