

【重版未定のため入手困難な名作!】『はんぶんタヌキ』
¥1,430 税込
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長 新太/作 32P こぐま社
【削ぎ落とされたシンプルな絵とテキストで独特の世界観が広がる!】
「タヌキが これから ばけますよ ばけますよ」
こんなシンプルな文章から始まります。そしてページをめくると
「あらあら はんぶん タヌキです タヌキです」と、鳥の半分がタヌキになっています。
またページをめくると今度はキャベツが、その次は花が、その次は魚が、どんどん半分になってきます。
そして、どんなものでも文章はたった一文、「あらあら はんぶん タヌキです タヌキです」と繰り返されるのみ。もうこのループに入ってしまったらもう抜け出すことが出来ません。そして、最後は、、、。
基本的に赤・黄・緑・黒と言う「ラスタカラー(ラスタファリ信仰(アフリカ回帰思想を持つジャマイカの宗教)」で派手に、そしてダイナミックに描かれた絵が「これでもか!」と言わんばかりに目に飛び込んでくるインパクト大のナンセンス絵本の究極とも言って良いぐらいの絵本です。
【丈太郎のひとりごと】
長新太と言えば「ナンセンス絵本」の巨匠。ナンセンス絵本とは色々な解釈がありますが、実際には絶対にあり得ない、非現実的、非日常的なことが描かれている絵本のことを言います。
そんな長新太の代表作と言えば『キャベツくん』(文研出版) https://shop.meruhenhouse.com/items/83971678 ですが、この絵本に比べたら『キャベツくん』なんて、とても分かりやすい絵本です。
絵も文章も究極に削ぎ落とされている今作は、長新太の中でも名作であり迷作でもあります。
「だから?」なんて意味を求めるのではなく、ループされる「あらあら はんぶん タヌキです タヌキです」のグルーヴ(うねり)は、ひとつのフレーズを延々と繰り返す中で、力強いメッセージを投げかけるジャマイカが発祥の地であるレゲエミュージックそのものとも言えます。
配色もレゲエで多用される赤・黄・緑・黒で描かれていて、今は亡き長新太にかくにんすることは出来ませんが、レゲエミュージックを知っていて描いたのか?偶然なのか?とても興味深いところであります。
例えそれが偶然だったとしたら、長新太は「ラスタファリ信仰(アフリカ回帰思想を持つジャマイカの宗教)」のように、生き物たちの自然回帰が根本にあったかもしれません。
本当に謎だらけですが「意味を求めることの無意味さ」のようなことを長新太は一貫して絵本と言うフォーマットで子どもたちにメッセージとして描いていたのかなぁと思います。
大人は「意味」ばかりを求めます。そして「結果」を重要視します。そんな大人たちの思考により、窮屈な気持ちを抱いて生きている子どもたちが多いと思います。
子どもたちの無限なる自由な創造力の解放と、大人への注意喚起が提示された絵本。
残念ながら、現在のところはこの絵本の新品に出合うことがない状態です。是非ともこの機会に入手することもオススメします。そして、子どもたちへ「結果」を求めずに「感想」を求めることもなく手渡して欲しいと切に願います。
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