『みんな、空をとべる』

ジャクリーン・ウッドソン/作　ラファエル・ロペス/絵　都甲 幸治/訳　32P　汐文社

【その年、わたしたちは空をとべるようになった・・・・・・】

私と弟とおばあちゃんのお話です。私と弟が退屈をしている時、喧嘩をしている時、寂しい時、おばあちゃんはこう言います。

「2本のうでを上げ、ふたつの目をとじて、ふかくいきをすいこみ、〜をしなさい」

そうすると、空を飛んで今まで見えていた景色もとてもきれいに見えます。このおまじないのような言葉はおばあちゃんが、叔母さんや叔父さんや従兄弟たちに習った言葉でした。

その昔、大きな船で手首や足首を鎖で繋がれていたけど、誰もあなたのきれいにきらめくこころを繋ぐことは出来ないとおばあちゃんは言います。

黒人差別の歴史や現状をおばあちゃんがわかりやすく子どもたちに教えるお話が、色彩豊かなデザインされた絵で描かれています。

【丈太郎のひとりごと】
今でもある人種差別の話を、子どもたちにわかりやすく教えるおばあちゃんの姿が印象的です。そして、その言葉を信じて子どもたちが自由を手に入れていくこと。この絵本は教えを押し付けるのはなく、そっと教えてくれます。しかし、その教えはとても強いものです。