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『バナナじけん』
¥1,540
高畠 那生/作 32P BL出版 【ラッキー→トラブル→?=ループ】 車の後ろに繋がっているカートにバナナが大量に載っています。 「あっ バナナが ひとつ おちましたよ。」 そこへ猿がやってきてバナナを食べて皮を道路にポイッ!そこにうさぎが走ってきましたが、バナナの皮には気づかず滑ってしまいました。しばらくしてワニがのそのそとやってきてバナナの皮を見つけて背中の上にのせました。 そして、また車からバナナが落ちました。そこへ猿がやってきて、、、。 「どうすると おもう?」→「どうなると おもう?」→「どうなると おもう?」と、しばらく続くループ状態。一方では減って、その一方では増えて、その間で痛い目に遭って、何事もなかったようにのそのそと。 一本道で起こる、それぞれの立場のそれぞれの状況の違い、しかし、最後は一緒。さあ、何が一緒なんでしょう? コミカルで躍動感に溢れたループするストーリーをユーモアのある絵で見事に描いています。 【丈太郎のひとりごと】 僕が那生くんの絵本でまず最初に頭に浮かぶのは、この『バナナじけん』です。皆さんの中にも「高畠那生と言えば『バナナじけん』!」と思う方も多いことでしょう。 この絵本は那生くんの代表作と言っても過言でありません!発刊されたのは2012年!もう13年前の絵本なんですね。そして、この絵本が今も子どもたちは勿論のこと、大人からの評判もすこぶる良いのです。 那生くんの描く絵本の特徴として「ループ(繰り返す)」しているものが多いですが、それはこの絵本から始まっているように思います。 タイトルのインパクト、ストーリー、絵、どれもがコミカルでユニークかつシュール! これぞ「高畠那生ワールド」なんです! えっ?那生くんの他の絵本は読んだことはあるけど、この絵本は知らない?それこそが事件です!一刻も早く手に入れてください!
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『はたらくくんジャー』
¥1,320
SOLD OUT
木坂 涼/作 高畠 那生/絵 24P フレーベル館 【子どもたちが大好きな働く車たちが大活躍!】 「ぼくは はたらくんジャー はたらくんジャーは きょうもいく」 と勇ましくカッコいい黒いスーツの男が、ショベルカー、ログローダー、こうしょさぎょうしゃ、ロードローラー、ダンプカーに乗って大活躍! 独特な文章のリズムで、働く車の特徴と動きを擬音語も織り交ぜて表現されており、、そして、繰り返される「ぼくは はたらくんジャー はたらくんジャーは きょうもいく」と言う決め台詞で、働く車を操る謎の男「はたらくんジャー」がヒーローに! 忠実に働く車が描かれていますが、力強さ、頑丈さだけでなくオシャレな雰囲気を味わうことができます。 【丈太郎のひとりごと】 文章を書いているのは木坂涼さん。他にも色々な絵本の文章を書いていますが、翻訳家としても大活躍! 例えば、洋画を観に行った際に「字幕翻訳 戸田奈津子」とあれば間違いない(分かる人には理解してもらえると思います)!みたいな信頼感があり、メルヘンハウスに置く翻訳絵本を選ぶ際に、訳が「木坂涼」とあれば間違いなし!と仕入れるケースも多々あります。 そこに絵だけ見ると海外の作家とよく間違えられる、高畠那生さんの絵となればハズレな筈はありません。 「ぼくは はたらくんジャー はたらくんジャーは きょうもいく」とリフレインされる勇ましい言葉と子どもたちが大好きな働く車がたくさん描かれているので、2歳半ぐらいの子どもから楽しめると思います。 高畠那生さんの手がける絵本では、珍しくかなり幼児向けでありセンスの光る絵本です。
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『ウォッシュバーンさんがいえからでない13のりゆう』
¥1,650
中川 ひろたか/作 高畠 那生/絵 32P 文溪堂 【「しれないじゃない。」】 ウォッシュバーンさんは家から一歩も外へ出ません。何故かって、ウォッシュバーンさんが言うのです。ドアに挟まれるかも、玄関先の石につまづくかも、からすにつっつかれるかも、大きな蜘蛛の巣に引っ掛かるかも、野球のボールが飛んでくるかもetc、、、。 色々な理由はウォッシュバーンさんが悪い想像をして、玄関から出られないのです。しかし、最後にはおめかしをして外に出ます。しかし、ウォッシュバーンさんの悪い予感は的中します! ユーモアのある絵で「しれないじゃない。」と悪い想像を繰り返しを描いています。 【丈太郎のひとりごと】 悪い想像をしたり予感がしたりするとどうしても安全な方へ行きますよね。それにしてもウォッシュバーンさんは考え過ぎです!繰り返される「しれないじゃない。」が面白くて、最後のオチも最高! おはなし会などでも、子どもたちから笑いが起きそうな絵本です。
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『ブロロンどろろん』
¥1,430
SOLD OUT
