『すてきな三にんぐみ』

トミー・アンゲラー/作　今江祥智/訳　38P　偕成社

【メルヘンハウス 二代目 三輪丈太郎が世界で一番好きな絵本！】

三人ぐみの泥棒は夜な夜な隠れ家から降りてきては、馬車を襲い金銀宝石を奪い取り再び隠れ家へ。
ある晩、いつものように馬車に泥棒に入ったが、金銀宝石はなく中にはみなしごになるはずのティファニーちゃんだけ。仕方なく泥棒達はティファニーを抱いて隠れ家へ。

翌朝、ティファニーちゃんが目を覚ますと、金銀宝石にビックリ！

「まぁぁ、これ、どうするの？」と、ティファニーちゃんは泥棒達に聞きますが答えられません。何故ならどうるつもりか考えがなかったから。そこから泥棒達の人生観が変わっていき、、、。

【丈太郎のひとりごと】
3歳の時に父の膝の上で読んでもらい、23歳の青年の時に再会し、43歳の時に当時3歳だった息子が「これ読んで！」と持ってきました。つまり僕は20年ごとにこの絵本に出合いました。
そして僕を軸として70歳も離れたお祖父さん(父)と孫(息子)が、この絵本で結びついたのです！

こんなすてきなことがあるのでしょうか？

あまり読者の余白を奪うようなことは言わない方が良いかと思いますが、僕が23歳の青年の時に読んだ時「これは資本主義社会へのアンチテーゼな絵本だ！」と思いました。

「お金が潤沢にあれば幸せか？」
「お金は何のために存在するのか？」

当時バイトに明け暮れていた僕は、それからミュージシャンになると言う夢を叶えるため、必死に努力しました。お金には代え難い「表現者」の道を選んだのです。

この絵本は是非ともメルヘンハウス(オンラインショップ)で手に入れて欲しいと思います。今のメルヘンハウス二代目と名乗る僕の絵本の原点です。これなくして、今のメルヘンハウスはありません。

一人でも多くの方に３世代を繋げてしまうような、すてきな経験をしてほしいものです。
それがまさにロングセラーの魅力だと思います。