『ぞうのエルマー』

デビッド・マッキー/作　きたむらさとし/訳　32P　BL出版

【みんなと違うことの認め合いの大切さ】

ぞうのエルマーは、みんな普通の肌の色なのに自分だけとてもカラフル。
みんなと一緒になりたくて、同じ肌の色にしますが、みんなはエルマーと気付きかず、エルマーがいなくなったと心配になりました。

ある時、雨が降り肌の色がいつものようにカラフルなものに戻ります。仲間のぞうたちはとてもエルマーが元に戻ったことを喜び、そして、エルマーも他の像と違う自分の個性だと気付き受け入れます。

カラフルに描かれた絵が、大切な話を軽やかにしてくれます。

また、今作が初作でシリーズで発刊されているので、気に入ったら他の絵本も読むと良いと思います。

【丈太郎のひとりごと】
最近「多様性」という言葉をよく耳にしますが、他と違う自分にコンプレックスを感じるのではなく受け入れていく様子、そして、自分たちと違う他のエルマーを大好きで違いを気にしない思いがこの絵本には描かれています。

つい、多数のものと違う他者を見ると偏見や差別などに繋がりがちですが、この絵本は本当の意味での「多様性」を子どもたちにそっと教えてくれることでしょう。