高畠 那生/作 36P 小学館 【どうなるの?どうなるの?何のカタチができあがる?】 「ブロローン!」と車が走ってくる。そこにはペンキ缶が転がっていて、近くには人が!「バシャー!」とペンキが人に飛び散り、後ろの壁には人影から出来た動物の形が浮かび上がる。 最初は意味がわからず、子どもに限らず大人もこの絵本の意図が汲み取れずに「?」顔を浮かべるのだが、「どうなるの?」と毎回繰り返される度に、この絵本の独特の世界観に入っていく。 日本人作家、外国人作家とあえて分ける必要はないが、この絵本の作者を気にせずに読むと外国人作家の作品のように見える。この作者に過去の作品にも共通して言えることなのだが、とてもスタイリッシュでオシャレな絵本である。 おそらく既成概念に捉われることなく自由に画面全体の細部に至るまで、カラフルに書き込まれているからであろう。そして、毎回ユーモアに溢れている。今作も見事なユーモアで楽しませてくれる。 【丈太郎のひとりごと】 最初はマクドナルドのハッピーセットで配布されていた絵本がハードカバー化!「どうなるの? どうなるの?」って、子どもと一緒にワクワクしながらページを進めて欲しい!おはなし会などでも人気です。
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『おどってる こまってる』
¥1,595
SOLD OUT
高畠那生/作・絵 32P フレーベル館 【みんなクネクネしてどうしたの?】 気分がよく踊っている人もいれば、耳に水が入って困っている人、さっきクジが当たって嬉しくておどってる人、財布を落として困っている人etc.......。大勢が絡まり合い、なんだかおかしな光景が広がります。 絵だけ見ていると、誰もがクネクネしているので、踊っているのか?困っているのか?全く見分けがつきませんが、体の一部分の様子を見れば何となくわかるものです。 クネクネした人々の描写が大勢集まることにより、ひとつのグルーヴ感を醸し出している絵が、ユーモアがありとても素敵です。 【丈太郎のひとりごと】 踊ったり、困ったりしてこんなにもクネクネするものか?と、この絵本を最初読んだ時は思いましたが、ここまでしなくてもそれぞれのポージングが大小関わらずあるものです。 終盤に「この人は踊っているのか?困っているのか?」クイズもあるので、子どもたちへのおはなし会では、きっと盛り上がることでしょうね。そして、子どもたちの中でこの独特な「クネクネ感」が流行る可能性大です! 僕は最後に出てくる人物を見て「こういう人っているようなぁ。」と納得。クールに見えても、、、。皆さんも読んでみたら「いるいる!あの人はこんな感じ!」と友人、知人の顔を思い浮かべることでしょう!
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重版未定!残り1冊!【宛名入りサイン本!】『そらから ぼふ~ん』
¥1,430
SOLD OUT
高畠 那生/作・絵 32P くもん出版 【そらから「ぼふ~ん」と音を立てて落ちてきたものは?】 ある日、ものすごい音がして、なんだろうと見に行ってみると、なんとそこには巨大ないい匂いのするホットケーキみたいなものが!そこにまた「ぼぼーん」と音を立てて重なるように落ちてきました。やっぱりホットケーキだったみたいです。 「どっぷ〜ん!」 と音を立てて今度ははちみつまでが!これでホットケーキの出来上がり!そしたら犬のジョンがホットケーキの間に入っていきます。止めようとするも一緒に入ることに。そこはやわらかくて、あったかい。そう、ホットケーキは美味しいだけでなく気持ち良いのです。 山中に突然落ちてきたホットケーキ。ダイナミックに、そして、美味しそうな艶やかなホットケーキをカラフルに迫力満点に描かれています。 【丈太郎のひとりごと】 僕の年代(今年で50才)だと、ホットケーキなんですよね。今では「パンケーキ」として若者に大人気!ちなみに『ぐりとぐら』(福音館書店)では「カステラ」と表現されています。 ホットケーキが山中に落ちてくる奇想天外なお話しですが、擬音語と細かい心情の描写のバランスが絶妙です。 驚いたり、「その気持ちわかるなぁ」と同調して頷いたり、おはなし会などでも抑揚をつけて読むと、子どもたちはこの光景をとても羨ましく思うことでしょう!
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『おきにいりのしろいドレスをきてレストランにいきました』
¥1,650
渡辺朋/作 高畠那生/絵 32P 童心社 【擬音語だけで惨劇が進んでいく大騒ぎの絵本!】 しろいドレスを着た女の子が、家族がレストランで食事をしています。オムライスをスプーンに乗せて食口に入れようとした瞬間、 「あっ!」 「ぼとっ」と、しろいドレスに赤いケチャップが落ちてしまいました! 「ががががーん」 女の子の顔は真っ青というより緑に。パパもママも驚き「げげげげーん!」。お店のひとは驚き「ばばばばーん!」とよろめき、持っていたワインを「びびびびーん!」と落とし、レストランにいた人全員が「ででででーん!」とひっくり返ります。 レストランの外の広場では、ロックのギタリストが「ぎぎぎぎーん」と空を飛び、コーラス隊が歌い、お坊さんが鐘をつき、忍者、サンタクロース、お相撲さん、ベートーヴェンまでが、それぞれの音を立てて登場! そして、みんなで女の子のしろいドレスのケチャップで赤くなった箇所を見て「がーん!」 と、ここで終わると思いきや、場面は変わり予測不可能な終わり方をします。 一行の文章以外、全て擬音語で書かれているこの絵本。しかし、しっかりとお話になっているのは、その擬音語が溢れかえる状況を細部までユーモアに描かれた絵の力によるものです。 【丈太郎のひとりごと】 実はこの絵本は色々な賞を受賞しているのですが、その中でもナント!第10回絵本テキスト大賞・大賞」を受賞してるのです!たった一行と沢山の擬音語だけで!しかし、その擬音語からは「心の叫び」が聞こえてくるようです。 海外作家と間違えられるぐらい日本人離れしたユニーク画風がとてもオシャレで、躍動感に満ちています。 これは読み手の実力にもよりますが、子どもたちが大喜びし大笑いすること間違いなしです!
