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【ユーモアの先にある環境や社会に対する問題提議が見事!】『みてごらん、こんなめちゃくちゃにして!』

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劉旭恭/作 中村加代子/訳 32P 工学図書(山烋のえほん)

【責任転嫁の連鎖、はじまります!】

ヒマを持て余した大統領が、ふらっと部長のオフィスへ遊びに行きました。足の踏み場もないほどぐちゃぐちゃに散らかった部屋を見て、思わず一言。

「みてごらん、こんなめちゃくちゃにして!」

すっかり叱られてしまった部長は、しぶしぶ大掃除。オフィスはピッカピカになりました!すっきりした気分で家に帰ってみると、そこには輪をかけてぐちゃぐちゃな我が家が待っていたのです。

部長も思わず一言。「みてごらん、こんなめちゃくちゃにして!」

叱られた家族もまた次の誰かのところへ。お片づけのバトンは次から次へとリレーされていきます!誰かが誰かを叱り、叱られた誰かがまた別の誰かを叱る。

この連鎖はいったいどこまで続くのか、そして最後には、誰も予想しなかったとんでもなく大きなものまでもが、ピッカピカに磨き上げられることになるのです。

色使いはくっきりとした原色に近いトーンで賑やかに、わざとラフっぽい画風で描かれています。しかし、構図はしっかりとしているため、ページをめくるたびに「散らかった部屋」と「片付いた部屋」のビフォーアフターが一目でわかるように読み手に分かりやすく構成されています。

【丈太郎のひとりごと】

この絵本は台湾人作家よるものですが、最近は本当に台湾の作家さんのクオリティの高さと勢いを感じます!

『HOME』( https://shop.meruhenhouse.com/items/123662634 )なども台湾人作家による作品ですが、コラージュのセンスが抜群で、今後しばらくは台湾人作家による絵本は要チェックです!

今作は、いい塩梅でラフっぽく描かれているのですが、構図がしっかりと描かれているため絵はとても見やすく、どこかポップでキュートな感じも僕の大好物の絵です。

僕はあまり片付けが得意でないため、この絵本を読んで「あぁ〜、次に叱られるのは俺の番だな、、、。」と、繰り返されるストーリーの中でどの辺りに自分が組み込まれるのか?ドキドキしました。

お片づけのバトンが次から次へとリレーされていくユーモアな絵本だと思いきや、突き詰めていくと「そうか!そこに行き着くのか!」と、最後の展開に驚きと「よくぞここまでストーリーを持ってきたなぁ」と感心してしまいました。

大きな問題を抱える事象に対して身近な人たちからちょっとずつ近づいていく展開は本当に見事です。そして、その大きな問題と言うのは、結局のところ自分のところに必ずしわ寄せが来るわけで、こんな国のトップに人が各国にいたとするならば、様々な人々が幸せになっていけるのではないかと、大統領の行動には敬意を表します。

今、環境や社会において大きな問題を抱えている地球規模のこと。子どもたちはこの絵本で身近なことから関心を持つのではないかと思います。

「本当の豊かさとは何か?」

そんなことを考えさせられる絵本ですが、それをユーモアなセンスで表現されていることが作者の実力の高さではないかと思います。

ゲラゲラ笑いながら読み進めていき、突然「ハッ」として「そうか、そうだよな」と読者を共感に導く流れはお見事!

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