『ここは』

最果 タヒ/作　及川 賢治/絵　32P　河出書房新社

【ぼくがいる場所は？】

小さな男の子による、お母さんの膝の上からの目線で描かれています。そこは街の真ん中であり、大地の上でもあり、山のふもとでもあります。

さらに言えば空の下であり、星の表面でもあります。そうやって、自分の居場所をどんどんズームアウトしていくと、宇宙の真ん中ということにもなります。

【丈太郎のひとりごと】
そう、やはり人間は小さな存在なのです。矛盾するようですが、この小さな存在が、まさに宇宙の無限大の広がりをもっているとも言えます。

細部に至るまで細くポップに優しく描かれたこの絵本の、言わんとしていることはとてつもなく大きいです。自分の立ち位置は他人が決めるものではありません。

生まれた時から、自分自身の中にこそ大きな可能性が秘められているのです。一人一人が宇宙そのものなのです。この絵本を読んでいると、なんだかちょっとだけ地面から浮いているように感じます。