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《先着順!》【限定10冊!宛名入りサイン本!】『まってるまってる』
¥1,320
SOLD OUT
高畠 那生/作 32P 絵本館 【まってる先には、、、】 みんなが待っている行列があります。 「まってるまってる なんのぎょうれつ?」 それはたこ焼きの行列でした。また行列があります。 「まってるまってる なんのぎょうれつ?」 それはドーナツの行列でした。またまた行列があります。 「まってるまってる なんのぎょうれつ?」 こうやって行列は続いていきます。行列には人間だけではありません。動物も鬼もお化けもいます。最後の行列は「ながーい ぎょうれつ」。一体何の行列でしょう? 繰り返される「まってるまってる なんのぎょうれつ?」をユーモアのある絵で飽きさせることなく描いています。 【丈太郎のひとりごと】 この絵本の作者である高畠 那生君は、絵本作家の高畠純さんの息子さんです。絵のタッチは全然違いますが、ユーモアのセンスは似ているところがあると思います。この絵本もシンプルな繰り返しながらも次のページをめくる楽しみがあります。 那生君の他の絵本もユーモアがたっぷり描かれています。色々なタイプな絵本を描いてますが、繰り返し要素の高いユーモア絵本が多いような気がします。 メルヘンハウスに来るお客さんで、作者名を見ずに那生君の絵本を見ると、海外の作家だと思われるお客さんが多いです。それほど日本人離れした絵も魅力でもあります。 僕とほぼ同世代の作家さんなので、応援しています!
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【犬派の方、お待たせしました!犬だらけの絵本が登場しました!】『いぬはともだち』
¥1,650
高畠純 /作・絵 32P 佼成出版社 【犬好きにはたまらない、全ページにたくさんの犬が登場!】 チワワ、ダルメシアン、パグなど全ページに色々な犬が描かれています。なかにはシャーペイ、コモンドールなどあまり聞いたことのない珍しい名前の犬も登場します。 それぞれの犬の特徴が書いてあったり、クイズや迷路などもあり、楽しみながら犬のことを知ることができます。まさに犬好きにはたまらない絵本です! カラフルにたくさんに犬達がユーモアに、そして、忠実に描かれています。 犬に溢れたこの絵本を読めば、犬好きの子はもちろん、猫派の子もきっと犬に興味が出ることでしょう! 【丈太郎のひとりごと】 作者の高畠純さんが犬好きで、前から「今度は犬の絵本を出す!」とラフの段階から見せてもらいました。犬を描いている絵本は、猫に比べると圧倒的に少ない!犬派の僕としては「よくぞ純さん、犬まみれの絵本を描いてくれました!」と感謝の気持ちでいっぱいです。 僕は小学生の時に犬を飼っていました。犬には色々な種類がいますが、僕が飼っていたのは「ビーグル犬」と行ってイギリス出身の猟犬で、耳が垂れていてとても可愛くて、友達のように毎日一緒に散歩に行ったり遊んでいました。 犬小屋は父がD .I.Yで作った2階建て!そんな犬小屋見たことありますか?2階は僕の隠れ家として、怒られてしょぼんとするときは、よく2階に入り込んだものです。その姿を飼っていたビーグル犬はどんな思いで見ていたのでしょう? そのビーグル犬とは中学生の時に別れてしまいましたが、僕が家を出てから20歳ぐらいの時に実家では二代目ビーグルを飼い始めました。名前は「桃之介」と言って、初代ビーグルより過保護に飼われ、朝の散歩は決まって父がしていました。 絵本作家のきたやまようこさんの「ゆうたくんちのいばりいぬ」シリーズ(あかね書房)にも、父が桃の助と散歩しているシーンが描かれており、父は自慢げにお客様に自分のページを見せていました。 今回、残念ながらビーグル犬は勿論描かれているのですが、大きく扱われていないことに不満を感じて純さんに連絡したところ「だってしょうがないじゃない!僕だって自分の犬を大きく描くことを我慢したんだから!」とちょっとした論争もありました。 犬好きの 犬好きによる 犬好きのための絵本 犬よ、猫に負けるな!絵本界でも頑張れ!とエールを送りたい絵本です。
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【今までになかったニュータイプの「おふろ絵本」が誕生!】『おふろ』
¥1,650
SOLD OUT
麦田あつこ/作 いちろう/絵 32P ブロンズ新社 【おふろの向こう側には何がある?】 「きょうこそ かうぞ。」と男の子が100円玉を握りしめ「ふしぎや」という名のお店に入っていきます。そのお店には様々なお風呂用品が置いてありますが、男の子の目当ては「バスボール」。 「ふしぎや」のおばあさんは、男の子の選んだ「バスボール」を見て、賑やかのを選んだと覗き込み、最後に「たのしい おふろを。」と声をかけました。 男の子は家に帰ると、湯気がほわんと体を包むおふろばに直行しました。まずは体全身を洗い、いよいよ「バスボール」をバスタブに入れると、、、。 「あれれ⁉︎」 おゆにんげんが現れ「さあ いこう」と言われるがまま、男の子は蛇口へぎゅうぎゅうに押し込まれ、目を開けてみるとそこはほわほわと湯気の立つおゆのうみ。 