『プッチェットのぼうし』

中脇初枝/再話　アヤ井アキコ/絵　32P　あすなろ書房

【同じことが繰り返されるイタリアの昔話】

この絵本は、イタリアの昔話です。プッチェットは素敵な帽子をかぶってますが、ある日
なくしてしまいます。そしたら、その帽子を見つけたチョッケットが気に入って帽子をか
ぶることにしました。

プッチェットは帽子を返してもらうようにチョッケットに言いますが「パンをくれなきゃ、ぼうしをあげない」と言われてしまいます。そこで、仕方なくプッチェットはパン屋さんにパンをもらいに行きますが、今度は「ミルクをくれなきゃ、パンをあげない」と言われてしまいます。

そして、ミルクをもらいに牝牛のところに行きますが「草をくれなきゃ、ミルクはあげない」と、また断られてしまいます。この後も原っぱへ草をもらいに行ったり、鍛冶屋のところへ鎌もらいに行ったりします。

どこへ行っても繰り返し断られるプッチェットは、果たして帽子を手にすることはできるのでしょうか？

何度も繰り返される同じやりとりがとてもおかしくて楽しくて、子どもたちもきっと気に
入る絵本だと思います。

【丈太郎のひとりごと】
何度も同じことが繰り返される、よく昔話でみられるお話ですが、「えーっ、また！」なんて子どもの反応が聞こえてきそうです。絵を描いているアヤ井アキコさんは、その細かく丁寧な描写で注目されている作家さんです。