【絵本作家志望は必読!】『絵本ってどうやってつくるの?』
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ダニエル・ナップ/作 若松宣子/訳 33P ほるぷ出版
【1冊の絵本の裏側、のぞいてみませんか?】
物語作りが大好きなネズミのコンラート。ある日コンラート、頭の中に浮かんだ小さなアイデアを、なんとか1冊の絵本に育て上げようと奮闘し始めます。
思いついたお話を紙に書きつけては、消して、また書き直す。編集者に見せては「ここはもっとこうしたら?」と直しが入る。原画の下描きを何度も描き直し、色を決め、ようやく完成した絵を印刷所に運ぶ。インクの匂いがする刷りたての紙が製本され、トラックに積まれ、そしてやっと書店の棚に並びます。
アイデアがひらめいた瞬間のワクワクから、思うようにいかず頭を抱える場面、印刷所の大きな機械が紙を刷り上げていく迫力ある工程まで、1冊の絵本ができるまでの道のりを、コンラートと一緒に一段階ずつたどっていく、いわば「絵本作りの入門編」。
絵は全体にやわらかい線と温かみのある色使いで統一されていて、コンラートの表情がとにかく豊かでアイデアがひらめいた瞬間は目を輝かせ、下描きがうまくいかない場面ではしっぽまでへにゃっと垂れ下がる。そんな細やかな仕草の描き分けが随所にちりばめられています。
そして、印刷所や製本工場のページでは一転、歯車やインクローラーなど機械のディテールが緻密に描き込まれており、ものづくりのダイナミックさもきちんと同居しているのが印象的です。
【丈太郎のひとりごと】
最近は気軽に技術の進歩などでお金さえあれば誰もが「自費出版」が出来る時代となりました。
メルヘンハウスにも「絵本を作ったので置いてください。」と作家さんが自ら営業に来ることがあります。しかし、正直に言うとそのほとんどが素人感丸出しの、言い方をキツくすれば「自己満足」な絵本が多く、突っ込みどころ満載でメルヘンハウスに置くことについてはお断りしています。
「これは編集者やデザイナーが入っていますか?」などと質問をすると「編集者って何ですか?何をする人ですか?」と答える方、はたまた「テキスト(文章)を入れる場所を考えてもらいました。」など、絵本制作というものが作家だけで完結するものだと思われている方ばかり、、、。
中には怪しい絵本コンペなどで騙されて上手い言葉に乗せられて、大金を払い1000部の在庫を抱えて途方にくれるなど、本当に絵本制作の過程を知らない作家と呼ぶには程遠い方々がいらっしゃいます。
今作では、コンラートが下描きを何度も破って描き直すシーン、あれは絵本作りに限らず、何かを一から作る全ての人が通る道だと思います。一発でうまくいくことなんて、まずない。トライ&エラーを繰り返して、少しずつ形になっていく。編集者との何度もやり取りする姿など、その泥臭いプロセスがしっかりと描かれています。
よく「絵本の作り方」みたいな指南書は多々ありますが、それらのほとんどが文章で書かれているためイメージしにくいと思いますが、1冊の絵本が出来るまでのプロセスが今作では絵本として描かれているので、絵本作家としてしっかりとした「絵本」を制作したい人にはマストな絵本です。
現代社会ではAIでも「こんなストーリーで絵本を作って!」など、さまざまなプロントを駆使して「それなりの絵本」が簡単に出来る時代です。つまりAIが編集者となり絵本の制作が可能な時代です。
しかし、そんな絵本を子どもたちが喜ぶと思いますか?子どもたちの臭覚は大人より優れています。子どもを騙すことはできません。
絵本制作でもうひとつ、大きなヒントとなる本があります。それがメルヘンハウス初代店主が遺した言葉と、子どもの本の書店史などが書かれている『メルヘンハウス 日本で最初の子どもの本専門店』( https://shop.meruhenhouse.com/items/145564370 )です。
この2冊を並行して読んでみてください。
絵本作家志望の方には、大きなターニングポイントになる2冊であることは間違いありません。
何故なら、絵本を制作する側と絵本を手渡す側(書店)のことを知ることが出来るからです。
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(20)
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