「おゆにんげんの くにへ ようこそ!」 おゆにんげん達が集まってきて男の子の体を揺らし、「おゆにんげんの くに」へどんどん入っていきます。その先に男の子を待っていたのは、、、。 優しい色遣いで素朴に描かれた絵は、輪郭に捉われることなく絵全体が融合するような不思議さがあり、まるで温かい湯船の中にいるような気持ち良さでページを読み進められます。 【丈太郎のひとりごと】 「おふろ」に関する絵本は数あれど、大概はおふろの気持ち良さや「お風呂に入りましょう!」的な教育的なものが多い中、かなり異色な「おふろ絵本」だと思います。 不思議な「バスボール」は実は「おゆにんげんの くに」へのパスポートであり、自分が知らない世界に入っていき、様々な不思議な経験をしていく。まさにニュータイプの「おふろファンタジー絵本」の誕生と言っても過言じゃありません。 普段使用しているバスタブレットをバスタブに入れて、子どもと一緒に「おゆにんげんの くに」へ出かけてみてはいかがでしょう? きっと、いつもより楽しい「おふろ時間」を、子どもと共有することができることでしょう! そして、時が経てばそれは子どもにとって良き思い出になっていくのだと思います。 こんなことを書いてたら早く家に帰って、息子と一緒にこの絵本を読んで直ぐに「おゆにんげんの くに」へ行きたくなってしまいました!さあ皆さんもご一緒に!「おゆにんげんの くに」で会いましょう!
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【園で大活躍!保育士、幼稚園教論に絶対オススメ!】『たいこどんどん』
¥1,540
三浦太郎/作 32P ブロンズ新社 【世界の「TARO MIURA」の新たな代表作になる予感!】 男の子が元気にタイコを「どん どん」。するとそれに応えるように「ぷっぷー」とクマさんがラッパを吹きながらやってきます。一緒に「どん どん ぷっぷー」と演奏していると、今度は「ぴーひゃら ぴーひゃら」と笛を吹きながら男の人がやってきます。 「どん どん ぷっぷー ぴーひゃら ぴーひゃら」 と音楽が鳴るなか「じゃーん」と今度はネズミさんがシンバルを鳴らします。その後も三味線が「べんべん」、ちんどん屋が「ちんどん ちんどん」、そしてお神輿、大きな龍を動かす中国のお祭り、サーカスと続き、色々な音が賑やかに鳴り響き、とても素敵なパレードに! 音の賑やかさと同様、絵もカラフルな色を切り貼りして描かれているため、読み進めていくと心が踊り出します。 また、デザインが抜群に素晴らしく、赤ちゃんや子どもたちは絵本の賑やかさを楽しみ、大人はアートブックとして十分に楽しめる類まれな絵本です。 【丈太郎のひとりごと】 三浦太郎と言えば、大人気赤ちゃん絵本『くっついた』(こぐま社)の作者として有名ですが、その他の多数の絵本や作品を発表しており、今作は51冊目の絵本となります。 海外での評価も高く、アジア圏では勿論のことヨーロッパ圏では絶大に人気を誇り、ヨーロッパの出版社から発刊された絵本が、翻訳されて日本で発刊されるなど、いわば逆輸入の絵本もあります。 海外では「TARO MIURA」と優れた絵本作家として認知され、2014年の毎春にイタリアのボローニャという街で開催される、世界各国の出版社が一斉に集い版権のやり取りなどをする「子どもの本専門の国際見本市」では、僕も三浦さんとご一緒しましたがサイン会の行列が絶えることなく、地元の子どもたちへのワークショップや原画展も大盛況でした。 ここ近年の三浦さんの作品で特筆すべきところは「優れたデザインセンスを絵本で表現」されていることです。そして、そのデザイン性の高さは新作が出る度に進化しています。 決して独りよがりの作品作りではなく、子どもは勿論、大人も楽しめるような「遊び」を随所に散りばめられているのが特徴と言えます。 今回の絵本のキャッチコピーは「ハイブリット絵本」。三浦さんは海外と日本で絵のタッチを使い分けてきましたが、今回は絶妙に「融合」されています。 また「融合」に関しては、紙を自らの手で型取り、それをスキャンしてパソコンで作成していく、アナログとデジタルの「融合」により制作しています。 多くの作家が、手法を変えることなく描く絵本の世界で、三浦さんは常にその時代を肌で感じながら、時代の先端をいくデザイン性の高い表現を、絵本というフォーマットに落とし込む唯一稀な作家です。 この作品は今後の絵本の制作スタイルの一つの指針になるような、斬新なものであることは間違いありません! 三浦さんと僕は服のセンスなど好きなものが似ているため、三浦さんは僕のことを「丈ちゃん」と呼び、僕は三浦さんの新刊が出る度に、感想の電話をするなど良き親交関係にあり、尊敬をしている作家です。 是非とも世界基準の「TARO MIURA」をお楽しみください! 追伸、三浦さんと電話をした際に、マリー・ホールエッツの名作『もりのなか』(福音館書店)で、モノクロで描かれた、森のなかで繰り広げられる男の子と動物たちのパレードを連想したことを話すと「そうなんだよ!実は意識して今回創ったのだよ!」とも仰っていました。 また、サーカスが登場する場面で、サーカスを表現する音が「ぱらりら ぱらりら」となっているのですが、ぼくは正直に「この音は現代では見かけないが暴走族の音としか思えない!」と言うと、三浦さんは「実は最初は暴走族だったの。過去の良くはない行為だけど、今となっては一つの文化になるかなぁと思ったんだけど、やっぱりNGになってなり、サーカスにして音だけは暴走族を残しんたんだよね!」とも! パレードの音がどんどん増えていき繰り返されて行く様子は、子どもたちは大喜びすることでしょう!是非とも子どもたちと元気に声に出して読んで欲しいものです。
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『新装版 出口かずみ画集 小八』
¥2,530
SOLD OUT
出口かずみ/作 64P 果林社 【絵本とはまた違う魅力の画集】 作家と一緒に暮らす猫「小八」が人間界で生きていく様を想像し、描いた作品集です。 掲載点数は、全29点。 2019年にえほんやるすばんばんするかいしゃから発行されたもので、新たに3点(もう一匹の愛猫・文六も登場!)を加え新装版とし、2023年に復刊されたものです。 絵本はコミカル的な要素の多い描き方をされていますが、この画集はそんなイメージとは異なり、モノクロの劇画タッチで描かれている為、新たな作家の一面を楽しむことが出来ます。 2019年にえほんやるすばんばんするかいしゃさんで『小八』の個展をしたときのDMデザインをもとに制作した、封筒に入っているのも洒落ています。 【丈太郎のひとりごと】 一般書店では流通していない希少価値の高い画集です。恥ずかしながら絵本作家としての「出口かずみ」しか知らなかった僕としては、イメージを覆す繊細な絵の画力に圧倒されました。 「うろおぼえ一家」シリーズではゲラゲラ笑い、この画集では作家の猫愛に溢れた絵を楽しんで頂きたいと思います。しかし、どこかクスッと笑えるのがまた不思議な画集です。
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『うろおぼえ一家のおみせや』
¥1,540
出口かずみ/作 32P 理論社 【うろおぼえでお店が出来るのか⁉︎】 おかあさんがお米を買ってきましたが、なぜか家にはたくさんのお米がありました。驚きながらもそれを使い「おみせや」を開くことに。はてさて、うまくお客さんに商品を手渡せるでしょうか。うろおぼえ一家節は今日も健在です。 (以上、出版社のコメント引用) ※先着順にて、非売品の「うろおぼえ一家」オリジナル付箋をプレゼント! 【丈太郎のひとりごと】 昨年、出版された「うろおぼえ一家」シリーズの最新刊。1作目から前作までとは、また違う雰囲気のお話です。と言うか、こうやって4冊並べて読んでみると、ちょっとずつ一家に進化が見られます。 だって、うろおぼえでお店が出来ると思いますか?それができちゃうのです!そこはこの「うろおぼえ一家」が1作目からずっと脈絡が続いている「思いやり」とか「優しさ」とかがあるからなのです。 個人的に色々と忙しく、心に余裕がなかった昨年(2024年)の9月に、良いタイミングで出版され一家に救われました。今作では今まで登場しなかった「うろおぼえ一家」のルーツを垣間見ることが出来ます! そして一家と同じく「メルヘンハウス」と言うお店をやっている者として「こんな結果オーライ的な接客もアリだな!」とヒントをもらったりしました。 日々の忙しさに追われて生活している子どもたちから大人まで、皆さんにオススメです。 “Take it easy” なライフスタイルも良いものだと思います! 実は「うろおぼえ一家」シリーズは、現代社会の時間に追われて生活されているようなことに対して「これで本当にいいのかな?」と、社会風刺をユーモアと面白さと楽しさのベールに包み隠しながら問題定義をしているのでは?と4作を読んできて思いました。 いかん、いかん!どうも大人の悪い癖で深読みをしてしまった! 皆さん、思いっきり笑って楽しんでください!
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『うろおぼえ一家のきゅうじつ』
¥1,485
出口かずみ/作 32P 理論社 【メモが登場!3作目にして「うろおぼえ」を遂に脱却か?】 うろおぼえ一家のお父さんがはまっているもの。それは「メモ刑事」です。 おおいに影響されて、休日に一家揃ってその日の計画をメモして出かけることに。 行く先々で困っているひとびとに出会い、知らず知らずそのメモは目的と外れて大活躍…⁉︎ (以上、出版社のコメント引用) ※先着順にて、非売品の「うろおぼえ一家」オリジナル付箋をプレゼント! 【丈太郎のひとりごと】 「うろおぼえ一家」も3作目。「もうそろそろお決まりのパターンのお話なんだろうなぁ。」と思いきやココで一気に一家が成長。なんと!忘れないようにメモ帳に書くと画期的なアイディアが!と思いきや、やっぱり、、、。 しかし、そのメモ帳が大活躍!これは今までにない展開でした。 シリーズになっている絵本や児童書は「お決まりのパターン」があり、毎回同じ流れだったりするのですが、だから面白くないという訳ではありません。安定したパターンの中で「やっぱりなぁ」なんて言いながら、新しいお話を楽しめたりします。 「うろおぼえ一家」シリーズもそんな安定感もありながら、毎回面白いテーマで描かれています。 前作、前々作とはまた異なった世界観をお楽しみください!
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『うろおぼえ一家のパーティー』
¥1,485
出口かずみ/作 32P 理論社 【パーティーするぞ!で、誰の?」 とある一家は、家族全員、揃いも揃ってうろおぼえ。まもなく誰かの何かのお祝いの日なのですが、いざパーティーを開こうとすると、誰の何のお祝いだったか?…やっぱりうろおぼえ。けれどお祝いしたい気持ちは本物なのです……。 (以上、出版社のコメント引用) ※先着順にて、非売品の「うろおぼえ一家」オリジナル付箋をプレゼント! 【丈太郎のひとりごと】 出ました!まさかの第2作目!初作の『うろおぼえ一家のおかいもの』 https://shop.meruhenhouse.com/items/97202016 は、確かに面白いし、子どもから大人までがゲラゲラ笑いながら1作目を読んでいる光景を、メルヘンハウスでもよく目にしましたが、2作目が出るとは思っても見なかっただけ嬉しいです。 確かに面白いし、子どもから大人までがゲラゲラ笑いながら1作目を読んでいる光景を、メルヘンハウスでもよく目にしましたが 前作の今作も「うろおぼえ」は全開モード!でも、そんな「うろおぼえ」が良いのです。白黒ハッキリつけて、結果、効率化、タイパ(タイムパフォーマンス)を気にする現代社会。 そんな社会の真逆をいく「うろおぼえ一家」ですが、このぐらいゆっくり迷い、悩み、考えと「効率悪い」と言う隙間時間があっても良いとは思いませんか? 面白く可笑しくて笑いながら読んでいながら、そんなことを思いました。 毎日忙しくしている子どもから大人までに読んで欲しい絵本です!
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『うろおぼえ一家のおかいもの』
¥1,430
出口かずみ/作 32P 理論社 【うろおぼえにも程がある!】 お父さんにお母さん、お兄さんに弟、妹。揃いも揃って<うろおぼえ>が多いあひるの一家は、ある日、お母さんから買い物を頼まれて出かけたけれど、何から何までうろおぼえ。 道中ヒントをもらいながら、はてさてどんな結末に? (以上、出版社のコメント引用) ※先着順にて、非売品の「うろおぼえ一家」オリジナル付箋をプレゼント! 【丈太郎のひとりごと】 記念すべき「うろおぼえ一家」シリーズの1作目! 最初読んだ時「これって、もしや僕の小tじゃないか?」と思いました。そう、僕も「うろおぼえ」を通り越して忘れてしまうので必ず何かにメモをしています。 作者の出口かずみさんの描く絵は、昭和の風景の懐かしさを随所に散りばめられていて、そのうえ一家はとてもキュートに描かれて、愛とおしく感じます。 ページを読み進めていくと、なんとも言えない脱力感と一家を応援したくなる気持ちになります。例えれば、「志村!うしろ!うしろ!」とドリフターズのコントに、テレビに向かって突っ込んでいるような感覚です(昭和の話なのでわかる人には伝わると思います。 そして、まさかこの本から続編が立て続けに発表されていくとは思っていませんでした。
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『色彩の魔術師 エリック・カールの絵本とアート』
¥3,850
SOLD OUT
ペンギン・ランダムハウス /編 前沢明枝/訳 135P 偕成社 【知られざるエリック・カールの人生を除いてみたら、、、。】 エリック・カールと言う名前を聞けば、『はらぺこあおむし』(偕成社)を思い浮かべる方がほとんどでしょう。日本はもちろんの事、世界中の子どもたちから愛されてやまない名作絵本です。 しかし、『はらぺこあおむし』など日本でお馴染みの絵本などは、エリック・カールのアーティストとしての一片でしかありません。 この本ではエリック・カールの生涯を知ることが出来ます。生い立ちから影響を受けた人々、絵本作家への道など詳細が書かれています。 しかもオールカラーで文章だけではなく、あらゆる時代の作品や写真も掲載されているため、とても読みやすく、エリック・カールに触れることが出来ます。 【丈太郎のひとりごと】 過去にエリック・カールが来日した際に、3〜4回ほどメルヘンハウスにも来てくれたことがあるそうです。とてもフレンドリーな彼は、終始ニッコリして子どもたちに快くサインや写真撮影などに応じてくれていたようです、 そして、彼との食事はいつも決まってメルヘンハウスの近くの中華料理店。それほど高級でもないお店ですが、その中華料理店をとにかく気に入っていたようです。 この本では彼の絵本作家としての仕事だけではなく、ポスターやパンフレットの仕事も掲載されていますが、それらは私たちが思い浮かべる彼の絵本の画風とは全く異なり、とても新鮮に感じます。 生涯を通して、子どもから大人まで読者を喜ばせてくれた彼の詳細を知るには優れた記録集です。 ちなみに僕がエリック・カールの作品で一番好きなのは,晩年の絵本『えをかくかくかく』(偕成社) https://shop.meruhenhouse.com/items/85166844 です。彼の絵本の中でもとてもシンプルで力強い絵と言葉で、自分の信じる道を歩むことが大切であることが描かれています。
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【お正月絵本の新たな定番、ここに誕生!】『いかあげたこあげ』
¥1,430
高畠じゅん子/作 高畠純/絵 32P 偕成社 【イカがたこあげ。それってどういうこと?】 「いくぞー」と元気よくタコが「たこあげ」しようと走るも一向にたこは上がる気配がありません。 そこへ「いいかぜ、いかすぜー」とイカが走り込んできて、大空に「イカの形をしたたこ」が上がっています。 それを見たタコがイカに向かって、「たこあげするな」と言いますが、イカは「いかあげ」だと言い返します。二人は喧嘩になり、周りにいた動物たちが寄ってきました。 タコは集まってきた動物たちに、「イカの形をしたたこ」を見せて、「たこ」だと思うか聞き、イカは「いか」だと思うか聞きますが、みんなは困ってしまいます。 二人は自分の言い分を絶対に曲げません。それどころか動物たちを巻き込んで、様々な例を出していきます。 「それじゃあ クイズ!とイカが言い出しました。「イカがたべるのはスイカ。じゃあタコがたべたら?」これにタコは「ス、・・・・・・タコ?」と答え、動物たちは納得してしまうのです。 もう、ここからが大変なことに! カバがもてば「カバン」、タコがもてば「タコン」。トラがあそべば「トランプゲーム」、タコがあそべば「タコンプゲーム」。サイがなげる「サイコロ」、タコがなげる「タココロ」etc...どんどん訳のわからない言葉の応戦がエスカレートしていくばかり。 果たしてこの言葉のこんがらがった様子はどうなっていくのでしょう? 読者も読めば読むほど混乱する、なんとも可笑しな言葉あそび絵本です。 カラフルな色で描かれた背景やモノと、動物たちが躍動感に溢れんばかりに描かれた絵は、読み手を明るい気持ちにしてくれます。 【丈太郎のひとりごと】 皆さんお馴染みの「高畠JJコンビ」による、お正月のプレゼントにピッタリなユーモア絵本です。毎回面白い絵本を作っているコンビですが、その中でもこの訳の分からなさ、くだらなさに脱力する絵本は、僕が今まで見てきたコンビの絵本でも初めてかも! 「高畠JJコンビ、また一段と腕をあげたな!」と、上から目線で申し訳ないですが賛辞を送りたいと思います。 僕はこの絵本を読むと、頭の中がこんがらがってしまい困ってしまうので、一度冷静になってからもう一度読んでみたいと思います。 えっ?いつになったら冷静に読めるかって?そりゃ、お正月に決まってるでしょ!たこあげでもしながら、いや「じょうたろうあげ」でもしながら考えることにしよう! 新たなお正月絵本がここに誕生!
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【サイン本】『いっぽうそのころ』
¥1,870
SOLD OUT
秦 直也/作 猋社 32P 【繊細に丁寧に描かれた動物達の愉快な様子】 動物達の少し変わったフォルムが繊細に描かれています。 アートブックに近い要素ですが、動物達をよく見るとユーモアさもあり「いっぽうそのころ」と言う一文が、絶妙なタイミングで場面転換のように入ってきます。 【丈太郎のひとりごと】 アートブック要素の近い絵本、もしくは絵本の形をしたアートブックとも言えるでしょう。 最初パッと見た時は気付かない動物達の愉快なポーズなどが、とても繊細で忠実に描かれているので、愉快なポーズがなおユニークさを感じる要素になっています。 子どもと言うよりかは、大人が楽しめる絵本だと思います。
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『ひとつだけ守りたいもの』
¥1,980
SOLD OUT
リンダ・スー・パーク/作 ロバート・セーヘン/絵 佐藤淑子/訳 72P 玉川大学出版部 【あなたにとって大事なものは何ですか?】 「あなたのいちばん大事なものはなんですか?」と問われたら、皆さんは何を思い浮かべますか? この絵本では学校の先生が出した宿題の「火事の家からひとつだけもちだしたいものを考えてくること。」を皆んな考えてきて発表し、意見を交わすお話です。皆んなはそれぞれ家に帰って考えます。 スマートホン、マンガ、本、野球選手にもらったサイン、スケッチブック、お金、おばあちゃんが作ってくれたカーディガンなど、中には陶器の動物コレクション93個も!そして、皆んなで話し合いをすると、それぞれ考え方の違う意見が交わされます。 人それぞれ大事にしたいものは違うのです。そして、皆んなの話を聞き終えた先生は、自分が大事なものの考えが変わります。それは実際に存在する「モノ」などではありませんでした。果たして先生が大事にしたいものは? モノクロで描かれた絵はとてもオシャレで、あえてモノクロで描かれていることにより、文章かが際立ち、心に残ります。 【丈太郎のひとりごと】 僕にも大事なものが沢山あります。しかし、一番大切なのは小学3年生になる僕の子どもです。大事なものというのは、目に見えるものもあれば、そうでないものもあります。 皆さんもこの絵本を読んで自分の大事な物を考えてみてください。ちなみに僕は息子の子どもの次に大事なものは「メガネ」です。
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【限定30冊、送料無料!】【ただ面白いだけじゃない!この絵本は大人への挑戦状でもある問題作!】『ムニャムニャゆきのバス』
¥1,760
長新太/作 32P 偕成社 【最後のページに書かれている、長新太からの大切なメッセージ!】 遥か彼方より「ムニャムニャゆき」のバスがやってきます。「ベエー ベエー」とブザーの音が鳴り、誰か降りるみたいです。降りてくたは海の魚。山の池の魚に用事だったのか?そして、また「ベエー ベエー」とブザーの音。今度は三角定規が降りて行きました。 「ベエー ベエー」とブザーが鳴っては、奇想天外で予測不可能なものが降りて来るのが繰り返されます。 ショッキングピンクに赤やオレンジなど、カラフルな色でおおらかに描かれた絵は、子どもは大笑いしながら「自由」という解放感をたっぷりと味わうことでしょう。 【丈太郎のひとりごと】 長新太という名前を聞けば、ちょっと絵本に興味がある人であれば『キャベツくん』(文研出版)を思い浮かべる人が多いと思います。 長さんの描いてきた数々の絵本は、世の中の常識や既成概念に囚われることのない「ナンセンス絵本」と呼ばれるものがほとんどです。この絵本は『キャベツくん』の遥か上をいくナンセンス絵本です。 子どもたちは予想を遥かに超えたバスから降りてくるモノや人に、驚き大笑いすることでしょう。しかし、大人の多くは「この絵本の意味って何?」と思うことでしょう。その答えがこの絵本の最後のページに書かれています。 結果や答えを直ぐに求める時代で、長新太がこの絵本で放った言葉がどれだけ大切なことなのか?それは長新太の絵本だけでなく、全ての絵本に共通することなのです。 大人には長新太の言葉をじっくりと考え受け止めて欲しいものです。
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『もりのおくのおちゃかいへ』
¥1,320
みやこしあきこ /作 32P 偕成社 【森の中で体験した不思議で柔らかなお話】 キッコちゃんが目を覚ますと雪は止んでいましたが、お父さんはおばあちゃんの家に雪かきをしに出かけます。ところが、お父さんはおばあちゃんに渡すケーキを忘れて行ってしまいました。 キッコちゃんは今ならまだお父さんに追いつけると思い、ケーキを持って雪の森の中を歩きます。しばらくするとお父さんらしき後ろ姿が見えたので、駆け出しましたが転んでしまいケーキもつぶれています。 キッコちゃんはまた箱を抱え、雪の森の中をお父さんを追いかけます。やっとお父さんに追いついたと思ったところ、お父さんは見知らぬ家に入って行きました。キッコちゃんは不思議に思ってそっと家の中を覗くと、、、。 モノクロを基調とした繊細な絵がとても柔らかく、所々に色が着色されて描かれているのが特徴的な、森のファンタジー絵本です。 【丈太郎のひとりごと】 海外でも評価も高いみやこしあきこさんの冬の絵本です。 モノクロが貴重になって描かれていますが、繊細で丁寧な絵は、他の作品でも多くのファンを魅了しています。 このモノクロの世界に色をつけていくのは子どもたち(読者)です。きっと各々で色んな色をつけ、この世界観を存分に楽しむことでしょう。
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『ニャントさん』
¥1,540
高部晴市/作 32P イースト・プレス 【猫のニャントさんが妖怪退治で大活躍!】 何でも屋の猫のニャントさんは今日もお仕事です。お日様が沈む頃、小さな村にやってきましたが、村はシーンとしていて誰も出てきません。しばらく歩いていると、 「もしもし ちょっと そこの ねこさん」 と声がしました。そしたら木の影から3人の子供たちが顔を出しました。子どもたちによると村人は妖怪に食べられてしまい、子どもたちは今夜食べられてしまうらしいのです。 ニャントさんはその話を聞き、自分が妖怪退治をすることを子どもたちと約束しました。さて、ニャントさんはどんな方法で妖怪を退治するのでしょう? 和のテイストを感じるクラシカルな絵が、どこか懐かしくもあり安心して読み進めることができます。 【丈太郎のひとりごと】 僕が個人的にも好きな高部晴市さんの絵本です。高部晴市さんの絵は色調が落ち着いているにも関わらず、お話はカラフルでユニークさを感じます。 この絵本も妖怪の退治の仕方が「それで退治するの?」と、笑ってしまいます。 「これぞ絵本!」と言うような、オーソドックなテイストが素晴らしい絵本です。
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『こびとのおうち』
¥1,650
鬼頭 祈/作 32P WAVE出版 【なんでも家にしてしまう、こびとの旅!】 こびととりすが旅をします。最初にどんぐりを見つけました。 「カリカリ トントン よいしょ よいしょ」 どんぐりがお家になりました。そしてちょっと休んで出かけます。次は積み木を見つけました。 「つみつみ ふむふむ よいしょ よいしょ」 積み木がお家になりました。そしてまたちょっと遊んで出かけます。こうして旅の途中で見つけたラムネ、本、いちご畑など、あらゆるものをお家にしながら旅は続きます。 そして何もないところに来て、 「ほりほり さらさら ほりほり さらさら〜」とどんどん地面を掘っていくと、、、。 黄色を基調としたセンスの良い配色で、可愛いながらもどこかクールな感じもする絵は、「次はどんな家になるのだろう?」と、読者を次のページをめくるワクワク感を演出しています 【丈太郎のひとりごと】 お話がとてもシンプルで繰り返しの気持ち良さを感じます。擬音語もたくさん使われているので、子どもたちも楽しく読むことができるでしょう。 そして、なんと言っても絵が素晴らしい!すごく軽やかに描かれているようで、細部までしっかりと表現されていて、バランスが良いです。そして、「遊び心」をとても感じます。 そして、この絵本自体がとてもクール!「絵本」という媒体に媚びてない、つまりは読み手となる子どもと「対等」な位置にあると思います。